矯正には裏側矯正と、表側矯正の2種類があります。その名の通り、表側矯正は表に器具をつけて歯を矯正する方法。裏側矯正は歯の裏側に器具をつけて歯を矯正する方法です。

表側矯正と違って目立ちにくく見た目も気にしなくていい裏側矯正ですが、お勧めできない理由もいくつかあります。

今回は裏側矯正のメリットとデメリットを比較しながら、裏側矯正をお勧めしない理由を解説していきます。

 

裏側矯正とはどのようなものなのか？

裏側矯正は、歯の裏側にワイヤーの矯正装置をとりつける矯正方法です。表側矯正と違い、他人にバレることなく歯を矯正することができます。見た目にも矯正していることがわからないため、裏側矯正について歯科医院に問い合わせをする方もかなりいるそうです。

ですが、この裏側矯正。たしかに見た目は気にならずその点はお勧めなのですが、そうでない部分もあるのです。

 

裏側矯正のデメリット

 

裏側矯正には、実のところいくつかのデメリットがあります。

矯正していることが目立たず、見た目にも治療していることが分かりにくい裏側矯正。ですが、意外にもお勧めできない理由がかなりあるのです。

そのデメリットについて、詳しく解説していきます。

違和感・異物感がある

 

裏側矯正は歯の裏側に矯正装置をとりつけます。そため、舌が装置に触れやすく違和感や異物感を強く感じることがあるのです。

また、舌が装置にふれることにより、傷ついたり口内炎ができることもあります。

この違和感は時間とともに薄れていくようですが、口の感覚が敏感な方は裏側矯正を控えた方がいいかもしれません。

 

費用が高い

 

裏側矯正の相場は、表側矯正の1.5倍ほどするといわれています。

表側矯正の費用が70万から100万のところ、裏側矯正は100万から150万と割高です。これには、施術する歯科医師に高度な技術が求められること。表側矯正では、既存の装置が利用可能なのに対し、裏側矯正の場合は患者さんのためのオーダーメイドの装置が必要などの理由があるそうです。

 

ものが食べにくい

 

裏側矯正には物が食べにくいというデメリットもあります。舌が矯正装置に当たるため、食事がしずらく食べ物が矯正装置にはまりやすいのです。特に麺類などの細い食べ物は矯正装置に絡まりやすく、肉や野菜などの繊維も矯正装置にはさまりやすいです。

矯正装置になれるまでは、食事の時間が不自由に感じられストレスになるでしょう。

 

発音がしづらくなる

 

裏側矯正は矯正器具が舌にふれるため、喋りにくさを感じることもあります。特に舌を歯の裏側につけるタやナの発音が難しくなったり、滑舌が悪くなる可能性もあります。喋る機会が多いい方は、そういった話しにくさがストレスになるかもしれません。

ただ、装置になれてしまえば、喋りにくさは改善していくでしょう。

 

口内のケアが難しい

 

取り外しが聞かない矯正装置の場合、歯磨きなどの歯のケアがかなり難しいものになります。特に裏側矯正は、鏡で矯正装置を確認できないため表側矯正よりも歯磨きの難易度があがってしまいます。

そのため、歯磨きが苦手な方や、虫歯がなどの口内トラブルが多い方に裏側矯正はお勧めできません。

矯正中はどうしても磨き残しが多くなるので、歯ブラシだけでなくデンタルフロスやタフトブラシなどを使ってより丁寧に歯を磨いていく必要があります。

 

裏側矯正でないとできない治療がない

 

歯の矯正の場合、裏側矯正でないと治療でいない症状がないというのもお勧めできない理由です。表側矯正と違って、費用も高く高度な技術が求められる裏側矯正。ですが、この方法でないと治せない症状というものはほとんどありません。

治療が目立たないことは最大の利点ですが、費用面などを考えても安く抑えられる他の治療方法を考えてもいいでしょう。

 

歯科医師の高い技術が必要

 

裏側矯正は表側矯正よりも歯科医の経験や高い技術力が必要になる治療法です。そのため、費用も割高になり歯科医院をきちんと選ばないと後悔するような結果になることあります。

裏側矯正をして後悔しないためにも、矯正専門の歯科医院で裏側矯正は受けましょう。

また、複数の歯科医院のカウンセリングを受け、経験した症例などをみせてもらうのもいいかもしれません。そうすることによって、信頼できる歯科医を見つけることができるはずです。

 

治療期間が長い

 

治療期間が表側矯正と比べて長いことも、裏側矯正がお勧めできない理由です。表側矯正よりも裏側矯正の治療期間は、3カ月から半年ほど長くなる傾向があるといわれています。

理由として、矯正方法の難易度が高い。矯正装置の作成に時間がかかる。装置が小さくワイヤーも細いため、歯が動く速度がゆっくりだということがあげられます。

 

裏側矯正のメリット

 

ここまで裏側矯正のデメリットについてお話してきました。

ですが、裏側矯正もきちんとした矯正方法の一種であり、裏側矯正を選ぶメリットももちろん存在します。ここでは、裏側矯正のメリットについて解説していきます。

 

治療していることがバレにくい

 

裏側矯正のメリットといったら、なんといっても矯正装置が目立たず治療していることがバレにくいことですね。歯の表側に矯正装置とワイヤーを設置する表側矯正と違い、裏側矯正は歯の裏側にワイヤーをとりつけます。そのため、他人から矯正装置は見えません。

周囲の視線を気にすることなく矯正を始められるので、人前に出る機会の多いい方にはお勧めの矯正方法でもあります。

 

装置跡が見えない

 

ワイヤーを使った矯正方法では、装置を外すときにどうしても跡が残ってしまいます。表側矯正と違い裏側矯正は、装置を歯の内側につけるので装置をつけた痕が見えることはありません。

歯の見た目を気にすることなく矯正をおこなうことができるのです。

 

表側矯正より虫歯になりにくい

 

裏側矯正は、表側矯正よりも虫歯になりにくいといわれています。

理由は大きく2つあり、歯の裏側は表よりもエナメル層が厚く虫歯菌が作り出す酸への抵抗力が高いことがあげられます。もうひとつの理由は歯の内側は唾液の循環がよく、虫歯の原因になるカスなどを洗い出しやすいことが理由だとされています。

 

食事の食べカスが気にならない

 

表側矯正の場合、ワイヤーに食べ物が詰まる光景を口を開くたびに見られることになります。その点、裏側矯正は、矯正装置が裏側についているので、食べカスが詰まったとしても人の目を気にする必要がありません。

食事中に食べカスが詰まった光景を人に見られることがないため、安心して食事ができるといえるでしょう。

 

舌癖が防止でき、後戻りしにくい

 

歯並びが悪くなる原因のひとつに、舌で歯を押してしまう舌癖があります。

舌癖があると、出っ歯などの不正咬合を引き起こしたり、矯正により整った歯並びを後戻りさせてしまう可能性も考えられます。

その点、裏側矯正は、歯の裏側に矯正装置がつくので舌で歯を押す舌癖を抑制する効果が期待できるのです。

 

裏側矯正を受けて後悔しないために

 

ここまで裏側矯正のデメリットとメリットについて語りました。治療費が高額になったり、治療期間が遅くなる。歯のケアがしにくいなどのデメリットが裏側矯正にはあります。

ですが、目立ちにくかったり、舌癖を抑制するメリットも裏側矯正にはありました。

では、裏側矯正を実施する場合は、どのような点に気をつければいいでしょうか？

その点について詳しく解説していきます。

 

歯科医師のカウンセリングで不安なことを徹底的に聞く

 

まず、歯列矯正を始めておこなう場合は、わからないことをカウンセリングの時点で徹底的に聞きましょう。どんな小さな疑問や不満に感じることでも、質問しておくことがポイントです。

そうすることにより、不安を解消し治療におけるトラブルを防止することができます。

特に裏側矯正は治療が長期間になる矯正方法です。

きちんと質問に答えてくれる親切な歯科医を選ぶことも、治療を上手く勧めるポイントのひとつといえるでしょう。

 

治療方法をきちんと理解する

 

徹底的にカウンセリングで質問した後は、きちんと自分が受ける治療法について理解しているかを確認しましょう。

裏側矯正を受ける場合、目立たないなどのメリットはありますが、治療期間が長期に及ぶ。口内に違和感を覚えるなどデメリットも少なからずあります。

自分が受ける治療方法のメリットとデメリットをきちんと理解し、治療に挑みましょう。

 

技術と実績を持った歯科医師を選ぶ

 

すべての治療にいえることですが、きちんとした技術と経験を積んだ歯科医師を選ぶことも大切です。

料金の安さや、家から通いやすい歯科医院もたしかに魅力的ではあります。

ですが、裏側矯正は高い技術力と経験が求められる治療方法。費用は多少高くなってもいいから、裏側矯正専門の歯科医院に通うことをお勧めします。

 

マウスピース型矯正のすすめ

ここまで裏側矯正を受けて後悔しないためにやっておくべきことを解説しました。でも、裏側矯正以外に周囲に矯正していることがバレにくい矯正方法はないのでしょうか？

そこでお勧めなのがマウスピース型矯正です。とくに、目立たない透明なマウスピースを使用していれば、裏側矯正のように目立つことなく矯正をおこなえます。

マウスピース型矯正は取り外しも可能で、ワイヤー矯正に比べて痛みが少ないのも特徴です。

目立たない矯正を望む方は、マウスピース型矯正も選択肢の中に入れておくといいかもしれません。

 

まとめ

 

ここまで、裏側矯正のメリットとデメリットについてお話しました。裏側矯正は専門的な技術が必要なため治療費も高く、治療のために矯正装置をオーダする必要も出てくるため治療期間も長くなります。その反面、目立たず、舌癖などの防止になるメリットも備えていましたね。

裏側矯正を受ける場合は、きちんとカウンセリングを受け治療方法を理解しましょう。そのうえで、信頼できそうな技術と経験のある歯科医院を選ぶことが大切です。また、目立たない矯正にはマウスピース矯正もあります。

海岸歯科室では、マウスピース矯正もおこなっております。歯科矯正をご希望の方は、是非とも当歯科医院をご利用ください。