歯列矯正の値段はいくらかかる?子供と大人の費用相場・治療法別の違いを詳しく解説
- 2025年5月27日
- コラム
歯列矯正にかかる費用は、治療法や年齢によって大きく異なります。
ワイヤー矯正やマウスピース矯正、部分矯正など、それぞれに特徴と相場があり、選び方によって負担も変わってきます。
また、子供は成長を利用した治療ができるため、費用を抑えやすいのに対し、大人は審美性を重視する分、費用が高くなる傾向にあります。
本記事では、治療法別・年齢別の費用相場や内訳、支払い方法までをわかりやすく解説します。
歯列矯正値段の基本|治療法別の費用相場を確認しよう
矯正治療にかかる費用は治療法によって大きく異なります。
本章では代表的な3種類の矯正方法について、費用と特徴の違いをわかりやすく解説しましょう。
ワイヤー矯正の値段と治療期間の関係
ワイヤー矯正は最も歴史があり、幅広い症例に対応できる信頼性の高い治療法として知られています。
費用相場は、全体矯正の場合でおおよそ70万~100万円程度となっており、通院先の地域やクリニックの設備、使用する素材によっても多少の差が出ると覚えておきましょう。
治療期間の目安は通常2年から3年程度で、毎月1回ほどの通院が必要になります。
この通院では、ワイヤーの調整や力の加え方を変更するなど、歯の動きをコントロールする処置が行われるのです。
ただし、金属製のワイヤーやブラケットが外から見えるため、審美面ではやや目立ちやすい点が難点となってきます。
また、装置が粘膜に当たって口内炎を起こしやすかったり、ワイヤーの締め直しによる痛みを感じたりするケースも。
とはいえ、その分、歯の移動精度が非常に高く、難しい症例にも対応できる点がこの治療法の大きな強みです。
マウスピース矯正の費用と選ばれる理由
マウスピース型矯正は、透明な装置を使用するため、装着していても気づかれにくく、見た目を気にする方にとって非常に魅力的な選択肢です。
その審美性の高さや、食事や歯磨きの際に自分で取り外せる利便性が評価され、特に若年層や社会人の間で人気を集めています。
費用の目安としては、歯列全体を動かす「全体矯正」で約80万~100万円程度、前歯の歯並び改善などを目的とした「部分矯正」ではおおよそ20万~50万円が相場です。
治療内容や症例の難易度、クリニックの診療体制によって料金に差が生じることもあります。
ただし、マウスピース矯正は毎日の装着時間が治療効果に直結するため、患者自身の自己管理が成功のカギとなってくるのです。
一般的には1日20時間以上の装着が必要で、装着時間が不足すると歯の動きが予定通りに進まず、治療が長引いたり、再作成の費用が追加でかかることもあります。
こうした特性を理解し、日常的にしっかりとルールを守れるかどうかが、効果的な治療に繋がる重要なポイントです。
部分矯正で歯列矯正の値段を抑えるケースとは
部分矯正は、前歯や数本の歯並びの乱れだけを改善したいという方に向いている、比較的手軽な矯正方法です。
全体的な歯列矯正と比べて動かす歯の本数が少ないため、費用も治療期間も大幅に抑えられる点が魅力とされています。
費用の相場は15万~40万円程度とされており、全体矯正の半額以下で済む場合も少なくありません。
治療期間も半年から1年程度と短く、忙しい社会人や学生でも始めやすい選択肢です。
前歯の軽度ながたつきやすきっ歯など、審美的な改善を目的とした症例に特に適しています。
ただし、部分矯正では奥歯の噛み合わせを大きく動かすことはできないため、全体のバランスを必要とする症例には不向きなこともあります。
むしろ部分的な歯の移動が原因で、かえって噛み合わせや顎関節に負担をかけてしまうリスクもあるのです。
そのため、部分矯正を検討する際は、「見た目を整えるだけで本当に問題が解決するのか?」という点を、専門の歯科医とよく相談したうえで決めることが大切。
矯正を始める前の診断とカウンセリングこそが、満足度の高い治療結果へとつながります。
歯列矯正値段 子供と大人で何が違う?
矯正治療は年齢によっても費用や治療方法に違いがあります。
ここでは子供と大人それぞれの費用相場と特徴を見ていきましょう。
子供の歯列矯正はいつ始める?平均的な費用とは
子供の矯正は7~8歳頃から開始されることが多く、成長に合わせて「Ⅰ期治療」「Ⅱ期治療」に分かれます。
Ⅰ期は20~40万円、Ⅱ期では30~50万円が相場です。
成長期の矯正が割安な理由と注意点
成長期に行う矯正治療は、骨の成長をうまく利用できるため、効率よく歯並びを整えることができます。
特に小児矯正では、あごの幅や歯の生えるスペースを広げるといった骨格そのものへのアプローチが可能なため、抜歯を避けながら自然な歯列誘導ができるのが大きな利点です。
また、成長の途中で骨が柔らかいため歯が動きやすく、同じ治療内容でも大人より短期間で成果が出やすい傾向にあります。
結果的に通院回数や矯正期間が少なくて済むため、トータルの費用も抑えられるのが特徴です。
実際、第一期治療(混合歯列期)では20万〜40万円程度と、比較的リーズナブルな価格帯で治療を始められることが多くなっています。
ただし、成長に合わせて計画を立てる必要があるため、適切なタイミングで始めなければ期待した効果を得にくくなることもあるでしょう。
早すぎる治療は無駄に終わることもあり、遅すぎると骨格の成長が止まり、矯正効果が得られにくくなります。
さらに、治療の途中でモチベーションが続かず、マウスピースの使用を怠るなど管理面での課題も。
そのため、歯科医による定期的な検診と保護者のサポートが非常に重要になります。
成長期の矯正は、単に「早く始めれば安く済む」というものではなく、骨格の成長と歯の生え変わりのタイミングを的確に見極めて進める必要があるのです。
大人の矯正で値段が高くなりやすい要因
大人は骨の成長が止まっており、歯を動かすのに時間がかかる上、審美性を重視した矯正法を選びやすいため費用が高くなりがちです。
虫歯や歯周病の治療が必要な場合もあり、追加費用が発生するケースもあります。
歯列矯正の費用内訳を分解|見落としがちな項目にも注意
矯正治療の費用は本体価格だけでなく、さまざまな追加項目を含めた総額で考えることが重要です。
初診・検査・診断にかかる基本料金
矯正治療を始める前には、まず患者の歯並びや噛み合わせの状態を正確に把握するための初診・検査・診断が不可欠です。
初診時には問診をはじめ、視診、口腔内写真の撮影、虫歯や歯周病のチェックが行われます。
また、矯正治療を行う上で必須となるのが精密検査です。
この段階では、顔面や頭部のレントゲン(セファログラム)、口腔内のパノラマX線撮影、歯型をとって作成される模型の分析、咬合状態のチェックなどが含まれます。
これらの検査結果をもとに、患者一人ひとりに合った治療方針を立案し、治療期間・費用・装置の種類などを含めた説明が行われるのです。
いわゆる「診断料」には、この治療計画の作成費も含まれているため、単なる検査費用ではないことに留意が必要となってきます。
費用としては、初診相談料が無料~3,000円程度である一方、精密検査と診断の合計でおおむね2万円~5万円程度が一般的な相場です。
一部の高精度な機器を使用する医院では、さらに高額になることもありますが、後戻りのない治療計画を立てるためには必要な工程といえます。
また、検査結果によっては矯正治療を始める前に虫歯治療や抜歯、歯周病の処置などが必要となる場合もあるため、診断の段階で将来的な治療費の見通しを立てておくことが大切です。
調整料・通院ごとの追加費用とは
矯正期間中は毎月1回ほど通院が必要で、その都度3,000~6,000円程度の調整料がかかり、1年~2年で10万~15万円前後が追加される場合があります。
保定装置(リテーナー)と治療後の管理コスト
矯正完了後の後戻りを防ぐため、保定装置を装着する必要があります。
リテーナー費用は片顎で1万~3万円、両顎で3万~6万円程度が相場です。
保定期間中も年1~2回程度の通院が推奨され、その費用も別途発生します。
歯列矯正値段を負担なく支払う方法とは
治療費が高額になりがちな矯正治療ですが、さまざまな方法で経済的な負担を軽減できます。
分割払い・医療ローンのメリットと注意点
多くの歯科医院では医療ローンや分割払いに対応しています。
月々の支払い額を抑えられるメリットがある一方で、分割回数によっては利息が加算されるため、契約内容の確認が不可欠です。
医療費控除で賢く節税する方法
年間10万円以上の医療費を支払った場合、「医療費控除」の対象になります。
歯列矯正も機能改善目的であれば対象となり、確定申告で所得税の還付を受けられる可能性があると覚えておいてください。
子供の歯列矯正に使える公的支援制度があるか
一部自治体では、子供の矯正に対して助成金制度を設けているケースも。
所得制限や対象年齢に条件がありますが、費用負担の軽減につながるため、各自治体の情報を確認する価値があります。
価格だけで選ばない|歯列矯正の満足度を上げるポイント
安さだけで治療を選ぶと、思わぬトラブルに繋がることもあります。
満足度の高い治療には、事前の情報収集と医院選びが重要です。
「安い矯正治療」で起こりがちな失敗とは
極端に安価な治療には、対応できる症例の制限や治療期間の延長、説明不足といったリスクが伴います。
途中で追加費用が発生するケースもあるため、契約前に注意が必要です。
費用対効果の高いクリニックを選ぶ視点
価格だけでなく、治療実績・設備・サポート体制も重視しましょう。
カウンセリングの丁寧さや医師との信頼関係が満足度に大きく影響します。
契約前に確認したい見積もりと説明内容
治療にかかる総額、通院回数、追加費用の有無、支払い方法などを明示してくれる医院を選びましょう。
事前説明が不十分な場合は、別のクリニックも検討することが大切です。
まとめ
歯列矯正の費用は一律ではなく、治療方法や年齢、医院によって大きく異なります。
目先の安さに惑わされず、長期的な視点で納得できる選択をすることが大切です。
ご自身に合った治療法を選び、信頼できる歯科医院で安心して矯正治療を受けましょう。
「海岸歯科室」では、インビザラインやマウスピース矯正を含む幅広い治療法に対応し、丁寧なカウンセリングを実施しています。
不安な点や費用についてもお気軽にご相談ください。
監修:理事長 森本 哲郎