目立たない歯列矯正はある?透明な治療装置は?メリットと注意点を解説!
歯列矯正といえば「金属の矯正器具が目立つ」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。いくら治療のためにはいえ、あまりにも目立つ装置での治療は避けたいですよね。
しかし、歯列矯正の装置には「目立ちにくい」「見えない」方法があることをご存じでしょうか。
今回は、目立たない歯列矯正について解説します。透明な矯正装置のメリットや注意点もあわせて解説するので、目立たない歯列矯正を検討している方はぜひ参考にしてください。
目立たない歯列矯正の種類
もっともメジャーな矯正器具に、金属の装置を歯の表面に取り付けるワイヤー矯正があります。「歯列矯正」と聞いて想像する方も多い矯正装置といえるでしょう。歯の表側の目立つ部分に、金属製の矯正装置を固定するため歯の色と馴染まず、矯正治療中であることが周囲の人に気づかれやすい特徴があります。
しかし、近ごろでは目立ちにくい透明の装置や、マウスピース型の矯正装置が普及しています。ここでは、目立ちにくい矯正装置の種類について解説します。
ホワイトワイヤー矯正
ホワイトワイヤー矯正は、金属のワイヤーにホワイトコーティングしたものです。歯の色とよく馴染み目立ちにくい特徴があります。透明やセラミックの審美ブラケットとの併用で、より目立ちにくくなります。
裏側矯正
裏側矯正とは、歯の裏側に固定式の装置を取り付けて歯を動かす矯正装置です。装置には金属製のものを使用しますが、すべて歯の裏側に取り付けるため、大きな口を開けない限り周囲の人から見えることはありません。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明マウスピース型の装置を段階ごとに取り替えながら装着し、少しずつ歯を動かしていく矯正装置です。
ホワイトワイヤー矯正のメリットと注意点
ホワイトワイヤー矯正は、表側矯正に使用される装置です。費用や適応症例などを、以下の表にまとめました。
費用 | 60~120万円 |
---|---|
治療期間 | 2年ほど |
矯正力 | 高い |
適応症例 | ほとんどの症例に適応 |
取り外し | 不可 |
ホワイトワイヤーの費用は、矯正治療の基本料金に含まれている医院もあれば、オプションとしてメタルワイヤーから追加費用を支払って変更する医院もあります。また、治療の一部過程でホワイトワイヤーを適用できないケースもあるため、希望する場合は事前に確認しておきましょう。
ホワイトワイヤーのメリット
ホワイトワイヤーは、歯の色とよく馴染むため、表側に装着しても目立ちにくいメリットがあります。ワイヤーを通すためのブラケットにも、透明なクリアブラケットや、セラミック製のものがあり、これらと組み合わせることでより目立ちにくくなるでしょう。
他の矯正装置に比べると適応範囲も広く、費用を抑えられるため、希望する方が多い矯正装置といえるでしょう。
ホワイトワイヤーの注意点
一方で、ホワイトワイヤーはメタルワイヤーに白色のコーティングがされた装置のため、歯磨きや食事内容によってコーティングが剥げてしまうことがあります。ワイヤーを取り替えるまでは、メタル部分が目立ってしまうこともあるでしょう。
また、治療の一部過程では、ホワイトワイヤーが適用されないことがあります。目立ってしまうメタルワイヤーと併用するケースもあるため、気になる方は事前に医師へ確認しておくとよいでしょう。
裏側矯正のメリットと注意点
裏側矯正は、歯科では「舌側矯正」「リンガル矯正」ともいわれます。高い技術が必要な治療ですが、適用症例が多く矯正力にも優れています。費用や適応症例などを、以下の表にまとめました。
費用 | 80~150万円 |
---|---|
治療期間 | 2年ほど |
矯正力 | 高い |
適応症例 | ほとんどの症例に対応 |
取り外し | 不可 |
裏側矯正は、出っ歯などの前歯を後方へ引き下げる治療を得意としています。また、目立ちやすい上顎を裏側、下顎は表側に装置を取り付ける(ハーフリンガル)と、費用を抑えることもできます。
舌側矯正(裏側矯正)のメリット
歯の裏側に装置を取り付けるため、口元の印象を変えずに矯正治療を進められることが最大のメリットです。人前にでる機会の多い職業や、見た目に気を使っている方に向いているでしょう。
また、裏側矯正ではだ液の自浄作用を受けやすいため、表側矯正に比べて虫歯になりにくいメリットもあります。
舌側矯正(裏側矯正)の注意点
裏側矯正は、デコボコしている歯の裏側に装置を取り付けるため、一人ひとりの歯の形に合ったオーダーメイドの矯正装置を作成して治療を進めます。そのため、装置の作成に時間や手間がかかることから、他の矯正方法に比べて費用が高めに設定されています。
また、他の矯正方法とは異なる歯の動きをするため、医師の高い技術と深い知識が必要な矯正方法です。そのため、一部の医院では裏側矯正に対応していないこともあるでしょう。
マウスピース矯正のメリットと注意点
マウスピース矯正は、目立ちにくく取り外しができる矯正方法として人気を集めています。費用や適用症例などを、以下の表にまとめました。
費用 | 30~100万円 |
---|---|
治療期間 | 2~3年ほど |
矯正力 | ワイヤー矯正に少し劣る |
適応症例 | 軽度~中度、症例により重度も適応可能 |
取り外し | 可能 |
軽度の症例であれば、費用や治療期間をグッと抑えられるでしょう。取り扱っている医院が限られるため、マウスピース矯正を希望する場合は、事前に確認する必要があります。
マウスピース矯正のメリット
マウスピースは透明度の高い医療用プラスチックを使用するため目立つことはほとんどなく、日中に装着していても気づかれにくいメリットがあります。また、いつでも自分で取り外せて、食事や歯磨きはこれまでと同じように行えます。
さらに、1枚のマウスピースで歯が動く量は0.25mmと少ないため、痛みを感じにくいメリットもあります。痛みに敏感な方、矯正治療中の見た目が気になる方に向いているでしょう。
マウスピース矯正の注意点
一方で、マウスピース矯正は適用できる症例が限られています。比較的軽度~中度の症例に適用しているため、重度の症例では場合によってワイヤー矯正と併用するケースもあるでしょう。骨格に異常がある歯並びや、外科手術が必要な症例には適用できません。
また、マウスピース矯正は自分で取り外しができる反面、自分で装着時間の管理をしなくてはなりません。徹底した自己管理ができていないと、矯正治療がスムーズに進まなかったり、失敗したりするケースもあるため注意しましょう。
まとめ
目立たない矯正装置について解説しました。近ごろでは、金属製の装置だけでなく、見た目に配慮された矯正装置がたくさんあります。複数の選択肢のなかから、それぞれのライフスタイルや予算にあわせて治療方法を選択できるようになりました。症例によっては希望する装置での治療が難しい場合もあるため、医師とよく相談して最適な方法で治療を進めるようにしましょう。
海岸歯科室では、歯列治療に関する不安や疑問に耳を傾け、患者さんの立場に立つ対応を心がけています。また、取り扱っている矯正器具は、見えにくく取り外しが可能なマウスピース型矯正装置です。矯正専門医が一人ひとりに最適な治療計画を作成しているため、目立たない歯列矯正でお悩みの方、マウスピース矯正を検討している方は、お気軽に海岸歯科室へご相談くださいませ。
監修:理事長 森本 哲郎