口臭検査・治療
口臭検査・治療
口臭は、本人やまわりの人が不快に感じる呼気の臭いで、口臭があると自覚がある人は80%を超えるといわれます。一時的に強くなる生理的なものもあれば、舌苔(ぜったい=舌にたまった食べカスや粘膜、細菌のカス)の異常や歯周病などトラブルに原因があるものもあります。本当はそれほど臭わないのに本人が強く気にしている心理的な口臭もあります。
口臭には大きく分けて5つの種類があります。
誰にでもある臭いで、起床直後(起床時口臭)、空腹時(飢餓口臭)、緊張時(緊張時口臭)は特に口臭は強まります。これは唾液の分泌が減少し、細菌が増殖して口臭の原因物質である揮発性硫黄化合物(VSC)がたくさん作られるためです。しかし、歯みがきで細菌や硫黄ガスが減少し、食事をしたり水分を積極的に補給するようにすることで唾液量が増加すれば急激に口臭は弱まります。したがって生活習慣の改善でよくなり、治療の必要がありません。
また女性の生理・妊娠時などホルモンバランス変化に伴う口臭、乳幼児期、学童期、思春期、成人期、老齢期、それぞれの年代固有の臭気(加齢臭)、民族的な口臭もあります。
ニンニク、ネギ、酒、タバコなどによる口臭は一時的なもので、時間の経過とともに臭いも無くなりますので治療の必要はありません。
鼻やのどの病気、呼吸器系の病気、消化器系の病気、糖尿病、肝臓疾患などが原因で口臭が起こる場合もありますが、病的口臭の90%以上は口の中にその原因があり、歯周病、むし歯(う蝕))、歯垢(しこう)「歯の周りに付く細菌の固まり」、歯石、舌苔(ぜったい)「舌の表面に付くコケ状の細菌の固まり」、唾液の減少、義歯(入れ歯)の清掃不良などがあげられます。
病気の原因を治療することで口臭を減らしたり、治すことができますので診断を受けてください。
ストレスにより唾液の量が少なくなると口の中が臭くなります。
自分自身で強い臭いがあると思い込む人がいます。
初期においては痛みもなく自覚できません。歯周病菌による細菌の感染症であり、ほっておくと静かに進行する怖い病です。一見何でもないようでも、歯をみがくなど、ちょっとした刺激で容易に出血があることがよくあります。病気が進行すると歯を支えている骨が破壊され歯ぐきからの出血に膿が混じってくるようになり、口臭もひどくなってきます。
むし歯は独特の臭いを持っています。歯垢(しこう)が溜まってくると歯をみがいてもなかなかきれいに取れません。食べ物やむし歯菌が、むし歯の穴の中にたまり臭いがきつくなり、口臭の原因になります。小さなむし歯で口臭が強くなることはありませんが、進行してくると次第に口臭がきつくなってきます。神経まで侵され神経が腐ると、強烈な臭いがします。
歯の表面に付着する柔らかい堆積物でほとんどが細菌のかたまりです。食べ物の残りなどを栄養とする微生物とその代謝産物からなり、長期間たつと歯石を作っていきます。むし歯や歯周病の原因である細菌のかたまりです。
歯垢が唾液中のカルシウムなどが沈着して固まった石灰分です。歯石がたくさん付くようになるとその上に更に歯垢が溜まりやすくなり、口臭もひどくなってきます。また、よりむし歯や歯周病を進行させます。
体調が良くないときなどには、舌の表面に白っぽいものが付着することがあります。これは舌苔(ぜったい)と呼ばれているもので、歯垢と同じような細菌のかたまりです。これも口臭の原因になります。舌をきれいにすると口臭も軽減します。
唾液は口臭予防に大切なものです。口の中を洗い流す作用、細菌の増殖を抑える作用、口の中の粘膜を保護する作用などがあります。唾液の分泌が少なくなると口の中が不潔にむし歯や歯槽膿漏になったり、口の中が乾燥して口臭が強くなったりしやすくなります。
義歯(入れ歯)のプラスチック部分は色や臭いを吸着しますので、毎日きれいに清掃し、消毒剤に浸しておくことをおすすめします。一度吸着した色や臭いはなかなか取れません。
歯にかぶせた金冠が古くなって穴が開いたり、すき間ができたりすると汚れが溜まり易くなります、また歯に被せた金冠の金属材質が体質に合わない場合があります。これらがあると口腔内が不潔になります。痛みがないために悪くなっていても気がつきません。意外と口臭の原因になっている場合が多いものです。
口の中のがん(舌がん、頬粘膜(きょうねんまく)がんなど)により口臭が発生することがあります。
鼻は口とつながっているため、副鼻腔炎(蓄膿症)や咽頭炎、喉頭炎などの炎症があると、たんぱく質を含む血液や膿が口の中に出てきて、口臭が起こります。
全身症状が原因となって口臭が発生することがあります。原因となる病気を診断して治療することで口臭は軽減されます。
口臭の主な3つの成分の、それぞれの濃度を測定します。
主要な口臭成分とされる発揮性流黄化合物(VSC)を、硫化水素、メチルメルカプタン、ジメチルサルファイドの三つの成分ガスに分離し、科学的に分析、測定いたします。
口臭と関連の深い、口腔内の水分量を測定致します。
お口の中の水分のもととなる唾液の分泌量と質は、口臭に深く関わっています。お口の中の水分量、唾液の量や口腔粘膜の乾燥の度合いを調べることで、口臭の原因を探ります。
唾液には、口臭のもととなる細菌の増殖を妨げる働き、細菌や食べかすを洗い流し、粘膜を保護し、歯の表面や口腔内をきれいにする働きなどがあります。
唾液不足が進行すると、舌や歯肉などの口腔内粘膜が乾燥し、腫れやひび割れにより出血や痛みが生じたり、舌がはりついて話しにくい、などの日常の不快感や口臭の原因となる場合があります。詳しくはドライマウス(口腔乾燥症)をご覧ください。
視診や呼気の確認、歯周ポケット検査など、各種口腔内診査を行い、口臭の原因となる部位や症状を探ります。
むし歯や歯周病があると、繁殖した原因菌による悪臭や、痛んで崩壊した組織からのにおいが原因となります。
歯並びが悪いところ、親不知や過剰歯などが歯肉の上に適切でない形で露出している箇所などには、歯ブラシが届きにくい不潔域が生じます。そこに溜まったプラーク、歯石が口臭の発生源となります。
詰め物や被せ物と歯の境目、あるいは歯と歯の詰め物隣接部に診査用の探針やフロスを挿入して、独特の臭気を調べます。
歯周ポケットが深くなっていると、そこが口臭の発生源となります。口臭のもととなる菌のかたまりを除去して、状態を改善していくことが必要です。
お口のプラークコントロールの状態を確認します。必要に応じて、クリーニングなどを行います。
口腔内粘膜の発赤、腫脹、びらん、潰瘍などの症状を確認し、口臭の原因となっているかどうかを確認します。
舌の表面を覆う粘膜の角質層および、そこへの沈着物(いわゆる舌苔)の状態を調べます。舌苔は、口臭の原因となります。多すぎるのはもちろんですが、少なすぎても問題です。適度な舌苔は舌の粘膜の組織を守るために存在します。過度に除去を行うと粘膜組織が傷つき痛みを感じたり炎症を起こし、舌の腫れや表面の出血を生じ、逆に口臭の原因を生み出す要因にもなります。
また、舌の運動機能が悪いと舌苔や食べかすが口腔内にたまり、口臭の原因となりやすいため、舌運動の確認も行います。
検査の結果、口臭の原因が歯科領域の問題であれば、患者さんに合った治療をご提案いたします。口臭の多くはお口の中の原因によるものですが、口腔内以外の器官(鼻腔、咽頭、食道、胃、肺など)や心的な要因が関係する場合もあります。当院口臭外来での各種診査による診断の結果、必要な場合は、大学病院などへをご紹介致します。
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口腔内クリーニング
お口の中をきれいにクリーニングすることで、口臭の原因となる菌のかたまりである、プラークと歯石を取り除きます。歯肉炎の症状のある方の場合は、必要に応じて歯周治療を行います。
準備中です。
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