インプラントで後悔しない選び方と歯科治療の流れを解説
- 2025年6月12日
- コラム
インプラント治療では、人工歯根(チタン)を顎骨に埋め込み、上部構造として人工歯を装着することで、天然歯に近い見た目と噛み合わせを回復させることができます。加えて、CTによる診断や口腔外科手術の技術向上により、患者の負担やリスクは大きく軽減され、術後の痛みや腫れも最小限で済むケースが増えています。
この記事では、治療の流れから費用、期間、専門医の選び方、さらにメンテナンスやトラブル回避のポイントまで、歯科インプラントに関する正確で実践的な知識を網羅しています。
海岸歯科室は、患者様一人ひとりに寄り添い、安心して治療を受けていただける環境をご提供しています。最新の設備と技術を駆使し、虫歯治療からインプラント、予防歯科まで幅広い診療を行っています。お口の健康を守るために、丁寧なカウンセリングと治療計画を立てています。皆様のご来院を心よりお待ちしております。歯に関するお悩みは、ぜひ海岸歯科室へご相談ください。

海岸歯科室 | |
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住所 | 〒261-0014千葉県千葉市美浜区高洲3-23-1 ペリエメディカルビル美浜 3F |
電話 | 043-278-7318 |
インプラントとは?歯科で選ばれる理由と基礎知識を解説
インプラントの基本構造とパーツ
歯科用インプラントは、天然歯を失った際にその機能と見た目を取り戻すための先進的な治療法です。構造は大きく分けて「人工歯根」「アバットメント」「上部構造」という3つのパーツで構成されています。この基本構造を理解することで、治療に対する不安を軽減し、納得したうえで選択できるようになります。
まず人工歯根は、顎の骨に埋め込まれるチタン製のネジのようなパーツです。チタンは生体親和性が高く、骨としっかりと結合(オッセオインテグレーション)することで、強固な土台となります。治療に際してはCTによる事前診断と、口腔外科的な手術が必要です。骨量が不足している場合は、サイナスリフトなどの骨造成術が必要になることもあります。
次にアバットメントは、人工歯根と人工歯(上部構造)をつなぐ接続部品です。この部分がしっかりと連結されることで、人工歯を安定させ、日常的な咀嚼や会話においても自然な機能を実現します。
上部構造は、目に見える部分の人工歯で、セラミックやジルコニアなどの材料が使用されます。審美性に優れ、周囲の天然歯と調和するように製作されるため、前歯のインプラントにも適しています。
以下にインプラントの構造別の役割を示します。
構造 | 役割 | 使用素材 | 主な特徴 |
人工歯根 | 顎骨に埋め込まれ、歯の根の代わりとなる | チタン | 骨と結合し、強固な土台を形成 |
アバットメント | 人工歯根と上部構造の連結部 | チタンまたはジルコニア | 精密な連結で咀嚼力を伝える |
上部構造 | 見た目や機能を再現する人工の歯 | セラミック等 | 審美性が高く天然歯と類似した外観 |
天然歯・ブリッジ・入れ歯との違いは何か?
インプラント治療は、従来の補綴治療であるブリッジや入れ歯と比べて、構造的にも機能的にも大きく異なる点があります。特に注目すべき違いは「隣接歯への負担がない」という点です。ブリッジは、欠損部分の両隣の健康な歯を大きく削り、人工歯を橋のようにかけて支える構造であり、周囲の歯に物理的なダメージを与えます。一方、入れ歯は残存歯に金属のバネ(クラスプ)を引っ掛けるタイプが多く、咀嚼時の動揺や違和感、見た目への影響が避けられません。
それに対し、インプラントは顎骨に人工歯根(チタン製)を直接埋め込むことで、周囲の歯に一切の干渉なく単独で機能します。そのため、噛み合わせの安定性が高く、隣接歯を守るという観点でも非常に有効です。
以下に、インプラント・ブリッジ・入れ歯の代表的な比較項目を示します。
項目 | インプラント | ブリッジ | 入れ歯 |
固定方法 | 顎骨に直接埋入 | 両隣の歯を削って支える | 金具や吸着力で固定 |
周囲の歯への影響 | なし | 支えにする歯を削る必要がある | 負担がかかる |
審美性 | 非常に高い(天然歯に近い) | 中程度(場所によって目立つ) | 部分的に見た目に劣る |
咀嚼能力 | 天然歯に近い | やや劣る | 劣る(動揺や痛みが出やすい) |
保険適用 | 原則自費 | 一部適用あり(材質等に制限) | 適用あり |
ブリッジに関しては、両隣の歯を土台とするため、その歯が将来的に虫歯や歯周病になりやすく、二次的な治療が必要になるケースも少なくありません。さらに、削った歯には人工の被せ物(クラウン)を装着するため、元の健康な歯質が大きく損なわれます。
入れ歯の場合は、治療費が比較的安く、保険適用も可能であるため経済的な利点はありますが、食事中に外れやすい、金属バネが見える、発音がしづらいといった使用感のデメリットがあります。特に食事のたびに取り外して洗浄が必要になるため、メンテナンス性の面でも煩雑さが残ります。
その点、インプラントは審美性と機能性を高い水準で両立しており、特に奥歯や前歯といった「見た目」と「噛む力」の両方が求められる部位での選択肢として優れています。さらに、顎骨に刺激を与えることで骨吸収(顎骨の減少)を抑制する作用もあり、長期的な口腔内環境の維持にも貢献します。
なぜ今インプラントが選ばれているのか?需要の背景と将来性
近年、インプラント治療のニーズは飛躍的に高まっています。その背景には、人口構造の変化、患者の価値観の多様化、医療技術の進歩といった複数の要因が複雑に絡み合っています。まず見逃せないのは、日本における高齢化の進行です。高齢者が直面する口腔機能の衰えを補う手段として、インプラントはこれまでの義歯治療と比べ、より現代的で質の高い解決策として注目されています。
従来、失った歯を補う治療法は入れ歯やブリッジが主流でしたが、見た目の違和感や噛む力の低下、周囲の歯への負担といった課題がありました。こうした中、インプラントは「天然歯に限りなく近い見た目と機能性」を兼ね備えている点が評価され、特に前歯や奥歯の部分的な欠損において選ばれるケースが増加しています。また、審美意識の高まりも後押ししています。20代から60代の幅広い年齢層で「他人から見られる口元」に対する意識が強くなり、インプラントが“見た目にも機能的にも優れた治療”として広く認知されるようになったのです。
さらに、情報環境の変化もインプラント需要を支える一因です。SNSや動画共有サイト、歯科医院のブログや公式サイトなどを通じて、患者自身が自ら治療方法を調べ、比較・検討することが当たり前になってきました。かつては歯科医師の提案をそのまま受け入れるしかなかった患者が、今では「インプラントの素材」「メーカーの違い」「治療期間や費用の内訳」「成功率」まで詳細に調査し、納得したうえで選択できる時代です。こうした背景が、インプラントの普及と信頼性向上につながっています。
技術革新も大きな転換点となりました。以前は顎骨への定着を待つために1年近い治療期間が必要でしたが、現在では「抜歯即時埋入」や「即時荷重」といった技術革新により、手術から仮歯装着までを数週間〜数ヶ月で完了できるケースが増えています。これは患者にとって心理的・時間的な負担を軽減する要因となっており、ビジネスパーソンや子育て中の世代にも受け入れられやすくなっています。
将来的にもこの傾向は加速する見込みです。日本口腔インプラント学会では、糖尿病や骨粗鬆症といった全身疾患を持つ方にも適応できる低侵襲なインプラント手術の研究が進められています。加えて、歯科医療現場ではデジタル技術の導入が進んでおり、CTスキャンを用いた骨密度評価や、3Dプリンターによるサージカルガイドの作製、AIによる治療シミュレーションなど、精度と安全性を両立した治療環境が整いつつあります。
こうした中で、インプラントは「高額でハードルの高い選択肢」から、「見た目と機能を取り戻す、納得性の高い選択肢」へと認識が変わってきています。確かに費用はブリッジや入れ歯と比較して高額ですが、長期的に見れば耐久性や快適性の面でのコストパフォーマンスは高く、「10年後、20年後も快適な生活を送りたい」と考える多くの人にとって、理にかなった治療法となっているのです。
インプラントのメリットとデメリットを専門医視点で整理
自然な見た目・噛む力の再現性などの長所
インプラント治療は、見た目の美しさと機能性を両立できる点で、多くの患者様から選ばれている治療法です。人工歯根(インプラント体)を顎骨に直接埋め込むことで、天然歯に非常に近い噛み心地を再現できます。ブリッジや入れ歯とは異なり、周囲の歯に負担をかけることなく、単独での機能回復が可能な点も大きな強みといえます。
実際に、インプラントは平均して90パーセント以上の患者様において10年以上の機能維持が報告されており、長期的な信頼性にも優れています。特に「奥歯1本のみの欠損」や「前歯の審美回復」、「すべての歯を失ったケース」など、多様な症例に対応できる柔軟性も高く評価されています。
以下に、主なメリットと他の治療法との比較をまとめた表をご覧ください。
項目 | インプラント | ブリッジ | 入れ歯 |
見た目の自然さ | 非常に高い | 中程度 | やや不自然な場合あり |
噛む力の再現性 | 約80〜90%程度 | 約60〜70%程度 | 約30〜40%程度 |
周囲の歯への影響 | なし | 両隣の健康な歯を削る必要あり | なし(バネの負担あり) |
耐用年数 | 10〜20年以上 | 7〜10年程度 | 5〜8年程度 |
違和感の少なさ | 非常に少ない | 少ない | 違和感を感じやすい |
発音や口元の安定性 | 安定しやすい | やや安定 | 不安定になりやすい |
インプラントは審美性にも大きな利点があります。歯茎のラインや上部構造の形状、セラミックの色味などを細かく調整することにより、天然歯と見分けがつかないほど自然な仕上がりが実現できます。特に前歯の審美性を重視する患者様にとっては、精密な補綴設計と技術の組み合わせによって、理想的な審美回復が期待できます。
さらに、インプラントは口腔内の骨吸収を防ぐ点でも優れています。入れ歯では顎骨が使われないため徐々に吸収されてしまいますが、インプラントは噛む力が直接顎骨に伝わるため、骨の代謝が維持されます。これにより、顔の輪郭の崩れや老化の進行を予防する効果もあります。
外科手術のリスクと長期メンテナンスの課題
インプラント治療は多くのメリットがある一方で、外科手術を伴う治療である以上、一定のリスクや注意点もあります。最初に挙げられるのは、身体的な負担です。局所麻酔で行うとはいえ、歯茎の切開や顎骨へのドリリング、インプラント体の埋入など、侵襲的な処置は避けられません。
術後には腫れや痛み、出血などが起こることがあり、これらは通常数日でおさまることが多いですが、高齢の方や全身疾患をお持ちの方には、慎重な対応が求められます。特に糖尿病・骨粗鬆症・心疾患をお持ちの患者様では、術前に十分な診査・診断を行い、必要に応じて主治医との連携も必要です。
インプラント治療における重大な合併症の一つが「インプラント周囲炎」です。これは歯周病と同様に、インプラント周囲の歯肉や顎骨に炎症が起きる疾患で、進行するとインプラントが脱落するリスクもあります。主な原因は、清掃不良、喫煙、定期メンテナンスの不足などが挙げられます。
以下に、インプラント治療で想定されるリスクとその対処法をまとめました。
リスク・課題 | 内容 | 回避・対処方法 |
外科手術による痛み・腫れ | 切開やドリル使用による術後の腫れ・痛み | 術後の投薬・冷却処置で軽減可能 |
インプラント周囲炎 | 清掃不良・喫煙などが原因で炎症が進行 | 定期的なクリーニングと医師によるチェック |
神経損傷のリスク | CT診断不足により、神経や上顎洞に損傷を与える可能性あり | 精密なCT診断と治療計画によるリスク回避 |
長期的なメンテナンスの負担 | 年1〜2回の検診が必要で、通院が負担になる場合もある | 通院の習慣化と口腔ケアの意識向上 |
医療費の高さ・保険非適用 | 自由診療のため費用が高くなりがち | 高額療養費制度や医療費控除の活用 |
また、インプラントは一度施術すれば終わりというものではありません。治療後も3カ月〜半年ごとに定期的なメンテナンスが必要です。歯肉の状態や咬み合わせ、インプラントの安定性、清掃状況などを総合的にチェックし、トラブルの予防に努める必要があります。
「メンテナンスが面倒」「通院の時間がとれない」と感じる方には、ブリッジや入れ歯など他の治療法との比較も検討する価値があります。ただし、見た目・使用感・長期的コストといった総合的な観点で比較した場合、インプラントの優位性が際立つケースも少なくありません。
治療の流れを解説!カウンセリングからアフターケアまで
初回カウンセリングとCT診断で行う事前検査
インプラント治療における初回のステップは、事前検査を含めた初回カウンセリングです。ここでは患者様の希望や悩みを丁寧にヒアリングし、治療適応の可否や計画の方向性を定めます。この時点で、患者様の全身状態(既往歴・服薬情報)や口腔内の状況(残存歯・噛み合わせ・歯周病の有無)を総合的に評価することが求められます。
特に重要となるのが、CT検査(3D撮影)による骨量・骨密度の把握です。通常のレントゲン写真だけでは確認できない神経や血管、上顎洞(サイナス)の位置まで立体的に把握できるため、安全性と正確性を高める上で必須の検査といえます。
以下に、初回検査で行われる主な項目と目的をまとめます。
検査項目 | 検査内容 | 主な目的 |
問診・診査 | 健康状態や口腔内の診査、咬合チェック | 治療可否の判断、リスク因子の抽出 |
パノラマレントゲン | 全体の顎骨構造や歯の状態を確認 | 顎骨の形態、残存歯の確認 |
歯周病検査 | 歯茎の炎症や出血、歯周ポケットを測定 | 歯周病が進行していないかの評価 |
CT撮影 | 骨の厚みや神経、上顎洞との位置関係を三次元解析 | 安全な埋入位置の決定 |
模型作製 | 上下顎の型を採取し、咬み合わせや歯列を確認 | 補綴物のデザイン検討、術後シミュレーション |
1次手術・2次手術の工程と所要期間
インプラント治療は「1次手術」と「2次手術」の2段階に分かれています。初回の検査と治療計画が完了すると、まずインプラント体(人工歯根)を顎骨に埋入する1次手術が行われます。この工程は局所麻酔下で行われ、術時間は1本あたり30分〜60分程度が一般的です。
埋入後は、骨とインプラント体がしっかりと結合する「オッセオインテグレーション(骨結合)」の期間を設けます。この結合期間は、下顎で2〜3カ月、上顎で4〜6カ月が目安とされています。上顎のほうが骨密度が低いため、結合に時間を要する傾向があります。
骨結合が確認されると、次に「2次手術」と呼ばれる処置が行われます。この段階では、インプラント体の頭部を歯茎に露出させ、上部構造(人工歯)との接続部分を整える処置を行います。術後は歯茎の治癒を2〜3週間待ち、最終的にセラミックなどの人工歯を装着することで治療が完了します。
以下に、標準的な治療フローと各工程の期間を整理します。
治療工程 | 内容 | 所要期間の目安 |
初回カウンセリング | 問診・CT撮影・治療計画の説明 | 初診〜1週間 |
1次手術 | インプラント体の埋入 | 1日 |
骨結合期間 | 骨との安定性を待つ期間 | 下顎2〜3カ月、上顎4〜6カ月 |
2次手術 | インプラント頭部の露出・歯茎整形処置 | 約1週間〜10日 |
補綴工程 | セラミッククラウンの装着 | 約2〜3週間 |
治療後のセルフケアと定期的な診察スケジュール
インプラント治療が完了した後も、その成功を長期的に維持するためには、セルフケアと定期的な診察が非常に重要です。インプラントは天然歯とは異なり、歯根膜が存在しないため、感染への耐性が低く、トラブルが起きると進行が早い傾向があります。そのため、治療後の生活習慣やメンテナンスの質が、インプラントの寿命を大きく左右します。
まず、毎日のセルフケアとしては、インプラント専用のケア用品を使った丁寧なブラッシングが基本です。通常の歯ブラシだけでなく、歯間ブラシやスーパーフロスを併用することで、インプラント周囲の汚れやプラークを確実に除去することができます。特にインプラントの周囲は歯茎との密着が天然歯よりも弱いため、細菌が侵入しやすく、炎症を起こすリスクが高まります。
以下に、インプラント治療後に推奨されるセルフケア用品とその役割をまとめます。
ケア用品 | 用途と役割 |
ソフトブラシ | インプラント部位を傷つけずに汚れを除去する |
歯間ブラシ | インプラントと隣接歯の間のプラーク除去 |
スーパーフロス | 清掃が難しいブリッジタイプのインプラント周囲に有効 |
ノズル型口腔洗浄器 | 食片や細菌の除去を補助し、歯周病リスクを低減 |
フッ素なしの歯磨き粉 | 金属腐食を防ぎ、口腔内バランスを保つ |
加えて、定期的な歯科医院での診察・メンテナンスも不可欠です。一般的には3〜6カ月に1度のペースでの受診が推奨されており、以下のような検査や処置が行われます。
- インプラントの動揺度チェック
- 歯周ポケットの深さ測定
- プロフェッショナルクリーニング(PMTC)
- 噛み合わせ(咬合)の調整
- レントゲンによる骨の状態確認
インプラント周囲炎の早期発見には、歯科医師や歯科衛生士の定期的な診査が欠かせません。特に「痛みが出てから行く」では遅く、無症状でも炎症が進行していることがあるため、予防管理の意識を持つことが大切です。
また、日常生活においても注意すべき点があります。喫煙はインプラントの生着率を著しく低下させることが知られており、治療後も継続して喫煙する場合、インプラント周囲炎のリスクが2倍以上になるという報告もあります。食生活に関しても、硬いものや粘着性の強い食品を避けることで、上部構造への負荷を軽減し、破損やゆるみを防ぐことができます。
失敗しない歯科医院の選び方
専門医の有資格者と経験本数で判断する
インプラント治療を安心して任せられる歯科医院を選ぶには、「専門医資格」と「執刀経験」が明確に公開されているかどうかが第一の基準になります。特に日本口腔インプラント学会が認定する「専門医」や「指導医」「認定医」などの資格保持者が在籍しているかどうかは、確実に確認すべき要素です。これらの資格は、厳しい審査と症例数、知識・技術水準の高さを証明するものであり、権威ある第三者評価に基づく信頼の証といえます。
経験本数も極めて重要です。1年あたり10症例未満の歯科医と、年間100本以上の埋入実績を持つ歯科医とでは、技術力やリスクへの対応力に雲泥の差があります。特に「難症例」や「再治療」など、骨造成やサイナスリフトが必要なケースでは、過去に類似症例を多数経験している執刀医に任せることが成功率の向上に直結します。
以下は、資格と執刀経験によって信頼性を判断する際の目安を整理したものです。
判別基準 | チェックポイント | 推奨される水準例 |
専門医資格 | 日本口腔インプラント学会、ICOI等の認定 | 認定医以上(指導医なら尚可) |
執刀経験 | 年間症例数の開示 | 年間50症例以上が一つの安心基準 |
難症例への対応実績 | 骨造成、サイナスリフトなど | 難症例の症例写真や実例を掲載している |
公開されている情報量 | 院内掲示、Webサイトでの症例・資格表示 | 詳細かつ明確な表記がある |
また、患者との対話の中で、インプラントの素材(チタン合金の種類、メーカー)や上部構造(セラミックやジルコニアの適用範囲)、歯肉との適合性などについても説明をしてくれるかどうかも、専門性の高さを見極める鍵となります。これらの説明が不十分である医院では、知識や倫理面での信頼度に疑問が残ります。
さらに、口腔外科的な処置や全身疾患への配慮が必要なケースでは、麻酔科医や内科医との連携体制があるか、大学病院・医療センター等とのネットワークが整っているかの確認も重要です。特に高齢者や持病のある患者にとって、万全な医療体制は不可欠です。
権威性(Authoritativeness)、専門性(Expertise)、経験(Experience)、信頼性(Trustworthiness)というE-E-A-Tの観点から見ても、これらの情報を透明に提供している医院は、Google検索上位に表示されやすい傾向があります。SEO的にも実際の信頼性としても「見える専門性」が重要です。
ガイド手術・デジタルシミュレーションの導入有無
名医を選ぶ上で次に確認したいのが、治療技術の「デジタル化対応」です。従来のインプラント手術では、術者の経験に頼るフリーハンド手術が一般的でしたが、現在ではCTデータと連動したガイド手術(サージカルガイド)やデジタルシミュレーション技術の導入が進んでおり、より高精度な治療が可能になっています。
ガイド手術とは、CT撮影で取得した顎骨の3Dデータをもとに、インプラントを最適な角度と深さで埋入するためのサージカルテンプレートを作成し、それに沿って施術する方法です。これにより、神経や血管の損傷リスクを低減し、術後の腫れや痛みを最小限に抑えることができます。
デジタルシミュレーションでは、術前にインプラントの埋入位置、骨の厚み、隣接歯との距離などをミクロン単位で検証できるため、治療計画の正確性と患者への説明力が格段に向上します。
導入技術による違いを下表に整理しました。
項目 | 従来型手術 | ガイド手術・デジタル対応型 |
手術精度 | 術者の技量依存で誤差あり | CTベースのテンプレートで高精度 |
神経・血管損傷リスク | 埋入角度のミスでリスク増加 | 重要部位を回避可能 |
術後の腫れ・出血・痛み | 大きめの切開が必要な場合が多い | 最小限の切開で済む |
治療期間・通院回数 | 状況により変動 | シミュレーションにより安定 |
患者への説明力 | 口頭中心 | 3D画像や模型で視覚的に説明可能 |
特に東京や大阪など都市部の先進的な医院では、こうしたデジタルシステムに加えて、インプラント治療に特化した専門診療ユニットや専用オペ室を完備しているケースもあります。これらの設備は外科的処置における感染対策や精密施術のためにも重要です。
さらに、治療前のデジタルカウンセリングにて「治療後のかみ合わせ予測」や「術後シミュレーション」を患者が直接確認できる医院も増えています。こうした取り組みは、患者の不安軽減だけでなく、納得のいく治療選択を可能にします。
症例実績・口コミ・相談体制から読み取れる信頼度
医師の資格や設備だけでは測れない「信頼性」を見極めるうえで参考になるのが、症例実績・患者口コミ・初回カウンセリング時の対応力です。特に初診時の相談体制が整っている医院は、患者との信頼関係構築に重点を置いており、安心して治療を任せられる傾向にあります。
症例実績に関しては、Webサイト上で「埋入本数」「成功率」「難症例の実例」などを数値とともに明示している医院が優良です。また、前歯や奥歯、全部インプラントなど部位ごとの治療法や期間、費用の違いについても症例に基づいて解説していれば、専門性はかなり高いと判断できます。
相談体制については、以下のような観点で評価が可能です。
相談体制の評価軸 | チェックポイント |
初回カウンセリングの充実 | 時間をかけて症状・要望をヒアリング、CT検査付きかどうか |
説明資料・同意書の質 | 医師作成の説明資料や動画で丁寧に解説 |
相談スタッフの有資格性 | 歯科衛生士やトリートメントコーディネーターが対応 |
オンライン相談の可否 | 遠方や高齢者向けにビデオ相談の導入があるか |
一方、Googleマップや口コミサイトに寄せられたレビューも、医院の評判を間接的に判断する材料です。内容に一貫性があり、具体的なエピソードや担当医の対応が言及されているものは特に信ぴょう性が高く、ユーザー視点での評価として有効です。
ただし、口コミには個人の感情が反映されやすいため、以下のような観点から複数を比較して総合的に判断することが重要です。
- 投稿者のプロフィールが信頼できるか(実名、治療内容の明記)
- 投稿内容が抽象的すぎないか
- 院長・スタッフの対応や説明の丁寧さが複数件一致しているか
- 明確な不満点への医院側の返信が適切かどうか
最後に、信頼できる医院は「通いやすさ」や「予約の取りやすさ」など、患者目線の運営も徹底しています。特に定期的な診察やメンテナンスが重要となるインプラント治療では、長期にわたり相談しやすい環境を提供している医院が選ばれ続けています。
まとめ
インプラント治療は、見た目や噛み合わせを自然に再現できる先進的な歯科治療として、近年ますます注目を集めています。とくに高齢化が進む日本では、入れ歯に代わる選択肢としてインプラントの需要が急増しています。従来の治療法と比べて、食事の快適さや会話のしやすさといった生活の質に直結するメリットが支持されている理由です。
また、CT診断やデジタルシミュレーションなど技術の進歩により、治療の精度や安全性も向上。以前は治療に1年以上かかるケースもありましたが、現在では「抜歯即時埋入」などにより数カ月での完了も可能となりました。加えて、認定医制度の整備や日本口腔インプラント学会のガイドラインに基づく治療環境が整ってきたことで、専門性の高い歯科医師による信頼できる診療も受けやすくなっています。
一方で、費用面や術後の痛み、メンテナンスへの不安を抱く方も少なくありません。しかし、事前のカウンセリングや診断でリスクを最小限に抑えることができ、治療後も定期的な通院と適切なセルフケアを行えば、インプラントは10年以上の長期使用も十分可能です。
「インプラント=高額で難しい治療」と思い込むのはもう過去の話です。正しい知識を持ち、信頼できる医院を選べば、インプラントは快適な毎日を取り戻すための賢い選択肢となります。放置すれば進行する顎骨の吸収や歯並びの乱れも、早期対応によって防ぐことができます。今こそ、あなたにとって最適な治療法を見つけてください。
海岸歯科室は、患者様一人ひとりに寄り添い、安心して治療を受けていただける環境をご提供しています。最新の設備と技術を駆使し、虫歯治療からインプラント、予防歯科まで幅広い診療を行っています。お口の健康を守るために、丁寧なカウンセリングと治療計画を立てています。皆様のご来院を心よりお待ちしております。歯に関するお悩みは、ぜひ海岸歯科室へご相談ください。

海岸歯科室 | |
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住所 | 〒261-0014千葉県千葉市美浜区高洲3-23-1 ペリエメディカルビル美浜 3F |
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よくある質問
Q.治療期間はどれくらいかかりますか?忙しい社会人でも通院できますか?
A.一般的なインプラント治療は、初回のカウンセリングから最終的な人工歯の装着までに約4カ月から8カ月かかります。1次手術から2次手術、そして上部構造の装着まで段階的に進行しますが、骨造成やサイナスリフトなどの追加処置が不要であれば、短期間での完了も可能です。最近ではガイド手術やデジタルシミュレーションを導入している医院も増え、治療精度と通院回数の最適化が図られています。忙しい方には、土日診療やオンライン相談を取り入れている医院の利用もおすすめです。
Q.高齢者でもインプラント治療は受けられますか?リスクはありますか?
A.70代や80代の患者でもインプラント治療を受けている方は多く、加齢そのものは治療の制限にはなりません。ただし、全身疾患や骨量の不足、認知症の有無などを踏まえた上で、歯科医師による精密な診断が必要です。特に持病を持つ方は、主治医と歯科医師の連携が治療成功の鍵となります。高齢者には、骨造成を伴わない即時埋入法などの低侵襲な方法や、セラミックとの併用治療など柔軟な選択肢も提案可能です。
Q.インプラント治療後にMRI検査を受けても問題はありませんか?
A.チタン製のインプラントは非磁性体であるため、ほとんどのケースでMRI検査に支障はありません。ただし、埋入されている素材の種類やメーカーによっては、一部の磁場強度に注意が必要な場合もあります。検査を受ける際には、必ずインプラントの有無と製品名を医療機関に伝えてください。公益社団法人日本口腔インプラント学会でも、事前申告の徹底を推奨しています。安全な検査を受けるためにも、インプラントカードなどを携帯しておくと安心です。
医院概要
医院名・・・海岸歯科室
所在地・・・〒261-0014 千葉県千葉市美浜区高洲3-23-1 ペリエメディカルビル美浜3F
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