インプラントオーバーデンチャーは後悔する?メリットや注意点について
- 2025年3月17日
- コラム
「しっかり噛める入れ歯が欲しいけど、インプラントは本数が多くて高額になりそう…」「治療後のメンテナンスってどれくらい大変なの?」そんな疑問を持つ方にとって、インプラントオーバーデンチャーは注目の治療法です。
従来の総入れ歯と比べて安定感が大きく向上し、日常生活の快適さが格段に変わると言われています。しかし、「費用はどのくらい?」「自分に合う治療なのか?」といった疑問があるのも事実。
この記事では、インプラントオーバーデンチャーの特徴や他の治療法との違い、費用やメンテナンス方法を詳しく解説。さらに、どんな人に適しているのか、注意すべきポイントまで網羅しています。
海岸歯科室は、患者様一人ひとりに寄り添い、安心して治療を受けていただける環境をご提供しています。最新の設備と技術を駆使し、虫歯治療からインプラント、予防歯科まで幅広い診療を行っています。お口の健康を守るために、丁寧なカウンセリングと治療計画を立てています。皆様のご来院を心よりお待ちしております。歯に関するお悩みは、ぜひ海岸歯科室へご相談ください。

海岸歯科室 | |
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住所 | 〒261-0014千葉県千葉市美浜区高洲3-23-1 ペリエメディカルビル美浜 3F |
電話 | 043-278-7318 |
インプラントオーバーデンチャーとは?
インプラントオーバーデンチャーの定義
インプラントオーバーデンチャーとは、歯が失われた際に使用される義歯の一種です。従来の総入れ歯とは異なり、インプラントを土台として支えにすることで、より安定した装着が可能になる治療法です。この治療では、数本のインプラントを顎骨に埋め込み、それを支点として義歯を装着するため、噛む力が強く、しっかりと固定される点が特徴となります。
従来の入れ歯は、歯茎の上にのせる形で使用されるため、食事の際に動きやすく、噛む力が弱いという問題がありました。一方で、インプラントオーバーデンチャーは、インプラントによる固定力を活かし、しっかりと義歯を支えることで、快適な使用感を提供します。
また、取り外しが可能な設計となっており、日々のメンテナンスがしやすい点もメリットの一つです。清掃の手間が少なく、インプラント本体の寿命を長持ちさせることができます。
インプラントオーバーデンチャーは、失った歯の補綴方法の中でも比較的新しい技術であり、多くの歯科医院で導入が進んでいます。特に、総入れ歯の装着感に不満がある方や、インプラント治療を希望しながらも本数を抑えたい方にとって、選択肢の一つとして注目されています。
インプラントオーバーデンチャーと従来の義歯の違い
比較項目 | インプラントオーバーデンチャー | 従来の総入れ歯 |
固定方法 | インプラントで固定 | 吸着力や粘着剤で固定 |
安定感 | 高い | ずれやすい |
噛む力 | 強い | 弱い |
取り外し | 可能 | 可能 |
メンテナンス | インプラント部分のケアが必要 | 義歯の清掃のみ |
費用 | やや高め | 比較的安価 |
インプラントとオーバーデンチャーの違い
インプラントオーバーデンチャーと通常のインプラント治療は、似たような技術を使用していますが、その特徴や適応するケースには大きな違いがあります。
通常のインプラント治療では、失った歯の本数に応じて個別にインプラントを埋め込み、それぞれに人工歯を取り付けます。一方、インプラントオーバーデンチャーでは、顎に埋め込むインプラントの本数を最小限に抑え、そこに義歯を固定するという方法を取ります。
インプラント単体治療とオーバーデンチャーの比較
比較項目 | インプラントオーバーデンチャー | 通常のインプラント治療 |
インプラントの本数 | 2本~4本程度 | 失った歯の本数分 |
装着物 | 義歯(取り外し可) | 人工歯(固定式) |
手術の負担 | 比較的少ない | 高い |
見た目 | 自然な見た目 | 自然な見た目 |
メンテナンス | 取り外して清掃可能 | クリニックでのメンテナンスが必要 |
費用 | 比較的抑えられる | 高額になることが多い |
インプラントオーバーデンチャーは、総入れ歯の安定感を向上させたいが、費用を抑えつつ手術の負担も最小限にしたいという方に適しています。一方で、より自然な噛み心地を求め、長期的な安定性を重視する方には通常のインプラント治療が向いています。
どんな人に向いている治療なのか
インプラントオーバーデンチャーは、以下のような方に特に適しています。
- 総入れ歯の装着感に不満がある方
- 従来の総入れ歯がずれやすく、食事の際に違和感を感じる方。
- 義歯の安定感を求め、より強く噛むことができる方法を探している方。
- インプラント治療を希望しながらも、コストや手術負担を抑えたい方
- インプラントを複数本埋め込む費用や、長期的な治療計画に負担を感じている方。
- 少ない本数のインプラントで済む治療法を希望している方。
- 骨の状態が通常のインプラント治療に適さない方
- 顎の骨の密度が低く、複数のインプラントを支えるのが難しい方。
- 骨移植をせずにインプラントを導入したい方。
インプラントオーバーデンチャーが注目される理由
インプラントオーバーデンチャーは、近年ますます注目される治療法となっています。その背景には、歯科治療技術の進化と、患者のニーズの変化があります。
快適な装着感と機能性
- インプラントで義歯が固定されるため、従来の入れ歯のようにずれたり外れたりする心配がありません。
- しっかりと噛むことができるため、食事の幅が広がります。
- 取り外し可能なため、清掃しやすく衛生的です。
近年の歯科治療技術の進歩による選択肢の増加
- インプラントの技術が向上し、手術の成功率が高まっています。
- デジタル技術の活用により、患者の口腔状態に適したカスタム義歯の作成が可能になっています。
- 高齢化社会の進展により、従来の入れ歯に代わるより快適な義歯を求める患者が増えています。
これらの要因が重なり、インプラントオーバーデンチャーは、より多くの患者にとって魅力的な選択肢となっています。治療を検討する際には、各種メリットとデメリットを十分に理解し、自身の口腔環境やライフスタイルに合った方法を選ぶことが重要です。
インプラントオーバーデンチャーのメリットとデメリット
メリット
取り外し可能な安定した義歯
インプラントオーバーデンチャーは、取り外しが可能な義歯の一種です。従来の総入れ歯とは異なり、インプラントを利用することで安定感が向上し、日常生活での快適さが大幅に向上します。義歯がずれることなく固定されるため、食事の際にも安心して噛むことができます。また、取り外し可能な構造のため、日々のメンテナンスがしやすく、衛生的な状態を保ちやすいのが特徴です。
従来の総入れ歯との違い(噛みやすさ・固定力)
従来の総入れ歯と比較して、インプラントオーバーデンチャーは大きな違いがあります。従来の総入れ歯は、歯茎の上に義歯を乗せる形で装着するため、食事の際にずれたり、発音が不明瞭になったりすることがありました。
しかし、インプラントオーバーデンチャーは、顎の骨に埋め込んだインプラントによって義歯を支えるため、より強い固定力を発揮します。その結果、食事の際にしっかり噛むことができ、硬い食べ物でも快適に摂取できるようになります。
負担の少ない治療方法
通常のインプラント治療と比較すると、インプラントオーバーデンチャーは埋め込むインプラントの本数が少なくて済むため、手術の負担が軽減されます。通常のインプラントでは、失った歯の本数に応じてそれぞれのインプラントを埋め込む必要がありますが、インプラントオーバーデンチャーは2〜4本程度のインプラントで十分に義歯を支えることが可能です。
また、骨の状態が通常のインプラント治療に適していない場合でも、比較的少ない本数で対応できるため、適応できる患者の範囲が広がります。
自然な見た目と快適な装着感
インプラントオーバーデンチャーは、審美性にも優れています。義歯のデザインが自然であり、従来の入れ歯よりも違和感が少ないため、装着時のストレスが軽減されます。さらに、インプラントによる固定があるため、話しやすく、発音の明瞭さも維持できます。
デメリット
メンテナンスの必要性
インプラントオーバーデンチャーは、従来の総入れ歯に比べてメンテナンスが重要になります。インプラントが固定されているため、日常的なケアを怠るとインプラント周囲炎のリスクが高まります。
適切なメンテナンスのためには、以下の点に注意する必要があります。
- 義歯を毎日取り外して洗浄する
- インプラント部分の周囲を清潔に保つため、専用の歯間ブラシやデンタルフロスを使用する
- 定期的に歯科医院でのメンテナンスを受ける
インプラント手術のリスク
インプラントオーバーデンチャーは、インプラントを埋め込む手術が必要となるため、以下のリスクが伴います。
- 手術後の腫れや痛み
- インプラントが骨と結合しない場合、再手術が必要となる可能性
- 糖尿病や喫煙習慣がある方は、治療の成功率が低下する場合がある
このようなリスクを避けるためには、事前に十分な診査と計画を立てることが重要です。
費用面の問題
インプラントオーバーデンチャーは、従来の総入れ歯よりも費用が高くなります。インプラントを使用するため、材料費や手術費用が加わるためです。
費用の目安として、通常の総入れ歯と比較すると以下のような違いがあります。
治療方法 | 費用の目安 | 保険適用 |
インプラントオーバーデンチャー | 比較的高額 | 条件により適用可能 |
従来の総入れ歯 | 比較的安価 | 適用可 |
インプラントオーバーデンチャーは、一般的な入れ歯よりも高額になる傾向がありますが、その分安定性や快適さが向上するため、長期的な視点でのコストパフォーマンスを考慮することが大切です。
適応できる症例の制限
インプラントオーバーデンチャーは、多くの患者に適用できますが、いくつかの制限もあります。例えば、以下のようなケースでは治療が難しい場合があります。
- 顎の骨量が極端に少なく、インプラントの埋入が困難な場合
- 重度の歯周病が進行しており、インプラント治療ができない場合
- 持病や服用している薬の影響で、手術が制限される場合
そのため、インプラントオーバーデンチャーを希望する場合は、歯科医院での詳細な診断が必要です。医師と十分に相談し、自分の口腔環境に適した治療法を選ぶことが重要です。
インプラントオーバーデンチャーの治療プロセス
治療の流れ
初回カウンセリングと診察
インプラントオーバーデンチャーの治療を始める前に、まずは歯科医院でのカウンセリングと診察を行います。治療の適応可否を判断するために、歯科医が口腔内の状態を詳しく確認します。
診察の流れ
- 口腔内の視診:歯や歯茎の状態を確認する
- レントゲンやCTスキャン撮影:骨の厚みや密度を確認
- 虫歯や歯周病の有無をチェックし、必要に応じて事前治療を実施
カウンセリングでは、患者の希望をヒアリングし、治療計画を立案します。インプラントの埋入本数や義歯の種類、費用についても詳しく説明されます。
インプラント埋入手術
診断結果をもとに、インプラントの埋入手術を行います。この手術では、人工歯根となるインプラントを顎骨に埋め込みます。
手術のステップ
- 局所麻酔の実施
- インプラント埋入部位の切開
- 顎骨へのインプラント埋入
- 縫合し、治癒期間を確保
手術後は数ヶ月の治癒期間を設け、インプラントと骨がしっかり結合するのを待ちます。
オーバーデンチャーの装着と調整
インプラントと骨が結合した後、義歯の製作に進みます。型取りを行い、患者の口腔に合ったオーバーデンチャーを作成し、装着します。
装着の流れ
- 口腔内の型取り
- オーバーデンチャーの試適
- 最終的な調整を行い、装着
義歯の安定性や装着感を確認し、違和感がないかを慎重にチェックします。
定期的なメンテナンス
インプラントオーバーデンチャーは、快適な使用を維持するために、定期的なメンテナンスが必要です。
メンテナンス内容
- 義歯の洗浄と点検
- インプラント周囲の清掃
- 義歯の調整や交換
歯科医院での定期検診を受けることで、長期的に快適な使用が可能になります。
治療期間の目安
手術から最終装着までの期間
インプラントオーバーデンチャーの治療期間は、インプラントの埋入から最終的な義歯の装着まで、通常数ヶ月かかります。
一般的な治療期間の目安
治療ステップ | 期間の目安 |
初回カウンセリング | 1回 |
口腔内の検査・CT撮影 | 1~2週間 |
インプラント埋入手術 | 1日 |
インプラントと骨の結合期間 | 2~6ヶ月 |
義歯の製作・装着 | 2~4週間 |
最終調整 | 1~2週間 |
患者の骨の状態や体質により、治療期間には個人差があります。
治療後の注意点
治療直後の食事制限
インプラント手術後は、顎骨の負担を減らすために食事制限が必要です。
推奨される食事
- 柔らかい食べ物(豆腐、スープ、ヨーグルトなど)
- 常温またはぬるめの食事
避けるべき食べ物
- 硬いもの(ナッツ、せんべい、氷など)
- 極端に熱いまたは冷たいもの
生活習慣の見直し
治療後の生活習慣も、インプラントオーバーデンチャーの寿命に影響を与えます。
注意点
- 喫煙は控える(インプラントの定着が悪くなる可能性がある)
- 毎日の清掃を徹底する(義歯とインプラント周囲のケア)
- 定期的な歯科検診を受ける(半年に1回が目安)
適切なケアを続けることで、長期間快適に使用することができます。
インプラントオーバーデンチャーのメンテナンスと寿命
長持ちさせるためのケア方法
インプラントオーバーデンチャーは、適切なメンテナンスを行うことで長期間にわたって快適に使用することができます。義歯とインプラントの両方を健康な状態に保つために、日々の清掃と歯科医院での定期メンテナンスが重要になります。
日常の清掃とメンテナンス
インプラントオーバーデンチャーは、取り外しが可能なため、通常の固定式インプラントと比べて清掃がしやすいというメリットがあります。しかし、適切なケアを怠ると、細菌の繁殖や歯茎の炎症を引き起こす可能性があります。以下の点に注意して清掃を行いましょう。
- 義歯の洗浄
毎食後、義歯専用のブラシを使って洗浄することが望ましいです。一般的な歯磨き粉は研磨剤が含まれており、義歯を傷つける可能性があるため、義歯用のクリーナーを使用することが推奨されます。 - インプラント部分のケア
義歯を支えるインプラント部分には、専用のインプラントブラシやデンタルフロスを使用して、汚れが蓄積しないように注意しましょう。特にアタッチメント部分は汚れが溜まりやすいため、念入りにケアが必要です。 - 洗浄剤の使用
週に数回は、義歯専用の洗浄剤を使用して、細菌やカビの繁殖を防ぐことが大切です。
クリニックでの定期メンテナンス
日常のケアだけでは取り除けない汚れや、義歯・インプラントのトラブルを防ぐために、定期的に歯科医院でメンテナンスを受けることが推奨されます。
項目 | 推奨頻度 | 内容 |
プロフェッショナルクリーニング | 3〜6ヶ月に1回 | インプラント周囲の清掃と歯石除去 |
義歯の調整 | 6ヶ月〜1年に1回 | 噛み合わせの調整とアタッチメントの確認 |
インプラントのチェック | 年に1回 | インプラントの安定性や骨の状態を確認 |
歯科医院での定期メンテナンスを怠ると、義歯の適合が悪くなり、インプラントの緩みや炎症のリスクが高まるため、必ず推奨される頻度で受診することが重要です。
寿命はどれくらい?
インプラントオーバーデンチャーの寿命は、インプラント部分と義歯部分で異なります。それぞれの耐久年数や交換目安について理解しておくことで、適切なタイミングでメンテナンスや交換が行えます。
インプラントの耐久年数
インプラントは適切なケアを行うことで、10年以上持つことが一般的です。実際には、20年以上使用できるケースも多く、インプラント自体は半永久的に機能することもあります。ただし、以下の要因によって耐久年数が左右されます。
- 歯周病の発症
- 噛み合わせの変化
- 骨の状態の変化
- メンテナンス不足によるインプラント周囲炎
インプラント周囲炎が進行すると、最悪の場合、インプラントが脱落してしまうこともあります。そのため、長期間使用するためには、適切なメンテナンスが不可欠です。
義歯部分の交換目安
インプラントオーバーデンチャーの義歯部分は、使用状況によって異なりますが、一般的に 5年〜10年程度 での交換が推奨されます。以下の症状が現れた場合、交換を検討しましょう。
- 義歯の変色や摩耗
- アタッチメント部分の劣化
- 噛み合わせのズレ
- 破損やひび割れ
義歯部分が劣化すると、噛み心地が悪くなるだけでなく、口腔内の健康にも影響を与えるため、異常を感じたら早めに歯科医院で相談しましょう。
メンテナンスを怠るとどうなる?
インプラントオーバーデンチャーのメンテナンスを怠ると、口腔内のトラブルを引き起こす可能性が高くなります。日々のケアを怠ることで生じるリスクについて詳しく解説します。
口腔内トラブルのリスク
- インプラント周囲炎
インプラントの周りに細菌が繁殖すると、歯茎が炎症を起こし、最終的にはインプラントが抜けてしまうことがあります。 - 義歯のズレや痛み
義歯の調整を行わないと、噛み合わせが悪くなり、痛みや違和感を感じるようになります。 - 口臭の悪化
清掃が不十分だと、食べかすや細菌が溜まり、口臭が強くなる原因となります。
治療後のメンテナンス費用
メンテナンスを怠ると、追加の治療が必要になる場合があり、結果的に治療費が高額になることがあります。
メンテナンス不足による問題 | 追加費用の可能性 |
インプラント周囲炎の治療 | クリーニング・消毒費用 |
義歯のズレによる調整 | 義歯の修理・交換費用 |
インプラントの脱落 | 再手術の可能性 |
定期的なメンテナンスを行うことで、長期間にわたってインプラントオーバーデンチャーを快適に使用することができます。治療後も適切なケアを継続し、口腔内の健康を保つことが大切です。
インプラントオーバーデンチャーの失敗と注意点
よくあるトラブル
インプラントオーバーデンチャーは、従来の義歯よりも安定性が高く、快適に使用できる治療法ですが、すべての患者にとって完璧な治療となるわけではありません。治療後に予期せぬトラブルが発生することもあり、適切な対策が求められます。以下では、よくあるトラブルについて詳しく解説します。
インプラントが定着しない
インプラント治療において、骨との結合が不十分だと、インプラントが定着せずに抜け落ちることがあります。この現象は「インプラントのオッセオインテグレーション不良」と呼ばれ、主に以下の要因が関係します。
- 骨の密度不足
インプラントは顎の骨に埋め込むため、骨密度が低い場合、しっかりと固定されません。 - 喫煙や糖尿病
血流が悪化すると骨の治癒力が低下し、インプラントの定着が困難になります。 - 手術後の適切なケア不足
固定される前に強い力が加わると、インプラントがズレて定着しにくくなります。
義歯が合わない・違和感がある
インプラントオーバーデンチャーは、従来の総入れ歯よりも快適ですが、治療後に違和感を覚えることがあります。これは以下のような原因によるものです。
- 義歯の調整不足
最適なフィット感を得るためには、装着後に微調整が必要です。 - アタッチメント部分の緩み
義歯とインプラントを固定する部分が摩耗すると、安定性が低下し、ガタつきが生じることがあります。 - 顎の変化
時間が経つと顎の骨が変形し、義歯の適合性が低下することがあります。
歯茎や顎の骨への負担
インプラントオーバーデンチャーは、数本のインプラントを支えにするため、特定の部位に負担がかかります。これにより、以下の問題が発生することがあります。
- 歯茎の痛みや炎症
インプラント周囲炎と呼ばれる炎症が発生することがあります。 - 顎骨の吸収
長期間の使用で、インプラント周囲の骨が少しずつ減少することがあります。
失敗しないためのポイント
インプラントオーバーデンチャーの成功率を高めるためには、適切なクリニック選びや術後のケアが重要です。ここでは、失敗を避けるための具体的なポイントを解説します。
クリニック・歯科医の選び方
インプラント治療の成功率は、施術する歯科医の技術や経験によって大きく左右されます。選ぶ際には以下の点を確認しましょう。
- インプラント治療の実績が豊富か
過去の症例数や成功率を確認し、専門性の高いクリニックを選びましょう。 - 使用するインプラントの種類
使用するインプラントメーカーや材質も確認し、信頼性の高いものを選ぶことが重要です。 - カウンセリングの充実度
事前のカウンセリングでリスクや治療の流れをしっかり説明してくれるクリニックを選びましょう。
手術前後のケアと生活習慣
インプラントの成功には、手術前後のケアが不可欠です。特に以下の点に注意してください。
- 手術前の口腔ケア
歯周病があるとインプラントが定着しにくくなるため、事前に治療を受けることが推奨されます。 - 禁煙・飲酒の制限
血流が悪化するとインプラントの定着率が低下するため、喫煙や過度な飲酒は控えましょう。 - 食事の工夫
手術後は柔らかい食事を摂り、インプラントに過度な負担をかけないようにすることが重要です。
リカバリー方法
万が一、インプラントオーバーデンチャーに問題が発生した場合でも、適切な対応を行えば、改善することが可能です。ここでは、リカバリー方法について解説します。
失敗した場合の対処法
もしインプラントがうまく定着しなかったり、義歯が合わなかったりした場合、以下のような対応が考えられます。
- インプラントの再埋入
定着しなかった場合、再手術を行うことで改善できることがあります。 - 義歯の再調整
義歯のフィット感が悪い場合は、クリニックで調整してもらいましょう。 - インプラント周囲炎の治療
インプラント周囲に炎症が起きた場合、早期に治療を受けることで悪化を防ぐことができます。
他の治療法への変更
インプラントオーバーデンチャーが合わない場合、他の治療法に変更する選択肢もあります。
治療法 | 特徴 | メリット | デメリット |
通常のインプラント | 1本ずつ埋め込む方式 | 噛み心地が自然 | 費用が高い |
オールオン4 | 片顎4本のインプラントで固定 | 手術回数が少ない | 費用が高め |
従来の総入れ歯 | 粘着力で固定 | 費用が安い | 安定感が低い |
治療法の選択は、患者の口腔状態や予算、ライフスタイルに応じて適切なものを選ぶことが重要です。
インプラントオーバーデンチャーは、適切に施術されれば非常に快適な義歯となりますが、失敗やトラブルが発生することもあります。そのため、クリニック選びや術後のケアを徹底し、定期的なメンテナンスを欠かさないことが成功のカギとなります。万が一問題が発生した場合でも、早めに歯科医と相談し、適切な対策を講じることが重要です。
インプラントオーバーデンチャーが適している人・適していない人
適している人の特徴
入れ歯に満足していない人
入れ歯を使用しているものの、噛みにくさや装着時の違和感が気になる場合、インプラントオーバーデンチャーが適しているといえます。通常の総入れ歯は吸着力が不足しているため、食事の際にずれたり、発音がしにくくなったりすることがあります。一方、インプラントを支えにするオーバーデンチャーは、固定力が向上し、食事や会話がより快適になります。特に、硬い食べ物をしっかり噛めるようになり、食事の満足度が向上する点が大きなメリットです。
骨の量が十分にある人
インプラント治療では、顎の骨の状態が非常に重要です。オーバーデンチャーを固定するためには、インプラントを埋め込むだけの骨量が必要になります。骨の厚みや質が不十分な場合、骨移植や骨再生治療を行うことがありますが、これには追加の費用や期間がかかる可能性があります。そのため、顎の骨が十分に残っている人の方が、スムーズに治療を進めることができます。
メンテナンスを継続できる人
インプラントオーバーデンチャーは、定期的なメンテナンスが必要な治療法です。適切なケアをしないと、インプラント周囲炎などの問題が生じ、治療の成功率が低下する可能性があります。日常的なブラッシングだけでなく、歯科医院でのクリーニングを受けることで、長期的に快適な状態を維持できます。そのため、継続的にメンテナンスを行える人に適しています。
他の選択肢を考えた方が良いケース
インプラントが適応外の人
全身の健康状態がインプラント治療に適していない場合、オーバーデンチャーを選択するのが難しくなります。例えば、糖尿病や骨粗しょう症などの疾患を持っている場合、インプラントの定着が悪くなったり、手術後の回復が遅れたりする可能性があります。また、喫煙者はインプラントの成功率が低下することが知られています。そのため、医師と相談しながら慎重に判断する必要があります。
定期的な通院が難しい人
インプラントオーバーデンチャーは、一度治療が完了した後も、定期的なメンテナンスが欠かせません。もし通院が難しい環境にある場合、治療後の管理が十分に行えず、インプラントの寿命を縮めることになります。通院が困難な人は、メンテナンスの負担が少ない別の入れ歯治療を検討するのも一つの方法です。
予算に余裕がない人
インプラントオーバーデンチャーは、通常の総入れ歯に比べて治療費が高額になります。さらに、インプラントの本数や治療内容によっては、費用がさらに増加することもあります。そのため、費用面で負担が大きいと感じる人には、他の選択肢を検討する必要があります。
まとめ
インプラントオーバーデンチャーは、総入れ歯の安定性に不満を感じる方や、より快適な噛み心地を求める方に適した治療法です。少ない本数のインプラントで義歯を固定するため、従来の入れ歯よりもしっかりと噛めることが大きなメリットです。一方で、定期的なメンテナンスが必要であり、すべての方に適しているわけではありません。
治療を検討する際は、費用、耐久性、メンテナンスの手間などを総合的に考えることが重要です。一般的に、オールオンフォーと比較すると、費用を抑えつつインプラントの利点を得られる方法として選ばれています。しかし、顎の骨量や口腔内の健康状態によって適応が異なるため、事前の診断が不可欠です。
インプラントオーバーデンチャーを長持ちさせるためには、日々の適切なケアと歯科医による定期的なチェックが欠かせません。清掃を怠ると、インプラント周囲炎や義歯の劣化が進み、追加の治療が必要になるリスクもあります。
この記事を通して、インプラントオーバーデンチャーの特徴や適応条件を理解し、自分に最適な選択肢を見つける参考になれば幸いです。気になる点があれば、信頼できる歯科医院で相談することをおすすめします。
海岸歯科室は、患者様一人ひとりに寄り添い、安心して治療を受けていただける環境をご提供しています。最新の設備と技術を駆使し、虫歯治療からインプラント、予防歯科まで幅広い診療を行っています。お口の健康を守るために、丁寧なカウンセリングと治療計画を立てています。皆様のご来院を心よりお待ちしております。歯に関するお悩みは、ぜひ海岸歯科室へご相談ください。

海岸歯科室 | |
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住所 | 〒261-0014千葉県千葉市美浜区高洲3-23-1 ペリエメディカルビル美浜 3F |
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よくある質問
Q. インプラントオーバーデンチャーと従来の総入れ歯の違いは何ですか?
A. インプラントオーバーデンチャーは、数本のインプラントを埋入し、義歯をしっかり固定する治療法です。従来の総入れ歯と比べて安定感があり、食事中にズレることが少なく、会話もしやすくなります。また、インプラントによって顎の骨が維持されるため、長期的に見ても骨の減少が抑えられるというメリットがあります。一方で、インプラントの手術が必要になるため、治療期間や費用の違いもあります。
Q. インプラントオーバーデンチャーの治療期間はどのくらいかかりますか?
A. 治療期間はインプラントの埋入本数や患者の口腔状態によって異なりますが、一般的に手術から義歯の最終装着まで3カ月から6カ月ほどかかります。インプラントの骨との結合には時間が必要であり、即日で義歯が完成する治療とは異なります。また、術後の経過やメンテナンスの状況によっては、調整期間が必要になることもあります。
Q. インプラントオーバーデンチャーの費用はどのくらいかかりますか?
A. インプラントオーバーデンチャーの費用は、使用するインプラントの本数や義歯の種類、クリニックの料金設定によって変動します。一般的には総額で数十万円から百万円以上かかることが多いです。保険適用の条件を満たしている場合は費用を抑えられることもありますが、基本的には自費診療となるため、事前にクリニックでの相談をおすすめします。また、分割払いや医療ローンを利用できるケースもあるため、費用面の負担を軽減する方法も検討すると良いでしょう。
Q. インプラントオーバーデンチャーはどんな人に向いていますか?
A. インプラントオーバーデンチャーは、総入れ歯の安定性に不満がある方や、より自然な噛み心地を求める方に向いています。特に、入れ歯が合わず食事がしにくい、入れ歯のズレが気になる、しっかり固定された義歯が欲しいという方に適しています。一方で、顎の骨が極端に少ない方や、インプラント手術ができない持病をお持ちの方には適用が難しい場合があります。事前の診断で適応条件を確認することが重要です。
医院概要
医院名・・・海岸歯科室
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