ブリッジ治療の気になる費用相場|インプラントや義歯の費用とも比較
- 2024年6月18日
- コラム
「ブリッジ治療って何だか高そう…」
「入れ歯やインプラントと比べて安い?高い?」
ブリッジ治療は失った歯を補う治療方法のひとつで、他にはインプラントや義歯(入れ歯)があります。
ブリッジ治療が適用の場合、治療部位や治療本数によって保険適用の有無が変わります。
保険適用にならない場合は自費治療になりますので、気になるのはその費用でしょう。
本コラムでは、ブリッジ治療の費用相場やメンテナンスに要する費用について解説します。
またよく比較検討の対象となるインプラントや義歯の費用相場や支払い方法についても解説しますので、治療を選択する場合の一助になるでしょう。
欠損した歯を放置しておくと、歯並びや噛み合わせだけでなく全身の状態にも影響します。
まずはご自身の状態が気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。
ブリッジ治療とは|インプラントや義歯との違い
ブリッジとは少数の欠損した歯に対し、残っている歯を土台として人工歯を橋(ブリッジ)のように連結し固定する方法です。
これにより、歯を失う前の形態・機能・審美性の修復が可能です。
ブリッジは固定式のため、義歯と異なり取り外せずしっかり咀嚼でき、インプラントのように外科的治療が不要なため、身体への負担が少ないのが特長です。
しかし土台となる健康な歯を40〜75%削る必要があり、エナメル質が大きく失われるため、土台の歯が虫歯になりやすく、歯の寿命が縮まるリスクもあります。
欠損した歯の治療として、ブリッジ治療と比較・検討されるインプラントや義歯(入れ歯)の特徴と、メリット・デメリットは下記のとおりです。
ブリッジ |
インプラント |
義歯 |
|
特徴 |
隣接する健康な歯を土台として、人工歯を土台に固定して補う |
土台となる歯根部を失った歯の顎骨に埋め込み、人工歯を接着する方法 |
一部または全部失った歯を取り外し可能な人工歯で補う |
治療期間 |
1~2ヵ月 |
半年~1年 |
1~2ヵ月 |
メリット |
・外科的処置が不要 ・噛み合わせの違和感は少ない ・一部、保険適用可(素材によっては自費治療) |
・残っている歯への負担が少ない ・天然の歯に近い機能性や審美性が修復可 |
・取り外し可能で、手入れしやすく衛生的 |
デメリット |
・隣接する健康な歯を削るため歯への負担が大きい ・削った歯が虫歯や歯周病になりやすい ・ブリッジが破損するリスクがある |
・外科的処置が必要 (全身状態によっては処置が不可能) ・自費治療になるため費用が高額 |
・異物感があり食事や会話で違和感がある ・残った歯に金属をひっかけて固定するため負担がかかる |
それぞれのメリットとデメリットを理解したうえで、最善の治療方法を歯科医師としっかり相談しましょう。
ブリッジ治療の費用を決める3つの要素
ブリッジ治療の費用は、主に次の3つの要素で決まります。
1. 保険適用の有無
2. 治療部位と範囲
3. 使用する素材
次項で詳しく解説します。
保険適用の有無
ブリッジ治療は一部保険が適用されるため、保険適用の有無によって金額が変わります。
保険適用の場合、費用が抑えられる一方、治療部位や使用できる素材に限りがあります。
そのため保険適用内での治療を第一優先とする場合は、見た目の審美性が理想通りにならない可能性もあるでしょう。
自費治療の場合は素材の選択肢も多いため、こだわりを優先できます。
治療部位と範囲
治療部位と欠損歯の本数も費用を左右する要素です。
例えば保険適用の場合、奥歯には基本的に金属製の素材を使用するため、審美性が気になる方や金属アレルギーの問題がある方は自費治療になります。
またブリッジ治療は原則、1本ないし2本の少数の欠損歯に対して行われるため、治療本数によっても費用が変動するでしょう。
使用する素材
ブリッジ治療は使用する素材によって費用が変動します。
保険適用内で使用可能な素材は限られており、安価な一方で審美性や耐久性が劣る場合もあります。
また自費治療のなかでも素材により費用が変動し、一般的に陶器製のセラミックよりも人工ダイヤモンドの一種であるジルコニアの方が高価な傾向にあります。
費用はもちろん、それぞれの素材のメリットやデメリットがあるため、治療前にしっかり歯科医師と相談しましょう。
ブリッジ治療の保険適用の有無による費用の違い
ブリッジ治療において保険適用の有無は費用に大きく影響するため、ここでは保険適用内か自費治療による違いを解説します。
保険適用内での治療
ブリッジ治療で保険適用するには、主に下記のような条件があります。
・欠損歯が1本または連続して2本まで(前歯の欠損の場合、連続して4本まで可能)
・被せる土台の歯に、最低2年間は問題がないと診断された場合
また保険が適用される素材は、主に以下の2種類です。
レジン |
金銀パラジウム合金 |
|
費用相場 |
1~2万円/本 |
5,000~1万円/本 |
素材の特徴 |
金属とプラスチックの混合素材 |
金、銀、パラジウムなどの混合素材 |
使用部位 |
主に前歯に使用 |
主に奥歯に使用 |
メリット |
・見た目が白い ・安い |
・レジンと比較すると割れにくい ・レジンよりも安い |
デメリット |
・耐久性に弱く変色する ・金属アレルギーがある場合には使用できない |
・銀歯のため、審美性は劣る ・金属が溶けだし歯ぐきの着色の原因になる ・金属アレルギーがある場合には使用できない |
保険適用のメリットは価格の安さで、ブリッジの治療箇所によっても使用できる素材がかわります。
金銀パラジウム合金の場合は安価である一方、重金属が口腔内で溶けだす身体への影響も考慮する必要があるでしょう。
自費治療での費用
自費治療の場合は保険適用と異なり、素材や部位に制限がありません。
しかし欠損歯が多い場合は、そもそもブリッジ治療が適さない場合もあるのでインプラントや義歯の適用が考慮されます。
自費治療で使用される素材別の費用相場は、下記の通りです。
セラミック |
メタルボンド |
ジルコニア |
|
費用相場 |
8~10万円/本 |
8~12万円/本 |
10~15万円/本 |
素材の特徴 |
・陶器の素材 |
・中身が金属で外観がセラミック素材 |
・人工ダイヤモンドの一種 |
メリット |
・自然な色と質感で見栄えがよい ・汚れが付着しにくい |
・変色しにくく汚れが付着しにくい ・中身が金属なのでオールセラミックよりも安い |
自然な歯よりも耐久性がある |
デメリット |
衝撃が加わると破損の恐れがある |
衝撃が加わると破損の恐れがある |
・耐久性が強いゆえに他の歯を傷つける恐れがある |
いずれの素材も保険適用の素材と比較すると、より自然な歯の色や質感に近づくため、審美性は高いでしょう。
しかし保険適用と比べ8〜15万円と高額なため、耐久性や審美性のこだわり、また予算と相談しながら選択すると良いでしょう。
ブリッジ治療のメンテナンス費用について
ブリッジの寿命を長持ちさせるためには、治療後の定期的なメンテナンスは重要です。
メンテナンスの目安としては数か月〜半年間隔が望ましく、費用は1,000〜3,000円程度です。
また日頃のブラッシングによっては歯垢がたまりやすい方もいるため、適宜歯垢除去などのクリーニングをすすめられる場合もあります。
治療費の支払い方法
自費診療となると費用が高額になる場合もあるため、支払い方法についても解説します。
現金
保険診療の場合は現金払いのみの場合が多いため、クレジットカードの利用を検討している人は事前に確認しましょう。
またデンタルローンの手続きの手間や、手数料も不要で簡単です。
クレジットカード
自費治療の場合はクレジットカードが使用できる歯科医院もあります。
クレジットカードのポイントがたまり、一括払いが難しい場合でも分割払いが可能なメリットがあります。
ただし分割払いの場合は、カード会社によって8.0〜18.0%の手数料が必要なため確認が必要です。
デンタルローン
歯科治療は高額になることもあるため、デンタルローンと呼ばれる治療費用を分割して払える仕組みがあります。
歯科医院が提携している信販会社や、金融機関やカード会社で利用できるデンタルローンがあり、利用には申し込み手続きと、審査に通過する必要があります。
審査があるため誰でも利用できるとは限りませんが、デンタルローンの手数料は5.0%前後が多く、一般的なクレジットカードの分割払いやカードローンの手数料よりも安いのがメリットです。
ブリッジの寿命とインプラントや義歯の費用相場比較
ブリッジ治療を選択する場合、費用とあわせてブリッジの寿命も気になるところでしょう。
また欠損した歯の治療として、義歯(入れ歯)やインプラント治療と比較されることも多いため、まとめて解説します。
ブリッジ |
義歯 |
インプラント |
|
費用 |
保険診療:1~3万円 自由診療:5~20万円 |
保険診療:0.5万円 自由診療:5~15万円 |
30~40万円 |
寿命 |
保険診療:7~8年 自由診療:10年前後 |
保険診療:3~5年 自由診療:5~8年 |
10~15年 |
特徴 |
隣接する健康な歯を土台として失った歯を固定して補う |
一部または全部失った歯を取り外し可能な人工歯で補う |
土台となる歯根部を失った歯の顎骨に埋め込み、人工歯を接着する |
治療期間 |
1~2ヵ月 |
1~2ヵ月 |
半年~1年 |
それぞれの特徴を理解したうえで、最善の治療方法を歯科医師としっかり相談しましょう。
まとめ
ブリッジ治療の費用は保険適用の有無、治療箇所や使用する素材によって決まります。
保険診療の場合は1本あたり1〜3万円なため、価格を優先したい方に向いています。
しかし適用条件があり使用できる素材も限られているため、条件に満たないまたは審美性や耐久性を優先したい方には自費治療がおすすめです。
自費治療は、素材によって1本5〜18万円程度と高価になりますが、自然な歯の色や質感に近づけられ、耐久性にも優れています。
ブリッジの寿命は保険適用の場合7〜8年、自費治療の場合10年前後です。
失った歯の治療方法として、よくインプラントや義歯と比較されますがそれぞれにメリット・デメリットがあり、寿命と費用のバランスを考えるのも大切です。
またブリッジ治療は治療内容によって高額になるため、支払い方法として現金やクレジットカードのほかに、デンタルローンが利用できる場合があります。
治療費の総額や支払い方法も含め、治療前にしっかり確認しておきましょう。
海岸歯科室は患者様のお悩みに寄り添い、世界一優しい歯科を目指しております。
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監修:理事長 森本 哲郎