オールオンフォーとは?日帰りで手術可能な新しいインプラント技術|メリット・デメリットも解説
- 2024年9月26日
- コラム
オールオンフォーとは、少ない費用と体に負担がかからない施術が可能な新しいインプラント技術のことです。今回はメリットデメリットも含め、オールオンフォーを解説していきます。
オールオンフォーとは?日帰りで手術可能な新しい治療法
オールオンフォーとは文字通り4つのインプラントのみで片顎すべての歯を造ることができるインプラント治療の一種です。
従来のインプラント治療では、失った歯をすべてをインプラントに置き換えるため、患者の負担が大きくなることが問題でした。
ですがオールオンフォーであれば、前歯から奥歯まで一体となった人口歯を固定する仕組みのため、すべての歯を失っていても治療にかかる費用や体への負担、さらには治療期間などを軽減することが可能なのです。
オールオンフォーの治療を受ける場合、健康な歯を抜歯しなければならないデメリットはあります。ですが、きちんと設備の整った歯科医院で施術を受ければ、抜歯、インプラントの埋入、仮歯の装着を1日ほどで終わらせることが可能です。
多くのケースでは治療したその日の夜や翌日から、仮歯で食事をとることが可能です。
オールオンフォーのメリット
先ほど書いたようにオールオンフォーにはたくさんのメリットがあります。
ここでは、そのメリットについてさらに詳しく解説していきましょう。
最小4本のインプラントで対応可能。費用が安く抑えられる
オールオンフォーは最小4本のインプラントで、前歯から奥歯まで一体となった人口歯を固定する仕組みになっています。
そのため、体への負担も軽く費用も安く抑えられるのです。
従来のインプラント治療では、失った歯につき1本のインプラントが必要になりました。そのため、費用も膨大なものになってしまい、患者にかかる体への負担もとても大きかったのです。
オールオンフォーでは、それらのデメリットをすべて解決しています。
審美性に優れている
オールオンフォーは前歯から奥歯まで一体となった人工歯を使用するため、天然歯との色の違いも分かりにくく見た目にもインプラントと気づかれにくいです。
色・形・質感においても統一感のある仕上がりになります。
体への負担が軽く治療期間も短い
オールオンフォーのメリットとして、体への負担が軽く治療期間が短いことがあげられます。従来のインプラントですと、顎の穴に歯を開けてフィクスチャーを埋め込んだ後、切開した歯肉を縫い合わせます。
その後、上部の人工歯部分を装着するのに5カ月ほどかかるでしょう。
オールオンフォーならこの流れがわずか1日ですむのです。大幅に通院期間も短くなるため、患者の通院の負担も軽減できます。
硬い食べ物もしっかり食べられる
オールオンフォーは埋入するインプラントの数は少ないですが、顎の骨にしっかりと固定されています。さらに最大12本の歯を装着できるため、入れ歯などでは噛みにくいものもしっかりと噛むことができるのです。
オールオンフォーのデメリット
オールオンフォーにはメリットが多くありますが、同時にデメリットもあります。そのデメリットについてここではお伝えいたします。
残っている歯を抜歯する必要がある
オールオンフォーにする場合、残っている歯をすべて抜歯する必要が出てきてしまいます。オールオンフォーは前歯から奥歯が一体になった人工歯をつけるため、それらの歯が邪魔になってしまうのです。
しかし残っている歯が逆に虫歯や歯周病に侵されている場合は、抜いてしまった方がいい場合もあります。
医療機関が限られる
オールオンフォーの治療を提供している歯科医院は少なく、選択できる医療機関がかぎられてしまいます。インプラント治療を提供している歯科医院でも、オールオンフォーに対応していないところがは少なくありません。
インプラント治療にはメンテナンスも必要不可欠です。治療を受けられる歯科医院がかぎられることは、歯科医院選びにおいてマイナスになるでしょう。
健康保険が適用されない
残念なことにインプラント治療は健康保険の適用外です。そのため、オールオンフォーも自由診療となり全額自費での支払いとなってしまいます。インプラント治療としては安いオールオンフォーですが、他の治療と比べると健康保険が適用されないため高額になってしまいます。
オールオンフォーの費用は片顎で200万から300万が平均と言われています。インプラント1本あたりの金額は32万8000円から32万9000円になります。人間の歯は親知らずを抜かして28本あるので、全ての歯をインプラントにしようとすると、918万4000円から、921万2000円と莫大な金額になってしまうのです。
それに比べ、オールオンフォーの費用は両顎合わせても高くて600万ほどになります。
治療代は高額ですが医療控除の対象にもなっており、確定申請すれば治療代の一部が税金から控除されます。
オールオンフォーの治療をした方は、確定申告で医療控除を受けましょう。
体の状態によって手術ができない可能性もある
画期的なインプラント治療法であるオールオンフォーですが、体の状態によっては、手術ができない可能性もあります。
適応外になるケース
ここでは、オールオンフォーの治療が適応外になるケースについてみていきましょう。
顎の成長が止まっていない未成年
オールオンフォーでは顎にインプラントを埋入するため、顎の成長が終わっていない未成年の方の治療は難しいものになります。
糖尿病や肝臓疾患などの全身疾患がある方
全身疾患がある場合、手術が危険だと判断され治療自体ができない場合があります。
喫煙がやめられなかったり、アルコール依存症の方
アルコールやニコチンによって治療結果が悪くなる場合があります。その場合も手術ができないと判断され治療が受けられないくなる可能性がります。
金属アレルギーがある方
インプラントにはチタンという金属が使用されます。チタンはアレルギー反応の不安が少ない金属ですが、反応がでることもあります。金属アレルギーの方は、検査をおこなうなど慎重な対応が必要になります。
抜歯を避けたい方
オールオンフォーの治療をおこなう場合、残っている歯を抜歯する必要があります。治療をおこなう前に、歯を抜歯してしまってもいいのかよく考える必要がります。
セルフケアができない方
何らかの理由で歯磨きなどのセルフケアができない場合は、インプラントの寿命が短くなってしまうため治療に不適切だといえます。オールオンフォーは体の状態や生活習慣によって、適切な治療でなくなってしまうことも注意しなければなりません。
オールオンフォーの治療の流れ
ここまでオールオンフォーの概要や、メリット・デメリットについてお話してきました。オールオンフォーを治療はどのようにおこなわれるのでしょうか。治療の流れについて解説していきます。
カウンセリング・検査
まずは、カウンセリングや術前検査をおこない治療がおこなえる状態であるかどうか確認します。術後検査では歯周検査や、口腔内の写真撮影、CT検査、パノラマレントゲン撮影、噛み合わせ確認などがおこなわれます。
その後に、手術後の仮歯作製などがおこなわれます。
インプラント埋入
次に、インプラントの埋入がおこなわれます。手術当日は局部麻酔、もしくは静脈内麻酔をおこないます。局部麻酔は痛みを麻痺させますが、静脈内麻酔は寝ているような居心地の状態になる麻酔です。
麻酔をした後、必要があれば生えている歯を抜歯します。その後に、歯肉を切ってインプラントを埋入。埋入が終われば、切開した部分は縫合します。
休憩
インプラントを埋入した後は、しばらく休憩し出血が止まるのを待ちます。
その後に、仮歯を装着することになります。
仮歯の装着
休憩後に仮歯を装着すれば、手術は完了です。場合によっては、仮歯装着が翌日以降になることもあります。仮歯を装着すれば、普通に食べ物などを食べることができます。
ブリッジの装着
仮歯での経過治療は、噛み合わせの正しさや見た目を確認しながらインプラントと顎の骨の結合具合を観察します。そのため1ヵ月に1回は歯科医院を受診する必要があります。
3ヵ月から6カ月ほど待って、義歯を装着して問題がなければ治療完了です。
オールオンフォーの寿命はいつまで?
オールオンフォーの寿命は10年以上といわれています。一般的なインプラントと寿命は変わらず、長い残存率を誇ります。
一般的なインプラントの残存率は、5年目で96.3%、10年目で92.6%、13年目で89.9%、20年目で80%といわれています。
治療完了後も90%以上の方がインプラントを失っておらず、20年目でも80%以上の治療成績を誇ります。
しかしインプラントの寿命を延ばすためには、定期的なメンテナンスと日頃のケアが欠かせません。メンテナンスを怠れば、インプラントの寿命は10年と持たないでしょう。
インプラントの歯を保ち続けるためにも、日々のメンテナンスは重要なのです。
まとめ
今回はインプラントの新しい治療法であるオールオンフォーについて解説いたしました。オールオンフォーはその名の通り、最小4つのインプラントを埋め込むことにより、片顎すべての歯を造ることができる治療法のことです。
従来のインプラントは、失った歯に対し1本のインプラントが必要でした。ですが、オールオンフォーなら最小4つのインプラントで治療が可能。患者への体の負担も軽くなり、費用も従来のインプラントより安く抑えることができるのです。
海岸歯科室では、オールオンフォーのご相談にも乗っております。オールオンフォーでの治療をご検討の方はぜひ当院をご利用ください。
監修:理事長 森本 哲郎