機能的マウスピース型矯正のプレオルソとは?プレオルソのメリット・デメリット
- 2024年4月26日
- コラム
プレオルソとは、プレオルソと呼ばれるマウスピースを使用して、3歳から10歳の子どもを対象とした子供専用のマウスピース型矯正治療のことです。
このプレオルソの特徴は、歯を直接動かすのではなく、歯並びを悪くしている口周りの筋肉を改善していくことで、間接的に歯並びを改善していくことを目的としています。
今回は、そんなプレオルソのメリット・デメリットを解説していきたいと思います。
プレオルソとは
プレオルソとは、プレオルソと呼ばれるマウスピースを使用しておこなわれるマウスピース型矯正治療のことです。
プレオルソの特徴は、歯並びを悪くしている口周りの筋肉を改善していくことを目的としています。
口周りの筋肉のバランスが悪ければ、歯並びは悪くなります。ですが、筋肉のバランスがよければ、歯並びは理想の位置にきちんと並んでくれるのです。
プレオルソはそんな筋肉のバランスを育み、きちんとした歯並びを実現させる治療法ともいえます。
適用年齢
プレオルソの適用年齢は3歳から10歳となっています。
プレオルソは顎の成長に合わせて使用するものです。なので、成長が止まる12歳以降では、効果を得られないことも多くあります。
使用方法
プレオルソの使用方法は、日中1時間と就寝する8時間ほどの時間帯にプレオルソを口に装着するだけです。他のマウスピース型矯正装置のように、20時間以上マウスピースを装着する必要もありません。
学校に持って行く必要もないので、家でできる治療方法と言い換えることもできます。一般的な矯正装置と違い口のケアもしっかりとできるので、虫歯や歯周病のリスクも少なくてすみます。
費用
プレオルソの費用は特定の場合をのぞき保険適用外になるため、歯科医院によって費用が異なります。プレオルソの対象である乳歯列期の治療費用相場は3万から20万と言われています。
歯科医院によって、提示金額に治療前の検査代やメンテナンス代が含まれていないケース。装置の値段のみを提示されているケースもありますので、事前に金額の内訳を確認することをお勧めいたします。
プレオルソのメリット
ここまで、プレオルソとは何か。プレオルソの適応年齢や使用方法。そして費用について述べてまいりました。では、プレオルソの治療を実際に受けて、どのようなメリットがあるのでしょうか。
そのメリットについて解説していきます。
治療中の痛みが少ない
プレオルソのメリットはなんといっても痛みが少ないことでしょう。特にプレオルソはプラスチックなどの硬い素材ではなく、柔らかいポリウレタン製の素材でできています。
そのため、装着するときの感覚に違和感がなく、子どもが装置を嫌がらずに使ってくれるのです。
また、従来の矯正装置は調節が難しく、嫌な臭いもしました。
ですが、プレオルソは熱を加えることで自由に調節できる素材を使用しており、お湯を使った簡単な調節も可能です。そのため、熱を加えるだけで簡単な調節ができ、個々の口内に合わせることが可能なのです。
歯並びがよくなり虫歯や歯周予防になる
プレオルソは口周りの口輪筋の発達を促し、歯並びをよくする矯正方法でもあります。そのため、噛み合わせや筋肉のバランスを整えてくれる役割も持っているのです。
口腔の筋肉のバランスがよければ、歯並びは視線と理想の並びになってくれます。歯並びがよくなれば、歯のお手入れもしやすくなり、虫歯や歯周病になるリスクを低くすることにも繋がっていきます。
また、永久歯がはえるときに不正歯列になるリスクも、プレオルソは減らしてくれるといえるでしょう。
噛み合わせや筋肉のバランスを整える
先ほども書きましたが、プレオルソを利用することで、噛み合わせや筋肉のバランスを整えることができます。また、プレオルソをすることで唇や顎の筋肉も鍛えられ、口呼吸や舌の癖も治りやすくなるのです。
また、筋肉のバランスが整えられることで、歯並びも理想の歯並びに近づけることができます。
歯並びがキレイになれば、噛み合わせも整い特定の歯に余計な負担がかかることも少なくなります。
また、筋肉のバランスが整えられることにより、将来的に生えてくる永久歯がおかしな方向に生える確率も低くなります。さらに、治療後に口元が引き締まったり、後戻りの可能性が低くなるなどの効果もあるといいます。
鼻呼吸を促す
プレオルソを装着することにより、口周りの筋肉が鍛えられることで口呼吸の癖を直すことも可能です。口呼吸の癖を治すことにより、鼻呼吸を自然とするよう促すことができるのです。
鼻呼吸が促されることで、虫歯や歯周病などのリスクを下げることも可能です。口呼吸をしていると、唾液が渇き口内で細菌などが繁殖しやすい環境になります。そのため虫歯菌や、風邪の菌なども口内で発生しやすくなるのです。
また、鼻呼吸は脳の冷却装置として、重要な働きもしているのです。
脳は約20Wの熱を生産しています。その熱を頸動脈からの毎分5Lの血流によって放出しているのです。脳は脳熱が40.5度を超えると機能障害を起こすリスクも抱えています。
鼻呼吸をすることで脳を冷やし、これらの機能を正常に保つことができるのです。
プレオルソのデメリット
ここまでプレオルソのメリットを話してきましたが、プレオルソにはデメリットになる部分も少なからず存在します。
プレオルソの装着時間は日中1時間と、夜間の8時間のみとなっています。ですが、夜間の使用の場合は、慣れるまで何日かかかるのが実情です。
その他にも、あいうべ体操と呼ばれる筋トレが必要になってきます。
ここでは、プレオルソのデメリットをわかりやすく解説していきます。
歯のズレが大きいと装置がハマらない
プレオルソは装置の幅が決まっているため、歯並びのズレが大きいと歯にハマらないことがあります。ハマったとしても子どもが嫌がる場合は、治療効果が得ることはできません。
子どもが嫌がると治療にならない
プレオルソでの治療を子どもが嫌がることもメリットといえるでしょう。プレオルソの装着時間は他のマウスピース型矯正と比べても短いですが、夜の装着などには慣れが必要になってきます。
装着1日目には、溢れる唾液を飲み込めずに、装着時間が30分未満。寝るときには、口にテープを貼って寝ても、テープを外してしまい装着時間が5時間未満だったという実例もあります。装着になれるのに4日ほどかかったそうです。
治療になれるまでは、装置をつけて我慢していることを褒めたり、子どもが不快にならないよう様々な配慮が必要になるでしょう。
もし、プレオルソを勧められたら
プレオルソは口輪筋を鍛えることで、歯並びのバランスなどを良くし、口呼吸や舌の癖などを予防する効果も持っています。
プレオルソ以外の矯正装置には、顎の骨を拡大する取り外し可能な拡大床や、取り外しができない急速拡大装置などがあります。
また、受け口の治療では、プレオルソと同じようなムーシールドという装置がよく使用されます。6歳臼歯が生えると、GMDやペンデュラムなど歯を後ろにずらすための装置が使用されるようになります。
プレオルソは、装着時の痛みも少なく、脱着時間も短時間で済む装置です。口輪筋を鍛えることで、様々なメリットがある治療法でもありますので、受けてみて決して損をすることはありません。
プレオルソを勧められた際は、歯科医師の説明をよく聞いて治療を始めるか検討してみてください。
まとめ
この記事では、プレオルソのメリットデメリットを解説しました。
プレオルソは子供に使用するマウスピース型の矯正装置です。その装置を使用することで、口輪筋を鍛え、筋肉のバランスを整えることで理想の歯並びを得ることができます。
適用年齢は、3歳から10歳までの顎の成長がとまっていない子どもが対象となってます。装着時間は日中に1日、夜間に8時間と他のマウスピー型矯正装置と比べると短いのも特徴です。
ただ、装置をするにあたってあいうべ体操などの筋肉トレーニングが必要になったり、装置になれるまで数日間時間がかかったりする手間もある治療方法です。
ですが、治療方法のメリットは大きく、柔らかい素材を利用しているために装着時の痛みが少ないメリットもあります。
他にも、口周りの筋肉が発達することで歯並びがよくなり、噛み合わせのバランスがよくなる。歯並びがよくなることで、歯の手入れがしやすくなり虫歯や歯周病の予防につながる。そして、装置をつけることで口呼吸の癖や、舌の癖が予防され、鼻呼吸を促すなどのメリットもあります。
鼻呼吸が促されると、口呼吸により口内の唾液が少なくなることもなくなります。それによって、口内の歯周病菌や虫歯菌の繁殖、風邪のウイルスの繁殖を防ぐことにも繋がるのです。また、鼻呼吸は脳の熱を下げる冷却装置の役割も担っており、鼻呼吸をきちんとすることで脳の機能を保つこともできます。
ですが、少なからずプレオルソにもデメリットがあります。
プレオルソは装置の幅が決まっているため、歯並びのズレが大きいと使用できない可能性があるのです。
プレオルソの装着には慣れる時間が必要になります。そのため、子どもが治療を嫌がる場合も出てきます。ですので、プレオルソの治療には子供を励ますなどの工夫も必要になって来るでしょう。
また、プレオルソ治療は一部の礼をのぞき、保険適用が効かない治療方法です。治療する際の費用見積もりなども歯科医の話を聞いて、きちんと把握するようにしましょう。
海岸歯科室では、プレオルソに関する治療のご相談も承っております。お子様にプレオルソの治療を受けさせたい方は、是非当院にご来院ください。