歯槽膿漏(歯周病)と口内口臭の関係とは?歯槽膿漏による臭いを解説
- 2024年3月22日
- コラム
歯槽膿漏は歯周病が進んだ状態のことを差します。歯槽膿漏になると、歯と歯茎のあいだの歯周ポケットが大きくなり、そこに歯垢(プラーク)が溜まりやすくなるのです。その歯石に細菌が溜まり、臭いの元であるガスを発生させます。
このガスが、歯槽膿漏の臭いの原因となるのです。
今回は、そんな歯槽膿漏の臭いの原因と対策方法について詳しく解説していきます。
歯槽膿漏による口臭の原因とは?
歯槽膿漏になると歯と歯茎の間の歯周ポケットが広くなり、歯磨きなどのケアが行きわたりにくくなります。
その結果、歯周ポケットに歯石が溜まりやすくなり、細菌が増殖。その細菌がガスを発生させて、口内の臭いがきつくなってしまうのです。
歯周ポケットが広くなり歯石(プラーク)が溜まると…
歯周ポケットが広くなり、歯垢が溜まると様々な細菌がそこで繁殖します。そして、その細菌が発生させる硫黄化水素やメチルメルカプタンといったガスが、口臭を悪化させるのです。
また、歯垢はほっておくと石灰化して歯石になります。歯石に臭いはありませんが、歯石の表面はザラザラしており歯垢がつきやすいため、臭いを悪化させるもとになってしまうのです。
メチルメルカプタンが発生し、強力な臭いの原因に…
特に最近が発生させるガスの中でも毒性が強いものがメチルメルカプタンだといわれています。メチルメルカプタンは硫黄化水素、ジメチルサルファイトと並んで、口内の口臭の原因とされています。
また、メチルメルかプタンは強力な臭気が特徴で、悪臭防止法や大気汚染防止法でも規制物質・特定物質として指定されているぐらいです。
歯槽膿漏が進行すると口内のメチルメルカプタンが増えていき、話している相手がすぐに気がつくほどの悪臭を発するようになるのです。
また、メチルメルカプタンは歯槽膿漏を進行させる要因のひとつともされています。
膿が出ても臭いが増大!
歯槽膿漏が進行すると、歯茎から膿が出るようになります。この歯茎の膿にも、メチルメルカプタンは含まれているのです。そのため、口腔内の残った食べカスと混ざることでさらに強烈な臭いを発することになります。
歯茎から膿が出ている場合は、歯槽膿漏がかなり進行している可能性があります。早めに歯科医院を受診し、治療に勤めましょう。
歯槽膿漏の臭いはどのようなものなのか?
歯槽膿漏による臭いは細菌が発するガスが原因です。そのガスの種類によっても臭いは違ってくるそうです。そして、その臭いの違いにより、自分の体の異変を知ることもできます。
ここでは、歯槽膿漏の臭いはどのようなものがあるのかを解説していきます。
腐ったタマゴのような臭い
腐ったタマゴのよう臭いがする場合、その臭いの原因は硫化水素と考えられます。硫化水素は、歯垢だけでなく舌苔にも発生するといいます。
舌苔とは、舌の表面にコケのように付着している白色や黄褐色の汚れのことです。歯磨きによる磨き残しや唾液の分泌量が減ると、舌苔が付着しやすくなるといわれています。
腐った玉ねぎのような臭い
腐った玉ねぎのようなにおいがする場合、ニオイの原因はメチルメルカプタンで間違いないでしょう。メチルメルカプタンは歯槽膿漏を悪化させる要因のひとつとも考えられるガスです。
腐った玉ねぎのような臭いが口内からしたら、歯科医院に行って検査を受けましょう。
生ごみのような臭い
生ごみのような臭いの原因は、ジメチルサルファイドであると考えられます。ジメチルサルファイドは海苔などにも含まれており、軽微な生臭さとして感じる人もいるそうです。
ジメチルサルファイドは消化器系の疾患によっても発生します。この場合、歯槽膿漏以外の全身疾患の可能性も出てきます。生ごみのような臭いが口内からする方は医療機関への受診をお勧めいたします。
自分でできる歯槽膿漏の臭いのチェック
自分の口臭にはなかなか気がつけないものです。でも、臭いが気になる場合は、どうしたらいいのでしょうか?
こちらでは、そんな方のために歯槽膿漏の臭いチェックについて解説していきます。
コップや袋を使用する
未使用のコップやビニール袋に息を吹きかけ、臭いをかぐことで口内の臭いチェックが簡単にできます。
使用済みのデンタルフロスの臭いをかぐことも、臭いチェックにおいては有効です。
乾いた唾液の臭いを嗅ぐ
手を洗って清潔にした後、舌の上や歯と歯茎の間を指でさわり指先についた唾液の臭いをかぎます。本来、唾液にはほとんどにおいがありません。
もし、唾液に臭いがあるようなら、かなり口臭がきつくなっている証拠になります。
口臭チェッカーを使う
口内チェッカーはメーカーや種類によって値段も様々ですが、数千円で買えます。口内の臭いを視覚的にチェックできるので、口内チェックをするのにはもってこいの道具でしょう。
ただし、専門機関にあるようなチェッカーと異なり、空気中の臭いにも反応してしまうため正確なものばかりではありません。
細菌検査を受ける
細菌検査は採取した、歯垢や唾液に含まれる歯周病菌の量を調べる検査です。主に2種類から6種類の細菌の検出が可能といわれています。
細菌検査を受けて、歯周病菌が多量に検出された場合は、口臭が発生している可能性が高いでしょう。
歯槽膿漏の臭いはどのように予防できるのか?
歯垢で増殖した細菌が発生するガスが歯槽膿漏の臭いのもとであることはお話しました。では、この歯槽膿漏による臭いを防ぐにはどのようにすればいいのでしょうか?
歯槽膿漏になった場合、歯科医院に行って治療を受けることはもちろんですが、家でできる予防法やケアもあるはずです。
ここでは、歯槽膿漏の臭いのケアについて解説していきます。
就寝時や、起床時の歯磨きを念入りに
食後はもちろんですが、就寝時や起床時の歯磨きを念入りにすることも歯槽膿漏による口臭を防ぐセルフケアになります。
睡眠中は口の中の唾液が少なくなり、口内の細菌が増殖しやすくなります。そのため、寝る前と寝た後の歯磨きを念入りにすることで、細菌の増殖を防ぐことができるのです。
よく噛んでものを食べる
よく噛んでものを食べることは、唾液の分泌を促します。人は歳をとると唾液の分泌が少なくなり、歯槽膿漏などになりやすくなります。そのため、日頃からよくものを噛む習慣をつけておくといいでしょう。
歯間ブラシやデンタルフロスを使用する
歯磨きで磨き残しの多い居場所は、歯と歯の隙間です。しっかり磨いているつもりでも、歯間にある歯垢のせいで臭いが強くなることがあるのです。
それを防ぐためにも、歯科衛生士のアドバイスを受けて、自分にあった歯間ブラシや、デンタルフロスを使用することをお勧めします。
マウスウォッシュやマウススプレーを使う
臭いが気になる場合は出先でマウスウオッシュやマウススプレーを使用してもいいかもしれません。根本的な解決にはなりませんが、臭いが気になる場合一時的な対策としてこれらを使用して臭いを消すことができます。
舌を磨く
舌の上に舌苔という白かったり黄褐色の汚れがあると、臭いの原因になります。歯磨きのときに舌も一緒に磨くようにしましょう。舌専用のブラシ、タンクリーナーもありますので、それを利用してもいいでしょう。
口呼吸をしない
口呼吸が癖になっていると、口内の唾液が減少し細菌が増えやすくなります。細菌が増えると口内口臭の元であるガスを発生させてしまいます。なるべく、口呼吸はしないよう日頃から心がけましょう。
歯科医師で専門的なケア・治療を受ける
ここまで自宅などでできるセルフケアの方法を解説してきましたが、やはり根本的な解決法としては歯科医師で専門的なケアや歯槽膿漏の治療を受けることが大切です。
ここでは、歯科医院で受けられる口内ケアや、歯槽膿漏の治療について解説していきます。
定期的に歯のクリーニングを受ける
自宅のケアにはどうしても限界があります。そこでお勧めなのが、歯科医院で定期的に歯のクリーニングを受けることです。
クリーニングを受けることにより、より確実に歯周病の進行を抑制したり、予防することができるのです。
クリーニングは定期検診と合わせて受けられます。3カ月に1回ほどを目安に、歯科医院を受診してください。
歯周病治療を受ける
日常的にケアをしていても、歯周病になってしまうことはあります。もし歯周病になってしまった場合は、早めの検査と治療を受けましょう。
そうすることにより、歯周病が歯槽膿漏になることを防げるだけでなく、歯槽膿漏による口臭を予防することにも繋がります。
まとめ
今回は歯槽膿漏の口臭について解説していきました。
歯槽膿漏が進むと、歯周ポケットが深くなりそこに歯垢が溜まりやすくなります。その歯垢から細菌が大量に発生し、口臭に繋がるガスを発生させるのです。
この講習の代表的なものがメチルメルカプタンであり、歯槽膿漏を悪化させる要因のひとつとされています。
また、臭いによって細菌の種類が違うこと。口臭のチェック方法や、自宅でできるセルフケアなどについてもお話させていただきました。
1番の解決方法は、歯科医院で定期的なケアを受けたり、歯周病の治療を早い段階で受けることです。それにより、歯周病が歯槽膿漏になるのを防げるだけではなく、歯槽膿漏による口臭も防ぐことができるからです。
口内の臭いや、歯周病の治療を受けたい方は、是非とも海岸歯科室をご利用ください。一流の歯科医院があなたの歯を治療いたします。