ホワイトニングでも歯が白くならない?白くならない歯の特徴と治療法
- 2025年3月11日
- コラム
ホワイトニングは、変色した歯を白くする治療法です。しかし、せっかくホワイトニングを受けても歯が白くならなかったという経験がある方もいるのではないでしょうか。
ホワイトニングは、全ての歯を白くできるわけではありません。
このコラムでは、ホワイトニングで白くならない歯の特徴や、ホワイトニング以外で歯を白くする方法について詳しく紹介します。
ホワイトニングで歯が白くならないのはなぜ?
ホワイトニングは、歯の表面に薬剤を塗布して特殊な光を照射することによって歯を白くする治療法です。
歯科医院で行う方法や自宅で行う方法がありますが、これらを行なっても白くならない歯の種類があります。
歯の病気や治療状況によっては歯が白くならず、思ったような効果を得られない人もいますので、不安な場合は医師に良く相談しましょう。
ホワイトニングをしても白くならない歯とは
ホワイトニングを受けても白くならない歯には、以下の例が挙げられます。
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歯に何らかのトラブルがあったり、治療している歯があったりする場合には、ホワイトニングを受けても思ったような効果が得られない可能性があります。
ここでは、ホワイトニングを受けても白くならない歯の特徴について説明します。
詰め物や人工歯
詰め物や人工の歯は、ホワイトニングを受けても白くなりません。
ホワイトニングで白くできるのは天然の歯のみのため、詰め物や人工の歯がある場合は、一部分だけ白くならず、不自然な印象を与えてしまう可能性があります。
詰め物の部分も白くしたい場合は、歯全体をホワイトニングしてから詰め物の色を合わせるとよいでしょう。
金属で変色した歯
金属によって歯が変色した場合、ホワイトニングを受けても白くならない可能性が高いです。金属製の詰め物や被せ物をしている場合、金属イオンが溶け出して歯が黒っぽく変色することがありますが、この部分はホワイトニングを受けても白くなりません。
金属による変色を白くしたい場合には、金属を取り除いて白い詰め物や被せ物に交換したり、歯のマニキュアで一時的に白くしたりといった方法があります。
神経のない歯
神経のない歯は、ホワイトニングを受けても白くなりません。歯の神経が死んでいると、歯の色が変色します。
神経が死んでいる歯にホワイトニングを行なっても、歯の色の改善は見られません。神経が死んでいる歯の色を改善したい場合は、被せ物で対処する必要があります。また、ウォーキングブリーチと呼ばれる歯の内側に薬剤を入れる方法でも、歯の色が改善できる可能性があります。
虫歯
虫歯がある場合、原則としてホワイトニングよりも治療を優先します。
無理にホワイトニングの治療を行うと、薬剤が染みて痛みが生じる可能性があります。また、ホワイトニングの治療中に虫歯が進行すると抜歯しなければいけないケースもあるため、虫歯の治療を優先して行わなければいけません。
ホワイトニングで白くなりにくい歯とは
ホワイトニングを受けても全く効果が得られないわけではありませんが、下記の状態の場合には、十分な効果が得られないケースが考えられます。
フッ素コーティングしている歯 エナメル質が薄い歯 テトラサイクリン歯 加齢による黄ばみがある歯 |
上記の状態でホワイトニングを受ける場合、健康な歯に比べてホワイトニングの効果が得られにくい可能性があります。
症状の程度によってもホワイトニング効果は異なるため、医師に相談して治療法や回数を検討すると良いでしょう。
フッ素コーティングしている歯
フッ素コーティングをしている歯は、ホワイトニングを受けても白くなりにくいです。
フッ素コーティングを行うと、エナメル質を強化し、虫歯になりにくい効果があります。しかし、フッ素はホワイトニング薬剤の効果を弱めてしまう効果があるため、歯が白くなりにくいでしょう。
フッ素コーティングを行いたい場合は、ホワイトニング後に行うのが良いです。
エナメル質が薄い歯
エナメル質が薄い歯にホワイトニングをしても、白くなりにくい可能性があります。
ホワイトニングの薬剤は主にエナメル質に作用し、その内側にある象牙質には作用しません。エナメル質が薄いと象牙質が透けて見えてしまい、歯が白く見えない可能性があります。
ホワイトニングの効果を得るためにはある程度のエナメル質の厚みが必要なため、不安な場合は医師に相談し、ホワイトニング以外の治療法も検討しましょう。
テトラサイクリン歯
テトラサイクリン歯は、テトラサイクリン系の抗生物質によって変色した歯を指します。
軽度〜中度の変色や、しま模様がほとんどない場合は、ホワイトニングでもある程度の治療効果を得ることができます。
しかし、変色が重度の場合や歯の表面にしま模様が浮き出ている場合は、思ったような効果が得られません。ホワイトニングだけでは効果が得られないと判断された場合は、ラミネートベニアなどの治療法を選択すると良いでしょう。
加齢による黄ばみがある歯
加齢による黄ばみがある歯は、ホワイトニングで白くなりづらいことがあります。加齢によって歯が黄ばむ原因には、エナメル質が薄くなることが挙げられます。
エナメル質が薄くなると内側にある象牙質が透けて見えてしまうため、ホワイトニングを受けても効果が出にくいと感じることがあるでしょう。
ただし、時間をかけてホワイトニングを行えば、徐々に効果はあらわれます。年齢による黄ばみが気になる場合でも、歯科医院に相談してみてください。
ホワイトニング以外で歯を白くしたい場合
ホワイトニング以外で歯を白くしたい場合には、以下のような方法がおすすめです。
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ホワイトニングで歯を白くするのではなく、詰め物や被せもの、コーティング剤などで治療することにより、他の歯と同じように自然な白い歯を手に入れることができます。
ここでは、上記の治療法について詳しく見ていきましょう。
歯のクリーニング
歯のクリーニングは、歯に蓄積しているプラークや歯石を除去する治療です。歯のクリーニングだけで劇的に歯を白くすることはできませんが、歯の表面の着色や汚れを落とせるため、食事が原因の黄ばみなどを多少改善する効果が期待できます。
歯を白くするだけでなく虫歯や歯周病の予防にも効果的なため、定期的に歯科医院で治療を受けましょう。
ラミネートベニア
ラミネートベニアは、歯の表面を少しだけ削り、セラミックの薄い板を貼り付ける治療方法です。歯の表面を美しく見せてくれます。
ラミネートベニアを貼り付けると、歯の色など周りの歯との違和感をなくせたり、歯にできた少しの隙間を埋めて歯並びをよく見せたりといった効果が期待できます。
ホワイトニングでは効果が見られない部分のみラミネートベニアを貼り付けると、違和感のない見た目に近づけるでしょう。
ホワイトコート
歯にマニキュアのようなコーティング剤を塗布し、一時的に白く見せる方法です。歯の根本を白くはできませんが、一度の治療で歯を白くできるため、結婚式などの大事なイベントの前の治療に向いています。
ただし、ホワイトコートの効果持続期間は長くありません。一般的には1〜3ヶ月程度で剥がれていってしまうため、白く見せたい時期に合わせて治療を受けましょう。
セラミック
セラミックは、セラミック製の被せ物で虫歯や歯の欠損を補う治療法です。天然の歯に近い色や透明感があり、他の歯と同じような印象を与えられます。
セラミックは変色しにくく長期間にわたって白い歯を保てる一方で、治療する際に健康な歯を削る点がデメリットといえます。
費用も自由診療になり高額になる傾向があるため、医師とよく相談して選ぶと良いでしょう。
歯が白くならない人によくある質問
最後に、ホワイトニングによって歯が白くならない人によくある質問について回答します。
ホームホワイトニングは歯が白くならない?
ホームホワイトニングは、正しい方法で行えば歯が白くなる効果が期待できます。
ただし、ホームホワイトニングはマウスピースの装着時間を守ることが大切です。装着時間が短い場合、十分な効果が得られない場合があります。
また、ホームホワイトニングは効果が出るまでに時間がかかるため、なかなか白くならないと心配になる方もいるかもしれません。その場合は歯科医院で行うオフィスホワイトニングを受けることで、即効性が期待できます。
象牙質まで白くする方法は?
歯の内側にある象牙質は、市販のホワイトニング専用の歯磨き粉では白くできません。歯科医院で薬剤を使って治療することで歯を白くする効果が期待できます。
ただし、エナメル質が薄く象牙質の色が強く出ている場合にはホワイトニングでも効果が出にくい場合があるため、その際にはラミネートベニアなどの治療法を検討しましょう。
ホワイトニングを受けられない人は?
ホワイトニングは、下記に当てはまる方は治療を受けられない可能性が高いです。
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上記に当てはまる方は、ホワイトニングを受けると歯や体調に悪影響を及ぼす可能性があります。自身が治療を受けられるか判断できない場合は、必ず医師に相談するようにしましょう。
まとめ
ホワイトニングを受けても歯が白くならないのは、歯が被せ物や詰め物をしていたり、神経がなかったりといった可能性が考えられます。そのほかにも、エナメル質が薄い歯やフッ素コーティングを行なっている歯は、ホワイトニングの効果が出にくい場合があるため、治療前に医師によく相談しましょう。
海岸歯科室では、一人一人に合わせたホワイトニング治療を提案しています。お困りのことがある方は、ぜひ一度ご相談ください。
監修:理事長 森本 哲郎