叢生(そうせい)とは歯が凸凹になっていること。その原因と治療方法について徹底解説
- 2024年9月27日
- コラム
叢生(そうせい)とは歯が凸凹の状態であることを指す言葉です。この叢生はなにが原因でなってしまうのでしょうか?その原因と治療方法を解説していきます。
叢生(そうせい)とはなにか?
叢生とは別名、乱くい歯とも呼ばれ、歯の大きさと顎の大きさが合わずに歯が部分的に重なってしまう状態のことを指します。八重歯なども叢生の一種で、犬歯が後から生えてくることで生じてしまいます。
叢生の原因とは?
なぜ、叢生のように歯が重なった状態が生まれてしまうのでしょうか。
叢生の原因には下記のような状態があげられます。
・顎が小さい
・永久歯が大きい
・生え変わりが上手くいかない
・クセや習慣が原因
これらの原因について1つずつ見ていきましょう。
顎が小さい
柔らかいものばかり食べていて顎の発育が促されないことがあります。噛み合わせが悪くても顎の発育は上手くいかず、顎は小さくなってしまいます。また、遺伝によって顎が小さい場合もあるそうです。
永久歯が大きい
顎の大きさが普通でも、歯が大きいと1本当たりのスペースが小さくなり叢生になりやすくなってしまいます。また、歯の大きさには遺伝が大きく関係しているといわれています。
生え変わりが上手くいかない
虫歯などで乳歯が失われていると、空いたスペースに隣の歯が移動してくる。永久歯の生える順番がくるってしまうなどのトラブルが起きやすくなります。乳歯の虫歯もきちんとしておかないと、歯並びが悪くなり叢生の原因になってしまうのです。
クセや習慣が原因
歯を押すクセや、口呼吸。頬杖などの日常のクセも歯を本来ある場所から移動させてしまったり、口元の筋肉などが育たない原因となって叢生を生み出す原因になります。
こういったクセは早いうちから治すようにしましょう。
叢生によるデメリット
叢生になると、様々な不具合が日常生活で生じるようになります。
歯並びが悪くなり見た目が悪くなったり、虫歯や歯周病などの歯のトラブルも起きやすくなるでしょう。
ここでは、そんな叢生になるデメリットをご紹介いたします。
見た目が気になる
叢生になると歯並びが悪くなり、凸凹とした歯の並びが大きなコンプレックスになる方もいるようです。歯並びが悪いと、顎から鼻にかけてのEラインも整わず横顔などの印象も悪くなってしまいます。
人前に出る仕事をするにしても、審美性のある美しい歯並びが欲しいと思う人は多いのではないでしょうか?
虫歯や歯周病になりやすい
叢生になると、歯が凸凹になるため歯磨きなどでその部分を磨くことが難しくなります。そのため、虫歯や歯周病になりやすく、歯の健康が害される危険性があるのです。歯の健康を保つためにも、叢生は早めに治しておいた方がいいでしょう。
消化器官に負担がかかる
叢生になると、歯が正しい嚙み合わせになることはありません。
そのため、特定の歯で物を噛むことになり、咀嚼が上手くできないことがあります。
そのせいで、消化器官に負担がかかることがあるのです。
かみ合わせが悪くなる
先ほども書きましたが、叢生になると歯が正しい噛み合わせになることはありません。
そのため嚙み合わせそのものが悪くなり、特定の歯で物を噛むことになるため体全体のバランスも悪くなってしまいます。
歯並びの悪さが体全体のバランスの悪さや、肩こり、頭痛などの原因になる場合もあるのです。
叢生を治療するメリット
歯が重なることで起こる叢生は、矯正などで治した方が歯の将来のために無難です。見た目のコンプレックスも解消されますし、健康面への負担も軽減されます。
ここでは、叢生を治療するメリットをご紹介いたします。
コンプレックスの解消
叢生を解消することにより、歯の見た目がよくなりコンプレックスから解消されます。人に歯を見せても、歯並びを気にする必要はありませんし、笑っても凸凹な歯が目立つこともないからです。
審美性のある美しい歯並びを手に入れれば、人前に出る仕事などにも積極的に携わることができるでしょう。
虫歯や歯周病リスクの軽減
歯並びがよくなることにより、歯のケアがしやすくなり虫歯や歯周病のリスクを減らすことができます。これにより歯の健康が保たれ、歯の寿命そのものを伸ばすことができるのです。
消化器官への負担の軽減
歯並びがよくなることで、きちんとした咀嚼が可能になり消化器官への負担も軽減されます。また、均等に口内の歯を使えるようになるので、噛み合わせのバランスも良くなり体のバランスも整います。
歯の寿命が延びる
歯並びがよくなることで、特定の歯だけで咀嚼をしなくてもよくなるため、歯の健康を伸ばすことができます。噛み合わせのバランスも良くなるので体のバランスも整い、体の傾きからくる頭痛や肩こりを改善することにもつながっていきます。
叢生の治療方法
叢生になってしまった場合、どのような治療方法があるのでしょうか。一般的な治療方法はワイヤーを使った歯科矯正ですが、大人と子どもの場合では治療方法や種類に違いがあります。
その違いを大人の治療方法と、子どもの治療方法に分けて説明いたします。
大人の治療方法
大人の治療方法の場合、顎の骨の成長も止まり永久歯が生えているため、抜歯などで不要な歯を抜き、重なっていた歯を矯正などによって動かす歯列矯正が一般的な治療法となっています。
主な矯正の種類としては、マウスピース型の矯正や一般的なワイヤー矯正、セラミック矯正などがあげられます。
マウスピース型矯正装置(インビザライン)
薄く透明なマウスピースを装着し、形の違うマウスピースに替えていくことで歯並びを動かしていく矯正方法です。
マウスピースの交換は1、2週間ごとで、食事や歯磨きの際には取り外すことができます。そのため、歯のケアもしやすく痛みなども通常のワイヤー矯正に比べて少なめです。
ブラケット矯正(ワイヤー矯正)
一般的な歯列矯正は歯の表面にブラケットと呼ばれる装置をつけてワイヤーを通すワイヤー矯正です。ブラケット矯正とも呼ばれるこの方法は、一般的な方法としてかなり広く普及しています。
ただマウスピース型の矯正に比べて、治療期間中は歯に装置が付いたままになっているので見た目が気になる。手入れがしにくいなどの問題も生じます。
セラミック矯正
部分的な軽度の叢生はセラミック矯正によって、治療が可能なことがあります。
セラミック矯正とは、歯を削ってセラミックと呼ばれる被り物をかぶせることで歯を整え歯並びを調整する方法です。
審美性は高められますが、歯を削すことになるので抵抗感のある方にはお勧めできません。
子供の治療方法
生えきってしまった大人の歯と違い、歯の生え変わらない子どもの矯正のなかには顎の発育を促すものなどがあります。口周りのクセを矯正し、顎の発育を促して正しい歯並びが生えるようになるマイオブレースなどの矯正方法がその代表といえるでしょう。
そんな子どもの治療方法について解説していきます。
インビザライン・ファースト
乳歯から永久歯に生え変わる混合歯列期の子どもが対象となる治療法です。
対象年齢は9歳から11歳。透明で目立たないマウスピースを到着し、マウスピースを交換していくことで少しずつ歯を動かしていきます。
食事や歯磨きのときにはとりはずせるので、歯のケアもとても楽にできます。
マイオブレース(myobrace)
口周りのクセを改善することにより、顎の発育を促し歯が正しい歯並びで生えてくるよう促してくれる矯正治療です。
対象年齢は2歳から10歳。装着時間も昼に2時間と、就寝時間中だけですので生活にほとんど影響がありません。ただ、装着に慣れるまでの時間がかかり、装着する子どもの忍耐と協力が必要不可欠です。
ブラケット(ワイヤー矯正)
ブラケットと呼ばれる装置を歯の表につけワイヤーを通すことで歯を移動させる矯正方法です。大人の矯正方法とほとんど変わらず、どんな症例にも対応可能です。
装置が目立ちやすく、手入れがしにくいのが欠点ともいえるでしょう。
まとめ|叢生はきちんと治そう
今回は叢生について色々と解説いたしました。
叢生は(そうせい)と読みます。叢生は顎の発育不良や歯が大きいことにより歯が重なってしまうことを指す言葉です。
これにより、歯が凸凹になって歯並びなどが悪くなってしまうのです。
叢生になると、歯並びが悪くなって歯の審美眼が失われる。歯のケアがしにくく歯周病や虫歯になりやすい。噛み合わせが悪くなり体全体のバランスが悪くなって、頭痛や肩こりの原因を引き起こすなどのデメリットが起きてしまいます。
逆に、治療すると歯並びがよくなって歯の審美眼が保たれる。歯のケアがしやすくなって歯周病や虫歯になりにくい。噛み合わせがよくなり、体全体のバランスが整うので頭痛や肩こりも改善されるといったメリットがありました。
永久歯が生えた大人の治療方法には一般的なブラケットを使用したワイヤー矯正や、マウスピース型の矯正、歯を削ってセラミックをかぶせるセラミック矯正などがあります。
まだ永久歯の生え変わらない子どもの治療には、口周りのクセを改善し顎の発育を助けて、歯並びを正しくするマイオブレースなどがあります。
海岸歯科室では、叢生に関するお悩みもご相談いただけます。
歯並びが気になる方は是非とも当院をご利用ください。
監修:理事長 森本 哲郎