インプラントのカバースクリュー外れたときの対処法と痛み防止など
- 2025年6月2日
- コラム
インプラントの治療を受けた後、カバースクリューが外れたり、歯茎から飛び出して見えたりした経験はありませんか。あるいは違和感や痛みを感じて不安になったことはないでしょうか。インプラントは精密な手術とメンテナンスが求められる医療行為であり、その中でもカバースクリューは治癒期間中の骨とスクリューの結合を守る重要な役割を果たします。
しかしながら、その存在はあまり知られておらず、「見えても問題ないのか」「歯肉に埋もれても大丈夫か」「痛みは放置していいのか」など、多くの患者が判断に迷う局面を迎えます。放置すれば細菌感染やインプラントそのものの失敗リスクが高まるため、正しい知識と対応が不可欠です。
本記事では、歯科治療において重要なこの小さなパーツに焦点を当て、具体的なトラブル事例とその対処法を分かりやすく解説しています。歯科医師の判断基準や除去のタイミング、ヒーリングアバットメントへの切替に至るまでの工程も丁寧に網羅しており、読み進めることで適切な対処と安心が手に入るでしょう。
信頼できる治療のために、そしてあなた自身の健康を守るために、今すぐこの記事の中身をご確認ください。読んでおくだけで、万が一のときにも冷静に対応できる知識が身につきます。
海岸歯科室は、患者様一人ひとりに寄り添い、安心して治療を受けていただける環境をご提供しています。最新の設備と技術を駆使し、虫歯治療からインプラント、予防歯科まで幅広い診療を行っています。お口の健康を守るために、丁寧なカウンセリングと治療計画を立てています。皆様のご来院を心よりお待ちしております。歯に関するお悩みは、ぜひ海岸歯科室へご相談ください。

海岸歯科室 | |
---|---|
住所 | 〒261-0014千葉県千葉市美浜区高洲3-23-1 ペリエメディカルビル美浜 3F |
電話 | 043-278-7318 |
インプラントのカバースクリューとは何か?
インプラント治療における役割と重要性
インプラント治療においてカバースクリューは非常に重要な役割を果たします。これはインプラント体に装着される小さなスクリューで、一次手術後にインプラント内部を外部環境から守るためのパーツです。治療工程の中では一時的に装着され、歯肉が治癒する期間を支える役割を担います。
このスクリューは主に骨とインプラントが安定して結合する期間中、外からの細菌侵入を防ぎます。これにより、オッセオインテグレーションと呼ばれる骨とインプラントの結合プロセスが安全に進行することが可能になります。インプラントと骨が確実に結合するためには、口腔内の衛生状態や組織の保護が非常に重要であり、カバースクリューがこの環境を支える役割を果たしています。
また、カバースクリューはアバットメントとは異なり、人工歯を支えるための土台ではありません。人工歯の装着前に一時的に設置されるものであり、歯茎の上に露出しないように縫合される場合が多く、患者が日常生活で触れることはほとんどありません。
以下のように、カバースクリューの特徴を整理できます。
項目 | 内容 |
主な役割 | インプラント内部を封鎖し、治癒期間中の保護を行う |
装着タイミング | 一次手術後、アバットメント装着前まで |
素材 | チタンが主流、稀にジルコニアなど審美性を意識した素材 |
見えるかどうか | 基本的には歯茎内に埋め込まれるため外からは見えない |
外れた場合 | 早急な対応が必要。感染リスクや治療計画への影響あり |
このようにカバースクリューは見た目にはわからない存在でありながら、インプラント治療を安全かつ確実に進めるための要として機能しています。カバーという名称の通り、内部のパーツを保護することに特化したスクリューであり、決して単なる部品のひとつではないということがわかります。特に細菌感染や歯肉のトラブルを未然に防ぐためには、カバースクリューの装着とその管理が非常に重要になります。
インプラント治療に対する正しい理解を深めるうえでも、カバースクリューの役割は避けて通れない要素です。患者自身がこのパーツの存在と意味を知っておくことで、治療に対する安心感も高まり、歯科医師との信頼関係構築にもつながります。
今後治療を受ける際には、ぜひカバースクリューの意義を理解し、どのような状態で装着されるのか、またどれくらいの期間保持されるのかなども、歯科医師に確認しておくと良いでしょう。インプラント成功の裏には、このような細かな治療管理が支えているのです。
なぜ封鎖スクリューが必要なのか?骨との結合と感染予防の観点から
カバースクリューは、封鎖スクリューとも呼ばれるように、インプラント本体の内部を密閉するという非常に明確な役割を担っています。このパーツの目的は、インプラントが顎骨としっかりと結合するまでの期間、口腔内の環境から守ることにあります。口の中は常に細菌にさらされている環境であり、外部からの汚染をいかに防ぐかが、インプラント治療全体の成功率を左右します。
インプラントは人工歯根として骨に埋入されますが、その直後からすぐに人工歯を装着するわけではありません。まずは数ヶ月間の治癒期間を設け、顎の骨とインプラントが結合するのを待つ必要があります。この過程は「オッセオインテグレーション」と呼ばれ、骨とチタンなどの素材が一体化していく生体反応です。この期間中、インプラント内部に細菌が侵入したり、唾液が入ったりすると、結合が阻害されるだけでなく、感染症やインプラント周囲炎のリスクが高まります。
こうしたリスクを回避するために封鎖スクリューは設計されており、歯肉の内側で外界と遮断された状態を維持することで、インプラントの内部構造を完全に保護します。結果として、骨との結合が安定しやすくなり、長期的なインプラントの維持にも好影響を与えます。
また、カバースクリューを装着することにより、二次手術までの間に歯肉が自然に治癒しやすくなり、歯茎のラインも整いやすくなります。これは、将来人工歯を装着する際の審美性や快適性にも影響を与える重要な要素です。
封鎖スクリューの設置に関する歯科医師の判断は、インプラントをどのような治療工程で行うかにも影響されます。例えば、一回法と呼ばれる治療法ではスクリューの代わりにアバットメントをすぐに装着する場合もありますが、感染リスクや骨の状態を踏まえて慎重に選択されます。
封鎖スクリューの存在がなければ、治療中のインプラントはむき出しになり、せっかく埋入された人工歯根が細菌や外的刺激によってダメージを受けることになってしまいます。以下のように、封鎖スクリューの主な目的とメリットを整理しておくと、その重要性がより明確になります。
目的 | 具体的内容 |
細菌感染の防止 | インプラント内部を密閉し、口腔内の菌から保護 |
治癒期間の安定確保 | 骨との結合を妨げず、計画通りの治療進行を支援 |
歯肉の自然な再生と形状の形成 | 二次手術時に歯肉が整っていることで審美的効果も向上 |
インプラント全体の成功率の向上 | 初期段階の安定性が、長期的な定着につながる |
歯科医師がカバースクリューの選定と装着を慎重に行うのは、インプラント治療が単にパーツを入れ替えるだけの処置ではなく、治療計画全体の流れと成功率を左右するからにほかなりません。
患者としては、こうした背景を理解しておくことで、より前向きな気持ちで治療を受けることができ、医師との信頼関係も築きやすくなります。細かなパーツに思えても、カバースクリューの存在がどれほど重要であるかを知っておくことは、満足度の高いインプラント治療の実現には欠かせない一歩です。
カバースクリューの定義と構造
部品の最大の目的とは
カバースクリューとは、インプラント治療の工程において非常に重要な役割を果たす小型のスクリュー状の部品であり、一次手術の直後にインプラント体の上部に装着されます。別名では封鎖スクリューとも呼ばれ、その名の通り、インプラント体の内部構造を封じ、外界からの影響を遮断する目的で使用されます。
この部品の最大の目的は、インプラント体と骨がしっかりと結合するまでの間、インプラント内部を清潔な状態に保つことです。口腔内には常に無数の細菌が存在しており、治癒期間中にその細菌がインプラントの内部に入り込むと、感染を引き起こすリスクが高まります。カバースクリューはこれを物理的に防ぐ防壁のような存在です。
カバースクリューは、通常はチタンやジルコニアなどの生体親和性の高い素材で製造されており、長期間にわたって口腔内に設置されても問題が起こりにくい構造になっています。チタン製は特に強度と軽さに優れ、インプラント治療では広く採用されています。また、患者の口腔内の条件に応じて、形状やサイズ、素材が選ばれる場合があります。
装着の際には、専用の器具を用いてインプラント体のネジ穴にしっかりとねじ込みます。締め付けトルクは症例に応じて管理されており、緩みやすさや外れやすさを防ぐ設計がなされています。手術後には、歯肉で覆われるように縫合されるため、外から見えることは通常ありません。この状態で数ヶ月間、顎骨とインプラントがしっかりと結合するのを待つのが一般的な治療の流れです。
カバースクリューの存在により、患者は日常生活の中でインプラントを直接意識することなく、治療を進めることができます。ただし、過度な外圧や無意識のうちの食いしばりなどにより、稀にカバースクリューが緩んだり外れたりする場合もあります。そうした場合には早期の対応が必要であり、歯科医院に連絡し再装着を行うことで、治療計画に大きな影響を与える前に対処することができます。
カバースクリューの構造自体は非常にシンプルに見えますが、その機能は極めて重要です。特に骨との結合を妨げる要因を排除するために、非常に精密な加工が施されており、適合性の高さが求められます。製品の製造元や設計によって微細な違いはあるものの、その目的と効果は共通しており、すべてがインプラントの長期的な安定を支えるために存在しています。
なぜ封鎖スクリューが必要なのか?骨との結合と感染予防の観点から
封鎖スクリュー、つまりカバースクリューは、インプラント治療の成功率を高めるために欠かせない要素のひとつです。その役割は一言で言えば、インプラント体の内部を密閉し、外部環境から隔離することです。しかしこの機能には、見た目以上に多くの医学的な意味が込められており、特に骨との結合と感染予防という二つの側面から、その重要性が語られます。
まず、インプラント体を顎の骨に埋入した後、インプラントが骨と安定して結合するまでには一定の時間がかかります。この結合過程は「オッセオインテグレーション」と呼ばれ、金属製のインプラントと骨組織が化学的・物理的に密接につながる現象です。この結合が確実に進まないと、インプラントは固定されず、最終的には機能を果たさないまま除去する必要が生じることもあります。
オッセオインテグレーションの成功には、治療期間中の安定した口腔環境が大きく影響します。インプラント体がむき出しの状態であれば、食べ物の残渣、唾液、細菌などが侵入しやすくなり、骨との結合が妨げられます。封鎖スクリューは、このような外的刺激からインプラント内部を守るための“蓋”の役割を果たし、内部に侵入しようとするあらゆる要素を物理的に遮断します。
感染の予防という観点でも、封鎖スクリューは非常に効果的です。口腔内は湿度が高く、常に細菌が繁殖しやすい環境にあります。治療の途中でカバースクリューが外れたまま放置してしまうと、細菌がインプラントの内部に入り込むだけでなく、周囲の組織や歯肉にも悪影響を与えます。これが原因で、治療全体のやり直しが必要になるケースも珍しくありません。
また、封鎖スクリューは単に物理的な蓋ではなく、歯肉の形状や治癒にも影響を与えます。二次手術までの間に歯肉がスクリューの形に沿って自然に治癒することで、後の人工歯の装着がスムーズになり、審美性や快適性も向上します。つまり、機能面だけでなく見た目の仕上がりにも影響を及ぼす、非常に重要な要素なのです。
患者にとって気になるポイントとしては、封鎖スクリューの装着がどのように行われるのか、痛みがあるのか、どれくらいの期間使われるのか、外れてしまった場合の対応はどうするのか、などが挙げられます。これらの疑問に対しては、歯科医師からの丁寧な説明が求められますが、患者自身も基礎知識を持っておくことで、治療中の不安や疑念を軽減できます。
カバースクリューの使用期間は、一般的にはインプラントの一次手術から二次手術までの数週間から数ヶ月程度です。この間、スクリューは歯肉内に埋め込まれた状態で静かにその役目を果たします。患者自身が気づかないうちに外れることは稀ですが、異常に気づいた際にはすぐに歯科医院へ連絡し、適切な処置を受けることが大切です。
また、封鎖スクリューは使い捨てではなく、メーカーごとに設計された専用の製品であり、インプラント体の規格と一致したものを選ぶ必要があります。このため、治療を行う歯科医院では、使用するインプラントシステムに応じたスクリューを用意しておく必要があります。
インプラント治療に必要なステップを解説
一次手術から二次手術までの治療ステップにおける役割
インプラント治療において、一次手術から二次手術までの間にカバースクリューが果たす役割は極めて重要です。一次手術とは、インプラント体を顎の骨に埋め込む工程を指し、この段階でカバースクリューが装着されます。これは、インプラント体の上部を覆い、外部からの細菌侵入を防ぐための処置です。装着後、歯肉は縫合され、インプラントが見えない状態で骨との結合期間を迎えることになります。
この治癒期間は通常2〜4ヶ月程度で、オッセオインテグレーションと呼ばれる骨とインプラントの結合が安定するまでの時間とされます。この間、カバースクリューはインプラントの内部を保護する蓋の役目を担っており、治癒を妨げる細菌や異物の侵入を物理的に防ぎます。また、歯肉が自然に回復することで、人工歯装着前の口腔内の環境を整えることにもつながります。
治療の工程としては、一次手術でカバースクリューが装着された後、一定の期間を経て二次手術に進みます。二次手術では、歯肉を再度切開し、カバースクリューを除去したうえで、ヒーリングアバットメントや本番用のアバットメントが取り付けられます。このステップは人工歯の装着準備として必要なものであり、カバースクリューの除去と交換が円滑に行われることで、インプラント治療全体の成功に繋がります。
カバースクリューの存在は、患者にとって見えない部分での治療の一部でありながら、極めて重要な役割を果たしています。例えば、スクリューが緩んだり外れてしまった場合には、細菌が侵入しやすくなり、結合不良や炎症の原因となることがあります。したがって、治療中に異常を感じた際は、すぐに歯科医院へ連絡し、適切な対応を受けることが重要です。
また、治癒期間中には、歯科医院での定期的な診療や検査が行われることがあります。これは、インプラント周囲の歯肉や骨の状態を確認し、異常がないかを判断するためです。こうした観察期間も含めて、カバースクリューが果たす役割は単なる物理的な蓋というだけではなく、治療の予後を左右する重要な要素となっています。
治療ステップの中で、患者が理解しておくべきことは、カバースクリューの装着は一時的な処置であり、最終的には人工歯の装着に向けた準備段階であるという点です。そのため、取り外しのタイミングや必要性についても、歯科医師とのコミュニケーションを通じて確認しておくと安心です。治療の流れを把握し、適切な管理がされることで、トラブルを未然に防ぐことができ、よりスムーズで成功率の高いインプラント治療を進められるでしょう。
カバースクリューの装着方法と使用器具 歯科医が使う専用ツールとは
カバースクリューの装着は、インプラント治療における重要な工程のひとつであり、専門的な技術と専用器具を用いて慎重に行われます。この作業は、一次手術の終了時に行われることが多く、インプラント体を顎骨に埋入した直後、骨との結合を促すために行われる手技です。装着方法や器具の選定は、インプラントの種類や部位、患者の口腔内の状況によって異なる場合があります。
装着にはまず、カバースクリューと対応した専用のスクリュードライバーが使用されます。このドライバーは、インプラント体の規格に合わせて設計された形状で、スクリューの頭部に正確にフィットすることが求められます。また、スクリューが適切な深さで固定されるよう、過度な締め付けや緩みを防ぐためのトルクレンチも併用されます。このトルクレンチにより、メーカーが推奨する適正な締め付け力で確実に装着され、治療の安定性が向上します。
使用器具の精度は、治療結果に大きく影響を与える要素のひとつです。例えば、トルクが不均一だったり、スクリュードライバーが合っていない場合、スクリューが斜めに装着される可能性があり、後の除去時に困難を伴うリスクが高まります。そのため、歯科医師は器具の管理と選定に非常に慎重を期しており、施術前には必ず器具の適合性を確認します。
装着の工程そのものは数分で完了することが多く、インプラント体にネジを締め込むという比較的シンプルな手技ではありますが、非常に高い精度が求められます。また、スクリューの素材や形状も治療計画に応じて選ばれ、一般的にはチタン製のものが用いられます。チタンは生体親和性に優れ、腐食しにくく、長期間にわたって安定した状態を保てる特性があります。
さらに、歯科医師はカバースクリューの装着後に歯肉を縫合し、完全に覆われた状態にすることが一般的です。これはスクリューを外部環境から遮断するためであり、口腔内の細菌や異物が侵入するリスクを最小限に抑えることができます。縫合には吸収性の糸が使われることが多く、一定期間が経過すると自然に溶けて消失します。
装着後の注意点としては、強い衝撃を避けることや、食事の際に患部に強い圧力がかからないよう配慮することが挙げられます。スクリューが緩んだり外れたりすることは稀ですが、万が一違和感を感じた場合には早急に歯科医院へ連絡することが重要です。定期的な通院により、スクリューの状態を確認し、異常がないかチェックすることも欠かせません。
歯科医院ごとに用いているインプラントシステムには違いがあり、それに応じた専用のスクリューや器具が必要となるため、医院選びの際には使用しているシステムやメーカーについて確認しておくと安心です。また、治療説明の中でスクリューの役割や装着方法について詳しく教えてくれる医院は、患者への配慮が行き届いている証拠ともいえるでしょう。
よくある起こるトラブルと対処方法
外れた 再装着が必要なケースと応急対応法
カバースクリューが外れてしまった場合、まず重要なのは自己判断で放置しないことです。インプラント治療において、スクリューはインプラント体内部を保護するための役割を果たしており、外部からの細菌侵入や異物混入を防ぐ機能を担っています。そのため、スクリューが外れてしまうと、内部に細菌が侵入して骨や歯肉に炎症を引き起こすリスクが高まり、最悪の場合はインプラントの脱落や治療計画全体の見直しを余儀なくされる可能性すらあります。
カバースクリューが外れる原因にはいくつかあります。まず考えられるのが、装着時のトルク不足です。適切な力で締め込まれていなかった場合、時間の経過や咀嚼による微細な振動で緩みが生じることがあります。また、歯肉の治癒過程における組織の動きがスクリューに力を加えてしまうこともあり、特に装着直後の数週間は注意が必要です。
実際にスクリューが外れた場合、患者がまず行うべきことは、異変に気付いた時点でできるだけ早く歯科医院へ連絡を取ることです。口腔内に異物感がある、金属の感触が消えた、インプラント部位がむき出しになっていると感じた場合は、応急対応を優先するよりも専門医の判断を仰ぐことが大切です。
一方で、外れたスクリューを誤って飲み込んでしまったり、取り外してしまったものを自宅で処置しようとするのは非常に危険です。自己流で戻そうとすれば、ネジ穴を破損したり歯肉を傷つけてしまうリスクがあるため、必ず医療機関での処置が必要です。スクリューが外れたことに気付いた時点で、可能であれば外れた部品を清潔な容器に保管し、来院時に持参すると処置がスムーズになります。
応急的な対応としては、患部を刺激しないようにし、うがいも優しく行うことが望まれます。特に市販の洗口液やアルコール成分を含むものを使用するのは避け、ぬるま湯や歯科医師が処方した洗浄液がある場合はそれを使って丁寧に口腔内を清潔に保つことが大切です。炎症や痛みがある場合には、処方された抗菌薬や鎮痛薬を服用することで一時的に症状を緩和できますが、これはあくまで一時的な措置であり、早急に受診することが不可欠です。
カバースクリューの再装着は、専用の器具を使って行われます。治療内容や進行段階によっては、歯肉の切開や縫合が必要になることもありますが、再装着により細菌の侵入リスクを再度低下させることができるため、早期の対応が成功の鍵となります。症状が軽微でも、少しでも違和感を覚えた場合は、必ず医師に相談し、指示に従うようにしましょう。放置が招くリスクは決して小さくありません。
このようなトラブルを未然に防ぐためには、日々のセルフケアと定期的な診察が欠かせません。インプラント治療においては、歯科医院での術後チェックを怠らないことが、長期的な成功に直結します。再装着が必要となったケースにおいても、冷静に対応し、専門的な処置を受けることが大切です。
痛い・違和感がある 考えられる原因と炎症対策
カバースクリューを装着している部位に痛みや違和感を覚えることは、インプラント治療中によくある相談のひとつです。特に治療後の数日から数週間の間に「ズキズキする」「押されるような感覚がある」「食事の際にチクチクとした刺激を感じる」などの症状が現れることがあります。これらの違和感や痛みの背景には、さまざまな要因が存在しており、それぞれ適切な対応が求められます。
最も多い原因のひとつが、歯肉の炎症です。インプラントを支えるスクリューの周囲には、治癒の過程で組織が再生していくため、その過程で細菌が入り込みやすくなります。とくに歯肉の清掃が不十分だった場合、スクリュー周囲に細菌が定着し、軽度の腫れや発赤、痛みを引き起こすことがあります。また、歯肉の厚みによっては、スクリューの金属部分が粘膜に当たり刺激となり、軽い痛みや違和感の原因になることもあります。
さらに、カバースクリューの締め付け状態が不適切な場合も問題になります。トルク不足によりスクリューが微妙に動いてしまい、その摩擦が組織に刺激を与えて炎症を引き起こすケースもあります。逆に過剰な締め付けは、歯肉を圧迫し血流障害を起こす原因となり、強い違和感や痛みを招くこともあるため、装着時の正確な技術が求められます。
このような場合の対処法としては、まず痛みの度合いや継続期間を確認することが重要です。一過性の軽度な違和感であれば、清潔な環境を保ちつつ数日間様子を見ても問題ない場合もあります。しかし、症状が強い、あるいは腫れや膿が見られるときには、速やかな受診が必要です。放置することで、歯肉の深部に感染が広がり、インプラント全体の安定性が損なわれる可能性があります。
炎症が認められた場合には、歯科医院での抗菌洗浄処置や、必要に応じて抗菌薬の投与が行われます。また、口腔内の洗浄には、医師が処方する薬用うがい液を使うと効果的です。歯肉を強く刺激しないよう、優しく洗浄することが大切です。加えて、食事内容の見直しも重要なポイントです。硬い食べ物や刺激物を避け、柔らかく温かいものを中心に摂取することで、治癒を促進させることができます。
自己判断でのケアはリスクが伴います。歯科医院での検査により、痛みの原因が歯肉由来か、それともスクリュー自体に問題があるのかを見極めてもらうことが肝要です。定期的なメンテナンスと、日常的な口腔ケアの徹底が、トラブルの予防と早期発見につながります。症状が出た際には、早めに相談し、確実な対応を行うことが、長期的なインプラント成功のための鍵となります。
まとめ
インプラント治療において、カバースクリューは見過ごされがちな存在ながら、治療成功の鍵を握る極めて重要なパーツです。インプラント体と骨の結合を安定させ、細菌侵入を防ぐこの小さな装着物は、治療初期の段階から二次手術前まで、患者の口腔内環境を守る役割を担っています。
しかし、実際の臨床現場では「カバースクリューが外れた」「歯茎の中に見えなくなった」「痛みや違和感がある」といった声が後を絶ちません。こうしたトラブルが起きた際に、原因を的確に把握し、正しく対応できるかどうかで、インプラントの長期安定性が大きく左右されるのです。
本記事では、スクリューの構造や装着方法、専用器具の特徴、除去手順に加えて、痛みや脱落などのトラブルに対する応急対応や歯科医師への連絡の判断基準までを網羅的に解説しました。これは単なる製品情報にとどまらず、治療を受ける患者自身が理解しておくべき実践的な内容です。
「自分のスクリューは正常なのか」「痛みを放置しても大丈夫か」といった不安を抱える方こそ、正確な情報に基づいた判断が求められます。早期の対応によって、追加の費用や治療の遅延を回避できる可能性も高くなります。
歯科治療は専門性が高く、わかりづらい部分も多いため、本記事のように細部まで丁寧に解説された情報を活用することで、安心と納得のある治療につながるはずです。読者が自信を持って次のステップに進めるよう、今後も信頼性と有用性を重視した情報提供を心がけていきます。
海岸歯科室は、患者様一人ひとりに寄り添い、安心して治療を受けていただける環境をご提供しています。最新の設備と技術を駆使し、虫歯治療からインプラント、予防歯科まで幅広い診療を行っています。お口の健康を守るために、丁寧なカウンセリングと治療計画を立てています。皆様のご来院を心よりお待ちしております。歯に関するお悩みは、ぜひ海岸歯科室へご相談ください。

海岸歯科室 | |
---|---|
住所 | 〒261-0014千葉県千葉市美浜区高洲3-23-1 ペリエメディカルビル美浜 3F |
電話 | 043-278-7318 |
よくある質問
Q. インプラントのカバースクリューが外れた場合、放置するとどんなリスクがありますか?
A. カバースクリューが外れたまま放置すると、インプラント体の開口部から細菌が侵入し、オッセオインテグレーションに悪影響を及ぼす恐れがあります。特に治癒段階の早期で脱落した場合は、骨とインプラントの結合が不十分になり、再手術が必要になるリスクもあります。スクリューの脱落に気づいた時点で、できるだけ早く医院へ連絡し、再装着などの対応を受けることが推奨されます。
Q. カバースクリューが見えてきたのは異常ですか?
A. 歯肉の厚さや位置によっては、正常な状態でもカバースクリューがうっすらと見えることがあります。ただし、見える部分に違和感や痛み、歯茎の腫れや出血などが伴う場合は注意が必要です。周囲の歯肉組織との接触や炎症が疑われるため、早期に診察を受けることで重大なトラブルを防げます。
医院概要
医院名・・・海岸歯科室
所在地・・・〒261-0014 千葉県千葉市美浜区高洲3-23-1 ペリエメディカルビル美浜3F
電話番号・・・043-278-7318