ストローマンインプラントとは何?その特徴とメリットを紹介します
- 2024年1月12日
- コラム
歯科治療の分野では、インプラント治療が革新的な解決策として注目されています。
その中でも、「ストローマンインプラント」と呼ばれるものが。はその高い品質と先進的な技術で知られ、多くの患者に選ばれています。
インプラントに興味のある方ならこの名前を聞いたことがあるかも知れませんが、では一体このストローマンインプラントとは、どんなものなのでしょうか。
今回は、ストローマンインプラントに就いての概要や特徴、注意点に焦点を当て、患者が最適な治療選択を行うための情報をお伝えしていきます。
ストローマンインプラントとは?
ではまずストローマンインプラントとは一体何のことを指すのかについて、見ていきましょう。
インプラントのメーカーのひとつ
ストローマン(Straumann)はスイス発祥の歯科医療機器メーカーで、その歴史は100年以上にわたります。
同社は高品質な歯科製品を提供し、歯科医療の分野で世界的なリーダーシップを築き、特にインプラントの製造においては、革新的な技術と信頼性が多くの歯科医師や患者に支持されているのです。
つまりこのストローマン社が提供するインプラントが、ストローマンインプラントと呼ばれるわけです。
世界No.1のシェアをもつ
世界中の歯科医療機関や患者から信頼され、使用されているストローマンインプラントは、その市場シェアにおいて世界No.1を誇ります。
高い成功率と確かな品質により、多くの歯科医師がストローマンの製品を選択し、患者に対して安心感を提供しているのです。
デザイン性に優れる
ストローマンインプラントは、インプラントとして自然な歯との調和を追求したデザインが特長的です。
その形状やサイズの豊富なバリエーションにより、患者の口内の状態や治療計画に最適な選択が可能となり、自然な見た目と高い機能性を兼ね備えています。
手術の回数が少ない
ストローマンインプラントの手術は、患者さんそれぞれの状態や治療計画に応じてカスタマイズされます。
一般的には、専門の歯科医師が行う手術が一回で済みインプラントが患者さんの骨に確実に埋まります。
治療期間は、1ヶ月半〜3ヶ月
治療期間は患者さん個別の状態によりますが、一般的にはインプラントの埋入後、骨との結合を待つ期間などを期間を含めて、1ヶ月半〜3ヶ月程度となっています。
この治療期間の短さもストローマンインプラントの特徴と言えるでしょう。
ストローマンインプラントの特徴は?
ではさらに、ストローマンインプラントがどんな特徴を持っているかを詳しく見ていきましょう。
材質的に長期的に安定している
ストローマンインプラントが材質的に長期的な安定性を提供するためには、いくつかの重要な要素が組み合わさっています。
まず第一に、ストローマンインプラントは高品質なチタン合金が使用されており、この材料は生体適合性が非常に高いめ、体内での適応性に優れています。
さらにチタンを使用することによって金属アレルギーのリスクが低いため、患者が安心して治療を受けられる基盤を提供しています。
たんにチタンを使用しているだけではなく、ストローマンインプラントは骨組織との優れた結合を促進するために特別な表面処理が施されています。
これにより、インプラントがしっかりと骨と統合しやすくなります。結果として、インプラントが確実に安定しますので、患者さんに安心感をもたらすことでしょう。
ストローマンインプラントの設計自体にも生体への親和性が考慮されており、体内での適応性を最大限に引き出すように工夫されています。
骨伝導性によりフィット感が強い
ストローマンインプラントの特徴のひとつとして、「骨伝導性によりフィット感が強い」という点が挙げられます。
この特性は、インプラントが骨組織と効果的に結合し、その結果、患者に強固で自然なフィット感を提供する重要な要素となります。
骨伝導性とはインプラントが骨により密着し、その部位で生体組織と一体化する能力のことを指します。
ストローマンインプラントはこの骨伝導性に優れており、骨とのしっかりとした結合を促進し、インプラントが確実に固定されるので、周囲の組織とのフィット感をもたらします。
患者さんにとってはこの強力なフィット感が、日常生活での噛む力や快適な使用感に繋がります。
骨伝導性の強化により、インプラントが長期間にわたって安定して機能することが期待されるので、患者さんの治療成果や生活の質の向上に影響する重要な要素となっています。
周囲炎の発生が低い
「周囲炎」は炎症が特定の部位や組織の周囲に広がっている状態を指します。歯科の文脈では、歯周組織に炎症が生じた状態を指すことが一般的です。
この周囲炎はインプラント治療にとって問題になる要素のひとつとなります。
しかしストローマンインプラントの特徴として、「周囲炎の発生が低い」という点が挙げられます。
周囲炎は、インプラントが周りの組織との接触によって引き起こされる炎症の一形態です。
ストローマンインプラントはその特殊な設計と表面処理により、組織との相互作用が最小限に抑えられ、周囲炎が発生する可能性が低減されています。
この特徴により、患者さんはインプラント治療後においても炎症による不快感や合併症の発生リスクが減少し、安定かつ健康的な治療結果が期待できます。中見出し H2 なぜストローマンインプラントが人気なのか
安全性、信頼性が高い
ストローマンは歯科医療機器メーカーとしての長い歴史を持ち、製品の品質管理においては非常に厳格な基準を守っています。
そのため患者さんに提供されるインプラントは高品質な素材と精密な製造プロセスに裏打ちされており、その信頼性は世界中の歯科医師や患者から高く評価されています。
この信頼性の背後には、安全性への取り組みがあります。ストローマンインプラントは患者の健康を最優先に考え、材料の選定から製造、使用に至るまで安全性を確保するための徹底的な検査が行われています。
患者さんが治療を受ける際に安心感を持てるよう、品質と安全性の確保に向けた努力が惜しまれていません。
親和性が高い
ストローマンは、患者の体内で安全かつ自然な適応を促進するために生体適合性に優れた材料を厳選しています。この材料の選定により、患者の免疫反応やアレルギーのリスクが最小限に抑えられ、治療の安全性が向上します。
結合スピードが速い
ストローマンインプラントが人気を博している理由の一つとして、「結合スピードが速い」という特長が挙げられます。
ストローマンはインプラントの表面処理において、最先端の技術でインプラントの表面が最適化されているため、骨組織との結合が速やかに進みます。
さらにインプラントの素材と設計は、骨組織との効果的な相互作用を促進し、骨との結合が迅速かつ強固に形成されます。患者は治療後においてもインプラントがしっかりと安定し、早期に噛み合わせや口腔機能が回復できることも患者さんに選ばれる理由と言えるでしょう。
ストローマンインプラントにデメリットはあるのか?
しかしストローマンインプラントはこれほどのメリットがあるのだから、何らかのデメリットがあるのではと考えてしまうかも知れません。
もちろんストローマンインプラント2もいくつかのデメリットがあります。
では一体どのようなデメリットがあるのでしょうか。順を追ってみていきましょう。
治療費が高くなる場合も
一般的に、ストローマンインプラントは高品質な素材と最新の技術を使用しており、これに伴い治療費が高くなる傾向があります。
高度なカスタマイズと手術の複雑性により、通常のインプラントよりも手間がかかることもあり、そうなるとそれが費用の増加につながります。
外科手術が必須となる
ストローマンインプラントでは、患者の口腔状態に合わせてインプラントを適切な位置に配置するために外科手術が必要となる場合があります。
といっても原則的にインプラント治療には手術がつきものですから、これはストローマンインプラント特有のデメリットというわけではありません。
むしろストローマンインプラントは結合期間がほかに比べて短いため、その分治療期間が短くなるのです。
海外製のため日本人には大きい場合も:
一部の患者さんにとって、ストローマンインプラントが海外製であることが懸念材料となるかも知れません。
というのも、日本人の口腔構造や外見的な好みとの違いから、海外製のインプラントが合わないと感じる場合があるかもしれないからです。
ストローマンインプラントは海外製のためサイズとして最短6mmというものとなっているため、人によってはこれがサイズ的に大きすぎて使えないというケースもあるのです。
当然ですがそのような理由で使えない場合は事前に医師からその旨伝えてもらえるはずですが、口の中のサイズが小さいと感じている人は一度事前に確認しておいた方が間違いないでしょう。
ストローマンインプラントが使えない場合はどうする?
さてではこのストローマンインプラントが何らかの理由で使えないという場合、インプラント治療をするためにはどのような方法があるのでしょうか。
症例によっては他の治療法を検討する
特定の症例や制約がある場合、インプラントが適さないことがあります。このような場合には、他の歯科治療法を検討することになります。
例えば、ブリッジや入れ歯などの代替手段があるかもしれません。
あるいは、ストローマンインプラント以外のインプラントを利用して治療できることもあります。
まとめ
ストローマンインプラントは世界でNo.1シェアを誇るインプラントの種類の名前となり、高機能でフィット性も高い人気のインプラントです。
材質としてチタンを使っているため人体になじみやすく、さらに治療期間も短縮できるため患者さんにとってのメリットもたくさんあります。
しかしその一方でコスト的な問題などもありますので、インプラント治療を始める前にまずは歯科医と相談し、ストローマンインプラントが最適かどうかをしっかり見極めることも大切になります。
監修:理事長 森本 哲郎