差し歯とブリッジ。そのメリットとデメリットを徹底比較
- 2024年5月17日
- コラム
よく歯の治療で用いられる差し歯とブリッジ。この2つにはどのような違いが存在するのでしょうか?今回は差し歯とブリッチの違い。それぞれのメリット・デメリットを解説していきます。
差し歯とブリッチの違いとは?
虫歯などで歯を失った場合、見た目の問題や機能的な問題から歯を作る必要があります。そのなかでよく用いられるのが差し歯とブリッジです。
差し歯は歯に土台を入れて、その上から被せ物をしたものを差し歯。自身の歯を整えて、連結した状態で被せ物をするものをブリッジと呼びます。
この差し歯とブリッジの特徴やメリット・デメリットについて解説していきます。
差し歯とは
差し歯は、歯に土台を入れて被せ物をする方法のことです。
差し歯をおこなう場合は、自分の歯の根がしっかりと残っていることが必要になってきます。
例えば、骨縁下といった歯の下まで虫歯をとるために、歯を削るような状態の場合は、差し歯ができない可能性があります。
歯が残せる場合は、そこに歯の土台となるファイバーコアを立てて、セラミックなどの被せ物を被せます。
治療費は1本あたり3000円から1万円ほど。治療期間も2週間ほどと比較的短くてすみます。寿命は5年から8年で、被り物と自分の歯の色が違うなど、見た目が気になる部分もあります。
歯の根がない場合は、歯の根の代わりになるインプラントを埋入し、その上に差し歯を被せることもあります。
差し歯のメリット
差し歯の場合、基本的に保険が適応されるので費用を抑えて治療をすることが可能です。その費用は1本あたり3000円から1万円ほど。インプラント治療が保険適用外で、1本あたり20万から50万ほどすることを考えるとかなり安価です。
また、治療自体も大がかりなものでないため、2週間ほどと短い期間で治療が完了します。インプラントの場合は、最短で2ヵ月。長くて1年ほどかかるので、それに比べると治療期間も短くてすむと考えることができます。
差し歯のメリットをまとめると以下になります
・保険適応で治療費が3000円から1万前後と安価
・2週間ほどと治療期間が短い
差し歯のデメリット
保険適用の差し歯の場合、自分の歯と色味が異なる場合があり、見た目があまりよくない場合がでて来てしまうことがあります。
例えば、前歯に差し歯をした場合、この見た目の問題は顕著になります。
前歯はよく見える場所にあるため、歯列のズレや他の歯との違和感が治療後に分かり後悔する方もいるようなのです。
保険適用の差し歯の場合、表面は白いプラスチックでできており裏は金属です。
プラスチックの色は周りの歯と違って違和感が出てしまい、また着色もしやすく見た目が悪くなる場合もあります。
また、土台となる歯に虫歯などがある場合は、その虫歯を治療しないと被せ物をすることができません。
歯の根が残っていないと、差し歯ができないのもデメリットのひとつといえるでしょう。歯の根っこが割れていたり、歯周病が奥まで進んでいる場合も差し歯はできません。
差し歯は根っこの部分に大きく依存するものです。そのため、歯が短すぎたり割れているところに差し歯をしても、安定はしません。
差し歯のデメリットをまとめると以下になります
・差し歯と自分の歯の色味が違い審美性が損なわれる
・歯の根が残っていないと差し歯ができない
・虫歯などを治療してからでないと、装着できない
・歯が短かったり、割れている場所にしても安定しない
ブリッジ
ブリッジは、歯が1本あるいはそれ以上欠損している部位におこなう補綴方法です。差し歯と違い単独で歯に土台を入れ被せ物をする方法とは違い、橋渡しをするように被せ物をするのがブリッジの方法になります。
また、ブリッジでも支えにする歯が差し歯の場合があります。
もともと、差し歯が入っている歯を支えにしたり、支えにする歯が虫歯で根しか残ってない場合に、この方法が使われます。
ブリッジのメリット
ブリッジ治療は両隣の歯を土台にして被せ物をするため、手術の必要がありません。そのため、隣の歯との審美性を気にすることなく治療ができます。
保険適用の場合は費用も抑えられ、固定されるので入れ歯のように動かないのも利点といえます。
装着したときの違和感もほぼなく、普通の歯のように物をかむことも可能です。
ブリッジのメリットをまとめると以下のなります
・歯を土台にして被せ物をするため手術の必要がない
・隣の歯との審美性を気にすることなく装着できる
・保険適用の場合は、費用も抑えられる
・固定されるので、入れ歯のように動かない
・装着したときの違和感がない
・普通の歯のように物を噛むことができる
ブリッジのデメリット
ブリッジのデメリットは土台になる歯を削らならければならないことでしょう。そして、この土台になる歯がなければ、ブリッジ自体を施すことができません。
結果として、健康な歯に手を加えることになります。支えとなった歯は負担が増え、寿命を損なう可能性があるのです。
また、ブリッジの寿命は7年~8年と短く、定期的なメンテナンスも必要となります。
さらに保険適用の場合は、銀歯とプラスチックの素材が使われた被り物をするので審美性が悪くなります。
また、ブリッチと歯茎のあいだに食べカスが詰まりやすく、虫歯や歯周病の原因になることすらあるのです。歯ブラシなどのメンタルケアがしにくいのも欠点といえるでしょう。
また、支えにする歯が虫歯なので根の部分などが残っていない場合は、差し歯を支えにすることもあります。
ですが、この方法ですと残った歯が少なく、歯にかかる負担が大きくなってしまう危険性があるのです。その場合、歯の根が割れてしまうリスクもあります。
また、前歯の根は1本で根が細いので、負担に耐え切れずに歯が割れてしまう場合もあります。
その場合は、インプラントの方が、両隣の歯にかかる負担が軽減され、メリットになる場合があります。
ですが、インプラントにする場合は、歯の抜歯が必要になります。歯の状況や位置によってブリッジの支えの歯の状態は違ってきます。その点をきちんと、見極めて治療を受ける必要があるでしょう。
ブリッジのデメリットをまとめると以下になります
・土台になる歯を削る必要があり、歯の健康や寿命が損なわれる
・寿命が7~8年と短く、定期的なメンテナンスが必要になる
・銀歯とプラスチックの素材が使われた被り物をするので審美性が悪い
・ブリッジと歯茎のあいだに食べかすが詰まりやすく、虫歯などになりやすい
・歯ブラシなどでメンタルケアがしにくい
・前歯を支えにした場合、前歯の根が1本だけで細く割れてしまう場合がある
まとめ
今回は、差し歯とブリッジの違いとメリット・デメリットを解説していきました。差し歯は歯に土台を入れて、被せ物をする治療法。対して、ブリッジは自身の歯を支えにして、ブリッジ(橋)のように被せ物をする治療法のことです。
差し歯をおこなう場合は、自分の歯がしっかりと残っていることが必要になっています。歯が残せる場合は、そこにファイバーコアと呼ばれる歯の土台をたて、セラミックなどの被り物を被せます。
治療費は保険適応により3000円から1万円と安く、治療期間も2週間ほどと比較的短いメリットがありました。
対して、歯の根が残っていないと差し歯ができない。差し歯と自分の歯の色味が違って審美性が失われる。虫歯などの場合、歯を治療してからでないと差し歯にできない。歯が短かったり、割れている場所にしても安定しないなどのデメリットもありました。
また、ブリッジをおこなう場合は、隣の歯を橋渡しするように被り物を被せます。差し歯が入っている歯を支えにしたり、差し歯にしようとした歯が虫歯で根しか残っていないような場合でもブリッジが使用されることがあります。
ブリッジのメリットは、被り物をするために手術の必要がないところです。支えにする歯にも被り物を被せるので、隣の歯との審美性を気にする必要もありません。
保険適用の場合は費用も抑えられ、被り物が固定されているので入れ歯のように動くこともないです。
また、装着したときの違和感がなく、普通の歯と同じような感覚で物を食べられることもメリットといえるでしょう。
その反面、土台になる歯を削る必要があり、歯の健康や寿命が損なわれる恐れもあります。ブリッジ自体の寿命が7年から8年と短く、定期的なメンテナンスも必要になるのです。
保険適用の場合は、銀歯とプラスチックの素材を使った被り物のため審美性も悪いです。また、ブリッジと歯茎のあいだに食べかすが溜まりやすく、虫歯などになりやすいデメリットもありました。歯ブラシなども届きにくく、お手入れも大変です。
今回は差し歯とブリッチの自体。それぞれのメリット、デメリットについて解説していきました。
ここまで解説してきて、結局どっちがいいのと悩む人もいるかもしれません。
そんなときは、歯科医院に相談して自分に見合った費用や、口の状態にピッタリな治療方法を探していきましょう。
差し歯やブリッジのほかにも、入れ歯やインプラント治療など治療法はたくさんあります。
海岸歯科室では、そんな歯のお悩みを抱える患者さんの相談に応じます。差し歯やブリッジをご検討の方は、是非とも当院にお越しください。きちんとしたご相談の上、ぴったりな治療方法をご提案させていただきます。
監修:理事長 森本 哲郎