歯茎を強くする食べ物とは?虫歯や歯周病を予防する食べ物を紹介!
- 2023年11月27日
- コラム
歯や歯茎を健康な状態で保つために、毎日の歯ブラシや、歯科医院での定期健診を徹底している方は多いでしょう。ですが、食べ物にまで気を使っている人はことは少ないのではないでしょうか。歯茎を強くする食べ物を日ごろから摂ることによって、口内環境を良い環境に保ちやすくなり、虫歯や歯周病などの対策ができます。本コラムでは、歯茎を強くする栄養素や食べ物について詳しく紹介します。ぜひ生活に取り入れ、歯や歯茎を健やかな状況に保ちましょう。
そもそも健康な歯茎の状態とは
健康な歯茎とは、歯と歯茎の間に隙間がなく引き締まっていて、色はきれいなピンクといわれています。指で触ったときに少し硬く感じるくらいの弾力があれば、健康な歯茎といえるでしょう。歯と歯の間の歯茎がシャープな三角形をしているのが理想的といわれてます。歯茎の状態が悪い時の特徴や、口内環境を良くするための対策を紹介します。
歯茎が不健康な場合、虫歯や歯周病の危険性がある
反対に歯茎がぷくっと腫れていたり、出血したりするのは、健康な状態ではありません。歯垢などの汚れが溜まり、虫歯や歯周病になる恐れがあります。たとえ歯茎が不健康な状態でも、痛みはほとんどありません。日常生活に大きな支障がないため、気付かずに放置している方が多いです。しかし、不健康な状態の歯茎を長年放置すると、歯周病などの症状が進み、歯が動くようになったり、顎の骨が失われたりします。歯茎を健康に保てるように、歯磨きなどのケアはもちろん、歯科医院での定期検診を受けましょう。
歯茎を強くするためには、クリーニングと毎日の食事も大切
歯茎を健康に保ち、虫歯や歯周病になるのを避けるためには、日ごろの歯磨きや、定期的な歯科医院でのクリーニングが必要です。さらに、毎日の食事で歯や歯茎を強くする食べ物を食べることも、口内環境を清潔に保つために役立ちます。食べ物を食べる際には、よく噛むこともポイントです。食べ物を噛むと唾液が分泌され、食べ物のかすや細菌を洗い流す効果もあります。1口食べるごとに30回以上噛むのが理想と言われているので、ぜひ意識してみてください。
歯や歯茎にいい栄養素
虫歯や歯周病を防ぎ、良い状態の歯と歯茎を保つためには、以下の栄養素を意識的に摂るのがおすすめです。
- カルシウム
- タンパク質
- マグネシウム
- ビタミン
上記は口内環境を保つために必要な栄養素ですが、バランスが偏ってもいけません。様々な食材をバランス良く食べることを意識しましょう。
カルシウム
歯を強くするために必要な栄養素が、カルシウムです。カルシウムは、虫歯菌の酸によって溶け出してしまった歯の成分を修復し、再石灰化をサポートします。カルシウムが不足すると、再石灰化のバランスが崩れ、虫歯になるリスクが上昇してしまうのです。しかし、カルシウムは骨格が完成している成人以降の人が摂りすぎると、異所性石灰化と呼ばれる現象が起こり、歯周病の原因になります。カルシウムだけを摂取しすぎると悪影響を及ぼすため、歯に良い栄養素をバランス良く摂取することが大切です。
タンパク質
タンパク質も、歯周病を防ぎ、歯茎を健康な状態に保つために必要な栄養素の1つです。歯の周りの組織はコラーゲンでできています。コラーゲンはタンパク質の一種です。摂取量が不足すると、歯茎が弱くなってしまいます。歯周病が進み、歯周ポケットの中で炎症が起こると、歯茎に含まれるタンパク質が減少し、歯茎が徐々に露出するようになります。歯茎を強くし、歯周病を予防するためにも、タンパク質を毎日の食事で摂取することが大切です。
マグネシウム
マグネシウムは、骨や歯の成長を強化する効果が期待できます。カルシウムが骨や歯に行き届くように働きかけるため、カルシウムとバランスよく摂取することにより、丈夫な歯を保つことに役立ちます。また、細胞内での働きが終わり、不必要になったカルシウムを排出する作用もあるため、異所性石灰化を防ぐ効果も期待できるのです。反対にマグネシウムが不足すると、歯茎に十分な栄養が行きわたらず、歯茎の血行不良を起こし、歯周病による歯茎のダメージを進行させる可能性もあります。虫歯菌や歯周病菌の繁殖を抑える作用も期待できるため、意識的に摂ることが大切です。
ビタミン
ビタミンは血流を促し、粘膜を修復する効果があります。特に摂取が必要なのが、ビタミンCです。歯茎は多くのコラーゲン線維から構成されていますが、歯周病によって歯茎のコラーゲン線維が破壊されると、出血などの口内トラブルが起きます。ビタミンCにはコラーゲンの合成を促進する効果があるため、ダメージを受けた歯茎の再生を促し、炎症を抑える効果も期待できるといわれています。さらに抗酸化作用もあるため、歯茎の健康に欠かせない栄養素です。
歯茎を強くするためにおすすめの食べ物
歯茎を強くするためには、食生活も整える必要があります。食物繊維が豊富な食べ物をしっかり噛むことで唾液を十分に出したり、歯の周囲を支える骨のためにカルシウムを含む食べ物を食べたりすることで、歯茎を強くすることができるのです。具体的に歯や歯茎を強くする食べ物には、以下が挙げられます。
- りんご
- たまねぎ
- 根生姜
- 根菜類
- レモン・イチゴ・アセロラなどのフルーツ
- チーズや牛乳などの乳製品
- ナッツ類
- お茶
普段の生活に上記の食べ物を取り入れ、歯や歯茎の健康を守っていきましょう。
りんご
歯茎を強くする食べ物としておすすめなのが、りんごです。りんごにはビタミンCやポリフェノールが含まれており、歯茎の健康を維持するだけでなく、殺菌作用や細菌への感染予防効果も期待できます。さらにりんごには食物繊維が含まれるため、噛み応えがあります。おすすめは、りんごの丸かじりです。りんごをかじって食べることで、歯の表面や歯茎の間の汚れを取り除くこともできます。
たまねぎ
歯茎を強くする食べ物として、生のたまねぎもおすすめです。生のたまねぎは細菌への抗力があり、歯茎の健康を保ちやすくなります。しかし生のたまねぎは辛みがあるため、薄切りにしてサラダにしたり、サンドイッチに挟んで食べたりと工夫が必要です。
根生姜
根生姜は、治癒効果のあるハーブの一種です。抗炎症作用があるため、歯茎の炎症を防ぎ、歯周病の予防にも効果が期待できます。
根菜類
ごぼうやれんこんなどの根菜類は噛み応えがあるため、唾液の分泌が増えます。食べ物のかすや細菌が洗い流されるため、口内を健康に保ちやすくなります。
レモン・イチゴ・アセロラなどのフルーツ
ビタミンCを摂取するためには、フルーツが良いでしょう。生のレモンやアセロラを大量に摂取するのは難しいので、ジュースを飲むのもおすすめです。ただし、市販のジュースは加熱処理されているため、ビタミンCが損失している可能性が高いです。生のフルーツや野菜からも、ビタミンを摂取しましょう。
チーズや牛乳などの乳製品
チーズや牛乳などに含まれる乳酸菌は、歯の衰えを予防する効果があるといわれています。特にチーズはタンパク質やカルシウムが豊富なため、丈夫な歯茎を保つために積極的に食べることをおすすめします。
ナッツ類
ナッツ類には、カルシウムやビタミン、タンパク質などの栄養素が豊富に含まれています。噛み応えもあるため、唾液の分泌にも効果があります。
お茶
歯茎を強くするための飲み物には、お茶がおすすめです。たとえば緑茶には、カテキン(ポリフェノール)が含まれています。この物質には抗菌作用があり、歯茎を強くする効果があるのです。また、ウーロン茶に含まれるポリフェノールには、歯垢の発生を抑える効果も期待できるといわれています。
歯茎に悪い食べ物
歯茎に悪い食べ物として挙げられるのが、糖を多く含む食品や、加工食品です。チョコやクッキーなどの糖を多く含む食べ物は、歯垢を作りやすく、食べ過ぎると歯茎の健康を害し、虫歯や歯周病などの病気に繋がる可能性があります。また、加工食品は食べ過ぎると免疫力が低下する恐れがあります。細菌に感染し、歯周病にかかるリスクが高まるため、注意しましょう。
歯茎を健康に保つためには
食べ物に気を付ける他にも、歯茎を健康に保つためには、下記の3点を意識してみてください。
- 毎食後歯磨きをする
- 歯間ブラシやフロスを使用する
- 歯科医院で定期健診を受ける
歯垢や食べ物のかすを取り除くために、歯磨きは毎食後行いましょう。特に夜寝る前の歯磨きは念入りに行ってください。就寝時は唾液があまり分泌されないため、細菌が繁殖しやすい状態です。炎症が起こりやすくなるため、就寝前は特に注意して磨きましょう。また、歯ブラシだけでは歯の間の汚れを落としきれないため、歯間ブラシやフロスの使用もおすすめです。日ごろからセルフケアを十分に行ったうえで、定期的に歯科医院を受診しましょう。自分では難しい歯石の除去や、正しい磨き方を教えてもらい、健康な歯茎を保ちやすくなります。
まとめ
歯茎を強くする食べ物は、噛み応えのあるものや、歯茎を健康に保つビタミンやタンパク質が豊富に含まれているものがおすすめです。歯と歯茎を健康に保ち、歯周病などの対策を行うためにも、様々な食べ物をバランスよく摂取しましょう。また、歯と歯茎を健康な状態で維持するためには、歯科医院でのクリーニングも重要です。日ごろの歯磨きだけでは取り切れない汚れもあるので、定期的に通うようにしましょう。海岸歯科室は、健康な歯の状態を保つための予防歯科にも力を入れています。ブラッシング指導や歯のクリーニングを行っていますので、ぜひお気軽に当院までお越しください。
監修:理事長 森本 哲郎