ホワイトニングの痛みの原因と対処法|事前にできる予防法なども解説
- 2024年10月24日
- コラム
歯を白くするのに欠かせないホワイトニング。このホワイトニングをして痛みを感じることがあるようです。どのような場合にホワイトニングをして痛みを感じるのでしょうか?
ホワイトニングとは?
ホワイトニングとは、加齢や飲食による着色、喫煙などによって変色した歯を白くする歯科治療です。歯の変色は、歯のケアをきちんとしていても落とせるものではありません。
歯科医院で使用するホワイトニング剤の一種である過酸化水素は光を当てる、ph(酸性値)を調節する、温度を上げることで化学反応を起こし歯を変色させている色素を分解します。
色素が分解されることで、白い歯を手に入れることができるのです。
なぜ、ホワイトニングを痛いと感じるのか?
ホワイトニングで痛みを感じる人が少なからずいるそうです。一般的に、ホワイトニングを受けた約2割の方が痛みを体験しています。
感じ方は異なり、痛いと感じる方もいればむず痒い程度の痒さを覚える方もいるらしいです。
薬剤の量や種類によっても、痛みの出方などは違うのでホワイトニングが必ずしも痛みを伴うものとはいえそうにありません。
それでも、一定数の人がホワイトニングで痛みを感じることは事実です。
歯は外側から、エナメル質、象牙質、神経(歯髄)という構造で成り立っています。エナメル質はとても硬く神経が通っていないため、薬剤などが染みる心配はありません。
ですが、何らかの理由でエナメル質に傷ができると、神経から象牙質に伸びた神経細胞が刺激に反応し、痛みを感じるようになります。
ホワイトニングの場合、歯の損傷部分から内部の神経に過酸化水素の刺激が加わり痛みを感じていると考えられます。
ホワイトニングで痛いと感じる4つの特徴
ホワイトニングには大きく分けて痛いと感じる4つの特徴があります。
・虫歯がある
・知覚過敏がある
・歯が欠けている・ヒビが入っている
・歯周病がある
これらの症状がある場合、ホワイトニングをしたときに痛みを感じる可能性があります。なぜ痛みを感じるのか解説していきましょう。
虫歯がある
虫歯があると、歯の表面にあるエナメル質が溶けているため、象牙質がむき出しになっています。そのため、神経に近い象牙質に薬剤が染みるのです。
虫歯になると、エナメル質が溶けて痛みを感じる象牙質がむき出しになってしまいます。
このむき出しになった象牙質に、ホワイトニングがかかることで痛みを感じるようになるのです。
また、虫歯の治療を受けた場合でも、詰め物に隙間があると薬剤によって痛みが発生することがあります。
知覚過敏がある
知覚過敏症の人は、ホワイトニングによる刺激に反応し、痛みを引き起こす可能性があります。知覚過敏の人は、エナメル質が削られて象牙質が露出しているので、刺激が加わることで痛みを感じます。
ホワイトニングの際も、薬剤による刺激を感じ、痛みが出るのです。
また、ホワイトニングがきっかけで知覚過敏の症状が出る人もいます。
ホワイトニングの薬剤を使用すると、歯の一番表面にあるペリクルという膜が剥がれ、エナメル質がむき出しになります。
そのときに、エナメル質も溶けてしまい象牙質に刺激が与えられ、痛みが出るのです。
ベリクルは24時間ほどで元に戻り痛みも引きます。痛みが長引く場合は担当医師に相談してください。
歯が欠けている・ヒビが入っている
歯が欠けていたり、ひびが入っていいてもエナメル質が剥がれ象牙質がむき出しになっているため痛みを感じます。歯ぎしりによって、表面が削れ痛みを覚えることもあるそうです。
歯の欠けやヒビ割れを見つけたら、歯科医院に診てもらいましょう。
歯周病がある
歯周病の症状がある場合も、要注意です。
歯周病とは、歯と歯茎の間にある歯周ポケットから細菌が侵入することで、歯茎が炎症を起こし歯がぐらつく症状のこといいます。
歯周病が進行していると、歯根が露出しやすくなります。歯根は象牙質で覆われていないので、薬剤にふれて痛みを覚える可能性があります。
それ以外の痛みの原因
上記の4つの痛みの特徴以外にも、ホワイトニングの痛みの原因はあります。それらについて解説していきます。
歯の状態や痛みへの耐性
ホワイトニングを受ける人の歯の状態や、その人の痛みの耐性によってもホワイトニングで感じる痛みは変わってきます。痛みを感じたとしても、痛みの耐性ができていればかゆいぐらいにしか感じないかもしれません。
その逆に、痛みの耐性がある人は激痛を覚える可能性もあるのです。
ホワイトジェルの濃度
ホワイトジェルの濃度によっても感じる痛みは違ってきます。
ホワイトニングジェルの濃度が高い場合は、施術時に痛みを感じやすいとされています。
歯科医院で使用するホワイトニング剤は濃度が高い場合が多く、過酸化水素を主成分に、過酸化尿素、酸化チタン、チッ素などが含まれている場合もあります。
施術方法の違い
施術方法の違いによっても、ホワイトニングをするときに痛みを感じるかそうでないかに違いが出てきます。ホワイトジェルの濃度が高いオフィスホワイトニングは痛みが生じるでしょうし、逆に濃度の低い薬剤を使用しているホームホワイトニングは痛みが少ないはずです。
痛みを感じたときの対処方法
ホワイトニングによる痛みは、多くの場合が治療直後か数時間後にでるようです。
歯や歯肉の状態が悪い場合は、治療中に痛みを感じることもあります。また、場合によってはホワイトニングの翌日に痛みが出ることもあるそうです。
ホワイトニングによる痛みは、一時的なものが多く治療後数時間から2日程度で消えていきます。
その間、どのように痛みを抑えればいいのかここでは解説していきます。
歯磨き、うがいをする
ホワイトニング後に歯磨きやうがいをすることで、口内に残っているホワイトニングの薬剤を洗い落とすことができます。
歯磨きをするときは、フッ素が配合された歯磨き粉を使うと、しみるような痛みを軽減することもできます。
刺激物や甘いもの、熱すぎるものなどを避ける
ホワイトニング後は、刺激の強い飲食物は避けるようにしてください。
ホワイトニングによって一時的に知覚過敏を起こしている場合は、刺激の強いものによって痛みが出るためです。
具体的には、以下のものを避けましょう。
・アイス
・冷たい炭酸飲料
・柑橘系の食べ物
・お酢を使った食べ物
・ホット飲料
ホワイトニングから24時間は、これらのものは控えましょう。
鎮静剤を飲む
ホワイトニング後の痛みが強い場合は、鎮痛剤などを服用してください。
ただ、鎮痛剤の効果が切れても痛みが長引く場合は、炎症をはじめとしたホワイトニング以外の原因が考えられます。早めに担当医に相談してください。
歯科医院を受診する
痛みが長引く場合は、なるべく早く歯科医院にかかり歯の様子を見てもらいましょう。
痛みには個人差がありますが、痛みが我慢できず日常に支障をきたす可能性も捨てきれません。我慢せずに担当医に相談しましょう。
ホワイトニング前の予防
ホワイトニングをする前に、ホワイトニングによる痛みを予防する方法をご紹介いたします。
虫歯・歯周病の治療
虫歯がある場合は、ホワイトニングをおこなう前に虫歯治療をしましょう。そうすることによって、施術中の痛みを防ぐことができます。
知覚過敏のケア
知覚過敏用の歯磨きを使うことで、ホワイトニングの痛みを和らげることができます。
知覚過敏用の歯磨き粉には、硝酸カリウムが含まれています。硝酸カリウムは、神経への刺激を抑え、ホワイトニングによる痛みを軽減する効果があります。
歯周病ケアを怠らない
日頃からきちんと歯磨きをして、歯周ポケットの歯垢を取り除くことで歯周病ケアをおこなうことができます。歯磨きをする際は、自分に合った歯ブラシやデンタルフロスでケアすることが大切です。
定期的な歯の検診
歯科医師に定期的に歯を見てもらうことで、虫歯や歯周病などを早期に発見することが可能です。これにより、ホワイトニングで発生する痛みを抑えることができるのです。
早期の発見は、早期の治療に繋がり歯の健康を維持することにもつながります。
歯の健康が気になる方は、定期健診を受けましょう。
まとめ
ホワイトニングによる痛みは、人によって個人差があります。
ですが、事前に予防をすることでその痛みを防ぐこともできるのです。
ホワイトニングで痛みを感じた場合は、歯磨きやうがいをして薬液を掃除したり、鎮痛剤を飲んだり、刺激物や甘いものを控えることで痛みに対処することができます。
海岸歯科室では、オフィスホワイトニングの施術も承っております。
ホワイトニングをする前には、かならず口内の検査を実施いたしますので、歯周病や虫歯があった場合にはすみやかに治療をさせていただきます。
完治してからホワイトニングの施術をおこないますので、ホワイトニングによる痛みはかなり抑えられます。
それでも、酷い痛みを感じた場合は、すぐさまご相談ください。きちんと責任を持って、痛みに対処させていただきます。
また、歯の定期健診をすれば、虫歯や歯周病を早期に発見できホワイトニングの痛みを予防することができます。
定期健診によってホワイトニングの痛みを弱めるだけではなく、歯周病や虫歯の早期発見も可能になります。定期健診をおこなうことが、歯の健康に繋がっていくのです。定期健診をご検討の場合は、是非ともご相談ください。責任を持って、お客様の歯の健康状態をお調べいたします。
監修:理事長 森本 哲郎