歯が透明になる症状は酸蝕歯(さんしょくし)の可能性あり|原因や治療法・予防について解説|海岸歯科室|千葉県美浜区の歯医者

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歯が透明になる症状は酸蝕歯(さんしょくし)の可能性あり|原因や治療法・予防について解説|海岸歯科室|千葉県美浜区の歯医者

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歯が透明になる症状は酸蝕歯(さんしょくし)の可能性あり|原因や治療法・予防について解説

「最近、歯が透明になっている気がする」

「歯が透明になるのは病気なの?」

「歯医者に行った方がいいのだろうか?」

もし歯が透明になっている気がしたら、酸蝕歯(さんしょくし)の可能性があります。

酸蝕歯とは歯の表面を覆うエナメル質が、酸性のものに触れて溶けだし病的に傷んだ状態です。

水がしみる知覚過敏や、エナメル質が薄くなるため歯の先端が透明に見えたり、歯の表面が凸凹になったりします。

逆流した胃酸や、酸性の飲食物に触れることが原因で、予防としては歯が酸に触れないようにするのが大切です。

本コラムでは、酸蝕歯の原因や治療法、予防のポイントについて解説します。

最後まで読むと酸蝕歯の病態や原因について正しく理解でき、歯科への受診のタイミングや予防のためのセルフケアができるようになるでしょう。

ご自身の状態が気になる方は、ぜひお気軽にご相談ください。

酸蝕歯(さんしょくし)とは?|4人に1人が酸蝕歯!

歯の構造は、表面からエナメル質、象牙質、歯髄の三層で成り立っています。

酸蝕歯とは歯の表面を覆うエナメル質が酸に触れて溶けだし、病的にいたんでしまった状態の歯です。

歯の表面は、エナメル質とよばれる人体で最も硬いリン酸カルシウムで覆われていますが、強い酸性のものに触れると化学反応を起こし、溶けてしまいます。

エナメル質が溶けだし、下層の柔らかい象牙質(ぞうげしつ)がむき出しになると、歯磨きや噛んだ刺激で歯がすり減ってしまうのです。

酸蝕歯になると知覚過敏になり冷たいものがしみたり、進行度合いにより歯が濁ったり透けたりして見える場合があります。

2015年に実施された東京都在住の約1,000人を対象にした調査では、酸蝕歯がある人の割合は26.1%で、約4人に1人が酸蝕歯であるとわかりました。

26.1%のうち、象牙質まで進行している人は6.8%といわれています。

酸蝕歯は虫歯や歯周病に次ぐ、第三の歯科疾患として近年問題視されています。

酸蝕歯を放置するデメリット

一度溶けだしたエナメル質は自然と元にはもどりません。

そのため酸蝕歯を放置すると病状は進行し、下記のようなデメリットがあります。

・知覚過敏が進行し、冷たいものや熱いものがしみる

・歯が濁って見えたり透明に見えたり、審美的なデメリットがある

・エナメル質が溶けると歯がもろくなり、虫歯になりやすい

・歯が削れると被せていた詰め物が取れたり、嚙み合わせが悪くなったりする

・最終的に歯を失う原因になる

進行度合いによって適切な治療や予防のためのセルフケアが重要です。

酸蝕歯を引き起こす原因

酸蝕歯は歯が酸性のものに触れると引き起こされ、酸性の度合いを図る単位としてpH(ピーエイチ)値を使用します。

中性のpH値は7.0で、数字が1.0に近づくほど酸性が強くなり、エナメル質が溶けだす境界線はpH5.5以下です。

歯が酸性のものに触れる要因は、内因性の疾患によるものと、外因性の飲食物と職業性に分けられます。

分類

具体例

内因性

疾患

胃酸が逆流する胃食道逆流症、摂食障害による嘔吐など

外因性

飲食物

柑橘類、炭酸飲料、お酢、ビタミンCサプリなど酸性が強いもの

職業性

塩酸や硫酸、硝酸など酸性のガスに接する職種、ワインの試飲

それぞれの分類について詳しく解説します。

胃酸が逆流する疾患

内因性の原因として挙げられるのは、胃液の逆流が起こる疾患です。

胃酸はpH1.0-2.0の強酸であり、胃酸が口の中に逆流してくると歯が溶けてしまいます。

胃酸が逆流する疾患としては、胃食道逆流症、拒食や過食などの摂食障害による嘔吐、アルコール中毒などがあります。

酸性の食品・飲料

歯が酸性の飲食物に触れることでも酸蝕歯は起こります。

代表的な酸性の食品と飲料のpH値(目安)は下記のとおりです。

具体的な飲食物とpH値

食品

レモン(pH2.0)、果物類(pH3.0-4.0)、酢(pH3.1)、

ドレッシング(pH3.0-4.0)など

飲料

コーラ・栄養ドリンク、梅酒(pH2.0-3.0)、スポーツ飲料(pH3.5)

ワイン(pH3.5)、果汁飲料(pH3.0-4.0) 

※参考値:お茶(pH6.5)、水(pH7.0)、みそ汁(pH5.5)

 

単に味覚として「酸っぱい」と感じるものだけが酸性の食品ではありません。

炭酸飲料やスポーツ飲料など、甘さを感じるものでもpH値は酸性を示します。

昨今、飲食が要因とされる酸蝕歯の増加の背景には、健康ブームによりお酢の飲用やビタミン補給のための柑橘類やサプリメントを摂取する機会が増えたためと考えられています。

酸性のガスや飲食に触れる職業

酸蝕歯は日頃つねに酸性のガスに接触している職種の人に多い歯科疾患でもあります。

特に、塩酸・硫酸・硝酸などが発生する業務に従事する人は、法律によって定期的に特定の歯科検診を受けなければなりません。

またワインの試飲や酸性の食品を試食・試飲する機会の多い職業の方も、酸蝕歯のリスクがあがります。

酸蝕歯の主な症状

酸蝕歯の初期〜中期以降の症状について解説します。

一度溶けだしたエナメル質は自然に元にもどらないため、治療のタイミングが遅れないよう当てはまる症状があれば歯科医院へ受診しましょう。

初期症状

・冷たいまたは熱い飲み物が歯にしみる(知覚過敏)
・歯の表面が丸みをおびてくる
・歯の表面のエナメル質が薄くなるため下層の象牙質が見えるようになり、歯がやや黄色く見える

中期以降の症状

・知覚過敏が重症化する

・歯が薄くなると歯の先端が透明に見える
・歯の先端や表面に小さな凹みが表れる
・象牙質がさらに見えてくるため歯がより黄ばみ、茶色っぽく見える

酸蝕歯の治療方法

酸蝕歯にならないためには予防が重要ですが、すでに症状がある方や進行中の方には適切な治療が必要です。

酸蝕歯の進行具合によって、以下のような治療方法があります。

・歯科医院でフッ素塗布する

・軽度の知覚過敏には、知覚過敏抑制剤を塗布する

重曹入りの酸蝕予防ペーストを塗布したマウスガードを装着する

(就寝中に胃酸が逆流する方や、歯ぎしりする方に向いている)

・歯の欠損に対しては高性能な歯科用接着材を用いて修復する

・疾患による胃酸の逆流が起こっている場合は、該当する疾患を治療する

酸蝕歯を予防するポイント

エナメル質は溶けると自然と元にもどらないため、酸蝕歯にならないためには日頃の予防が重要です。

酸蝕歯になりにくい歯をつくるため、取り入れられるポイントから実践してみましょう。

・嘔吐などで胃酸が逆流した場合は重曹を溶かした水でうがいし、胃酸を中和させる

・フッ素化合物が配合された歯磨き粉を使用する

・カルシウムやフッ化物を配合したシュガー レスガムを使用する

・酸性の強い飲食物を摂取する回数を減らす

・酸性の強い飲食物を摂取後は水でうがいをする

・食後はエナメル質が柔らかくなっているため、歯磨きは30分あける

・歯磨きは、柔らかめの歯ブラシと軽い圧でおこなう

・唾液の分泌を促す耳下腺(耳裏の付け根)マッサージをおこなう

・唾液の分泌が少なくなるスポーツ後や就寝前は、酸性の強い飲食物を控える

・定期的な歯科検診を受け、早めに対処する

・酸蝕歯の原因となりうる疾患を治療する

まとめ|酸蝕歯の予防は酸性のものとの接触を減らそう!

酸蝕歯とは歯の表面を覆うエナメル質が酸性のものに触れて溶けだし、病的に傷んでしまった状態の歯です。

酸蝕歯になると冷たいものがしみる知覚過敏や、歯の先端が透明になり、歯が黄色~茶色味をおびるなどの症状があらわれます。

現代では4人に1人が酸蝕歯というデータがあり、虫歯や歯周病につぐ第三の歯科疾患として注目度が高まっています。

一度溶けだしたエナメル質は自然に元に戻らないため、放置すれば症状は進行し、審美的な問題だけでなく最終的には歯を失いかねません。

酸蝕歯を引き起こす直接的な原因は、酸性のものとの接触です。

内因性の原因としては、胃食道逆流症や摂食障害による嘔吐があります。

外因性の原因には、酸性の強い飲料や食品の摂取、職業柄酸性のガスや食品と接触する機会の多い職業性のものがあります。

主な治療方法としては、フッ素や知覚過敏抑制剤の塗布、歯の欠損部分には特殊な接着剤を用いた修復です。

酸蝕歯にならないための予防が重要で、酸性のものとの接触回数を減らし、酸と接触した場合は重曹水でうがいしましょう。

食後はうがいにとどめ、歯磨きは食後30分はあけましょう。原因となる疾患の治療も重要です。

海岸歯科室は患者様のお悩みに寄り添い、世界一優しい歯科を目指しております。

酸蝕歯に悩んでいる方や気になる症状がある方は、ぜひ一度ご相談ください。

スタッフ一同お待ちしております。

 

監修:理事長 森本 哲郎

 

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