日本製インプラントの真価とは?国産メーカーの特徴と選び方
- 2025年6月9日
- コラム
インプラント治療に興味があるけれど、「日本製って本当に信頼できるの?」「海外メーカーと何が違うの?」と迷っていませんか。さらに「費用が高額になりそう」「どのメーカーを選べば安心なのか分からない」と不安を抱える方も多いでしょう。
日本製のインプラントは、国内の歯科医院での採用率が高く、アフターケアのスピードや部品調達のしやすさが魅力です。世界的に見ても、日本製は独自の素材技術や構造設計、結合性能において進化を遂げており、現在は「日本製=選ばれる品質」として注目されています。
このページでは、インプラントメーカーの選び方から、日本製ならではのメリット、そして歯科医師が語る治療のリアルまでを分かりやすく解説します。
海岸歯科室は、患者様一人ひとりに寄り添い、安心して治療を受けていただける環境をご提供しています。最新の設備と技術を駆使し、虫歯治療からインプラント、予防歯科まで幅広い診療を行っています。お口の健康を守るために、丁寧なカウンセリングと治療計画を立てています。皆様のご来院を心よりお待ちしております。歯に関するお悩みは、ぜひ海岸歯科室へご相談ください。

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住所 | 〒261-0014千葉県千葉市美浜区高洲3-23-1 ペリエメディカルビル美浜 3F |
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日本製インプラントとは?基本構造と海外製との違い
インプラントの基本構造
インプラント治療における構造は、その治療法の安全性、予後、患者満足度に直結する重要な要素であり、とくに日本製インプラントは構造設計において細やかな配慮がなされていることで知られています。一般的に、インプラントの構造には「1ピースタイプ」と「2ピースタイプ」の2種類があります。これらの違いを理解することは、患者が最適な治療を受けるための大きな判断材料となります。
1ピースインプラントは、インプラント体(人工歯根)とアバットメント(人工歯を取り付ける支柱部分)が一体化している構造です。この構造のメリットは、パーツが少ないため手術回数が1回で済む点にあります。特にAQBインプラントのような国産メーカーでは、この1ピース型を採用しており、短期間での治療完了を望む患者や、外科処置に不安がある方に選ばれる傾向があります。
一方、2ピースインプラントは、インプラント体とアバットメントが分離しており、手術を2回に分けて行うのが一般的です。京セラが展開するPOIインプラントシステムでは、2ピース型が主流で、顎骨への安定性や適合精度の高さが特徴とされています。手術後の修正対応やアバットメントの角度調整が可能であるため、骨量が少ない部位や審美性が要求される前歯部に適しています。
以下の表は、日本製と海外製、1ピースと2ピースの基本的な構造比較を示したものです。
項目 | 1ピースインプラント | 2ピースインプラント |
代表的メーカー | AQB(日本) | 京セラ(日本)、ストローマン(スイス) |
手術回数 | 1回 | 2回 |
適応部位 | 奥歯、咬合圧の強い部位 | 前歯、審美性重視の部位 |
調整の柔軟性 | 限定的 | 高い |
トラブル時の部品交換 | 不可(全交換が必要) | 可能(アバットメントのみ交換可) |
日本製のインプラントシステムでは、1ピースであっても設計段階で日本人の顎骨に合わせた太さや長さが設定されており、埋入の精度が高いと評価されています。また、2ピース型でも部品の精度が極めて高く、手術中の誤差が少ない点で歯科医師からの信頼も厚いです。
患者にとって、構造の選択は治療結果を大きく左右します。1ピース型はシンプルで低侵襲な治療を希望する方に、2ピース型は長期安定性と柔軟性を求める方に適しています。実際に治療を受ける前には、自分の骨量や治療の目的に応じて、歯科医師と十分に相談することが重要です。
日本人の顎骨に合わせた設計と素材
日本製インプラントの最大の特徴の一つが、日本人特有の顎骨構造に最適化された設計です。欧米人と比較して日本人は顎が小さく、骨密度も異なるため、海外製インプラントをそのまま使用すると埋入が困難な場合があります。これに対して、京セラや松風などの国内メーカーは、長年にわたる臨床データの蓄積をもとに、より適合性の高い設計を追求しています。
たとえば、純チタンを素材としたインプラントは、骨との生体適合性が極めて高く、異物反応が起こりにくいことが知られています。さらに、表面にHA(ハイドロキシアパタイト)コーティングを施すことで、骨との結合性を飛躍的に高め、初期固定が得やすくなると報告されています。
以下は、日本製に多く見られる表面処理の一例です。
素材処理法 | 内容と効果 |
純チタン(Grade4) | 高強度で耐腐食性に優れる。骨伝導率も高い |
HAコーティング | 骨形成促進。初期固定が良好で治療期間を短縮可能 |
SLA処理(微細な凹凸加工) | 表面積を増やして骨との結合力を高める |
また、国内メーカーは日本国内で製造・品質管理を徹底しており、JIS規格だけでなく、独自の社内基準による検査も実施されています。これにより、製品ごとのバラツキが少なく、どの医院でも安定した手術結果を得やすいのが特徴です。
HAコーティングやSLA処理が施された日本製インプラントは、特に骨質の柔らかい高齢者にも有効とされており、年齢を問わず幅広い症例に対応できる柔軟性を持ち合わせています。
患者にとっては、素材の違いは見た目には分かりにくい部分ですが、治療の成功率や長期安定性を大きく左右する重要なポイントです。インプラントの素材や処理方法についても、担当歯科医師と具体的に相談し、自分の体質や生活スタイルに合った選択を心がけるべきでしょう。
海外製とのサイズ・素材・耐久性の違いとその理由
インプラント市場において、海外製品と日本製製品の違いは、単なる価格や知名度の問題ではなく、サイズ設計や素材の処理法、耐久性に至るまで多岐にわたります。とくにストローマン(スイス)やノーベルバイオケア(スウェーデン)といった世界4大メーカーと比較すると、日本製インプラントの特徴と限界が明確になります。
海外製インプラントは欧米人の大きな顎骨を前提に設計されているため、全体的にサイズが長く、直径も広めです。これにより、埋入が難しい狭小顎骨の日本人患者には適さないケースもあります。対して、日本製インプラントは顎骨の幅や深さを精密に分析した上で開発されており、小柄な体格にも無理なくフィットするよう工夫されています。
また、耐久性の面では、両者ともに高品質な純チタンを使用していますが、その処理技術に違いがあります。ストローマンのSLAactive表面処理は、治療期間を短縮し、骨と迅速に結合する点で高く評価されています。一方、日本製では、HAコーティングや酸処理など、骨とのなじみを優先した処理が主流であり、特に骨結合が進みにくい患者にとっては優れた選択肢となります。
以下は、日本製と海外製の代表的な違いをまとめた比較表です。
項目 | 日本製インプラント | 海外製インプラント |
主なメーカー | 京セラ、AQB、GC、松風 | ストローマン(スイス)、ノーベル(スウェーデン) |
顎骨適応性 | 日本人の骨格に適合、短く細い設計 | 欧米人基準の長く太いサイズが多い |
表面処理技術 | HAコーティング、酸処理、SLA処理 | SLAactive、TiUniteなど |
保証とサポート | 国内対応・日本語のサポート体制 | 輸入代理店による間接対応の場合もある |
価格帯 | 中〜高(種類により幅あり) | 高額(為替や輸入コストに依存) |
海外製には、治療実績の多さや世界的なブランド力がありますが、日本国内での供給体制や保証対応、トラブル時の部品交換などにおいては、日本製の方が迅速かつ安定して対応できるケースが多いです。
インプラントメーカーの選び方で後悔しないために
歯科医院がメーカーを選ぶ基準
インプラント治療の質は、歯科医院がどのメーカーの製品を採用しているかに大きく左右されます。実はこの選定は単なるコスト比較だけではなく、教育体制や設備への適合性、メンテナンス性など多角的な要素が関わっています。読者が信頼できる医院を選ぶためには、医院側の判断基準を知っておくことが極めて重要です。
教育支援体制が整っているか
大手のインプラントメーカーは、歯科医師向けの講習会や症例研究会、研修制度を提供しています。たとえば、ストローマンやノーベルバイオケアなどの世界的シェアを持つ企業では、臨床教育プログラムが常設されており、技術の習得とアップデートがしやすい仕組みが整っています。これは、治療を提供する医院にとっても大きな魅力であり、結果的に患者の安全にも直結します。
機器や医院の設備と合致するか
インプラントは、使用するドリルやガイド、スキャナーなどと適合性が求められるシステム製品です。メーカーごとに推奨する器具や術式が異なるため、医院の既存設備との親和性を考慮して選ばれるケースが多くあります。たとえばデンツプライシロナなどは、デジタルワークフロー全体をパッケージで構築できるため、デジタル機器を多く導入している医院で重宝されています。
長期的なコストと安定供給の視点
価格面では、国内メーカーと海外メーカーで大きな差が見られます。国産メーカーである京セラやジーシーなどは流通コストを抑えられるため価格優位性があり、医院側にとっては仕入れリスクが少ない点が魅力です。一方で、海外メーカーは一部のパーツが輸入遅延することもあるため、長期的な供給安定性を重視する医院では慎重な選定が求められます。
以下は歯科医院が重視するインプラントメーカー選定要素の比較です。
選定基準 | 具体内容 | 代表的な対応メーカー |
教育支援 | セミナー・症例研究会・オンデマンド研修 | ストローマン、ノーベル、アストラ |
設備との親和性 | デジタルスキャナー、CAD/CAM機器との統合性 | デンツプライシロナ、京セラ |
製品供給とサポート | 部品供給の安定性、国内サポート体制 | 京セラ、ジーシー、ストローマン |
コストパフォーマンス | 仕入れ価格、保険適用外治療の採算性 | 日本製全般、ノーベル |
このように、医院側は単なる価格や有名度だけではなく、教育支援、技術継承、設備投資の回収性まで多角的に判断しています。よって、患者としても医院がどのメーカーを採用しているかを聞くだけでなく、その理由を尋ねることが信頼できる歯科医院選びに繋がります。
患者が確認すべきチェックポイント
インプラントを検討する患者にとって、安心できるメーカーを見極めることは非常に重要です。しかし、その判断材料が表面的な説明だけだと、後になって「こんなはずではなかった」と後悔することもあります。ここでは、患者が契約前に必ず確認しておきたい6つのポイントを解説します。
- メーカーの知名度とシェア
日本国内でのシェア率や、世界的に使用されているメーカーかをチェックしましょう。ストローマンやノーベルバイオケアは世界4大メーカーとして広く知られており、グローバルな症例実績があります。 - 長期的な保証体制の有無
インプラントは一生付き合っていく治療です。10年以上の長期保証があるかどうか、メーカーと医院の保証内容がどう連携しているかも確認が必要です。 - 使用素材の品質
純チタンやジルコニアなど、使われている素材が高品質であるか。とくに日本製はHAコーティング技術など素材に強みがあります。 - 症例数と実績
採用しているメーカーの製品で、医院が何件程度の治療を行ってきたかも信頼のバロメーターになります。経験が浅い医院では失敗リスクが上がります。 - メンテナンスのしやすさ
インプラントは治療後のメンテナンスが重要です。同じメーカーのパーツが入手しやすいか、修理や再治療が容易かなどを事前に確認しましょう。 - 治療総額に含まれる内容
部品代、手術代、通院費、保証などの総額表示か。激安プランではパーツが中国製など不明確な場合もあるので、内訳を詳しく聞くことが重要です。
チェック項目 | 解説 |
メーカーの信頼性 | 世界シェアや実績のある大手を選ぶ |
保証制度 | メーカー+医院によるダブル保証の有無 |
素材の安全性 | 純チタン、HAコーティングなどの説明があるか |
症例数 | 実際の治療実績に裏付けされた説明があるか |
部品供給と保守 | 予備部品や補修パーツの流通が確保されているか |
治療費の明瞭さ | 総額表示で内訳が明記されているか |
これらを事前に医院に尋ねることで、思わぬトラブルや不安を未然に防ぐことができます。インプラントは高額かつ長期的な治療になるため、信頼できる情報に基づいて選択する姿勢が不可欠です。
日本製インプラントが向いている患者・症例とは?
高齢者・骨密度が低い人・治療期間を短くしたい人
インプラント治療は一見誰でも受けられるように思われがちですが、実際には患者の年齢や骨の状態、治療にかけられる時間的制約などによって向き不向きがあります。特に国産インプラントは、日本人の骨格や医療環境に最適化された設計が施されており、以下のような条件に該当する患者に非常に適しています。
まず、高齢者の方は顎骨の密度が低下していることが多く、インプラント体の安定性確保が難しくなる傾向にあります。国産メーカーでは、日本人高齢者の骨質を想定した設計を採用しており、たとえば京セラのPOIシステムやGCのインプラントは、短くても表面処理技術で骨結合率が高くなるよう工夫されています。純チタン製やハイドロキシアパタイト(HA)コーティングによる骨誘導性の高さは、骨質が弱い患者でも安定性を確保しやすいという利点があります。
さらに、骨造成が不要なケースが増えるという点も見逃せません。国産インプラントの多くは直径や長さのバリエーションが豊富で、日本人の狭い顎骨にも適応しやすいため、骨造成(GBR)を回避して即時埋入が可能なことも。これにより、外科的侵襲や手術リスクを軽減でき、治療期間全体の短縮が図れます。
以下に、高齢者や骨密度が低い人にとっての比較ポイントをまとめます。
比較項目 | 国産インプラント | 海外製インプラント(ストローマンなど) |
骨との結合 | 表面にHAコーティングで初期固定力が高い | SLA表面処理で骨誘導は高いが欧米人基準 |
骨造成の必要性 | 少ない(短径モデル多数) | 顎骨に合わず造成が必要になることも |
素材 | 純チタンやジルコニアなど幅広く対応 | 主に純チタン |
適応症例 | 骨密度の低い高齢者も対象 | 骨密度が一定必要な場合がある |
手術時間 | 短い(即時埋入の選択肢あり) | プロトコルによって長期化の傾向あり |
また、短期間で治療を終えたい方にも日本製はおすすめです。例えば、京セラのワンデイインプラントでは、条件が整えば最短1日で仮歯の装着が可能な場合もあり、ビジネスマンや通院回数を減らしたい地方在住者にも好まれています。これはメーカーと医院が連携し、事前の診断からシミュレーション、パーツ供給の効率化まで日本の医療現場向けに最適化されているからです。
メンテナンス性重視・長く通院が難しい人に適するケース
インプラント治療後の成功の鍵は、手術そのものよりも長期的なメンテナンスにあります。とくに、仕事が忙しくて定期通院が困難な人や、地方・離島・海外在住で頻繁に歯科医院へ通えない人にとって、治療後のメンテナンスのしやすさはインプラント選びにおいて最も重視すべきポイントのひとつです。こうした背景から、日本製のインプラントメーカーは、患者の通院負担を最小限に抑える構造やシステム設計を実現しており、長く通えない人に最適な選択肢となります。
日本製インプラントの代表的な強みは、以下の3つに集約されます。
- 国内供給網と部品互換性が高い
- シンプルな構造でメンテナンスが容易
- 日本全国に提携医院がありアフターケアが受けやすい
たとえば、京セラやジーシー(GC)などの国産メーカーは、数十年以上の臨床実績があるだけでなく、全国規模で歯科医院とのネットワークを構築しています。このネットワークによって、引っ越しや転勤、長期出張などで通院先が変わった場合でも、全国どこでもアフターケアやメンテナンスが引き継がれやすくなっています。
以下は、日本製と海外製のインプラントにおける「メンテナンスのしやすさ比較」です。
項目 | 日本製インプラント | 海外製インプラント(例:ストローマンなど) |
互換パーツの流通性 | 国内全域で供給体制が整っている | 一部パーツは取り寄せに時間がかかる |
保証制度 | メーカー連携で医院間保証引き継ぎが可能 | 医院独自保証のため引き継ぎが難しい |
クリーニングしやすさ | シンプルな構造で部品が少なく洗浄が容易 | 複雑な接合構造でトルク管理が必要な場合も |
説明資料の言語 | 全て日本語、患者への説明が丁寧 | 英語資料の翻訳に頼る医院も多い |
修理対応スピード | 最短当日や翌営業日対応も可能 | 輸入品のため数日〜数週間かかる場合あり |
特に注目すべきなのは、シンプルな構造と部品点数の少なさです。例えば京セラ製インプラントでは、アバットメントとの接合部分に特殊なロック機構を採用しており、トルク管理が簡単でメンテナンス時の分解・洗浄・再装着が容易です。このため、専門的な器具を使わなくても、一般的な歯科医院で十分に対応可能です。
インプラントが初めての方に日本製が向いている理由
インプラント治療は、初めて経験する患者にとっては大きな決断を伴う医療行為です。手術への不安、費用の心配、治療期間の長さ、そして万一のトラブル時の対応など、様々な疑問や不安がつきまとうのが現実です。こうした中で、日本製インプラントは初めて治療を受ける患者にとって特に適した選択肢といえます。その理由は「信頼性の高さ」「患者視点に立った製品設計」「医師と患者双方の情報格差を埋めるサポート体制」にあります。
以下に、初めてインプラント治療を受ける患者が不安に感じやすい要素と、日本製がそれにどのように応えているかを整理します。
不安要素 | 日本製インプラントによる解消ポイント |
手術が怖い | 日本人の骨格に合わせた設計で術式が簡素化、低侵襲で痛みを軽減しやすい |
情報が少ない | 日本語の説明書・リーフレット・動画などが充実し、事前の理解を深めやすい |
治療が失敗したら? | 国内メーカーは保証制度が明確で、医院間でのサポート体制も整備 |
メーカーがわからない | 京セラ、ジーシー、プラトンなど日本人に馴染みのあるメーカーが多い |
医師と会話が難しい | 医師側も日本製を熟知しており、質問にも的確に応じやすい |
とりわけ重要なのが、「日本語によるコミュニケーションのしやすさ」です。海外製インプラントの場合、医師が学会や講習会で得た専門知識を元に説明を行うケースが多く、専門用語が多くなりがちです。一方、国産メーカーは医師向けのみならず、患者向けの日本語ガイドやパンフレット、動画資料を積極的に提供しており、医師との意思疎通が円滑に進むよう設計されています。
また、初めてのインプラントにおいては「手術後のトラブル対応」も不安要素の一つです。国産メーカーでは全国対応の部品供給体制が整っているため、仮に埋入したインプラントが不調になっても、通える範囲の医院で迅速に調整が可能です。これは治療履歴の共有やデジタルカルテの互換性にも配慮されており、トータルの安心感につながります。
自分に合うインプラントの選び方と情報の正しい集め方
医師と一緒に考えるインプラント選びのステップ
インプラント治療は、患者の骨の状態や全身の健康状態、ライフスタイルに合わせた選定が必要です。そのため、専門の歯科医師と二人三脚で進めることが、成功への第一歩となります。以下では、初診から治療方針決定までの具体的な流れを紹介します。
まずは初診カウンセリング。この段階では、患者の主訴や不安を丁寧にヒアリングします。ここで確認されるのは、現在の口腔内の状態や全身疾患、服用中の薬など。高血圧や糖尿病、骨粗しょう症などの既往歴がある場合は、治療計画に影響するため、正確な情報提供が求められます。
次に行うのが、CT撮影や口腔内スキャンを含む精密検査です。三次元画像によって骨量や神経の位置を把握し、安全な埋入位置をシミュレーションします。最近ではAI診断システムやデジタルナビゲーション技術の導入が進んでおり、誤差の少ないプランニングが可能となっています。
この後、治療計画の提示があります。ここでは、複数の選択肢が提案されることが一般的です。たとえば、日本製と海外製のインプラントの違いや、費用面の比較、治療期間なども説明されます。
以下のような点を参考にすると、治療選択の判断材料になります。
比較項目 | 日本製インプラント | 海外製インプラント(例:ストローマン) |
費用目安 | 約30万円~35万円/1本 | 約35万円~40万円/1本 |
保証制度 | 最大10年保証(医院による) | 最大10~15年保証 |
アフターサポート | 国内での迅速対応が可能 | 一部部品供給に時間がかかる場合あり |
加工精度 | 国産技術により高水準 | 世界シェアを持つ実績と実用性 |
治療の最終決定は、患者の意向と医師の判断が合致した時に行います。無理に進めることはせず、数回の面談や相談期間を設けてから最終決定に進むこともあります。
さらに、治療開始から術後メンテナンスまでの流れも事前に確認します。どのくらいの通院が必要か、全身麻酔が必要か、仮歯の作成や固定方法など、事前の情報が不十分だと不安が増してしまいます。
こうした段階的な説明があることで、患者は自分に合ったインプラントを納得して選択することが可能になります。
「どこのメーカーを使っていますか?」と聞く前に知っておくべきこと
インプラント治療を検討する中で、多くの患者が気になるのが「使用しているインプラントメーカーはどこですか?」という質問です。この問い自体は非常に重要であり、治療の質や将来的なメンテナンスに直結する要素でもあります。しかし、実際にはメーカー名だけを聞いても、正しい判断にはつながりません。以下では、その理由と、より有意義な質問の仕方について解説します。
まず大前提として、メーカー名だけでは治療の質を正確に評価できないという点を理解することが大切です。たとえば、世界シェア1位のストローマン社(スイス製)のインプラントは長期データも豊富で信頼性も高いですが、それを使用しているからといって、どの歯科医院でも同じ成果が得られるとは限りません。なぜなら、インプラント治療の成功は、製品の良し悪しだけでなく、歯科医師の経験・技術、症例対応力、術後フォローの質によって大きく左右されるからです。
日本国内で使用されている主要なインプラントメーカーには以下のようなものがあります。
メーカー名 | 本社所在地 | 主な特徴と実績 |
京セラメディカル | 日本 | 国産最大手。骨との結合性に優れ、国内での症例数が多い。 |
ジャパンインプラント | 日本 | 部品供給のスピードが早く、全国的に対応医院が多い。 |
ストローマン | スイス | 世界シェアNo.1。長期臨床実績が豊富で研究論文も多い。 |
ノーベルバイオケア | スウェーデン | パーツの互換性が高く、審美性に優れる設計が特徴。 |
このように、メーカーごとに特徴や実績は異なりますが、選定理由を正しく理解することが非常に重要です。たとえば、「なぜ京セラを採用しているのか?」という問いに対して、「国内生産で流通が安定しており、術後のトラブル対応が迅速だから」という説明があれば、医院の運用方針や患者への配慮が感じられます。
また、単にコストが安いから、あるいは提供元との取引条件が良いからという理由でメーカーを選んでいる医院は注意が必要です。インプラントは10年、20年と使い続けるものです。価格だけにとらわれるのではなく、骨との結合性、インプラント体の耐久性、周囲組織との適合性、症例に応じた多様性など、多角的な観点から選定しているかどうかが信頼性のバロメーターになります。
そのため、より本質的な情報を引き出すためには、質問の仕方を工夫することが大切です。たとえば、以下のような質問が効果的です。
- 「患者の症例に合わせてインプラントメーカーを選定していますか?」
- 「メーカー選定の基準にはどのような要素を重視していますか?」
- 「万一の部品交換やトラブル時の対応体制はどうなっていますか?」
こうした質問を通じて、歯科医院がどの程度真剣にインプラント治療に取り組んでいるか、また、患者本位で提案しているかを判断することができます。
まとめ
インプラント治療において、「日本製を選ぶべきかどうか」は多くの方が直面する疑問です。実際に、日本製のインプラントは京セラ、ジャパンインプラントなど国内で高い信頼を得ているメーカーが揃い、安定した品質管理と迅速なアフター対応が強みとなっています。海外メーカーに比べても、国内での症例実績や部品の入手のしやすさ、言語面でのトラブル回避といった面でメリットが多く、特に長期間の通院が難しい方や治療後の管理に不安がある方には非常に有効な選択肢です。
また、インプラントの成功には、メーカー名だけでなく、担当する歯科医師の経験や医院の治療体制が重要です。製品の選定基準として、骨との結合性や長期的な耐久性、術後のフォロー体制までを総合的に判断している医院を選ぶことが、失敗を防ぐ鍵となります。
「想定外の費用がかかったらどうしよう」「どのメーカーが長持ちするの?」といった不安を抱える方も、この記事を通じて正しい知識と比較軸を得ることで、自分に合った製品と医院を選ぶ道筋が見えてきたのではないでしょうか。
インプラントは一生付き合う可能性のある医療行為です。納得できる選択をするためには、信頼できる情報と対話を大切にしながら、焦らずに判断することが何よりも大切です。
海岸歯科室は、患者様一人ひとりに寄り添い、安心して治療を受けていただける環境をご提供しています。最新の設備と技術を駆使し、虫歯治療からインプラント、予防歯科まで幅広い診療を行っています。お口の健康を守るために、丁寧なカウンセリングと治療計画を立てています。皆様のご来院を心よりお待ちしております。歯に関するお悩みは、ぜひ海岸歯科室へご相談ください。

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よくある質問
Q. 日本製インプラントは本当に長持ちするのでしょうか?
A. 日本製インプラントは国内の臨床データや研究によって、長期的な骨との結合性に優れていることが確認されています。特にHAコーティングを施した製品は骨誘導能が高く、術後の初期安定性にも優れています。京セラやジャパンインプラントの一部製品では、埋入後10年以上の高い生存率が報告されています。
Q. 「日本製」と書かれていてもすべての製品が信頼できるのでしょうか?
A. 「日本製使用」と記載があっても、全体のシステムではなく一部部品のみが日本製である場合や、製造地は海外というケースもあります。製品の信頼性を確認するには、インプラントメーカー名、製造年、チタンのグレード、保証内容まで把握することが大切です。医院によっては、患者向けに製品データシートを開示しているところもあるため、事前に確認しましょう。
Q. 日本製インプラントはメンテナンスがしやすいと聞きましたが、具体的に何が違うのですか?
A. 日本製は国内規格に則った設計が多く、補綴物の再製作や部品交換が必要な場合でも迅速な対応が可能です。また、国内メーカーの製品であれば技工所や歯科技工士との連携も取りやすく、万が一のトラブル時も対応時間が短縮されやすい点が特徴です。特に高齢者や通院が困難な患者にとって、こうしたメンテナンス性は大きな安心材料となります。
医院概要
医院名・・・海岸歯科室
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