歯列矯正の値段はなぜ高い?治療を始める前にその理由と、内容を理解しておこう
- 2024年2月15日
- コラム
熾烈矯正の値段というのは、一般的に「高い」というイメージかも知れません。
ではなぜ値段が高いのか、歯列矯正を検討しているのなら、その理由を知っておきたいですよね。
今回はこの歯列矯正の値段について、詳しく説明していきますので、矯正するかどうかの判断の参考にしてください。
矯正治療の種類と料金の違い
ひと口で歯列矯正といっても、その方法にはいくつかの種類があります。
まずはこの矯正方法による料金の違いについて説明していきます。
矯正治療の主な種類と特徴
矯正治療にはいくつかの種類があり、それぞれ異なる特徴があります。
一般的なのは矯正器具を使う方法で、ブラケットとワイヤーを歯に取り付け、歯の移動を進める方法です。この治療法は比較的効果的で、重度の歯並びの問題に対応することができます。
一方で取り外し可能な装置を使った方法もあり、リテーナーやマウスガードなど、患者が自ら取り外してクリーニングできます。
さらに装置の種類だけでなく、患者の症状や希望する治療期間によっても異なります。
治療期間と回数が異なる
治療期間と回数は、歯科矯正治療の料金に大きな影響を与える要因の一つです。
まず治療期間が長くなるほど、歯を動かすために必要な調整やメンテナンスが増え、それに伴って料金も上がります。
矯正治療の期間は症状や治療法によって異なり、軽度の歯並びの問題であれば比較的短期間で終了しますが、重度のケースでは数年にわたる治療期間が必要となることもあります。
歯を適切な位置に移動させるためには、定期的な調整やメンテナンスが必要でとなり、その回数が多い場合、通院回数が増え、それに伴って料金も増加します。
・医院や地域による料金の違いと見積もりのポイント
あるいは歯科医院の規模や立地により、料金が異なることもあります。
都市部や交通の便の良い場所にある医院は、一般的に費用が高めになります。
さらに提供するサービスや付随するサポート、使用する素材などが異なるため、それが料金に反映されることがあります。
地域による料金の違いも考慮すべきポイントです。都市圏や人口密度が高い地域では需要が高まり、それに応じて料金が上昇することがあります。逆に、地方や郊外の地域では競争が少ないため、料金が比較的低めになることがあります。
保険の適用と自己負担額について
一般的な歯の治療では健康保険を適用して、自己負担額を軽減できます。
同じように歯列矯正でも健康保険が利用できるのでしょうか。
それともまったく利用できないのでしょうか。
保険適用範囲の確認
歯科矯正治療において、健康保険の適用範囲を正確に理解することは患者さんにとって非常に重要です。
ただし原則的にほとんどの場合歯科矯正の治療に健康保険は適用されません。
ただし歯科矯正治療は一般的に美的な側面だけでなく、噛み合いや口腔機能の改善を含む複雑な治療です。そのため、どのような症状や治療法が保険の適用範囲に含まれるか、まずは歯科医師と相談しながら明確に理解することが必要となります。
特に子どもの矯正治療に関しては、健康保険が仕えないといっても差し支えありませんので、まずはしっかりそのことを理解しておきましょう。
自己負担額を明確に把握しよう
自己負担額を明確に把握することは、歯科矯正治療を検討する患者にとって不可欠です。
自己負担額は、治療全体の費用の一部を指し、患者が直接支払う必要があります。
治療の初期段階で歯科医師や医院スタッフと相談し、具体的な自己負担額を確認することが大切です。
自己負担額には様々な要因が影響します。たとえば、治療の途中で予期せぬ調整が必要になった場合や、特定のオプションや補綴具の利用に伴う追加費用などが含まれる可能性があります。
患者さんはこれらの要因も考慮して自己負担額を明確に把握し、治療プランに備えることで、予算を適切に管理する必要があります。
歯科矯正の料金の内訳
では次に、矯正治療の料金の内訳がどのようになっているかについて見ていきましょう。
治療プランに含まれる基本料金と初診費用
治療プランに含まれる基本料金と初診費用は、歯科矯正治療における費用の重要な要素です。
まず、基本料金には主に歯科矯正装置の選定、製作、そして装着に関する費用が含まれます。
歯の状態に合わせてブラケットやワイヤーを選定し、製作した矯正装置を歯に取り付け、治療を始めるための料金が基本料金となります。
この際、治療プランの詳細や装置の種類によって基本料金が異なるため、歯科医師との相談が重要です。
次に、初診費用は、患者が歯科医院を初めて訪れた際にかかる費用となります。
この初診では歯科医師が患者の歯の状態や治療に必要な検査を行い、適切な治療プランが提案されます。
初診費用はこの検査や診断に伴うものであり、治療に進む前に必要な情報を得るための料金となります。
定期的な調整やメンテナンスに関連する費用
定期的な調整やメンテナンスに関連する費用もまた、歯科矯正治療の過程で重要な要素です。
治療の進行と共に歯の移動や調整が必要で、そのために患者さんは定期的に歯科医院を訪れ、器具による歯の位置の調整とメンテナンスを受ける必要があります。
治療期間中、通常は4〜6週ごとに歯科医師による調整が行われます。
これには歯の位置の変化に応じてブラケットやワイヤーの調整、追加の装置の取り付けなどが含まれます。
このように矯正治療の定期的な調整には、随時通院費用が発生します。
装置のメンテナンスにかかる費用も患者さんにとって重要となります。
歯科矯正治療に使用されるブラケットやワイヤーは摩耗しやすく、また、装置のクリーニングや補綴具の取り外し・装着に伴うメンテナンスも必要です。
これらのメンテナンス作業には追加の費用が発生する場合があります。
補綴具や追加オプションにかかる費用
治療の過程で、補綴具や追加オプションにかかる費用は、歯科矯正治療において患者さんが注意すべき重要な側面です。
補綴具は治療中や治療終了後に使用され、患者さんの歯並びの状態を維持し、自分で治療をサポートするための道具となります。
一般的な補綴具には、リテーナーやマウスガードなどがあります。
リテーナーは治療後に歯の位置を安定させるために使用され、マウスガードは噛みしめや歯ぎしりを防ぐためのものです。
これらの補綴具にかかる費用は、種類や素材の違いにより異なります。
追加オプションにかかる費用は、治療をより効果的かつ快適にするための選択肢です。
例えば、透明なブラケットや歯に貼り付ける裏側矯正などが挙げられます。
これらのオプションは一般的な金属のブラケットよりも目立たないため、見た目を気にする患者に選ばれることがあります。ただし、これらのオプションには追加の費用がかかることがありますので、予算を考慮して選択することが重要です。
歯科矯正の料金の支払い方法の種類
さてこのように矯正治療の料金についての概要はおわかりになったかと思いますが、実際に治療を始めるにあたっては、どんな支払い方法があるのかについても知っておいた方が良いでしょう。
現金で一括支払いする以外に、歯科医院によってはいくつかの支払い方法が用意されているはずです。
ここではその中から代表的な方法を紹介しておきます。
一括払い
一括払いは、歯科矯正治療の料金を一度に全額支払う方法です。
一括払いの利点は、最初に一括で支払うことで、治療期間中に毎回の通院ごとに支払いをする手間や心配がなくなることです。
ただし、一括払いには一度にまとまった金額が必要となるため、患者さんには経済的な余裕が必要となります。
分割払い
分割払いは、歯科矯正治療の料金を一度に支払うのではなく、複数回に分けて支払う方法です。
これにより、患者は治療期間中に月々の支払いを分割し、経済的な負担を軽減することができます。
分割払いのメリットは、一度にまとまった金額を支払う必要がないため、治療に取り組みやすくなる点です。
月々の支払い額を予め知っているため、支払計画が立てやすくなります。
ただし、分割払いには分割手数料や金利が発生する場合があるため、患者さんはそれらの条件や費用を確認し、納得した上で選択することが重要です。
クレジットカードやローンを活用した支払い
クレジットカードやローンを活用した支払いは、歯科矯正治療の料金を一度に支払うことなく、柔軟な支払いスケジュールで対応できる支払い方法です。
これにより、患者さんは治療にかかる費用に対して、分割可能なクレジットカードやローンの利便性を利用できます。
クレジットカードには支払いを分割できるオプションがあり、患者は自身の支払い能力や予算に合わせて選択できます。
ただし、クレジットカードによる支払いは利息が発生することがあるため、利用前にその条件を確認することが重要です。
一方、ローンを活用する場合、患者は専門のローンプランを利用して治療費用を支払います。
ローンを組むことで、治療費用を長期間にわたって分割払いすることが可能となります。ローンの場合も金利が発生することがありますので、契約前にその点を確認することが必要です。
クレジットカードやローンを活用した支払いのメリットは、即座に全額支払いが不要であることや柔軟な支払いプランが組める点です。
しかし、金利や手数料が発生する可能性があるため、患者は契約前に細かい条件やコストを検討し、十分に理解した上で選択することが重要です。
歯科矯正の料金は子どもだと安いのか?高いのか?
歯科矯正治療の費用については、一般的に子どもの方が成人に比べて相対的に低いことがあります。この傾向はいくつかの要因に起因しています。
治療期間が子どもの方が短い場合があります。子どもはまだ成長期であるため、歯や顎の成長に合わせて治療が行われることがあり、これにより治療の期間が短縮される可能性があります。短い治療期間は、通院回数や調整の頻度を減少させ、それに伴う費用を削減する要因となります。
成長期においては歯や顎の形態がまだ変化しているため、成人に比べて歯を動かしやすいという特長もあります。
ただし、これらは一般的な傾向であり、治療の具体的なニーズや計画によっては逆のケースも存在します。
患者さんや保護者は、歯科医師とのコンサルテーションを通じて、具体的な治療プランや費用について理解を深めることが重要です。
まとめ
歯科矯正治療の費用は個々のケースによって変わってきますが、長期にわたる治療が必要となり、さらに技術的に高いレベルが必要ですから、一般的には金額が高いと感じてしまうかも知れません。
さらに矯正のための器具も作らなければなりませんので、費用的な負担も大きくなります。
一般的な治療と異なり健康保険が仕えないことがほとんどですので、費用的な負担はより大きく感じるかも知れません。
そのため歯科医院によっては様々な支払いプランが用意されているので、月々の無理のない支払い負担にすることも可能です。
いずれにしてもどのように矯正するかはまず歯科医師としっかり打ち合わせることが大切です。
現状の問題点や改善したいポイントを明確にして、医師に相談してみてください。
監修:理事長 森本 哲郎