ホワイトワイヤーを使った矯正とは?メリット・デメリットや注意点を解説
- 2024年8月23日
- コラム
矯正治療と聞くと「銀色の目立つ装置を付けないといけないの?」と思う方は多いのでしょうか。できるだけ目立たない方法での矯正治療を検討している方には、ホワイトワイヤーを使った治療がおすすめです。
ホワイトワイヤーは歯の色に近い白色のワイヤーを使って矯正治療を行うため、目立ちにくいというメリットがあります。
ホワイトワイヤーを使った矯正治療について知りたい方は、ぜひ最後までお読みください。
ホワイトワイヤーとは
一方でホワイトワイヤーは歯の色と似ているため矯正していることがわかりにくいメリットがあります。
ワイヤー矯正には、ワイヤーを通すブラケットと呼ばれる装置も必要です。こちらも白色にすると、より目立ちにくくできるでしょう。
ホワイト矯正ワイヤーの種類
矯正で使用されるホワイトワイヤーには、大きく分けて下記の2つがあります。
- 白く塗装したワイヤー
- 金属でコーティングしたワイヤー
ホワイトワイヤーの種類によって耐久性などが異なるため、以下で詳しく説明します。
白く塗装したワイヤー
白く塗装したワイヤーは、銀色のワイヤーに白い塗料を塗って作ります。素材は主にニッケル・ステンレス・チタンなどからできていて、これらの素材に白い塗料を塗ります。
塗装材料は、アレルギーが出にくいものや、健康に悪影響が出にくいものを使っているため
安心して使用できるでしょう。
塗装する色は白ではりますが、真っ白やオフホワイト、光沢のあるタイプやマットタイプなど、素材によって異なります。自分の歯の色に馴染みやすいものを選ぶと良いでしょう。
金属でコーティングしたワイヤー
もう1つは、ワイヤーにロジウムと呼ばれる白い金属をコーティングしたものです。コーティングとは、物体の表面を薄膜で覆うことです。ワイヤーに張る膜が非常に薄いため、厚みが出にくく、コーティング前のワイヤー治療とほぼ変わらない治療効果が得られます。
ロジウムはもともと白銀色をしており、体に害のない素材です。ただし、金属アレルギーの方は使えない可能性があります。
塗装するよりもしっかりとワイヤーを覆えるため、耐久性が高い点も特徴的です。
ホワイトワイヤー矯正のメリット
ホワイトワイヤー矯正は、矯正装置が目立ちにくい点や、どんな症例でも対応している点がメリットといえます。
これらのメリットについて、下記で詳しく見ていきましょう。
矯正装置が目立ちにくい
ホワイトワイヤーによる最大のメリットは、矯正装置が目立ちにくい点です。ワイヤーが歯の色に近いため悪目立ちせず、矯正治療していることがわかりにくい点が、最大のメリットといえるでしょう。
人と接することが多い職業の方など、見た目を気にする方は、ホワイトワイヤーを使って治療するケースも多いです。芸能人の下でも、ホワイトワイヤーを使って治療している方はたくさんいます。
ただし、矯正装置は歯の表面に付けるため、近くで見れば矯正治療をしていることがわかります。絶対に矯正装置を見られたくない方は、歯の裏側に矯正装置を付けるなど、治療法を検討しましょう。
どんな症例にも対応している
ワイヤーによる歯列矯正は、どんな症例にも対応している点もメリットです。マウスピースを使った治療であるインビザラインの場合、抜歯が必要な場合や重度の不正咬合などの方は、治療を受けられない可能性があります。
一方ワイヤー矯正は、基本的にどんな症例であっても治療可能です。歯並びが大きく乱れている方でも、ワイヤー矯正であれば治療を受けられます。
ホワイトワイヤー矯正のデメリット
ホワイトワイヤーは、治療期間中に塗装が剥がれたり、通常の銀色のワイヤーよりも治療期間が長くなったりする可能性があります。
ホワイトワイヤー治療のデメリットについて、詳しく見ていきましょう。
塗装が剥がれる
銀色のワイヤーを塗装したホワイトワイヤーの場合、剥がれて銀色が見えてしまう可能性があります。ワイヤーは毎日の歯磨きや食事などの摩擦により、少しずつ剥がれてしまうことがあるのです。剥がれた部分とそうでない部分はまだらになってしまうため、見た目が気になることがあるでしょう。
ワイヤーの白色が剥がれるのを避けたい方は、ロジウムでコーティングされたワイヤーを選ぶのがおすすめです。ロジウムコーティングは結婚指輪などにも施されるほど耐摩耗性に優れているため、塗料を塗ったワイヤーよりも剥がれにくいでしょう。
治療期間が長くなることがある
ホワイトワイヤーで治療する場合、銀色のワイヤーよりも治療に時間がかかる可能性があります。
塗装したホワイトワイヤーを使う場合、塗料によって厚みが出ることを考慮して、細いワイヤーを使うことがあります。細いワイヤーを使うと歯にかけられる力が小さくなるため、普通のワイヤーに比べて治療期間が長くなる可能性があるでしょう。
ホワイトワイヤー矯正の値段
ホワイトワイヤーにかかる費用は、クリニックによって異なります。クリニックによっては無料で対応しているケースもあるため、希望する方はクリニックで相談してみましょう。
ホワイトワイヤー以外の目立たないワイヤー矯正
ホワイトワイヤー矯正以外にも、矯正をしていることが目立ちにくい矯正方法もあります。裏側矯正やインビザラインであれば、通常のワイヤー治療よりも矯正治療が目立ちにくいでしょう。この2つの治療法について紹介します。
裏側矯正
裏側矯正は、歯の裏側にブラケットを付け、ワイヤーを通して歯列矯正を行う方法です。
口を開けても矯正器具が見えないため、矯正していることを知られたくない方に向いています。
また、歯の裏側は唾液の量が多く、歯垢や食べかすを洗い流してくれる効果が高いため、表側に矯正機器を付けるよりも虫歯や歯周病のリスクが下がる点も特徴です。
一方で、裏側に矯正器具が付くことで、口内に違和感を感じるケースがあります。また発音が難しかったり歯磨きが難しかったりといったデメリットを感じる方もいるでしょう。医師の技術力が必要な治療のため、費用も高くなる傾向があります。
インビザライン
インビザラインは、マウスピースを用いた矯正方法のことです。歯並びに合わせた透明なマウスピースを作成し、正しい位置に動くように段階的に力を加え、歯列を整えていきます。
インビザラインは透明なマウスピースを付けるため、近くで見ても矯正装置が目立ちにくい点がメリットです。食事や歯磨きの際に取り外すことができ、衛生管理もしやすいです。一方で1日20〜22時間程度装着する必要があり、装着時間を守らないと歯が元の位置に戻る可能性があるため注意しなければいけません。
また、抜歯を必要とするような重度の歯列の乱れがある場合は、インビザラインが適していないこともあります。
ホワイトワイヤー矯正の注意点
ホワイトワイヤーを使った矯正について、注意点を見ていきましょう。
カレーなどの着色汚れに気を付ける
ホワイトワイヤー矯正では、カレーなどの着色しやすい食べ物を食べると、ゴム部分やブラケット部分に色移りする可能性があります。矯正装置に着色汚れが付いても、治療効果には全く問題ありません。しかし、見た目が黄ばんで見えることがあるため、気になるという方もいるでしょう。
着色をできるだけ避けたい場合は、食後すぐに歯磨きをすると、多少ましになる可能性があります。ただし、しっかりと歯磨きしすぎるとホワイトワイヤーの塗装が剥がれてまだらになってしまうため、かえって見た目が悪くなる可能性もあります。
月に1回程度ゴムを交換するため、交換のタイミングを見計らって着色しそうな食べ物を食べるなどの工夫をしてみてください。
費用が高くなるケースがある
ホワイトワイヤーを選ぶと、通常の銀色のワイヤーを使った矯正よりも費用が高くなる傾向があります。ホワイトワイヤーは、金属製のワイヤーに塗料を塗ったり、ロジウムでコーティングしたりすることによって作られています。そのため、通常のワイヤーよりも材料や工数が必要になり、費用が高くなるのです。
また、塗装したワイヤーよりもロジウムコーティングのワイヤーの方が高くなる傾向にあるため、事前に調べておきましょう。
取り外しはできない
ホワイトワイヤーに限らず、ワイヤー矯正による治療を受ける場合は、基本的に取り外しはできません。結婚式などの理由でどうしても短時間のみ外したい場合は対応している病院もありますが、外す際や再度取り付ける際に費用がかかります。
また、長時間外すと歯が元に戻ってしまう可能性もあるため、あまりおすすめできません。数時間だけでも外したいという方は、インビザラインを選ぶのも良いでしょう。
歯の色と違うと目立つことがある
ホワイトワイヤーは、塗料やワイヤーの材質などによって、白の色味が異なります。はっきりとした白やオフホワイトなどがあり、自分の歯の色と異なると、ワイヤーが目立つ可能性があるでしょう。
たとえば、歯が黄ばんでいる場合、真っ白なワイヤーを付けると白色が目立つ可能性があります。ご自身の歯に合う色味かどうか、治療前に確認するのがおすすめです。
まとめ
ホワイトワイヤー矯正は、通常銀色であるワイヤー部分が白く、見た目が歯の色と似ているため、矯正していることが目立ちにくいメリットがあります。ホワイトワイヤーには塗料を塗る場合とロジウムなどでコーティングしている場合があり、色味が若干異なります。ご自身の歯の色味に合わせて選ぶと良いでしょう。
海岸歯科室では、ワイヤー矯正はもちろん、インビザラインによる矯正治療も行っています。「目立ちにくい治療をしたい」「装置を取り外せる治療が良い」など、一人一人のご要望に合わせた治療を行っておりますので、ぜひお気軽にお越しください。
監修:理事長 森本 哲郎