八重歯はキレイな歯並びに治せる!原因と放置するデメリット・正しい矯正法を解説
- 2024年6月28日
- コラム
八重歯とは、本来の歯並びの外側に他の歯と重なるようにして生えてしまっている歯のことを指します。そのままにしても害はないように感じるため、放置している方も多いのではないでしょうか。
しかし、八重歯は放置していると噛み合わせの乱れにより他の歯の負担が増えたり、身体に不調が出たりといったリスクが高まります。
このコラムでは、八重歯の原因や放置するデメリット、正しい矯正方法を詳しく紹介します。八重歯を治療するか悩んでいる方は、ぜひ最後までお読みください。
八重歯はキレイな歯並びに治せる!
八重歯は矯正治療でキレイな歯並びに治せます。「八重歯はかわいい」と言われることもありますが、八重歯は不正歯列のため、矯正治療によって治すことが必要です。
八重歯を治療する際には、必ずしも抜歯が必要なわけではありません。歯が収まるスペースがあれば抜歯なしで治療も可能です。
また、八重歯の歯並びのみが気になる場合は、部分矯正もできます。部分矯正の場合は費用や治療期間を抑えられる傾向にあるため、部分矯正を希望する際には歯科医院で相談しましょう。
八重歯は放置することで生じるデメリットもあるため、気になる方は早めに治療することをおすすめします。
八重歯の原因
八重歯が生えてくる原因には、主に以下の4つが挙げられます。
- 永久歯が生えてくるスピード
- 顎の発達の関係
- 歯の大きさ
- 過剰歯の有無
八重歯の原因は、ご自身の手入れ不足であるケースはほぼなく、遺伝や歯の生え方が原因になることがほとんどです。八重歯の原因について、下記で詳しく見ていきましょう。
永久歯が生えてくるスピード
乳歯が抜けた後に永久歯が生えてくるのが遅いと、八重歯になりやすくなります。特に前歯から数えて3番目にある歯である犬歯は、永久歯が生えてくるのが遅い傾向にあるため、八重歯になりやすいです。
犬歯以外の部分の歯が先に生えてくると、犬歯部分の永久歯が収まるスペースがなくなります。そのため、歯列からはみ出してしまい、八重歯になってしまうケースが多いです。
顎の発達の関係
遺伝や口周りの癖、筋肉の発達が不十分などの原因によって顎の発達が十分でないと、歯が生えてくるスペースがなくなってしまい、八重歯が生えやすくなります。歯が生えてくるスペースが足りないと、八重歯だけでなく歯並び全体が悪くなる可能性もあるでしょう。
歯の大きさ
顎の大きさに対して歯の大きさが大きいと、八重歯が生えやすくなります。歯が並ぶスペースがなくなってしまい、入り切らなくなった歯が歯列から外れてしまうのです。
過剰歯
過剰歯は、上顎の前歯付近などに本来の本数よりも過剰に歯が生えてしまうことを指します。これによって歯が生えるスペースが不足してしまうため、八重歯になってしまうのです。
八重歯を放置するデメリット
八重歯を放置するデメリットには、以下の5つが挙げられます。
- 見た目が悪い
- 虫歯や歯周病のリスク
- 口内の傷や口内炎
- 噛み合わせの乱れ
- 他の歯の負担の増加
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
見た目が悪い
八重歯は歯列から飛び出しているため、八重歯がある部分の頬が膨らんで見える場合があります。また、笑ったときに歯が目立って悪印象を与えてしまう恐れもあるでしょう。
口臭のリスク
八重歯を放置すると、口臭がひどくなる可能性があります。八重歯が邪魔になって口が閉じにくい場合、口呼吸になる傾向が高いです。
口呼吸は口内が乾燥しやすい上に、唾液による食べかすや細菌を洗い流す働きが低下する恐れもあります。唾液による働きが低下した場合、細菌が繁殖しやすい口内環境になってしまいやすいです。
口内で細菌が繁殖すると、メチルメルカプタンと呼ばれる物質が生成され、口臭がひどくなる原因になります。
虫歯や歯周病のリスクが高まる
八重歯がある部分は歯磨きが難しいため、虫歯や歯周病のリスクが高まります。歯ブラシが届きにくく、状態によってはフロスを使うことも難しいので、磨き残しが多くなる傾向があるのです。
食べ残しが歯垢を形成すると、虫歯や歯周病のリスクが高まります。また、八重歯による歯の重なりが大きいと、レントゲンで虫歯を見つけるのが難しくなる点にも注意が必要です。治療の開始が遅れてしまう危険性があるでしょう。
口内の傷や口内炎
歯が歯列におさまっていないため、ふとした拍子に唇や口内の粘膜に八重歯が当たってしまい、傷ができたり口内炎に繋がったりする可能性があります。
噛み合わせの乱れ
八重歯があると噛み合わせが悪くなるため、食べ物をうまく咀嚼することができません。噛み合わせが乱れると他の歯の負担が増え、バランスが崩れることにより、顎関節症に繋がるリスクもあります。噛み合わせによるバランスの乱れは、頭痛や肩こり、腰痛などの全身に影響を及ぼすこともあるのです。
原因不明の頭痛や肩こりが続いている場合、八重歯の治療で改善が見られるケースもあります。
八重歯をキレイにするためにはスペースが必要
八重歯をキレイに治すためには、八重歯が正しい歯列に入るためのスペースが必要です。八重歯の原因には、歯が正しい位置に入るスペースがないことが挙げられます。そのため、まずはスペースを作ってから、ワイヤーやマウスピースを使って歯列を正しい位置に動かす治療が必要なのです。
スペースを作るためには、抜歯する方法と、抜歯せずにスペースを作る方法があります。2つの方法について見ていきましょう。
抜歯矯正
抜歯矯正は、顎が小さかったり過剰歯だったりする場合に行われる治療法です。八重歯の隣の歯を抜歯してスペースを作り、そこに八重歯を移動します。
抜歯することで歯が歯列にスムーズに入って歯並びが良くなるだけでなく、噛み合わせも良くなったり、歯磨きなどの口腔ケアが楽になったりといったメリットがあります。これにより、虫歯や歯周病の防止にも繋がるでしょう。
一方、抜歯せずに無理に矯正すると、歯がスペースに入り切らず、出っ歯になる可能性があります。抜歯に抵抗がある方もいるかもしれませんが、充分なスペースがないと判断される場合は抜歯することをおすすめします。
非抜歯矯正
八重歯の程度が軽い場合は、抜歯せずに治療できます。ただし、そのまま矯正するとスペースが足りずに出っ歯になるリスクがあるため、歯の横幅を削って歯が入るスペースを作ります。
スペースを作る際は、前歯周辺の複数の歯の両サイドを0.2〜0.5mm程度削るケースが多いです。
「歯を削ると歯がもろくなったり痛みが生じたりといったリスクがあるのでは?」と恐れる方もいますが、歯を削っても問題はありません。歯の表面にあるエナメル質の一部のみを削るため、痛みやダメージに繋がる可能性は低いです。
八重歯をキレイに治す!正しい矯正法
八重歯の治療法として挙げられるのは、主に以下の4つです。
- インビザライン
- ワイヤー矯正
- 裏側矯正
ぞれぞれの矯正法について詳しく見ていきましょう。
インビザライン
インビザラインは、透明のマウスピースを使って歯を動かす治療法です。八重歯が正しい位置に動けるように、段階的にマウスピースを交換して徐々に歯を動かしていきます。
マウスピースは透明のため、矯正していることが周りにバレにくい点が最大のメリットです。また、自分で取り外しできるため、食事や歯磨きが楽という点もメリットといえるでしょう。
一方でワイヤー矯正よりも治療期間が長くなる傾向がある点や、重度の八重歯の場合は適応できない点などに注意が必要です。 マウスピースの装着時間は1日22時間以上のため、取り外した際は忘れずに戻すようにしましょう。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正には、通常通り銀色のワイヤーで治療する方法と、目立ちにくいホワイトワイヤーで治療する方法があります。ここでは、両方の特徴を見ていきましょう。
ワイヤー矯正(銀色のワイヤー)
ワイヤー矯正は、歯の表面にブラケットと呼ばれる器具を付け、そこにワイヤーを通すことで歯を動かす治療法です。一般的な矯正方法で、八重歯だけでなく全体的に歯並びの乱れがある方にもおすすめできます。
ただし、銀色のワイヤーやブラケットは矯正していることが他の人から見てわかりやすい点がデメリットです。また、自分で器具の取り外しができないため、口内ケアが難しいなどのデメリットもあります。
ホワイトワイヤー矯正
ホワイトワイヤー矯正は、白いブラケットとワイヤーを使う矯正方法です。銀色のワイヤーよりも目立ちにくいため、矯正していることが気づかれにくい点がメリットといえます。
ただし、銀色の矯正器具よりもコストがかかるので、治療料金が高くなる可能性があります。白いワイヤーを使う場合は、オプション扱いになり、プラスで費用がかかるケースが多いです。歯科医院によって料金設定は異なるので、確認してみてください。
裏側矯正
裏側矯正は、歯の裏側にブラケットやワイヤーを付ける矯正方法です。矯正器具が表からは見えないので、矯正していることが目立ちにくいメリットがあります。また、歯の表面を磨きやすいため、虫歯や歯周病のリスクも抑えられるでしょう。
ただし、裏側矯正は医師の技術力が必要な治療のため、コストが高くなる傾向がある点に注意が必要です。
まとめ
八重歯とは歯が重なって生えている症状のことです。八重歯を放置すると、見た目が悪いだけでなく、虫歯や歯周病のリスクが高まったり、頭痛や腰痛などの全身への影響が出たりする場合があります。
八重歯を治療する際には、インビザラインやワイヤー矯正などの方法がおすすめです。矯正方法によって治療期間や費用が異なるため、自分の症状や希望に合わせて治療法を選択しましょう。
海岸歯科室では、インビザラインやワイヤー矯正など、様々な治療法に対応しています。一人一人の八重歯の状態を見て治療法を提案していますので、お悩みの方はぜひお気軽にお越しください。
監修:理事長 森本 哲郎