仮歯とは?必要な理由は?役割や値段、注意点を徹底解説
歯の治療を行う際に用いられる仮歯ですが、初めて治療する方にとっては仮歯がどんなものかわからない方もいるのではないでしょうか?
仮歯は、歯の治療によって空間ができた部分に差し込みます。長期間に渡り行われる歯の治療には欠かせないものですが、なぜ仮歯が必要なのか理由も知りたいはずです。
そこでこの記事では、仮歯の特徴についてご紹介し、必要な理由や役割なども解説します。
そもそも仮歯ってなに?
冒頭で伝えた通り、仮歯は治療によって空間ができた部分に装着するものです。虫歯などで歯を削る・欠損するなどでできた隙間を埋め、細菌の繁殖防止や審美性の向上の役割があります。
補綴物(ほてつぶつ)が完成するまでの期間に仮の歯として活用され、インプラント治療でも上部構造である補綴物が完成するまでに使われます。
仮歯は樹脂でできており、耐久性はそこまで優れていません。固いものや粘着性のあるものなどを食べると、破損の原因となるため注意が必要です。
仮歯が必要な理由4選
仮歯は大切な歯を守る使命があるため、歯の治療には欠かせません。仮歯が必要な理由は以下の4つです。
①むし歯を防ぐため
②外部の刺激から保護するため
③理想の歯並びを実現させるため
④歯の移動を防止するため
順番に解説します。
①むし歯を防ぐため
仮歯を装着する理由として、むし歯を防ぐ効果があります。
歯の表面にあるエナメル質はむし歯に抵抗する作用があるのですが、その内側にある象牙質(ぞうげしつ)はむし歯に対する抵抗性があまりありません。
エナメル質が薄い状態でかつ、象牙質が出たまま歯の治療が続く場合、仮歯がないと治療中の歯の内側に唾液と一緒に細菌が入ってしまうのです。
細菌が入ると汚れが溜まりやすくなり、細菌が繁殖してしまい、虫歯の元になります。仮歯は、治療中の歯にむし歯ができるのを防止する役割があるのです。
②外部の刺激から保護するため
治療中の歯は剥き出し状態になるため、外気や歯ブラシの刺激を直に受けたりなどの刺激を受けやすくなります。
このように、外部刺激を受けると細菌が入り込み繁殖してしまうリスクがあります。口内環境が悪化してしまい、生活に支障をきたしてしまうことにもなりかねません。
仮歯を入れた場合、これらの外部刺激から治療途中の歯を守ることが可能です。
③理想の歯並びを実現させるため
前歯が欠けていたり無かったりすると、見た目は決していいとは言えません。審美性がなく、第一印象が悪く見えることもあります。
特に治療期間は長い傾向にあるため、治療中に人に会うケースも多いでしょう。そんな時に仮歯があれば、通常の歯と変わらないように見せられるため、人前に出ても見た目を気にする心配も軽減できるでしょう。
これにより、仮歯を装着すれば審美性を回復させる効果が期待できます。
④歯の移動を防止するため
歯は毎日少しずつ移動するものです。もし仮歯がなければ、歯がないスペースに隣の歯が倒れてきたり、対になる歯が伸びてきたりするため、噛み合わせが悪くなる恐れがあります。
仮歯は、歯が動いてしまわないように固定する役割もあります。仮歯を装着すれば、最終的なかぶせ物が仕上がるまでの間に歯が動いてしまうリスクを防げるのです。
理想の歯並びを手に入れるためには、仮歯は必要なアイテムといえるでしょう。
仮歯はいつまで装着する?
審美性を回復させたり外部からの刺激を防いだりなどの役割を果たす仮歯ですが、いつまで装着すればいいのかわからない方もいるでしょう。
結論から伝えると、仮歯をつけている期間は歯や歯茎の状態によって異なります。最終的なかぶせ物が仕上がるまでの期間の仮歯の場合は、2週間程度の期間で済みます。
ただし、歯の根の治療が必要な場合や歯周病が悪化している場合、数ヶ月以上かかる可能性もあるため、詳しい期間は医師に確認するべきでしょう。
仮歯の値段はどのくらい?種類別の費用相場
歯の治療を行う際、仮歯の値段も気になりますよね。一般的には治療部位や内容、使用する仮歯の種類によって異なります。
ここでは、以下2つの治療の場合の費用をご紹介します。
- セラミック矯正治療の場合
- インプラント治療の場合
順番に解説します。
セラミック矯正治療の場合
セラミックの矯正治療の場合は、1本あたり2,000円〜1万円が相場です。
セラミック治療では、むし歯を含む失った歯質を天然歯と同じ色・質感のセラミックで補います。
むし歯治療だけでなく、過去に金属で修復した部分の交換、変色している歯の治療、歯並びや歯の形態の改善などの治療時にも対応しています。
セラミック治療では、本数を一度にまとめて被せ物にする場合が多いです。仮歯でも本数まとめると費用が重なるため、各医院の費用を確認しておきましょう。
インプラント治療の場合
インプラント治療の場合は、5,000円〜2万円程度が相場です。セラミック治療の仮歯よりも相場は若干高めに設定されています。
インプラント治療は、失った歯を補うための治療方法です。埋め入れたインプラントに人工歯を結合させるまでの期間に、仮歯が必要となります。施術が完了するまでには数ヶ月かかると言われているため、仮歯の手入れはしっかりと行いましょう。
仮歯を装着する際の注意点
長い歯の治療期間に仮歯は欠かせませんが、仮歯を装着する上で注意するべきことがあります。
ここでは、仮歯を装着する際の注意点を2つご紹介します。
- 硬いものは口にしない
- 定期的にメンテナンスを行う
順番に解説します。
硬いものは口にしない
仮歯は、治療途中の歯に合わせるため、修正しやすいようにプラスチックで作られています。
耐久性に強くなく、硬いものを食べてしまうと咬合時に割れたり欠けたりする恐れがあります。
仮歯を壊してしまうと修理する羽目になり、手間と労力をかけてしまいます。仮歯を装着している期間は、硬いものを食べるのは控えましょう。
定期的にメンテナンスを行う
そもそも仮歯は、治療中の歯を補うために装着するもので、長期間つけるものではありません。
審美性が回復するあまり、つい放置してしまいがちですが、定期的にメンテナンスを行う必要があります。
メンテナンスを怠ると、隙間から虫歯になったりかみ合わせが変化したりする恐れがあります。
口内環境を清潔に保つためにも、仮歯を定期的にメンテナンスしましょう。
仮歯を装着する前に歯科医院に相談しよう
本記事では、仮歯の特徴についてご紹介し、必要な理由や役割なども解説しました。
仮歯は、歯の治療によって空間ができた部分に装着し、外部の刺激から保護する役割や審美性を向上させるなどの役割を果たします。
歯の治療は長期間に渡り行われる傾向があるため、仮歯を利用する際は定期的にメンテナンスを行う必要があるでしょう。
海岸歯科室では、矯正治療に対応している歯科医院です。治療前の丁寧なヒアリングにより、患者様にとって最適な治療を提供します。
矯正治療を検討される方には、お口の中の状況を正確に把握しつつ、今ある健康な歯を守るにはどうしたら良いのか考えながら立案した治療計画を立てます。
手術後のアフターフォローも丁寧に対応するため、矯正治療を検討している方はぜひご相談ください。
監修:理事長 森本 哲郎