前歯が二列に並ぶのはなぜ?原因やリスク、治療法を徹底解説!
- 2024年9月2日
- コラム
「前歯」は表情や笑顔などに大きく影響する、大切な歯の一部です。
しかし、その前歯が二列に並んでしまうと、見た目や健康にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。
例えば「二重歯列」と呼ばれる前歯が二列に並んでしまう症状は、子どもから大人まで幅広い年齢層に発症することがあります。
この二重歯列の原因は、遺伝的要因から生活習慣まで多岐にわたります。
さらに、前歯が二列に並んでしまうと、コンプレックスを抱えるだけでなく、噛み合わせの悪化や口腔衛生の問題、さらには顎関節症や肩こりといった体の不調を引き起こすこともあります。
そこで今回は、前歯が二列に並ぶ原因やそのリスク、そして効果的な治療法について詳しく解説していきます。
前歯が二列に並ぶ原因とは?遺伝から習慣まで徹底解説
前歯が二列に並んでしまうことは見た目や機能にさまざまな影響を与えます。
これには多くの原因があり、遺伝的要因や生活習慣、さらには発育過程での問題が複合的に関係しています。
まず、原因を理解することが、正しい治療法の選択や予防につながるはずです。
続いて、前歯が二列に並ぶ原因について詳しく解説します。
前歯が二列に見える「二重歯列」とは?その特徴と一般的な例
二重歯列とは、特に前歯が二列に並ぶ状態を指し、「鮫の歯」とも呼ばれます。
これは、乳歯が抜ける前に永久歯が生え始めてしまい、乳歯の前後に歯が並んでしまうことで起こることが多くなっています。
一般的には、子どもの乳歯と永久歯の交換期に見られ、永久歯が適切に並ぶスペースがないと、この状態が発生します。
二重歯列は特に子どもに多く見られる症状ですが、大人でも乳歯が抜けずに永久歯が二重に並ぶことがあります。
顎が小さかったり歯が大きすぎたりすると生じることがあり、放置すると歯並び全体に影響を与える可能性がありますので、適切なタイミングでの矯正や歯科医による治療が重要です。
なぜ前歯が二列に?小さな顎や歯の生え替わりなどの原因
前歯が二列に並んでしまう大きな原因の一つは、顎の大きさと歯の数のバランスが悪いこととなります。
現代人は食生活の変化により、顎が昔よりも小さくなっている傾向があり、顎が小さいと歯が並ぶスペースが不足し、結果的に歯が重なり合って生えてしまいます。
そしてこのような「顎の小ささ」は遺伝によるものが多く、家族にも同様の問題が見られることが少なくありません。
あるいは、乳歯の生え替わりのタイミングが遅れると、永久歯が本来の位置に生えず、前後にずれて二列に見えることがあります。
これは自然に治ることもありますが、早めに歯科医による診断と治療を受けることで、将来的な問題を予防できます。
指しゃぶりや舌を前に押し出す癖や口呼吸などの習慣も原因となり、これらの癖が長期間続くと歯並びや顎の発育に悪影響を与え、前歯が二列に並ぶ原因になります。
前歯二列が引き起こす健康リスクと日常生活への影響
前歯が二列に並んでしまうことで、見た目の問題だけでなく、健康や日常生活にもさまざまな影響を引き起こしてしまうかも知れません。
歯列が乱れると、噛み合わせや口腔衛生に問題が生じ、日常生活の質が低下してしまいます。
次に、前歯二列が引き起こす具体的なリスクと、その影響について詳しく説明していきます。
二列に並んだ前歯が見た目に与えるコンプレックスの影響
前歯が二列に並んでいることで、見た目に対するコンプレックスが生まてしまうかも知れません。
特に前歯は、笑顔や会話の際に最も目立つ部分であるため、歯並びに不安があると自分の見た目や態度に自信が持てなくなってしまうのです。
これが引き金となり、人前で話すことを避けるようになってしまったり、あるいは自分の写真を撮られることを避けたりするようになるかも知れません。
こうした心理的な影響は、子どもから大人まで幅広い年齢層に見られ、特に自己イメージの形成期にある思春期の子どもにおいては、深刻な自己肯定感の低下を引き起こしてしまいます。
もちろん大人でも仕事やプライベートでのコミュニケーションに悪影響を与えてしまうことでしょう。
噛み合わせが悪いことで引き起こされる顎関節症や肩こり
前歯が二列に並ぶことで噛み合わせが乱れると、顎関節に過度な負担がかかり、顎関節症を引き起こす可能性があります。
顎関節症は、口を開けるときに痛みを感じたり、カクカクという音が鳴ったりする症状で、症状が進行すると日常生活に大きな支障をきたすことがあります。
噛み合わせの問題は顎だけでなく、首や肩の筋肉にも影響を与えるため、肩こりや頭痛を引き起こすことも少なくありません。
こういった症状が慢性化すると、集中力の低下や疲労感が増し、生活の質が低下することが考えられます。
前歯二列が原因で起こりやすい虫歯や歯周病のリスク
前歯が二列に並んでいると、歯と歯の間にスペースができてしまいます。
そうなるとスキマに汚れや食べかすがたまりやすくなり、二列に並んだ歯の部分はブラッシングが難しく、適切にケアができないため虫歯や歯周病のリスクが高まります。
歯周病は、進行すると歯を支える骨が徐々に破壊され、最終的には歯が抜けてしまうこともあります。
二列に並んだ歯が原因で歯肉炎や歯周病が発生しやすい場合は、早期に治療を開始することが重要なのです。
前歯二列は治療できる?矯正方法やその対処法について
前歯が二列に並んでいる場合、適切な治療を行うことで改善が可能です。
歯科矯正にはさまざまな方法があり、症状に応じて最適な治療法を選べます。
続いては、前歯が二列になっている際の代表的な矯正治療方法や、対処法について詳しく解説していきます。
ワイヤー矯正で前歯二列を治す仕組みと治療期間の目安
ワイヤー矯正は、最も一般的な矯正治療の一つであり、歯が二列に並んでいる状態を効果的に改善できます。
ワイヤー矯正では、ブラケットと呼ばれる歯に小さな装置を取り付け、ワイヤーで歯を引っ張ることで正しい位置に移動させます。
ワイヤー矯正なら複雑な歯並びにも対応でき、二重歯列の治療においても有効です。
治療期間は個々のケースによって異なりますが、一般的には1年半から3年程度かかります。
治療中は定期的に歯科医院でワイヤーの調整が必要となります。
マウスピース型矯正の特徴と前歯二列に対する有効性
インビザラインなどによるマウスピース型矯正は、透明なマウスピースを使用して歯を少しずつ動かす方法です。
マウスピース矯正の利点は、見た目が目立たず、取り外しが可能な点で、大人や見た目を気にする患者さん向けと言えるでしょう。
ただし、マウスピース型矯正は軽〜度の歯列不正向けの治療法で、重度の二重歯列にはワイヤー矯正や外科的治療が必要になることもあります。
部分矯正による前歯二列の改善は可能?
部分矯正は歯並び全体ではなく、特定の部分に対して矯正を行う方法で、治療期間が比較的短く、コストも抑えられるため、軽度の症例には適しています。
前歯の二列だけが気になる場合、この方法での治療が可能です。
ただし、部分矯正は歯並び全体に影響を与える場合もあるため、歯科医としっかり話し合ってから決めてください。
前歯二列で1外科的治療が必要な場合は?
顎の大きさや骨格の問題が原因で、場合にょっては外科的な治療が必要になることがあります。
このようなケースでは、顎の骨を調整する手術が行われます。
外科的治療は、ワイヤーやマウスピースだけでは解決できない場合に選択される手段であり、手術後には入院やリハビリが必要になることがあります。
手術にはリスクも伴うため、事前に十分な説明を受け、メリットとデメリットを理解しておくことが重要です。
前歯二列の原因となる日常の癖や矯正中の生活習慣とは?
前歯が二列に並んでしまう原因は、単に遺伝的な要因だけではなく、日常の生活習慣や癖も大きく影響します。
ですからこういった日常の癖を早期に改善することで、歯並びが悪化するのを防ぐことができます。
予防のためにここから説明する前歯二列の原因となる癖や姿勢、そして避けるべき習慣について理解しておきましょう。
前歯が二列に並びやすくなる癖や姿勢、習慣についての注意点
前歯が二列に並ぶ原因となる代表的な癖に「指しゃぶり」、「舌を前に押し出す動作」、「おしゃぶりの使用」、そして「口呼吸」などがあげられます。
特に幼少期にこれらの癖が続くと、顎の成長や歯の位置に悪影響を与え、前歯が二列に並んでしまうことが起こりえます。
その他にも、姿勢も二列前歯に影響します。
例えば、猫背でいると顎の位置が不自然になり、結果的に歯並びが崩れる可能性があるのです。
日常的に正しい姿勢を意識することは、歯並びを保つためにも重要と言えるでしょう。
矯正中に避けたい習慣と、正しい歯並びを保つための生活習慣
二列前歯の矯正治療中に特に避けるべき習慣としては、硬い食べ物を噛むことや歯に負担をかける癖が挙げられます。
ガムやキャラメルのように歯にくっつきやすい食品や、氷を噛むことは、矯正装置に負担をかけ、治療の進行を遅らせる原因となることがあります。
歯並びを正しく保つためには、規則正しい生活習慣も重要です。
十分な睡眠やバランスの取れた食事は、歯や骨の健康を支える基礎となります。
まとめ – 前歯二列を予防・改善するためにできること
前歯が二列に並ぶ問題は、適切な治療と予防で改善が可能です。
遺伝的な要因に加え、生活習慣や癖が影響を与えることもあるため、早期の診断と対策が重要となります。
矯正治療を検討する際は、自分に合った治療法を選び、正しい生活習慣を維持することで、健康な歯並びを保ちましょう。
歯科医師との継続的な相談を通じて、最適な治療計画を立てることが、長期的な健康に繋がります。
監修:理事長 森本 哲郎