マウスピース矯正をしている方の中には、

「矯正中にホワイトニングもできるのか？」

と疑問を抱く人が多くいます。

歯並びを整えるだけでなく、歯の色も白くすることで、より美しく自信の持てる口元を手に入れたいと考えるのは自然なことです。

しかし、ホワイトニングには適したタイミングや方法があり、誤ったやり方では思うような効果が得られないこともあります。

そこで今回は、マウスピース矯正中にホワイトニングを行うメリットや注意点、成功させるコツについて詳しく解説します。

マウスピース矯正とホワイトニングは同時にできるのか？

マウスピース矯正中にホワイトニングを行うことは可能ですが、いくつかの注意点があります。

ここでは、矯正中にホワイトニングを行うメリットや制限、適した方法について詳しく説明します。

マウスピース矯正中にホワイトニングを行うメリットとは？

マウスピース矯正中にホワイトニングを行う最大のメリットは、矯正が終わる頃には美しい歯並びと白い歯を同時に手に入れられることです。

特に、矯正期間が長くなる場合、途中で歯の黄ばみが気になってくることもあるため、適切にホワイトニングを取り入れることで、モチベーションを維持することにもつながります。

また、マウスピース矯正では取り外し可能なアライナーを使用するため、ホワイトニング用のジェルを併用しやすいという利点もあります。

ホワイトニングができないケースとその理由

すべてのケースでホワイトニングができるわけではありません。

例えば、歯に強い知覚過敏がある場合、ホワイトニング剤が刺激となり、痛みを引き起こす可能性があります。

また、矯正中の歯の動きによって、一部の歯にホワイトニング剤が均一に行き渡らず、色ムラが生じることも考えられます。

特に、矯正開始直後は歯の移動が活発な時期であるため、ホワイトニングをすることで逆に歯がしみたり、効果が偏るリスクがあります。

矯正中におすすめのホワイトニング方法とは？

矯正中にホワイトニングを行う場合、最もおすすめなのは歯科医の指導のもとで行うホームホワイトニングです。

ホームホワイトニングは、自宅でできる方法であり、マウスピース矯正のアライナーを活用してホワイトニング剤を塗布することが可能です。

また、低濃度のホワイトニングジェルを使用することで、歯への負担を減らしながら、徐々に白くしていくことができます。

一方で、強力なホワイトニング効果を求める場合は、矯正終了後にオフィスホワイトニングを検討するのも良い選択肢です。

マウスピース矯正で使えるホワイトニングジェルの選び方

マウスピース矯正中にホワイトニングを行う場合、使用するホワイトニングジェルの種類が重要になります。

ジェルの成分や濃度によっては、矯正の進行や歯の健康に影響を与えることがあるため、安全なものを選ぶことが大切です。

ホワイトニングジェルの種類と特徴

ホワイトニングジェルには、大きく分けて「過酸化水素」「過酸化尿素」「ポリリン酸」などの成分が含まれるものがあります。

過酸化水素は即効性が高く、歯科医院で処方されることが多い成分です。

一方、過酸化尿素はゆっくりと白くする作用があり、知覚過敏が出にくいという特徴があります。

ポリリン酸配合のホワイトニングジェルは歯の表面をコーティングする働きがあり、歯の再着色を防ぐ効果も期待できます。

市販のホワイトニングジェルは使える？注意点とおすすめ

ドラッグストアなどで販売されている市販のホワイトニングジェルの中には、マウスピース矯正と併用できるものもあります。

しかし、市販品はホワイトニング成分の濃度が低く、即効性には欠けることが多いです。

また、使用する際は成分を確認し、矯正中の歯に負担をかけないものを選ぶことが重要です。

知覚過敏のある方は、低刺激のジェルを選ぶと安心です。

歯科で処方されるホワイトニングジェルとの違いとは？

歯科医院で処方されるホワイトニングジェルは、市販品に比べて濃度が高く、効果が現れるまでの時間が短いという特徴があります。

また、歯科医の指導のもとで適切な使用方法を守ることで、安全にホワイトニングを行うことができます。

市販品は手軽に購入できるメリットがある一方で、歯科専売のジェルと比較すると効果が穏やかであり、持続力も短い場合が多いです。

より確実な効果を求める場合は、歯科で処方されるホワイトニングジェルを使用するのがおすすめです。

マウスピース矯正中にホワイトニングを成功させるコツ

マウスピース矯正中にホワイトニングを行う場合、適切な方法を選び、効果的に実践することが重要です。

ここでは、ホワイトニング効果を高めるための工夫や、日常生活での注意点について解説します。

ホワイトニング効果を高めるためのアタッチメントの活用

マウスピース矯正には、歯の移動を促進するために「アタッチメント」と呼ばれる小さな突起を歯に装着することがあります。

ホワイトニングジェルを使用する際、このアタッチメントがあると薬剤が均一に行き渡らず、ホワイトニングの効果にムラが生じることがあります。

そのため、ホワイトニングジェルを塗布する際は、歯科医と相談しながら、アタッチメントの影響を考慮した適切な方法を取ることが重要です。

ホワイトニング中の食事や生活習慣で注意すべきこと

ホワイトニングの効果を最大限に引き出すためには、日常の食事や生活習慣にも気を付ける必要があります。

特に、着色しやすい飲食物は、ホワイトニング直後に摂取すると歯に色が付きやすくなります。

また、喫煙もホワイトニングの効果を損なう原因となるため、できるだけ控えるのが望ましいです。

ホワイトニング中は、できるだけ透明な飲み物（例：水や炭酸水）を選び、食事後はすぐに口をゆすぐ習慣をつけることで、着色を防ぐことができます。

ホームホワイトニングのやり方と注意点

マウスピース矯正と並行して行うホワイトニングの多くは、ホームホワイトニングという方法です。

ホームホワイトニングでは、低濃度のホワイトニングジェルをマウスピースに塗布し、一定時間装着することで徐々に歯を白くしていきます。

また、ホワイトニング期間中は知覚過敏が出やすくなるため、痛みがある場合は無理に続けず、一時的に中断することも検討しましょう。

マウスピース矯正とワイヤー矯正のホワイトニング比較

ホワイトニングは、マウスピース矯正とワイヤー矯正のどちらでも可能ですが、それぞれに適した方法や制約があります。

どちらの矯正方法がホワイトニングと相性が良いのか、比較しながら詳しく解説します。

ワイヤー矯正とマウスピース矯正でのホワイトニングの違い

ワイヤー矯正では、矯正装置が歯の表面に固定されているため、ホワイトニングジェルを均一に塗ることが難しく、部分的にホワイトニングができないことがあります。

一方、マウスピース矯正の場合は、取り外しが可能なため、矯正装置が邪魔にならず、ホワイトニングジェルを均一に塗布することが可能です。

この点から考えると、ホワイトニングを併用しやすいのはマウスピース矯正の方だといえます。

通院頻度や費用面での比較とメリット・デメリット

ワイヤー矯正の場合、ホワイトニングを希望する場合は歯科医院でのオフィスホワイトニングが主流になります。

そのため、定期的な通院が必要となり、費用も比較的高くなります。

一方で、マウスピース矯正の場合は、ホームホワイトニングがメインとなるため、自宅で手軽に続けることが可能です。

ただし、マウスピース矯正中の歯は移動中であり、ホワイトニングの効果にムラが生じる可能性があるため、適切な方法で行う必要があります。

どちらがホワイトニングに向いているのか？

ホワイトニングを重視する場合、取り外しができるマウスピース矯正の方が向いています。

マウスピース矯正なら、ホワイトニングジェルを均一に塗布しやすく、矯正終了後も同じマウスピースを使ってホワイトニングを続けることができます。

ただし、ワイヤー矯正でも、矯正終了後にオフィスホワイトニングを受けることで、しっかりと白い歯を目指すことが可能です。

マウスピース矯正後にホワイトニングを行うメリットと注意点

矯正中にホワイトニングを行うことも可能ですが、矯正が完了した後にホワイトニングを行うことで、より均一な白さを得ることができます。

矯正後のホワイトニングは、最終的な歯の位置が確定しているため、ムラなく理想的な仕上がりにすることができます。

矯正後にホワイトニングを行うタイミングとは？

矯正後のホワイトニングを行う場合、歯が安定してから実施することが重要です。

通常、矯正が終了した直後は歯の位置がまだ不安定なため、リテーナーを使用して歯を固定する期間が必要です。

その期間が終了し、歯が安定してからホワイトニングを行うことで、より効果的な仕上がりになります。

マウスピース矯正後のホワイトニング費用と効果

矯正後にホワイトニングを行う場合、費用は施術方法によって異なります。

オフィスホワイトニングの場合、1回あたり約2〜5万円が相場となります。

一方で、ホームホワイトニングは1〜3万円ほどで始めることができ、低コストで継続しやすいのが特徴です。

矯正後の歯は、比較的ホワイトニングの効果が現れやすいため、しっかりとケアをすることで美しい歯を維持できます。

矯正後にホワイトニングをする際の注意点

矯正後のホワイトニングでは、知覚過敏のリスクがあるため、低濃度のホワイトニング剤から始めるのが安全です。

また、ホワイトニング後はエナメル質が一時的に弱くなるため、ホワイトニング直後の飲食には注意が必要です。

特に、コーヒーやワインなどの着色しやすい飲み物は避けるようにしましょう。

さらに、定期的に歯科医院でのチェックを受けることで、ホワイトニングの効果を長持ちさせることができます。

まとめ

マウスピース矯正中のホワイトニングは、適切な方法を選ぶことで同時に行うことが可能です。

ホワイトニングジェルを活用することで、矯正中でも歯の白さを保つことができますが、使用する薬剤の選び方や食生活には注意が必要です。

また、マウスピース矯正は取り外しが可能なため、ワイヤー矯正よりもホワイトニングと相性が良いといえます。

ホワイトニングに関する疑問がある場合は、歯科医に相談しながら進めることをおすすめします。

海岸歯科室では、インプラント治療や矯正歯科（インビザライン・マウスピース矯正）に加え、ホワイトニングについても専門的なアドバイスを提供しています。

マウスピース矯正とホワイトニングの両方を検討している方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

監修：理事長 森本 哲郎