審美歯科と矯正治療の違いが知りたい!それぞれのメリット・デメリットも紹介
- 2025年2月11日
- コラム
審美歯科と矯正治療の違いが知りたい!それぞれのメリット・デメリットも紹介
歯並びや歯の形が気になっている方の中には、審美歯科と矯正治療のどちらを受ければ良いか悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
審美歯科と矯正治療は、それぞれ治療の目的が異なります。費用やリスクなども異なるため、自分の症例に合わせて適した治療を選ぶ必要があるでしょう。
このコラムでは、審美歯科と矯正治療の違いや治療の種類、それぞれのメリット・デメリットなどを詳しく紹介します。
審美歯科と矯正の違いは?
審美歯科と矯正治療では、治療の目標が異なります。
ここでは、2つの治療の違いや治療の目標についてしっかり理解しておきましょう。
審美歯科の治療目標
審美歯科の治療目標は、短期間で見た目の改善を目指すことです。たとえば、歯を少し削って歯の形を整えたり、被せ物を用いて見た目の改善を目指したりする治療などがこれにあたります。
数週間〜半年程度で見た目の改善が目指せるため、すぐに歯並びや見た目の改善をしたいという方に向いています。
ただし、重度の歯列の乱れは適用にならなかったり、歯を削ることで歯の寿命が短くなったりといったリスクがあります。
矯正治療の治療目標
矯正治療の目的は、歯列や噛み合わせを整えることです。
ワイヤーやマウスピースなどの器具を装着し、時間をかけて歯を正しい位置に動かしていきます。治療の完了までは数年かかります。
歯並びが改善されるのはもちろん、噛み合わせが良くなることによって咀嚼が楽になったり、歯磨きがしやすくなったりといったメリットがあります。
審美歯科の種類
審美歯科の治療内容には、主に以下が挙げられます。
- セラミック治療
- ラミネートベニア
- ホワイトニング
審美歯科では、上記の治療法を用いて歯の見た目を改善します。あくまで見た目を改善する治療のため、費用は自己負担になるケースが多いです。
これらの治療法について詳しく見ていきましょう。
セラミック治療
セラミック治療とは、セラミックを材料とした被せ物や詰め物を使った治療のことです。
セラミックは、透明感があり耐久性も高いため、自然な歯のような見た目と使い心地が得られることで人気があります。虫歯の治療はもちろん、歯並びや歯の形を治したいときや、歯の色味が気になるときなどにセラミック治療が選択されます。
表面に汚れが付きにくい素材のため、虫歯や歯周病のリスクも低い点も特徴です。
セラミック治療に使われる素材には「オールセラミック」「ジルコニアセラミック」などの種類があり、それぞれ価格や見た目、耐久性などが異なります。医師と相談して自分の症例に適したものを選びましょう。
ラミネートベニア
ラミネートベニアは、歯の表面にセラミックでできた薄いチップを貼り付ける治療法です。歯の色や形、歯の隙間などを改善する効果があります。
チップを貼る際に歯の表面を薄く削ることが必要ですが、被せ物と比較した場合には削る量が少なく、神経への負担も少ないと言われています。
また、型を取る必要がないため、数回の通院で治療が完了する点も特徴です。すぐに歯の見た目を改善したい方に向いているでしょう。
ホワイトニング
ホワイトニングは、歯に専用の薬剤を塗布して特殊な光を当てることによって歯を白くする治療法です。歯の形や歯並びを改善することはできませんが、歯を白く美しくすることによって、見た目に自信を持てるようになります。
ホワイトニングには「オフィスホワイトニング」「ホームホワイトニング」「デュアルホワイトニング」の3種類があります。
オフィスホワイトニングは、歯科医院で行うホワイトニングです。国家資格を持つ医師や衛生士が治療を担当するため、高濃度の薬剤を使用でき、効果をすぐに実感できます。
ホームホワイトニングは、歯科医院で作成したマウスピースに薬剤を塗布して自宅で行うホワイトニングです。オフィスホワイトニングと比較すると低濃度の薬剤のため、効果が出るまで時間がかかりますが、白い歯が持続しやすい特徴があります。
デュアルホワイトニングは、上記の2つを組み合わせた治療です。オフィスホワイトニングの即効性とホームホワイトニングの持続性という2つの良さを得られることで人気があります。
矯正治療の種類
矯正治療には、大きく分けて以下の2つの治療法があります。
- ワイヤー矯正
- マウスピース矯正
治療の特徴をよく理解し、自分に適した治療法を選択することが大切です。2つの治療法の特徴について見ていきましょう。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、ブラケットと呼ばれる装置を歯に取り付け、そこにワイヤーを通して歯を徐々に正しい位置に動かす治療法です。装置が金属のため、口を開けたときに目立つ可能性があります。見た目が気になる場合は歯の裏側に装置を付けることもできますが、費用が高くなる点に注意が必要です。
ワイヤー矯正は歯を大きく動かすこともできるため、幅広い症例に対応できます。矯正治療としての歴史も長いため、実績が多く、安心して治療を受けられるでしょう。
マウスピース矯正
マウスピース矯正は、透明なマウスピース型の装置を装着し、徐々に歯並びを改善する治療法です。ワイヤーやブラケットを使用する必要がなく、好きなタイミングでマウスピースの取り外しができます。そのため、周囲の人に矯正していることに気付かれにくいというメリットがあります。
また、歯磨きの際にもマウスピースの取り外しができるため、歯磨きがしやすく、口腔内を清潔に保ちやすい点も特徴です。
一方で、マウスピース矯正は1日に約20時間以上の装着が必要ですが、自分で装着時間を管理できていないと、思ったような矯正効果が得られない可能性があります。
また、歯列の乱れが重度の場合や噛み合わせに問題がある場合、マウスピース矯正が適応にならない可能性があります。
審美歯科のメリット・デメリット
審美歯科は短期間で歯の見た目を改善できるメリットがある一方で、費用面や治療のリスクの点でデメリットがあります。
ここでは、審美歯科のメリット・デメリットについて詳しく見ていきましょう。
審美歯科のメリット
審美歯科の最大のメリットは、見た目に自信を持てるようになる点です。歯並びや歯の白さに自信が持てるようになり、コンプレックスが解消できます。
また、治療によって歯の形や位置が改善されることで、口腔内の清潔を保ちやすくなる点も大きなメリットの1つです。歯磨きがしやすくなり、虫歯や歯周病のリスクも提言できるでしょう。
審美歯科のデメリット
審美歯科のデメリットは、治療費用が高額になりやすい点です。保険適用外のケースが多いことに加え、高度な技術や特別な素材を使用して治療を行うため費用が高額になります。
また、ラミネートベニアなどの治療では、健康な歯を削る必要がある点もデメリットといえます。削る量がごくわずかですが、健康な歯を削ることになり、治療後に痛みや違和感が発生する可能性もゼロではありません。リスクをよく考えた上で治療を受けるか選択しましょう。
矯正治療のメリット・デメリット
矯正治療を行うことで、歯並びが改善するなどのメリットがありますが、費用や痛みなどの面でデメリットを感じることもあります。
ここでは、矯正治療のメリット・デメリットを見ていきましょう。
矯正治療のメリット
矯正治療のメリットは、見た目の改善ができる点です。歯並びが良くなることにより、周りからの目を気にせず済むようになるでしょう。
歯並びが良くなると、口内の清潔を保ちやすくなり、虫歯や歯周病の予防になる点もメリットの1つです。食べ物が歯と歯の間に詰まりにくくなるため、歯磨きがしやすくなるでしょう。
さらに、矯正治療では噛み合わせも改善できるため、全身にも良い影響を与えることがあります。噛み合わせの悪さによって顎関節症や頭痛が起こっていた場合、歯並びが改善することによってこれらの症状が軽減される可能性もあります。
矯正治療のデメリット
矯正治療のデメリットは、治療の最中に痛みや違和感がある点です。矯正器具を常に口内に付けておく必要があり、最初は不快感を感じることがあるでしょう。また、歯が動く際などに痛みを感じる可能性が高いです。
さらに、矯正器具を付けることによって歯磨きがしにくくなり、虫歯や歯周病のリスクも高まります。ブラシやフロスを使い、矯正前よりも丁寧に歯を磨くことが大切です。
審美歯科と矯正にかかる費用の違い
審美歯科と矯正にかかる費用は、歯科医院によって大きく異なります。一般的にかかる費用の相場は以下の通りです。
【審美歯科】
セラミック治療 |
5万円〜20万円程度(素材によって異なる) |
ラミネートベニア |
8万円〜15万円程度 |
ホワイトニング |
オフィスホワイトニング:2万円〜6万円程度 ホームホワイトニング:2万円〜5万円程度 デュアルホワイトニング:5万円〜8万円程度 |
【矯正歯科】
ワイヤー矯正 |
30万円〜60万円程度 |
マウスピース矯正 |
10万円〜40万円程度 |
審美歯科と矯正治療にかかる費用は、選ぶ素材や治療の難易度によっても異なります。治療前に医師とよく相談し、納得した上で治療に臨むようにしましょう。
審美歯科と矯正歯科に関するよくある質問
最後に、審美歯科と矯正治療に関するよくある質問について回答します。
2つの治療を受けたい場合の順番は?
審美歯科と矯正治療をどちらも受けたい場合は、矯正治療を行ってから審美歯科を行うのが一般的です。
矯正治療で歯列や噛み合わせが変化するため、仕上がりを見て気になる部分のみセラミックの歯に変更したり、ホワイトニングを受けたりすると良いでしょう。
審美歯科は医療費控除や保険適用の対象?
審美歯科は、見た目の美しさの改善を目的とする治療のため、基本的に保険が適用されません。ただし、噛み合わせの改善や乱れた歯並びの改善などを治療する場合は医療費控除の対象になる可能性があります。事前に医師に確認すると良いでしょう。
歯列矯正をやらなきゃよかったと後悔することはある?
歯列矯正に後悔する例としては、痛みや違和感、費用の高さなどが挙げられます。治療を後悔しないためには、治療開始前に医師と治療の目的をすり合わせ、自分に合った矯正方法を選択することが大切です。
まとめ
審美歯科と矯正治療は、治療の目的が異なります。審美歯科は見た目の美しさを改善する治療ですが、矯正治療では、見た目の美しさだけでなく、歯並びや噛み合わせも改善します。
症例によって適した治療法が異なるため、医師とよく相談してから治療を開始することが大切です。
海岸歯科室では、ホワイトニングやセラミック治療、矯正治療など、一人一人に合わせて幅広い治療法を提案しています。ご自身に合った治療がわからない方や、費用が気になる方など、ぜひお気軽にご相談ください。
監修:理事長 森本 哲郎