ジンジバリス菌対策で歯を守る方法
- 2024年5月13日
- コラム
口内の健康を保つためには、当然ですが口内の細菌をできるだけしっかりと除去することが大切いうことは、皆さん当然ながらご存じかと思います。
しかし、では実際にどんな細菌が悪影響を及ぼすのかについては、案外知られていないのではないでしょうか。
口内で悪さをする細菌の一つとして、ジンジバリス菌があげrたれます。
このジンジバリス菌は口内細菌を代表するものといえるので、ジンジバリス菌についてよく知っておくことは、口内を清潔に保つために重要なポイントとなるはずです。
今回はこのジンジバリス菌とはどんな細菌で、どんな悪影響を及ぼすのか。そしてどのように対策していくべきなのかについて紹介していきますので、ジンジバリス菌の実態を理解してしっかり対策するようにしてください。
口内細菌ジンジバリス菌とはどんな菌なのか
ジンジバリス菌は口腔内に生息する細菌の一種であり、口の中の健康に影響を及ぼすことが知られています。
まずはジンジバリス菌が引き起こす病気への影響、さらにジンジバリス菌とそれによって引き起こされるリスクのある歯周病の関係について詳しく見ていきましょう。
ジンジバリス菌とはどんな細菌か
ジンジバリス菌は、口の中に住む細菌の一種で、特に歯周病の原因となることで知られています。
酸素を嫌う嫌気性の性質を持ち、そのため主に歯周ポケットや歯ぐきの周りに生息しています。
ジンジバリス菌は、他の細菌と一緒に歯垢を形成し、歯や歯ぐきにしっかりと付着してしまいます。
さらに他の細菌を保護して免疫システムや薬から守る役割を果たし、ジンジパインと呼ばれる毒素を生成することで歯ぐきの組織を破壊し、炎症を引き起こします。
その他に免疫システムを回避する性質も持っており、例えば、免疫細胞の働きを妨げる物質を出し、そのことで他の細菌と協力して生きており、歯垢の中での生存を助け合っているのです。
さらに血流に入り込むことで心血管疾患や糖尿病、さらにはアルツハイマー病などの全身的な健康問題を引き起こすことも研究で示されているため、ジンジバリス菌は口腔内だけでなく、全身の健康にも深刻な影響を与える可能性があるのです。
ジンジバリス菌による歯周病のリスク
ジンジバリス菌によって引き起こされる最もわかりやすい症状が、歯周病です。
ジンジバリス菌が口内で増殖すると歯肉の炎症が進み、歯周ポケットが深くなります。
これによって、歯肉の出血、腫れ、痛みが生じ、最終的には歯を支える骨が破壊され、歯が抜け落ちることすら危惧されます。
さらに、ジンジバリス菌は歯周病の進行を加速させるだけでなく、糖尿病の悪化とも関連しています。
特に糖尿病の患者さんは免疫力が低下しているため、ジンジバリス菌の影響を受けやすく、歯周病が進行しやすくなります。
そして歯周病が進行することで炎症が広がり、血糖値のコントロールが難しくなるという悪循環に陥ってしまいます。
ジンジバリス菌によるその他の健康問題
ジンジバリス菌が全身の健康に及ぼす影響も、明らかになってきています。
特に心血管疾患との関連が指摘されています。ジンジバリス菌が血流に乗って全身を巡ることで、動脈硬化を引き起こす可能性があるとされています。
菌が血管内に入り込み、免疫反応を引き起こし、動脈壁に炎症をもたらすためです。
その結果として、心臓病や脳卒中のリスクが増加することも示されています。
さらに、アルツハイマー病との関連も研究されています。
いくつかの研究では、ジンジバリス菌の産生する毒素が脳に影響を与え、神経細胞の死滅やアルツハイマー病の進行に寄与する可能性が示唆されています。
妊娠中の女性が歯周病を患っている場合、早産や低出生体重児のリスクが増加することも報告されています。
これは、口腔内の炎症が全身の炎症反応を引き起こし、胎盤機能に影響を与えるためと考えられています。
以上のように、ジンジバリス菌は口腔内の健康だけでなく、全身の健康にも深刻な影響を及ぼすことがわかっています。
したがって、ジンジバリス菌の対策をしっかりと行うことが、歯周病予防だけでなく、全身の健康維持にも重要なのです。
ジンジバリス菌の検査方法
ジンジバリス菌の検査は、歯科診療において行われます。
歯科医は、口腔内から採取したサンプルを検査し、ジンジバリス菌の有無や量を確認します。
一般的には、歯垢や歯茎からの採取が行われますが、口腔内の状態や患者の症状を考慮して、適切な検査方法が選択されます。
ジンジバリス菌の検査には、早期の歯周病の発見や治療計画の立案に役立つというメリットがあります。しかし、検査の正確性や再現性には限界がありますから、結果がすべての場合に100%正確であるとは限りません。
ジンジバリス菌の検査結果は、歯科医の経験や検査方法、患者さんの個別の状況によって影響を受けることがあります。
そのため、検査結果を判断する際には、患者の症状や臨床的な所見と照らし合わせることが重要となります。
ジンジバリス菌の対策方法とその効果
このようにジンジバリス菌は歯周病の原因となるばかりか、その他の健康トラブルの原因にもなりかねない、非常に厄介な細菌です。
ですから口内だけでなく、あらゆる健康面を考慮したときには、このジンジバリス菌に対して常に何らかの対策をすることが必要です。
では口内でジンジバリス菌を繁殖させないために、どんな対策方法があるのでしょう。
殺菌歯磨き粉の効果的な使用方法
まず重要なのが、毎日のルーティンである歯磨きです。
ジンジバリス菌対策をするためには、殺菌機能のある歯磨き粉を使うことがお勧めとなります。
なぜなら殺菌歯磨き粉は、ジンジバリス菌を含む口腔内の細菌を減少させる効果があるからです。
殺菌歯磨き粉の効果的な使用方法としては、歯磨きを行った後に口を十分にすすぐことがポイントとなります。
当然ながら口腔内を清潔に保つためには、ものを食べたら歯磨きするという定期的な歯磨きの習慣づけが重要です。
マウスウォッシュを活用したジンジバリス菌の対策
リステリンなどのマウスウォッシュは口腔内の細菌の成長を抑制し、口臭や歯周病などの口腔内の問題に効果的なアイテムです。
マウスウォッシュを使ったジンジバリス菌の対策としては、定期的なうがいなどがあげられbます。リステリンは口腔内の細菌を殺菌し、口の中を清潔に保つ助けとなります。ジンジバリス菌の繁殖を抑えることで、歯周病や口臭のリスクを低減することが期待されます。
口臭予防に効果的なジンジバリス菌対策
口臭は、口腔内の細菌が原因となることがあります。
ですからジンジバリス菌の繁殖を抑えることで口臭を防ぐことができます。
口臭予防には、口腔内の清潔を保つことや口臭対策の製品を使用することが有効です。
ジンジバリス菌と歯周病の関係
ジンジバリス菌が口腔内で増殖すると、歯周病のリスクが高まることは、ここまで説明したとおりです。
では続いて、ジンジバリス菌が引き起こす歯周病の症状や、歯周病治療における影響、そして歯周病を予防するためのジンジバリス菌対策について見ていきましょう。
ジンジバリス菌が引き起こす歯周病の症状
ジンジバリス菌の増殖によって引き起こされる歯周病の症状には、歯ぐきの腫れや出血、口臭、歯のぐらつきが引き起こされ、悪化した結果歯が抜けてしまうなどがあります。
歯周病というのは進行性の疾患ですから、処置しないでそのまま放置していると歯を失う可能性があるのです。
歯周病治療でジンジバリス菌が特定されたら
歯周病の治療において、ジンジバリス菌の影響は重要な位置づけとなります。
もし歯周病の原因菌としてジンジバリス菌が特定された場合は、ジンジバリス菌に対する適切な治療を行わなければなりません。
その場合歯科医は患者さんの口腔内の状態を評価し、適切な治療プランを立ててください。
歯周病の悪化を抑えるジンジバリス菌対策
歯周病の悪化を防ぐためには、ジンジバリス菌の増殖を抑えることが重要です。
歯磨きは少なくとも1日2回以上行い、フッ素入りの歯磨き粉を使用することで菌の増殖を効果的に抑えることができます。
歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシも活用し、歯と歯の間や歯ぐきの境目に残る歯垢をしっかり取り除きましょう。
さらに抗菌性のあるマウスウォッシュの使用も推奨されます。
マウスウォッシュはジンジバリス菌を含む口腔内の細菌を減少させる効果があり、歯磨き後に適量を口に含み、30秒から1分間しっかりとすすぐようにしてください。
食生活の見直しも必要です。糖分の多い食品や飲み物は、細菌の餌となり、菌の増殖を促進します。
バランスの取れた食事を心がけ、特にビタミンCやカルシウムを多く含む食品を摂取することで、歯ぐきの健康を維持しましょう。
定期的な歯科検診で歯周病を予防
定期的な歯科検診も欠かせません。
少なくとも半年に一度は歯科医院で専門的な歯のクリーニングを受け、歯石や歯垢を徹底的に除去してもらうことが大切です。
個々の状態に合わせた適切なアドバイスや治療を受ければ、早期発見と治療が可能になります。
さらに喫煙は歯周病のリスクを大幅に高めるため、禁煙することが強く推奨されます。
喫煙は歯ぐきの血行を悪化させ、免疫力を低下させるため、細菌感染が進行しやすくなります。
まとめ
ジンジバリス菌は歯周病をはじめとする口内や歯のトラブルに大きく影響する、非常に問題のある細菌です。
まずはこのジンジバリス菌が口内で繁殖しないよう、積極的に歯磨きなどを習慣化し、口内環境を整えてください。
万一、ジンジバリス菌が繁殖してしまった場合、すぐに歯科医に相談しましょう。
これは歯周病や口臭などが自覚症状となりますので、その気配を感じたらすぐに歯科医を訪問するべきといえるでしょう。
監修:理事長 森本 哲郎