下顎前突はなぜ起こるのか?そのデメリットと下顎矯正の方法|海岸歯科室|千葉県美浜区の歯医者

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下顎前突はなぜ起こるのか?そのデメリットと下顎矯正の方法|海岸歯科室|千葉県美浜区の歯医者

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下顎前突はなぜ起こるのか?そのデメリットと下顎矯正の方法

下顎矯正とは、いわゆる「下顎前突」という状態を矯正するための方法です。

下顎前突は見た目以外にもいろいろな問題の原因となりますので、見た目や口内の健康を考えるのなら、下顎矯正で治療するべきものと言えます。

ではこの下顎の矯正、そして下顎の異常とは一体どのようなものなのでしょう。

順を追って説明していきます。

 

下顎前突とはどんな状態か

下顎前突は、その名の通り、下顎が通常よりも前方に突出している状態を指します。この状態は、見た目や個人の感覚にいくつかの顕著な特徴をもたらします。

見た目に関する特徴

下顎前突で最も目立つのは「横顔」です。

下顎が前方に突出しているため、横顔のシルエットが特徴的な形状となり、下顎が上顎よりも前に出ているのがはっきりと分かります。

正面から見ると下顎の前方突出により、顔の下半分がよりハッキリと目立ちます。

これにより、顔全体のバランスが前方に傾くように見えることがあります。

下顎の突出は、口元の形状にも影響を及ぼします。

口を閉じる際に、下唇が突き出て見えたり、口元のラインが前方に張り出して見えたりすることがあります。

下顎前突になると感じる特徴

下顎が前方に突出しているため、口を自然に閉じることが難しく感じることがあります。

これは、噛み合わせの不均衡によるもので、口を閉じる際に余分な努力が必要になることがあります。

さらに噛み合わせの異常により、食事時に噛む動作が不快に感じられることがあります。特に硬い食べ物を噛む際に、違和感や不快感を感じることがあります。

そのほか歯と舌の位置関係が変わってしまうと、特定の音を発する際に発音が困難になることがあります。

これらの特徴から、下顎前突が見た目だけでなく、日常生活における感覚や機能にも影響を及ぼすことがわかるはずです。

もちろんその影響は個人によって異なり、多くは下顎矯正治療によって改善可能です。

下顎前突の原因は何か

下顎前突の原因は1つに限らず、複数あります。

その中でも特に遺伝的、環境的、そして生物学的な要因が組み合わさって発生することがほとんどです。

次に、下顎前突の原因の主なものについて説明していきます。

遺伝的要因

遺伝子は、顎の形状と成長に大きな影響を及ぼします。

下顎前突を持つ親や近親者がいる場合、その遺伝的特徴が子に引き継がれる可能性があります。

なぜなら遺伝的な傾向というものは、顎の骨の成長パターンや速度に影響を与えるからです。

その結果、遺伝として下顎が通常よりも前方に突出するようになることがあるのです。

発育的要因

成長期におけるホルモンのバランスは、下顎の成長に大きな役割を果たします。

ですから下顎骨が通常より速く、あるいは過剰に成長すると、下顎前突となる可能性があります。

これは、特に思春期の急激な成長期に顕著に見られます。

顎の成長の不均衡

顎の成長は個人差が大きく、上顎と下顎の成長速度や程度が異なる場合があります。

上顎の成長が遅い、または下顎が過剰に成長することにより、下顎が前方に突出し噛み合わせ異常を引き起こすことがあります。

習慣的な行動や癖

幼児期の特定の習慣も下顎前突の原因のひとつとなり得ます。

例えば長期間の指しゃぶりや口呼吸、あるいは舌突き癖など舌の異常な位置などは、顎の成長に影響を与えることがあります。

これらの習慣は、下顎の前方成長を促してしまう可能性があり、その結果下顎前突のリスクを高めてしまいます。

歯の位置の異常

歯の位置も、下顎前突に影響します。

例えば乳歯が早期に失われた場合や、永久歯の萌出異常がある場合、歯並びが乱れてしまうかもしれません。

これが原因で適切な噛み合わせが形成できずに、下顎が前方に位置してしまう可能性があります。

外傷や疾患

このように遺伝子やあるいは子供の頃の習慣の他に、顎に外傷を受けたり、特定の疾患が顎の成長に影響を及ぼすこともあります。

顎関節近くでの外傷や手術が、顎の成長パターンを変化させてしまう可能性もあります。

これらの要因は、下顎前突の原因となるものです。

そのため、下顎前突の正確な原因を特定するには、患者さんそれぞれの医歴や遺伝、さらに成長の経緯などを詳細に検証することになります。

下顎前突によるデメリットとは?

下顎前突によるデメリットは、主に審美的な問題、噛み合わせの不具合、口腔衛生の問題、心理的・社会的影響などに分けられます。

次にこれらのデメリットを詳しく説明します。

外見的な問題

下顎前突は、見た目的な顔のシルエットに顕著な影響を及ぼし、特に横顔で目立つ傾向にあります。

下顎が前方に突出していると顔のバランスが崩れているように見えてしまうため、外見的な不満を引き起こすことが一般的です。

この外見上の問題は、特に自己意識が強い青少年や若年層において、外見的な自信の喪失や自己評価の低下に繋がることがあります。

噛み合わせの問題

下顎前突は、上顎と下顎の歯が適切に咬み合わない状態を引き起こします。

これは、噛む機能の低下や咀嚼時の不快感につながります。

噛み合わせがしっくりこないとその結果歯の過度な摩耗や破損、さらには顎関節に不必要なストレスをかける原因となってしまうため、長期的には顎関節症のリスクを高める可能性もあります。

口腔衛生の問題

歯が正しく咬み合わないことにより、歯ブラシやデンタルフロスが届きにくい部位が生じてしまいます。

これにより歯磨きが充分にできず、磨き残してしまった箇所にプラークの蓄積や歯石の形成が促進されてしまうため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

発音の問題

下顎前突は、特定の音を発する際に発音の困難を引き起こすことがあります。

それによって話す事に対して自信をなくしてしまったり、あるいは言っていることがうまく伝わらないと対人関係におけるコミュニケーションの障害につながる可能性があります。

下顎前突の治療法には何がある?

下顎前突の治療法は、その程度や患者の年齢、全体的な歯並びの状態などに基づいて選択するべきです。

主に矯正治療と外科手術が含まれますが、治療計画は個々の患者のニーズに合わせて作成します。

矯正治療

矯正治療の場合、まずは初期評価からスタートします。

包括的な口腔検査、X線写真、3D画像、歯型の取得を行い、患者の具体的な状況を評価します。

続いて治療計画の策定です。

患者の年齢、下顎前突の程度、関連する歯並びの問題などを考慮して治療計画を立てます。

そしていよいよ矯正装置を装着します。

ブラケットとワイヤー、またはインビザラインなどを用いて、徐々に歯を動かし、噛み合わせを改善します。

装置の装着後にも定期的なフォローアップが必要です。

定期的に歯科医師の診察を受け、矯正装置の調整や進行状況の確認を行います。

矯正治療の完了後、歯の位置を固定するためにリテーナーを使用し、長期間にわたって歯並びを維持します。

外科手術(顎変形術)治療ステップ

治療の方法としては、外科手術もひとつの手法となります。

まず歯科医師、口腔外科医、顎顔面外科医などの専門家による詳細な評価を行います。

続いて手術前に必要な矯正治療を行い、顎の位置を最適化します。また、手術計画には、CTスキャンや3Dモデリングが利用されることがあります。

手術では、下顎骨を適切な位置に移動させるために切開と再配置が行われます。

手術後は、数週間から数ヶ月にわたる回復期間が必要です。この間、食事や話すことが制限される場合があります。

手術後の追跡診察で、治療の成果と口腔機能の回復状態を評価します。

治療は複雑で時間を要するため、患者は治療過程において十分な情報を得て、期待を現実的に設定することが重要です。

下顎前突の治療に使う装置は?

下顎前突の治療には様々な種類の矯正装置が使用されます。これらの装置は、患者の具体的な状態や治療の必要性に応じて選ばれます。以下に主な矯正装置を紹介します。

固定式ブラケット

一般的な矯正装置で、歯に直接ブラケットが貼り付けられ、ワイヤーで連結されます。これにより、歯を徐々に移動させて噛み合わせを改善します。

リンガルブラケット

歯の裏側に装着されるブラケットで、見た目を気にする患者に適しています。

クリアアライナー

インビザラインのような透明なプラスチック製のアライナーで、目立ちにくく、取り外しが可能です。軽度から中等度の下顎前突に効果的です。

機能的矯正装置

これは取り外し可能な装置で、特に成長期の子どもに使用されます。顎の成長を誘導し、下顎の位置を改善するのに役立ちます。

ヘッドギア

頭部や首に装着する外部装置で、特に上顎の成長を制御し、下顎の過剰な前方成長を調整するのに用いられます。

下顎前突は自分で治せる?

下顎前突は、自分自身で治すことは通常不可能です。下顎前突は、顎の骨格構造に関連する複雑な問題であり、適切な治療には専門的な歯科医療が必要です。主な理由は以下の通りです。

骨格構造の問題

下顎前突は、顎の骨が通常よりも前方に突出している状態です。これは単に歯の位置の問題ではなく、骨格自体の構造的な問題です。

専門的な診断が必要

下顎前突の正確な原因と程度を理解するためには、矯正歯科の専門家による詳細な診断が必要です。X線撮影や3Dイメージングなどの専門的な検査を用いて、個々の状況に最適な治療計画を立てる必要があります。

専門的な治療が必要

治療は通常、矯正装置の使用や、場合によっては外科手術を伴います。これらの治療は専門的な知識と技術を要し、自己管理で行うことは困難です。

リスクの管理

矯正治療や外科手術には、潜在的なリスクや合併症が伴います。これらのリスクを適切に管理し、治療中の問題に対処するためには、専門家の監督が必要です。

自己治療のリスク

自己治療の試みは、状況を悪化させる可能性があります。不適切な治療は、永続的なダメージや追加的な歯科問題を引き起こす可能性があります。

合併症のリスク

専門家による監督なしに矯正治療を試みると、歯や顎の損傷、感染などのリスクが高まります。

まとめ

このように下顎矯正は複雑な手順とプロセスが必須となり、そのため矯正歯科専門医による適切な診断と専門的な治療が必要です。

当然とも言えますが自己治療は避け、適切な医療の下での治療を受けることが重要です。

矯正歯科専門医は、個々の症例に最適な治療計画を提供し、治療中のリスクを最小限に抑えることができます。

監修:理事長 森本 哲郎

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