【種類別】口内炎の原因とは?歯科医院での口内炎予防やセルフケアも紹介します
突然口のなかに口内炎ができたという経験は、誰もが一度は体験したことがあるはずです。毎日の楽しい食事も、口内炎があると満足に楽しめなくなってしまいます。では、口内炎は一体どのようなことが原因でできてしまうのでしょうか。
当記事では、口内炎の概要や発症する原因、予防方法についてくわしく解説します。口内炎の原因について知りたい方、口内炎を事前に予防したい方はぜひお読みください。
口内炎とは?
口内炎とは、口内やその周りの粘膜に起こる炎症のことを指します。発生場所は主に、頬の裏側や舌、唇の裏側などです。単体ではなく、複数個できる場合もあります。また、発症すると多くの場合痛みを引き起こします。
口内炎の種類とその原因
口内炎と一口にいっても、その種類はさまざまです。口内炎には、主に以下の5種類があります。
①アフタ性口内炎
②カタル性口内炎
③ウイルス性口内炎
④アレルギー性口内炎
⑤ニコチン性口内炎
それぞれの概要と原因について、以下でくわしく解説していきます。
①アフタ性口内炎
1つ目の口内炎は、アフタ性口内炎です。口内炎のなかでは、もっとも頻繁に見られるものです。アフタ性口内炎の原因としては、以下のようなものが挙げられます。
- 睡眠不足
- 栄養不足
- 疲労やストレスによって引き起こされる免疫力の低下
- 口内へのダメージ
アフタ性口内炎を発症すると、唇の裏や歯茎、舌、頬の内側などに、周りが赤く中心が白い潰瘍ができます。通常であれば、何もしなくても10〜14日程度で消えるケースが多いです。
放置していても自然になくなることがほとんどですが、時間が経っても消えない場合や繰り返し再発する場合、潰瘍の範囲が広い場合は注意が必要です。ほかの病気の症状であったり、現在服用している薬の副作用であったりする可能性もあるためです。
気になる場合は、病院で医師の診察を受けるようにしましょう。
②カタル性口内炎
続いての口内炎は、カタル性口内炎です。
主に、口内に傷を負って菌が繁殖することで発症する口内炎です。具体的には、以下のようなことが原因として挙げられます。
- 頬の裏側を噛んだ
- 矯正装置や入れ歯で口内を傷つけた
- 熱い食べ物や飲み物を口にしたことでやけどを負った
- 虫歯
- 薬品による口内へのダメージ
カタル性口内炎を発症すると、口の粘膜に水ぶくれ、ひび割れ、斑点ができたり、赤く炎症を起こしたりします。そのほか、唾液がねばねばしたり、口臭がしだしたり、味覚が鈍ったりすることもあります。
カタル性口内炎になった際は、熱い飲食物や刺激の強い飲食物を口にしないようにしましょう。また、口内用の軟膏を塗ったり、トローチを服用したりするのもおすすめです。矯正装置や入れ歯に問題がある場合は、担当の歯科医師に相談しましょう。
処置を行った上で安静にしていれば、数日程度で治る場合がほとんどです。
③ウイルス性口内炎
続いての口内炎は、ウイルス性口内炎です。名前のとおり、ウイルスが原因で発症する口内炎です。具体的には、以下のようなウイルス・病気が原因となります。
- 単純ヘルペスウイルス
- クラミジア
- 淋病
- 梅毒
ウイルス性口内炎を発症すると、口内の粘膜に複数の水ぶくれが表れます。さらに、細胞が剥がれ落ちたり、痛みや発熱を起こしたりするケースもあります。
ウイルスが原因となっている以上、医師の治療を受けるのが適切な対処法だといえるでしょう。病院でもらえる薬を服用し続ければ、10日程度でよくなる場合がほとんどです。治るまでは、刺激の強い飲食物は避けるようにしましょう。
④アレルギー性口内炎
続いての口内炎は、アレルギー性口内炎です。特定の飲食物や金属、薬物などが原因で発症する口内炎です。金属の場合、歯に金属の被せ物をすることでも発症します。アレルギー性口内炎を発症すると、口内の粘膜が炎症を起こしたり、ただれたりします。
対処したい場合は、まずアレルギーの発症原因を取り除きましょう。
飲食物が原因となっているのであれば、その飲食物は口にしないようにします。金属の被せ物や薬物が原因となっている場合は、担当の医師に相談しましょう。被せ物の素材を変える、薬を変えるといった対処を行ってもらえます。
⑤ニコチン性口内炎
続いての口内炎は、ニコチン性口内炎です。ニコチン性口内炎は、喫煙で発症します。タバコを日常的に吸う方は、十分な注意が必要です。
ニコチン性口内炎を発症すると、舌や口内の粘膜に赤い発疹が表れます。その後発疹は、白く厚いものに変化していきます。
一番の対処法は、原因であるタバコをやめることです。完全な禁煙が難しい場合は、少しずつ吸う頻度を減らしていくようにしましょう。タバコをやめてから、治るまでに数週間〜数ヶ月ほどかかるケースもあります。
口内炎の予防法
口内炎の予防法には、自宅でできるものと歯科医院で行うものの2種類があります。それぞれの予防方法について、以下からくわしく解説していきます。
ただし、一概に「以下のことを行えば口内炎ができない」といいきることはできません。あくまでも、目安という形で参考にしてみてください。
自宅でできる口内炎予防
自宅でできる口内炎の予防には、以下のようなものが挙げられます。
- 栄養バランスのよい食事をとる
- 十分な水分補給を行う
- 質のよい睡眠をとる
栄養バランスの乱れた食事を行うと、ビタミンが欠乏しやすくなります。
ビタミンB2は口のなかの粘膜を守ってくれる働きがあるため、ビタミンB2の不足で口内炎になりやすくなってしまいます。また、ビタミンB6も口内炎予防に重要な役割を果たすビタミンです。ビタミンB6は、粘膜や皮膚を健康に保ってくれる働きがあります。
ビタミンB2やビタミンB6といったビタミンは、体内にため込んでおいたり、体内で自ら作り出したりすることができない栄養素です。そのため、定期的に食品を通して摂取する必要があります。
また、水分補給をしっかりと行うことも大切です。
水分をとらずにいると、口内が乾き、細菌が繁殖しやすい環境になってしまいます。菌が増えると口内炎にもなりやすくなるため、飲み物を定期的に飲むようにしましょう。ただし熱い飲み物を飲むとやけどして口内炎を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
そのほか、質のよい睡眠をとることも意識しましょう。寝不足が続いてしまうと、体の免疫力が衰えます。免疫力の低下で体が弱り、口内炎にもかかりやすくなります。
歯科医院で行う口内炎予防
歯科医院で行う口内炎の予防には、以下のようなものが挙げられます。
- 合わない矯正装置や入れ歯を使用している場合、自分に合ったものに変えてもらう
- 歯列矯正を行う
現在使用している矯正装置や入れ歯が自分の歯に合っていない場合は、早急に歯科医師へ相談しましょう。装置や入れ歯が自身の口内を傷つけ、口内炎を引き起こすリスクがあるためです。相談を行うことで、口のなかに傷を負わないよう処置してもらえるケースがあります。
また、歯列矯正を行っていない方のなかで繰り返し口内炎ができるという方は、噛み合わせの悪さが原因となっている可能性が高いです。噛み合わせが悪いと、歯列から飛び出た歯が口のなかを噛んでしまい、口内炎ができやすくなるためです。
歯列矯正による噛み合わせの改善で、口内炎ができにくくなる可能性があります。
まとめ
口内炎にはさまざまな種類があり、炎症の見た目や原因もそれぞれ異なります。自身の口内炎がどれに当てはまるのかを見極め、適切なアプローチを行いましょう。口内炎を予防したい方は、日頃から栄養バランスのよい食事や睡眠などにこだわることをおすすめします。
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監修:理事長 森本 哲郎