インビザラインとは何か?インビザラインの特徴とメリットデメリットを解説
- 2025年4月17日
- コラム
インビザラインとは世界で最も愛用されているマウスピース型矯正装置です。
今回はそんなインビザラインの特徴とメリット・デメリットについて解説していきます。
インビザラインとは?
インビザラインとはアメリカ生まれのマウスピース型矯正装置です。
透明なマウスピースを利用するため、審美性にも優れ矯正治療中であることがわかりにくいところが特徴です。
また、歯型を3Dデジタル化して詳細な治療計画を立てることが可能です。
インビザラインはアメリカメーカーの矯正装置
インビザラインはアメリカのアライン・テクノロジー社が開発した、歯並びを改善する歯科矯正治療の一種です。マウスピース型カスタムメイド矯正装置に分類されます。
透明で目立たないうえに、薄くて軽いので快適に使用できます。
たしかな実績のある矯正装置
1999年にアメリカで販売されて以来、2020年までに世界100ヵ国以上で800万人以上の患者に愛用されているインビザライン。たしかな実績を持っているインビザラインは、マイナーチェンジの積み重ねにより幅広い症例にも対応できるようになっています。
インビザラインにもいくつかプランがわかれており、自分の症例に合ったプランを選ぶことが重要になってきます。
インビザラインの特徴
インビザラインは他のマウスピース型の矯正装置とは何が違うのでしょうか。インビザラインの特徴をここでは解説いたします。
クリンチェックで歯の動きの確認ができる
インビザラインは3Dスキャンを駆使して歯型から、歯がどのように動いていくのかを3Dシュミュレーションに起こして再現することが可能です。これをクリンチェックといい、患者に歯がどのように動いていくのかを動画に起こして説明することができます。
クリンチェックで治療期間がわかる
インビザラインが他のマウスピース型矯正装置と一線を画す理由は、クリンチェックによって正確な治療期間がわかる部分でしょう。
インビザラインでは他の矯正治療と違い3Dシュミュレーションによって、どのように歯が動いていくのかがわかります。これによって、おおまかな治療期間や、歯がどのように動いていくのかを確認しながら、治療計画をたてることもできるのです。
型取りは1度OK
一般的なマウスピース矯正の場合は、何度も型取りをおこなう必要があります。
ですが、インビザラインの場合は初回のみの型取りですべての治療を終えることが可能です。
初回の型取りですべてのマウスピースが完成するだけではなく、3Dシュミュレーションにてどのように歯が動くのかも確認することが可能です。
インビザラインのメリット
ここまでインビザラインの特徴をお話ししてきました。では、インビザラインを治療に使用するメリットには具体的にどのようなものがあるでしょうか。それらについて纏めてみます。
目立ちにくい
インビザラインのマウスピースは透明であまり目絶ちません。
そのため、治療期間中だということがバレにくく、審美性の観点から言ってもあまり問題にならないところがメリットといえます。
特に営業や接客業のように人と顔を合わせる機会の多い方には、インビザラインの矯正はお勧めです。
食事がしやすい
インビザラインは脱着ができるため、食事の最中に矯正装置を気にする必要がありません。そのため、矯正装置に食べ物が詰まったり、矯正装置が食べているときに邪魔になったりすることもないのです。
食事にいっても、矯正装置に食べ物が詰まったりしないので周囲の目も気になりません。
歯の手入れが簡単
インビザラインは脱着が可能なため、歯の手入れも比較的簡単にできます。通常のワイヤー矯正ですと、ブラケットと呼ばれる装置が歯につきます。そこに食べカスが詰まる。矯正装置によって歯の手入れが大変になるなど、歯のお手入れは困難を極めます。
ですが、インビザラインはマウスピースを取り外して歯のお手入れができるため、普通の場合と同じように歯磨きをすることが可能なのです。
金属アレルギーの心配がない
インビザラインは金属を一切含まないため、金属アレルギーなどの心配もありません。そのため、金属アレルギーなどで通常のワイヤー矯正が受けられない方でも、インビザラインなら問題なく矯正治療を受けることができます。
インビザラインのデメリット
インビザラインの特徴とメリットについてご説明いたしました。ここまで説明した限りではインビザラインはとてもいい治療法のように思えます。ですが、インビザラインにも少なからずデメリットはあります。そのデメリットについて解説していきます。
自己管理が必要
インビザライン治療は1日のうち決められた時間矯正装置をする必要があります。そうしなければ、歯が治療計画通りに動かず治療そのものが長引いたり、よけいに追加料金がかかってしまったりするからです。インビザラインは決められた時間内にきちんとするよう心がけましょう。
治療できない症例がある
ワイヤー矯正は幅広い症例に対応できますが、インビザラインでは対応できない症例もあります。たとえば出っ歯や受け口の場合、上下の顎のズレが大きいとインビザラインでの矯正は困難なものとなります。
矯正前に抜歯をするなど、他の矯正との併用でインビザラインによる矯正が可能な場合もあります。医師ときちんと話し合い、インビザラインの治療に挑みましょう。
喋りにくさ・聞き取りにくさ
インビザラインを着用しているとワイヤー矯正ほどではありませんが、相手が話を聞きづらいと思うことが少なからずあります。
普段は少し口を大きく開けて、はっきりと話すことを意識していただければ発話に問題はありません。重要な面接やプレゼンの際には、マウスピースを外して挑みましょう。仕事上の関係でどうしてもマウスピースの装着時間が足りなくなってしまう場合は、治療を遅らせるなど歯科医院と話をして治療計画の見直しなどをしましょう。
インビザラインは未承認医療機器
インビザラインは1998年にFDA(米国食品医療薬局)により医療機器としての認証を受けています。ですが、インビザラインは日本の法律である医薬品医療機器法の承認を受けていない未認医療品となっています。
そのため、正しく使われたのにもかかわらず後遺症が出た場合などに国の救済処置が受けられる医薬品副作用被害者救済制度の対象とはなりません。
万が一インビザラインが正しく使われて副作用が出たとしても、国の救済支援などを受けらない可能性があるのです。
副作用などが心配な方は、その点を医師とよく話し合いインビザラインの治療を開始するか決めましょう。
ライフステージ別の矯正治療
歯列矯正をするタイミングは人それぞれですが、大体においてそのタイミングは被っていることが多いいのではないでしょうか?今回はライフスタイル別におこなわれるインビザラインの矯正について解説いたします。
小児時期の矯正
顎の骨が小さいなど骨格が原因で歯並びが悪い場合、骨が柔らかな小児時期から矯正を始めます。また、これから生えてくる永久歯の場所を確保するために顎を拡げる治療もおこないます。
装置の装着は夜間のみの8時間となります。
中高時期の矯正
12歳臼歯が生え始める11歳から14歳ごろにインビザラインの治療を始めます。
奥歯の歯並びを整えるため、夜間のみ8時間以上装置をつけて歯並びを整えた後、インビザライン・ティーンによる治療に切り替えます。
このインビザライン・ティーンは20時間以上の装着が必要になります。
成人してからの治療
成人式や就職活動のために、歯の矯正治療をおこないたい方もいるのではないでしょうか?
インビザラインによる矯正治療でしたら、目に見えないので面接などのときにも面接官への印象は悪くなりません。
妊娠中の矯正治療
妊娠中に歯列矯正をしたい場合、ワイヤー矯正だと出産時に取り外しができずに苦労することがあります。ですが、インビザライン矯正でしたら器具が取り外し可能ですので、出産時にも器具を取り外すことが可能になります。
妊婦の方は、ワイヤー矯正ではなくインビザライン矯正をしてみてはいいでしょうか?
インビザラインの治療期間
インビザラインの治療期間は、どのくらいかかるのでしょうか?
インビザラインには歯の全体を動かす全体矯正と、歯を部分的に動かす部分矯正があります。
全体矯正の場合の治療目安は2年から4年ほど。部分矯正の治療目安は半年から1年ほどになります。
インビザラインの費用
インビザラインの費用相場も症例によって違ってきます。
大きく部分矯正と全体矯正に症例は別れます。全体矯正の場合は、70万から100万ほど。部分矯正の場合は、30万から40万ほどの費用がかかります。
また、歯科医院によっては毎月4000円から1万ほどの調整料がかかる場合があります。
インビザラインの治療の流れ
インビザラインの治療はどのようにおこなわれるのでしょうか。
ここでは、そんなインビザライン治療の流れを解説いたします。
カウンセリング
インビザラインの矯正治療は初回カウンセリングから始まります。
カウンセリングでは現状の歯並びの確認のほかに、虫歯や歯周病のチェックもすることになります。また、専用のシュミュレーションツールを使用して、現在の歯の状態や矯正治療後の歯並びの変化を予測するなどして治療期間や予算費用を確認します。
精密検査
カウンセリングの後、インビザラインを始める場合は精密検査をおこないます。
精密検査では、口内検査、レントゲン撮影、顔や口内の写真撮影が必要になります。マウスピースを作るための歯型も採取します。
診断
精密検査の後、検査結果をもとに診断をおこない治療計画についての説明をします。
歯科医院によっては、このタイミングで契約書へのサインがおこなわれる場合が多いいです。
矯正治療開始
マウスピースが完成したら、矯正治療が始まります。
マウスピースを初めて使う場合は、着脱やお手入れの方法、取り扱い時の注意などマウスピースに関する使い方や注意事項を説明いたします。
定期健診
矯正治療中は定期的に検診を受け、治療の進行度合いに合わせて新たなマウスピースに変更する必要が出てきます。
はじめのうちは月に1度ほどの頻度で検診に通いますが、ある程度期間が経過すると月に2回から3回の頻度になります。
矯正治療終了
2年から4年ほどで治療が終了します。
治療が終わった後は、歯の後戻り(歯並びが元に戻ってしまう現象)がないよう一定期間は保定装置を使い歯並びが整った状態で安定させます。
まとめ
今回は、インビザラインが何かについてお話ししました。
インビザラインはアメリカのアライン・テクノロジー社が開発した世界でも愛用されているマウスピース型の矯正装置です。他の装置との違いは3Dシュミュレーションによって治療計画などが立てられるところでしょう。
海岸歯科室では、インビザラインの治療も行っております。ご興味のある方は是非ともご相談に来てみてください。
監修:理事長 森本 哲郎