マウスピース矯正で前歯の歯並びは治療できる?|対象症例や費用・期間について解説|海岸歯科室|千葉県美浜区の歯医者

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マウスピース矯正で前歯の歯並びは治療できる?|対象症例や費用・期間について解説

「マウスピースで前歯だけの矯正ができるの?」「マウスピースで前歯だけ矯正したらいくらかかるんだろう?」など、マウスピース矯正で前歯のみの治療が可能か、気になっている方もいるでしょう。

マウスピースで前歯だけの部分矯正は可能ですが、全体を矯正する方法よりも症例は限られます。

しかし全体矯正と比較すると、費用が安く期間が短いため、適用症例であればメリットが大きいでしょう。

このコラムではマウスピース矯正で前歯だけ治療する場合の対象症例やメリット・デメリットについて解説します。

また気になる費用や矯正に必要な期間についても解説しますので、マウスピース矯正で前歯だけの治療を検討されている方は参考にしてみてください。

マウスピース矯正が適応される前歯の範囲

前歯の範囲は自分の中心から数えて3番目までの範囲をさし、3番目の歯は犬歯(けんし)と呼ばれ、一般的には糸切り歯ともいいます。

前歯の矯正の場合、基本的に上下左右の12本が矯正の対象です。

永久歯の場合、上下左右対称のブロックに1番~7番目までの7本ずつの歯が生えており、合計で28本あります(8番目は親知らずが生えている場合)。

なお奥歯は自分の中心から数えて4番目から後ろの部分をさし、臼歯(きゅうし)と呼ばれます。

前歯だけを矯正する場合でもマウスピースは歯全体に装着するため、慣れるまでは違和感があるかもしれません。

マウスピース矯正で前歯だけ治療できる4つの症例

マウスピース矯正で前歯だけを治療できる症例は、主に以下の4つです。

1.軽度の叢生(そうせい)

2.軽度の上顎前突(じょうがくぜんとつ)

3.軽度の空隙(くうげき)歯列

4.矯正後の後戻り

それぞれのケースの詳細を解説します。

1.軽度の叢生(そうせい)

叢生とは顎の大きさに対して歯が正しく並びきれず、歯がガタガタに生えている状態です。

乱杭歯(らんくいば)とも呼ばれ、八重歯も叢生に該当します。

厚生労働省の調査によると、日本人の不正咬合の約45%が叢生というデータがあります。

マウスピース矯正で叢生を治療する場合は、前歯の数本だけ前後にずれているケースや、軽度の重なり・歯列のずれが適応です。

2.軽度の上顎前突(じょうがくぜんとつ)

上顎前突は奥歯で噛んだときに上の前歯が前方に出ている状態で、出っ歯を指します。

口元のコンプレックスで多い悩みのひとつで、厚生労働省が調査している不正咬合の割合を示すデータでも、叢生に続き2番目に多い不正咬合です。

唇が閉じにくかったり、歯が出ているためにぶつけて欠けたり折れたりする事故が多いといわれています。

マウスピース矯正が適用になるのは、奥歯を動かす必要がなく、前歯の傾斜のみで改善できるケースが対象になります。

3.軽度の空隙(くうげき)歯列

空隙歯列は歯と歯の隙間がある状態で、すきっ歯を指します。

空隙歯列の原因は生まれつき歯の本数が少なかったり、顎の大きさに対して歯が小さかったりすることです。

隙間の程度によりマウスピース矯正で改善できるケースがあり、隙間が大きい場合は奥歯から動かす全体矯正が必要な場合もあります。

4.矯正後の後戻り

矯正後の後戻りとは、一度きれいに矯正したものの、矯正後に元の歯並びに戻ってしまうことをさします。

矯正直後の歯は動きやすくなっているため、矯正後の歯並びを定着させるための保定装置(リテーナー)の装着が必要です。

部分矯正や保定装置を装着していないケースは、後戻りしやすいといわれています。

マウスピース矯正では軽度の後戻りも対象になりますが、後戻りの程度によっては難しい症例もあります。

マウスピース矯正で前歯だけを治療できな3つのケース

マウスピース矯正で前歯だけを治療できない症例は、主に以下の3つです。

1.重症の症例や噛み合わせに問題がある

2.抜歯が必要である

3.歯周病やインプラント治療後である

それぞれの症例が適用されない理由について解説します。

1.重症の症例や噛み合わせに問題がある

マウスピース矯正が適応になるのは、基本的に軽度の症例です。

矯正治療の目的は、歯並びを整えるだけでなく噛み合わせの改善も重要です。

奥歯の不正咬合は骨格が原因の場合もあり、その場合は歯列矯正だけでなく外科手術を併用する必要があるため、マウスピース矯正のみでは対応できません。

基本的に奥歯の噛み合わせを改善する必要がある場合は、マウスピース矯正で前歯のみ整えても全体のバランスが整わないため、全体矯正が必要でしょう。

また前歯だけの矯正の場合も、歯の捻じれ具合などによっては残念ながら適応にならないケースもあります。

2.抜歯が必要である

歯列矯正では歯が動くスペースを確保し歯並びを大きく動かすために、抜歯を必要とするケースがあります。

しかしマウスピース矯正は歯並びを大きく動かすのには向いていません。

マウスピース矯正で前歯だけ矯正する場合は、歯を内側や外側に動かすのみで矯正可能な症例に向いています。

3.歯周病やインプラント治療後である

歯周病の程度やインプラント治療後のケースでは、マウスピース矯正に向いていません。

歯周病は歯とはぐきの間の歯周ポケットに細菌がたまり、炎症を引き起こしたり進行が進むと歯を支える土台の組織が破壊され、歯が不安定になったりします。

不安定な歯に対して矯正のために力を加えてしまうと、抜けてしまう可能性があるため歯周病の進行度によっては、矯正自体が向きません。

インプラント治療は、歯を失った際の補綴療法のひとつとして、顎の骨に人工の土台を埋め込む方法です。

天然の歯には歯や骨を守るクッションのような役割を果たす歯根膜が存在します。

歯列矯正ではこの歯根膜が重要な役割を果たしますが、インプラント治療後の歯には歯根膜がないため、マウスピース矯正を含む矯正全般に向いていません。

前歯だけのマウスピース矯正メリット

マウスピース矯正で前歯だけを治療するメリットは、以下のようなものがあります。

・費用が安い

・期間が短い

・メンテナンスが楽である

・ワイヤー矯正より目立ちにくい

・金属アレルギーでも可能である

マウスピース矯正で前歯だけ矯正する大きなメリットは、治療期間が短く費用が抑えられることでしょう。

前歯の部分矯正は歯列全体を動かすよりも範囲が狭いため、短期間の治療で済みます。

通常、全体矯正は平均して1〜3年かかるのに対し、前歯矯正は早くて数か月〜1年程度で完了します。

また歯列矯正費用は基本的に自費診療になるため、費用が高額です。

平均して全体矯正は60〜150万円かかるのに対し、マウスピース矯正での前歯矯正の平均は10〜40万円程度です。

マウスピース矯正では透明なマウスピースを使用するため、ワイヤー矯正のように器具の装着が目立たず、金属アレルギーの方でも支障ありません。

また取り外し可能なため、日々のブラッシングやお手入れが楽な点もメリットです。

前歯だけのマウスピース矯正デメリット

マウスピース矯正で前歯だけを治療するデメリットは、以下のようなものがあります。

・対象の症例が限られている

・噛み合わせの改善は難しい

・Eラインの改善は難しい

前歯だけの矯正は、矯正範囲が限定されており軽度の症例が対象になるため、対応症例は限られており、奥歯から全体矯正が必要な噛み合わせの改善は見込めません。

噛み合わせは口の機能や顔・身体のバランスにも関わる重要な要素です。

前歯だけの矯正は全体矯正よりも短期間で費用も抑えられますが、長期的な身体への影響を考えた場合に、全体矯正を選択した方がよいケースもあります。

また美しい横顔の基準といわれているEラインの改善にも向いていません。

Eラインとは顔を横から見た際に、鼻の先端と顎の先端を結んだラインのことで、上下の唇がEラインに接しているか、やや内側に位置していると美しいといわれています。

Eラインの改善には、全体的に前歯を奥に引っ張る必要があるため、前歯だけの矯正では改善が難しいでしょう。

前歯だけのマウスピース矯正にかかる費用相場と期間

前歯だけのマウスピース矯正とワイヤー矯正にかかる費用相場と治療期間を比較した表は下記のとおりです。

マウスピース

前歯だけの矯正

マウスピース

全体矯正

ワイヤー

部分矯正

ワイヤー

全体矯正

費用相場

10~40万円

60~100万円

30~70万円

60~170万円

治療期間の目安

数か月~1年

2年~2年半

数か月~1年

1~3年

マウスピース矯正で前歯だけを矯正する場合、約10~40万円の費用で数か月から1年の治療期間が必要です。

ワイヤー矯正は、歯の表面に矯正装置を装着し、ワイヤーを通して行う矯正方法です。

装着する部位は歯の表側か裏側で、一般的に裏側装着の方が費用が高くなります。

マウスピース矯正の適応症例であれば、最も安く短期間で治療できるでしょう。

まとめ

マウスピース矯正で前歯だけの矯正は可能ですが、対象症例は軽度な不正咬合です。

例えば、ガタガタの歯並び(叢生)・出っ歯やすきっ歯・矯正後の後戻りなどが該当します。

マウスピース矯正は歯の向きを変えるのみで整う歯並びには向いていますが、抜歯や噛み合わせの改善が必要なケース、進行した歯周病やインプラント治療後の方には向きません。

マウスピース矯正のメリットは費用が安く治療期間が短いこと、ワイヤー矯正と比べてマウスピースが目立ちにくく金属アレルギーの心配がないことです。

一方デメリットは、噛み合わせの改善は難しく適応症例が限定されます。

マウスピースで前歯だけを矯正する場合の費用相場は約10~40万円、治療期間は数か月~1年で済むため、他の矯正治療と比較すると安価かつ短期間で治療可能です。

海岸歯科室は患者様のお悩みに寄り添い、世界一優しい歯科を目指しております。

前歯だけを矯正したいと悩んでいる方や、定期的な歯科検診やケアが気になる方はぜひ一度ご相談ください。

スタッフ一同お待ちしております。

 

監修:理事長 森本 哲郎

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