インプラント治療を検討しているけれど「インプラントはやめた方が良い」「後悔している」などの噂を聞くと、心配になることもあるでしょう。外科手術がともなう治療のため、少しでも不安を払拭した状態で治療に臨みたいですよね。
 
しかし「インプラント治療をやめた方が良い理由って?」「どんな特徴の人がやめた方が良い?」など、具体的な内容が気になる方も多いでしょう。
 
そこで今回は、インプラント治療をやめた方が良いといわれる理由について解説します。インプラント治療を受ける際に注意すべき人の特徴や、治療で気を付けるポイントについても解説するので、インプラント治療を検討している方はぜひ参考にしてください。
 

インプラントは「やめた方が良い」がといわれる理由

インプラントは「やめた方が良い」がといわれる理由

リスクや注意点をしっかり把握しないまま治療を受けたり、メンテナンスに通わずインプラントが脱落してしまったりすると「インプラントはやめた方が良い」と感じることもあるでしょう。どんな治療にもメリット・デメリットやリスクが存在するため、医師とよく相談してから治療を受けることが大切です。
 
ここでは、インプラント治療を「やめた方が良い」といわれる理由について解説します。
 

①外科手術のリスクがある

インプラント治療は、歯茎を切開して顎の骨に穴を開け、インプラント体を埋入する外科手術が必要な歯科治療です。全身疾患を患っている方は、治療を受けられないケースもあるでしょう。また、局所麻酔下で行いますが、負担の大きい歯科治療といえます。
 

②治療費が安くない

基本的に、インプラント治療は健康保険が適用されず、費用の全額を負担しなくてはなりません。自由診療となるため、医院によって費用に大きな差がでてしまいます。気軽に治療を受けられるような金額ではないため、経済的な負担がかかってしまうでしょう。
 

③治療期間が長い

一般的に、インプラント体を埋入してから骨としっかり結合されるまで、数ヶ月の治癒期間が発生します。その間は、インプラント治療を進められないため、人工歯の装着までに1年以上かかるケースもあるでしょう。引っ越しや大事な予定を控えている方は、スケジュール調整を行っておく必要があります。
 

④メンテナンスが必要

インプラント治療が終わったあとは、数ヶ月に一度のペースで定期的にメンテナンスへ通います。歯科医院でのメンテナンスを怠ると、インプラント周囲炎にかかりやすくなってしまうため注意が必要です。インプラントを埋入すれば終わりの治療ではないため、長期的に通いやすい医院を選ぶようにしましょう。
 

⑤インプラント周囲炎のリスクがある

インプラント周囲炎は、インプラント体を支えている骨を溶かしてしまうため、インプラント脱落の原因になります。インプラントは、天然歯のように細菌に対抗する力が備わっておらず、ケアを怠るとあっという間にインプラント周囲炎になってしまいます。
 

⑥金属アレルギーの人

インプラント治療にはアレルギー反応がでにくい医療用チタンを使用しますが、まれに金属へ強いアレルギー反応を起こす方は受けられない可能性があります。インプラント体のなかには、金属を使用しないものも存在しますが、症例によっては適用できないケースもあるでしょう。
 

インプラントを「やめた方が良い」人の特徴

インプラントを「やめた方が良い」人の特徴

インプラント治療は、メリット・デメリットを把握していれば、どんな方でも受けられる治療ではありません。なかには、受ける際に十分な注意が必要な方もいます。
 
ここでは、インプラント治療を「やめた方が良い人」「十分な注意が必要な人」の特徴を解説します。
 

顎の骨が少ない人

顎の骨が少ない・弱い方は、インプラント体を顎の骨に埋入できない可能性があります。インプラント体がしっかりと固定できないことが予測され、治療を断られるケースもあるでしょう。ただし、顎の骨を増やす「骨造形手術」で、骨が不足している部分に人工骨を足すことで、インプラント治療を受けられることもあります。症例によって異なるため、気になる方は医師へ相談してみましょう。
 

全身疾患がある人

糖尿病や心臓病、高血圧などの全身疾患がある方がインプラントのような外科治療を希望する場合、内科と歯科の医師とよく相談する必要があります。なかでも、糖尿病の方は骨がもろくインプラントがしっかりと結合しない可能性があるため、治療を受けられないケースがあるでしょう。
 
その他、服用している薬によっては、外科手術を受けられないケースもあります。歯科以外の病院にかかっている場合は、歯科医師へきちんと伝えておくようにしましょう。
 

メンテナンスができない人

インプラント治療終了後は、定期的にメンテナンスへ通う必要があります。通常は3~6ヶ月に一度ほどのペースですが、定期的にメンテナンスへ通えない方はインプラント治療をおすすめできません。適切なケアが十分に行えない状況で治療を受けても、インプラントがダメになるスピードが速いでしょう。インプラント治療が終わった後も、定期的なメンテナンスへ通う必要があることも理解した上で治療を検討しましょう。
 

金属アレルギーの人

インプラント治療には、アレルギー反応の少ない安全な金属を使用しますが、微量の金属にも強いアレルギー反応を起こす方は、治療を受ける際に十分な注意が必要です。金属アレルギーの方は、メタルフリーのインプラント治療が受けられるかどうか、医師とよく相談するようにしましょう。
 

インプラント治療で押さえておきたいポイント

インプラント治療で押さえておきたいポイント

インプラント治療は、リスクや注意点を把握しないまま安易に受けると、失敗や後悔する可能性のある治療です。
 
ここでは、インプラント治療を受ける前に押さえておきたいポイントを解説します。
 

信頼できるクリニックを選ぶ

インプラント治療は、治療やメンテナンスで長期的に通院する必要があります。そのため、治療を受ける医院には、信頼できる医師が在籍していることがとても大切です。インフォームドコンセントの徹底や、インプラント治療の十分な実績があるかどうか確認してみましょう。また、小さな疑問や悩みも気軽に相談でき、都度解消できる医院であることも大切です。医師としっかりコミュニケーションが取れる医院が望ましいでしょう。
 

医師にリスクを聞いておく

治療を開始する前に、インプラント治療のメリットだけでなく、デメリットや注意点、リスクに関する十分な説明を受けるようにしましょう。インプラント治療は、外科手術がともなうため「聞いていなかった」では済まされないような、重篤な合併症が起こる可能性もあります。医師にすべてを任せるのではなく、事前にリスクなどを把握してから治療に臨む姿勢が大切です。
 

他の治療法も検討する

審美性・機能性に大変優れているインプラント治療ですが、失った歯を補うための治療法は他にもあります。自分の症例にインプラント治療が最適なのか、他の治療方法が良いのか、十分に比較するようにしましょう。そのためには、複数の治療方法を提案してくれる医院で治療を受けるのが良いでしょう。
 

セルフケアや定期健診を怠らない

インプラントはインプラント周囲炎へかかりやすいため、ケアを怠るとインプラントが脱落する可能性が高まります。また、インプラントの寿命は10年ほどといわれていますが、適切なセルフケアや定期健診を行うことで、さらに長持ちさせられます。せっかく受けた治療を台無しにしないためにも、日ごろの丁寧なセルフケアと、歯科医院でのプロフェッショナルケアを欠かさないようにしましょう。
 

まとめ

インプラント治療の「やめた方が良い」理由について解説しました。インプラント治療はメリットが多い反面、さまざまなリスクやデメリットも存在します。安易に治療を受けて後悔してしまわないよう、慎重に検討する必要があるでしょう。
 
海岸歯科室では、国際インプラント学会の指導医である院長が、一人ひとりに最適な治療計画を作成し、歯列治療に関する不安や疑問に耳を傾け、患者さんの立場に立つ対応を心がけています。インプラント治療を検討している方、失った歯の治療方法でお困りの方は、お気軽に海岸歯科室へご相談くださいませ。
 
監修:理事長 森本 哲郎