ホワイトニングで歯がもろくなるって本当?ウワサの理由を検証
- 2024年11月23日
- コラム
ホワイトニングをすると、歯がもろくなるというウワサがネット上には出回っています。ホワイトニングはあくまで歯に着色した色素をホワイトニング剤の力を借りて白くするものです。ホワイトニングで、歯がもろくなるという事実はありません。
どうしてこのようなウワサが囁かれているのでしょうか?
今回は、ウサワの理由を徹底検証いたします。
ホワイトニングで歯がもろくなるのか?
まず、ホワイトニングをして本当に歯がもろくなることがあるのでしょうか?
ホワイトニングでは、特定の薬剤を使用して歯を白くします。この薬剤を使用することで、痛みを伴うことがあります。
痛みを感じた人たちが、「歯に悪影響があるのでは?」と考え、不安を抱くことから「歯がもろくなるのでは?」という不安も抱くようになったのではと考えられるのです。
ほどんどの場合、ホワイトニングは歯科医師の指導のもとでおこなわれています。
そのため、薬剤の使用量も守られており、ホワイトニングで歯がもろくなるようなことは起こりづらいと考えられます。
歯がもろくなるといわれている理由
どうしてホワイトニングは歯がもろくなると不安に思う人がいるのでしょうか?
ホワイトニングをすると、歯に痛みを感じたり歯茎が痛むことがあります。
そう言った症状が一時的に起ることから、「歯がもろくなった」と感じる人がいると考えられます。
具体的には、次のような症状が出ると歯がもろくなったと感じやすいようです。
・知覚過敏
・歯茎に痛みが出る
・ホワイトニングに使用する薬剤に悪いイメージを持っている
・歯の表面がザラザラになる
・白い斑点ができた
これらの症状について、さらに詳しく解説していきましょう。
知覚過敏の症状が出やすい
ホワイトニングの直後は、一時的な知覚過敏が起こりやすくなります。
ホワイトニングに使用される薬剤は、歯の表面の汚れや色素をとりのぞく作用があります。
その一方で、薬剤には歯のエナメル質を薄くしたり、剝がしてしまう作用もあるのです。
この結果、エナメル質に守られている象牙質がむき出しになり、歯がしみるようになってしまいます。
ホワイトニング後の知覚過敏は1日たてばほぼ元に戻るため、それほど心配することはありません。
歯茎に痛みがでることがある
ホワイトニング剤が歯茎にふれると、痛みを感じることがあります。
歯科医院でおこなうオフィスホワイトニングの場合は、歯茎に薬剤がかからないよう歯茎を保護するためこのいった痛みはおこりません。
ですが、自宅でマウスピースを使用するホームクリーニングの場合は、薬剤の量を間違えて薬剤が漏れてしまい、歯茎に痛みがでてしまうことがあります。
薬剤は適切な量を使用し、扱いには注意しましょう。
ホワイトニングに使用する薬剤の成分に悪いイメージを抱いている
ホワイトニングの主要成分である過酸化水素(オキシドール)は、高濃度の液体が肌にふれると炎症を引き起こす可能性があります。
過酸化水素の性質から、ホワイトニングをおこなうと歯がもろくなると考える人がいるかもしれません。
ですが、歯科医院で使用されるホワイトニング剤は、歯科医院が適切な量と方法で使用しているため、歯にダメージを与えることはありません。
歯の表面がザラザラになる
もともと歯の表面が粗末な方は、ホワイトニング直後のペリクル(歯を覆っている皮膜のようなもの)がない状態だと、歯の表面がザラザラしたように感じるかもしれません。
ペリクルは歯を覆う液体の被膜のようなものです。ホワイトニング後に、トリートメントペーストで仕上げ磨きをおこない、ミネラルを補給することで表面のザラザラは改善できます。
白い斑点ができた
歯にはエナメル質の薄いホワイトスポットという場所があります。ホワイトニングをおこなうことで、このエナメルスポットと呼ばれている白い部分が目立ちやすくなるのです。
ホワイトスポットがある場合、ほとんどの歯科医院ではそのリスクを患者に説明しています。
ホワイトニングで注意すべきこと
ホワイトニングは、ホワイトニング剤にライトを当て化学反応によって歯に沈着した色素をとりのぞく施術方法です。
歯科医院でやる必要もあり、ホワイトニングに不安を覚える方もいるでしょう。そんな不安をとりのぞくには、どうしたらいいのでしょうか?
カウンセリングを受け不安をとりのぞく
ホワイトニングにおける疑問や不安を改善するために、施術前に歯科医院によるカウンセリングを受けましょう。
ホワイトニングは、効果や施術時に感じる痛みの感じ方に個人差があります。
虫歯や歯周病の方、知覚過敏の方、歯の黄ばみが強い方などは特に自分の状況をきちんと理解しておくことが大切です。
特に以下のことを質問することは大切です。
・どのくらいの白さになるのか
・治療期間
・効果はどのくらい続くのか
・薬剤の適切な量
・ホームホワイトニングをおこなうさいに、マウスピースを何時間つけるのか
など。
思いつく疑問点を、紙などに箇条書きにして整理するといいでしょう。
施術前に、自分が疑問や不安に思っていることを整理することも大切な作業です。
ホワイトニング後の注意事項を守る
ホワイトニングの施術後は、医師から言われた注意事項を必ず守りましょう。
例えば、ホワイトニングで使用する薬剤は歯を保護している皮膜のペリクリを一時的に除去してしまいます。ペリクルは約12から24時間でもとにもどります。
ですが、そのあいだ歯を痛めないために、飲食には注意が必要になります。
特に酸性の食事は刺激が強く、痛みを感じることもあるので避けるようにしましょう。
ホワイトニングによる影響を最小限にする方法
ホワイトニング後に知覚過敏や、歯茎の痛みなどに悩まされることがあります。そのような影響を最小限に食い止める方法を解説いたします。
低い濃度のホワイトニング剤を使用する
ホームホワイトニングはホワイトニングの薬剤をマウスピースに注入し、一定時間装着して歯を白くする方法です。
ホームホワイトニングの場合、低濃度の薬剤を使えば治療期間は伸びますが刺激や痛みは少なくなります。
柑橘類や酸性の飲食物を控える
ホワイトニングをした後の24時間は、柑橘類や酸性の飲食物を控えましょう。
ホワイトニング直後は、エナメル質を守るペリクルといわれる被膜が剥がれており、エナメル質が剝き出しの状態です。
強い酸性の飲食物を食べると、エナメル質を傷つける可能性があります。
なるべく、歯の表面を傷つけないよう飲食物などには気を遣いましょう。
知覚過敏専用歯磨剤やミネラル補給ペーストを使用する
ホワイトニング後の知覚過敏の対策として、カリウムやリンでミネラルが補給できるミネラル補給ペーストを使用するといいでしょう。知覚過敏に効果のある硝酸カリウム、乳酸アンモニウム配合の歯磨き剤も活用できます。
自己流のホワイトニングはNG
歯科医院でおこなうオフィスホワイトニングや、歯科医院の指導のもと家でおこなうホームホワイトニングなどはいずれも専門家の指導のもとおこなわれるものです。
では、自分で実践するセルフホワイトニングはどうでしょうか?
市販のホワイトニング剤やサロンでおこなう歯のお手入れなどはかまいませんが、自己流のホワイトニングだけはしないように気をつけましょう。
間違った施術をおこなうことで、歯を傷つけてしまう可能性があるからです。それどころか、自己流のホワイトニングは歯をもろくさせる原因にもなりえます。
そんな危険な自己流のホワイトニングについて解説いたします。
ネットの情報をもとにしたホワイトニング
ネットの情報をもとにしたホワイトニングは危険です。
インターネットには、「家庭で簡単にできるホワイトニング」といったテーマで、誤ったセルフホワイトニングの紹介がされていることがあるからです。
たとえば、次のような例があげられます
・アルミホイルと重曹を使う方法
・バナナの皮を使う方法
・メラミンスポンジを使う方法
上記の方なホワイトニングは、歯にダメージを与え、虫歯や知覚過敏のリスクを増大させる可能性があります。簡単にできるからと、絶対に試さないでください。
海外輸入の薬剤を使ったホワイトニング
海外製のホワイトニング剤を個人輸入するさいにも注意が必要です。
日本人は欧米人より歯のエナメル質が薄いため、高濃度のホワイトニング剤の使用によって刺激を受ける可能性が強いからです。
また、アメリカ製のホワイトニング歯磨きや、ホワイトニングテープ(歯に貼る薬剤付きテープ)は、日本では専門の歯科医院でのみ使用できる成分が含まれている場合があります。
使用方法が不明瞭な状態で使うと、歯がもろくなってしまう可能性もあるのです。成分や濃度が不明なホワイトニング製品の個人輸入は控えましょう。
まとめ
結果からいってホワイトニングによって、歯がもろくなることはありません。
なぜなら、ホワイトニングは歯科医院がおこなうことがほとんどであり、適切な施術がなされていれば歯を傷つけることはないからです。
ですが、ホワイトニング後に感じる知覚過敏や歯茎の痛みが、歯がもろくなっていると感じさせている可能性があることについては解説いたしました。
さらに、刺激の強いホワイトニング剤の成分に不安を覚えたり、正しくない自己流のホワイトニングで実際に歯を痛める危険性についても解説いたしました。
海岸歯科室でもホワイトニングを実施しています。
ホワイトニングに関して不安のある方は、事前にカウンセリングを受けましょう。お客様の不安や疑問にきちんと専門の医師がお答えいたします。
監修:理事長 森本 哲郎