裏側矯正とは?種類やおすすめの人、メリット・デメリットを徹底解説
- 2024年6月24日
- コラム
裏側矯正は、矯正器具を歯の裏側に設置しておこなう歯列矯正のことです。舌側に歯列矯正を装着するため舌列矯正とも呼ばれています。今回はそんな歯列矯正の特徴やメリット・デメリットについて解説していきます。
裏側矯正とは?
裏側矯正とは、歯の裏側にブラケットと呼ばれる装置をとりつける歯科矯正のことをいいます。歯の舌側に矯正装置をとりつけることから、舌側矯正とも呼ばれています。
具体的には、歯の裏側に装着したブラケットにワイヤーを通して、力を加えて歯を動かし、歯を治療していきます。
裏側矯正のメリットは、なんといっても矯正装置が見えにくく、見た目に影響がないことでしょう。そのため、見た目が気になる人にとってはお勧めの矯正方法です。
裏側矯正の種類
裏側矯正には、
・ハーフリンガル矯正
・フルリンガル矯正
の2種類があります。
この2種類の裏側矯正の違いについて解説していきます。
ハーフリンガル矯正
ハーフリンガル矯正は、上の歯を裏側矯正。下の歯を表面矯正でおこなう方法です。
費用が抑えられ、見た目とコストを重視した歯列矯正が可能です。
その一方で、装置を歯にとりつけるため、磨き残しなどが起こる場合があります。
丁寧なブラッシングを心がけましょう。
フルリンガル矯正
ハーフリンガル矯正と違い上下の歯を両方とも裏側矯正で治療する方法です。
装置が歯の裏側に隠れるので見た目も気にしなくてすみます。唾液の多いい内側に矯正装置がつくため虫歯などにもなりにくいとされています。
ただ、矯正装置などで舌などを傷つけやすくなっているので、その点には注意が必要です。
裏側矯正がお勧めな人
裏側矯正は歯列矯正の見た目が気になる方にお勧めの矯正方法です。
歯列矯正は歯の表面に装置をつけるので、見た目が悪くなるという問題を抱えています。
また、仕事などで矯正装置が目立つと困る方もいるでしょう。
そのようなケースをご紹介いたします。
裏側矯正がお勧めな人には以下のような方が当てはまります
・矯正装置をつけることに抵抗がある
・歯列矯正のことを気づかれたくない
・仕事に支障が出るため通常の歯列矯正ができない
どのような状態で裏側矯正がお勧めなのか解説していきます。
矯正装置をつけることに抵抗がある
歯に矯正装置をつけることに抵抗がある方に、裏側矯正はお勧めの矯正方法です。
歯列矯正は歯の表面に装置をとりつけるため、どうしても見た目が悪くなってしまいます。その点、裏側矯正は見た目を気にしなくていいという利点があるため、矯正装置の装着に抵抗のある方にお勧めです。
歯列矯正のことを気づかれたくない
歯列矯正をする方の中には、矯正をしていることを気づかれたくない方もいらっしゃいます。特に見た目を気にしたり、周囲の目が気になる方にはお勧めの矯正方法です。
仕事に支障が出るため通常の歯列矯正ができない
タレントやモデルなど、見た目が武器になっている仕事についている方は仕事上、歯列矯正を行うこと自体が難しいと思われます。ですが、裏側矯正でしたら見た目を気にせずに治療をすることが可能です。
裏側矯正をお勧めできない人
裏側矯正をお勧めできない方にはこのような方がいらっしゃいます。
・舌が極端に大きい
・極端な過蓋咬合
・歯並びの乱れが大きい
特に口腔内に大きな問題を抱えている方が多い印象を受けます。
具体的にどのような部分がお勧めできないのか、詳しく解説していきます。
舌が極端に大きい
裏側矯正の場合、歯の裏側に矯正装置をとりつけます。そのため、舌が矯正装置で傷つきやすくなるのです。舌が大きいと、矯正装置と舌が触れ合うことも多くなり、舌に傷がつきやすくなります。
そのため、舌の大きな方は裏側矯正に向かないといえるでしょう。
極端な過蓋咬合
過蓋咬合とは、嚙み合わせが深い状態のことです。
この場合、歯の裏側に矯正装置をとりつけると、矯正装置が前歯部分でぶつかってしまう可能性があるのです。
ただ、上下の歯を片方ずつ矯正する方法もあります。裏側矯正をしたい場合は、まずは歯科医院に相談してみましょう。
歯並びの乱れが大きい
歯並びの乱れが大きいと、矯正自体ができないケースも出てきます。
その場合は、外科矯正によって顎の骨を切除する治療を勧められることがあります。外科矯正とは、顎の骨の手術を併用して、噛み合わせを改善する治療法のことです。
外科矯正と裏側矯正を併用して、歯並びを矯正することが可能です。
裏側矯正のメリット
裏側矯正のメリットには次のようなものがあります。
・矯正装置が見えない
・矯正装置の汚れによるストレスが少ない
・虫歯になりにくい
・後戻りのリスクを減らせる
・スポーツが安心してできる
それぞれのメリットについて、詳しく解説していきます。
矯正装置が見えない
歯の裏側に矯正装置を装着するため、矯正していると見た目ではわかりません。そのため、矯正装置をつけた状態を気にすることなく日常を過ごすことができます。
見た目が特に気になる方や、タレントやモデルなどの見た目が大切な仕事をしている方には特にお勧めの矯正方法です。
矯正装置の汚れによるストレスが少ない
食事中に矯正装置に食べ物が挟まってしまい外食などが気軽に楽しめないデメリットがあります。ですが、裏側矯正の場合は、装置が歯の裏側についているため矯正装置に食べ物が挟まっても気にする必要がありません。
楽しく食事を楽しむことができます。
虫歯になりにくい
歯の裏側は唾液量が多く唾液の自浄作用のおかげで、虫歯が繁殖しずらい状態を保っています。そのため、通常の歯列矯正よりも裏側矯正は虫歯になりにくいといわれています。
また、表の歯と違い裏の歯はエナメル質の層が厚く歯質が強いことも虫歯になりにくい要因のひとつといわれています。
後戻りのリスクを減らせる
裏側矯正では、歯の裏側に矯正器具をつけるため舌を押し当てるクセを抑える効果があります。このような舌のクセがあると、舌の力で前歯を押し出してしまい出っ歯になってしまうケースもあるのです。
そのため、舌のクセを直さないと、このクセによって矯正した歯が元に戻ってしまう後戻りが起こる可能性があります。
裏側矯正の場合はクセそのものを抑える効果があるため、後戻りを減らすことができるのです。
スポーツが安心してできる
激しいスポーツをする場合、矯正装置で口の中を切ってしまう可能性があります。裏側矯正の場合は、装置が歯の裏側についています。そのため、矯正装置が歯の内側を傷つけるリスクを減らすことができるのです。
裏側矯正のデメリット
裏側矯正のデメリットには以下のようなものがあります。
・違和感を覚えやすい
・治療費が高い
・裏側治療で治せる症例が少ない
・喋りづらい
それぞれのデメリット部分を詳しく解説していきましょう。
違和感を覚えやすい
裏側矯正では歯の裏側に矯正器具を装着するため、舌に矯正器具がふれやすく違和感を覚えることになります。矯正器具を装着して1、2週間で違和感は薄れてきますので、その状態がずっと続くわけではありません。
また、矯正器具によって舌が傷つき、口内炎ができやすくなるケースもあります。
治療費が高い
裏側矯正は、普通の矯正と違い歯の裏側に矯正器具をとりつけ治療をするため、高い技術を求められます。また裏側に器具をつけるために、器具も特注しなくてはならないことがあり、値段がその分高くなる傾向にあるのです。
裏側矯正と普通の矯正の値段の違いは以下となります。
・裏側矯正 90万~140万
・表側矯正 50万~90万
さらに、フルリンガル矯正とハーフリンガル矯正でも値段は違ってきます。
フルリンガル矯正 |
ハーフリンガル矯正 |
|
部分矯正 |
40~70万 |
80~150万 |
全体矯正 |
100~170万 |
35万~65万 |
このように、一般の表側矯正と違って裏側矯正は値段がかかることがわかります。ハーフリンガル矯正にすれば値段はある程度、抑えられますがそれでも表側矯正に比べると割高な値段といえるでしょう。
裏側治療で治せる症例が少ない
裏側矯正は一般の歯列矯正である表側矯正と違い治せる症例が少ないのも難点といえます。特に抜歯を必要とするケースや、奥歯を動かすケースで適応できない症例がでてくることが多いいそうです。
喋りづらい
裏側矯正をおこなうと矯正器具に歯が当たりやすくなり、舌の可動範囲が狭くなってしまいます。そのため、発音が辛く、喋りにくさを覚える方もいるそうなのです。
ですが、矯正器具になれていけばこの不具合は解消されていきます。
まとめ
今回は裏側矯正についての種類や、裏側矯正がお勧めな人。また、裏側矯正のメリット・デメリットについて解説いたしました。
見た目が気になる歯列矯正。ですが、裏側矯正では歯の裏側に矯正器具をつけるため見た目を気にすることなく治療に専念することができます。
特に見た目が気になる方や、周囲に矯正していることを知られたくない方。タレントやモデルなど、見た目が大切な仕事をされている方に裏側矯正はお勧めです。
その反面、表側矯正と比べると、90万から140万と値段が割高なところがネックといえるでしょう。
また、裏側矯正をしたくても適応できる症例が表側矯正と比べて少なく、裏側矯正での治療ができないケースもあります。
そのような場合は、他の治療との併用により裏側矯正が可能になる場合もありますので、歯科医にご相談ください。
海岸歯科室では、裏側矯正についてのご相談も請け負っております。
見た目が気になって、歯科矯正の治療に抵抗がある。周囲に矯正をしていることを知られたくない方に裏側矯正はお勧めの治療方法です。
裏側矯正が難しくても、他の治療との併用により可能になる場合もございます。その場合も、きちんとご説明のうえ最良の治療方法を提案させていただきます。
裏側矯正をご検討の方は、是非とも海岸歯科室にご相談にいらしてください。
監修:理事長 森本 哲郎