ホワイトニングはしみるのか?その原因と対処法を解説!
- 2024年10月27日
- コラム
ホワイトニングは、白く美しい歯を手に入れるために人気のある施術ですが、施術後に「しみる」という不快な症状に悩まされる人も少なくありません。
このしみる症状は、ホワイトニングの過程で歯や歯茎に起こる反応によるものですが、原因や予防法、対処法を知っておくことで、しみる症状を軽減できます。
そこで今回は、ホワイトニングがしみる原因とその対処法、さらに予防策までを詳しく解説していきますので、これからホワイトニングを検討している方や、すでにしみる症状に悩んでいる方は是非参考にしてみてください。
ホワイトニングはしみるのか?
ホワイトニングを経験した方の中には「しみる」という症状を経験しています。
このしみる感覚は、ホワイトニング施術の一般的な副作用の一つで、特に知覚過敏を持つ方や歯茎が弱っている方に起こりやすいのです。
しかし、なぜこのようにしみてしまうのでしょうか?
ホワイトニングがしみる理由とは?
ホワイトニングがしみる主な理由は、使用される薬剤が歯の表面にあるエナメル質を通過し、歯の内部にある象牙質に影響を与えることにあります。
象牙質は、神経に繋がる無数の微小な象牙細管とよばれる管で満たされており、ホワイトニングの際の薬剤がこれに触れることで神経が刺激されてしまい、その結果歯がしみる感覚が引き起こされてしまいます。
ホワイトニングで使用される薬剤には、過酸化水素や過酸化尿素などの漂白成分が含まれていて、こういった成分が歯の表面を通過し、歯の内部に到達する際、神経に届くため、一時的に歯が冷たいものや熱いものに敏感になるのです。
特に、歯の表面にダメージやすり減りがある場合、薬剤がさらに深部に浸透しやすく、しみやすくなります。
ホワイトニングでしみる人の特徴とは?
しみる症状が出やすい人にはいくつかの特徴があります。
次のような人は特にホワイトニングでしみやすい傾向にあります:
- 知覚過敏を持っている人: 知覚過敏が既にある人は、ホワイトニング薬剤による影響を強く感じることがあります。知覚過敏は、エナメル質が薄くなっている状態や、象牙質が露出している場合に起こります。
- 歯茎が退縮している人: 歯周病や加齢によって歯茎が下がり、歯の根元が露出している場合、その部分にはエナメル質がなく、象牙質がむき出しの状態になっています。これにより、ホワイトニング薬剤が直接象牙質に影響を与え、しみる感覚を引き起こすのです。
- エナメル質が薄い人: エナメル質が薄い人は、歯の内部にある象牙質がむき出しになりやすいため、ホワイトニング薬剤が深く浸透して神経を刺激することが多く、しみる感覚が強くなります。
- 過去に多くの歯科治療を受けた人: 過去に詰め物やクラウン、インプラントなどの治療を受けている場合、その部分の歯はホワイトニングの影響を受けにくいのですが、隣接する自然な歯には薬剤が影響を与え、しみることがあります。
ホワイトニングでしみる症状はいつまで続く?
ホワイトニング後にしみる症状は、一般的に数時間から数日間続きますが、染みる期間には個人差があります。
軽度のしみる症状であれば、施術後数時間で治まることがほとんどですが、知覚過敏を持つ方や歯茎が下がっている方では、1週間程度かそれ以上続く場合もあります。
ホワイトニングの薬剤が歯の表面から徐々に除去されることで、しみる感覚も和らいでいきます。
ただし、1週間以上しみる症状が続いたり、痛みが強い場合は、何らかの異常がある可能性があるため、早めに歯科医に相談することをオススメします。
ホワイトニングでしみる原因
ホワイトニングがしみる原因は主に歯の構造や薬剤の作用によるものですが、歯や歯茎の状態、過去の歯科治療歴なども大きく影響します。
続いて、ホワイトニングでしみる主な原因について詳しく見ていきます。
エナメル質の損傷が原因
エナメル質は歯の表面を覆っている非常に硬い層で、歯を外部からの刺激や衝撃から守っています。
しかし、エナメル質が薄くなっている場合や、すり減っている場合、ホワイトニング薬剤が象牙質に直接作用しやすくなっていしまいます。
象牙質はエナメル質よりも柔らかく、多くの神経に繋がる細管を含んでいるため、外部からの刺激に非常に敏感です。
さらにエナメル質の損傷は、過去の虫歯治療や酸性の食べ物、飲み物の摂取、歯ぎしりなどによって引き起こされることが多くなります。
ホワイトニングを行う前に、自分のエナメル質の状態を確認し、必要であればフッ素処置などの保護処置を施すことが重要なのです。
歯茎が下がっているとしみやすい理由
歯茎が下がると、歯の根元部分が露出し、そこにはエナメル質が存在しないため、ホワイトニング薬剤が直接象牙質に到達しやすくなっています。
そのため象牙質が露出していると、温度変化や酸性の刺激に敏感に反応しやすく、ホワイトニング薬剤がしみやすくなってしまうのです。
歯茎が下がる原因としては、歯周病や加齢、過度なブラッシングなどが挙げられます。
ですからホワイトニングを行う前に、歯茎の健康状態を確認し、必要に応じて歯周病の治療を先に行うようにしてください。
過去の歯の治療歴が影響する場合
過去に行った歯科治療も、ホワイトニングの際にしみる原因となることがあります。
特に、根管治療を受けた歯や無髄歯は、神経が除去されているため、ホワイトニング薬剤が直接作用しないことが多く、その周囲の自然な歯が薬剤に反応してしみることがあります。
その他に、詰め物やクラウンがある場合、これらはホワイトニングの効果を受けないため、その周辺の歯との色ムラが生じることもあります。
ホワイトニングでしみたときの対処法
ホワイトニングでしみる症状が出た場合でも、適切な対処法を知っていれば、痛みを和らげることができます。
ではしみたときの効果的な対処法には、どのようなものがあるのかについて見ていきましょう。
鎮痛剤や痛み止めの使用法
しみる症状が強い場合、市販の鎮痛剤や痛み止めを使用することで、痛みを一時的に和らげることができます。
例えばイブプロフェンやアセトアミノフェンなど、炎症を抑える成分が含まれた鎮痛剤は、歯の神経の炎症を抑える効果があります。
ただし、長期的な使用は避け、必ず用法や用量を守って使用してください。
鎮痛剤を使う際には、しみる症状が特にひどい時間帯に合わせて服用することで、最も効果的に痛みを和らげることができます。
シュミテクトなど知覚過敏に有効な歯磨き粉の使用
シュミテクトなどの知覚過敏用の歯磨き粉を使用することも、しみる症状を緩和する効果的な方法です。
このタイプの歯磨き粉には、神経を保護する成分や、歯の表面に保護膜を形成する成分が含まれており、外部からの刺激を和らげてくれます。
具体的にはホワイトニング後、1週間程度この歯磨き粉を使用することで、知覚過敏症状を軽減できます。
シュミテクトなどの歯磨き粉を使用する際は、1日2〜3回の頻度で継続的に使用し、優しく歯を磨くことがポイントです。
あるいは歯科医と相談して適切な歯磨き粉を選ぶのも効果的です。
ホワイトニング後の飲食に注意する
ホワイトニング直後の歯は、薬剤の影響で一時的に敏感になっているため、特定の食べ物や飲み物を避けるようにしてください。
特に以下のような食品はしみる症状を悪化させる可能性があるため注意しましょう:
- 冷たい飲み物(氷入りの飲み物、アイスクリームなど)
- 酸性の飲食物(レモン、酢、柑橘類など)
- 熱すぎる飲食物(熱いお茶、スープなど)
- アルコールや炭酸飲料
ホワイトニング後はできるだけ刺激の少ない食事を摂り、温度差の大きい飲食物を避けることが、しみる症状を軽減するポイントです。
ホワイトニングでしみるのを予防する方法
ホワイトニングによるしみる症状を予防するためには、施術前に適切な準備を行うことが重要となります。
ではホワイトニングによるしみを予防するためにはどのような方法があるのでしょうか。
ホワイトニング前に虫歯の治療を済ませる
虫歯がある状態でホワイトニングを行うと、虫歯の部分に薬剤が浸透し、しみる症状が悪化することがあります。
ですから虫歯がある場合、まず虫歯治療を行い、ホワイトニングを安全に受けられる状態に整えておきましょう。
ホワイトニング施術前には必ず歯科医に口腔内をチェックしてもらい、虫歯がないか確認してください。
歯周病の治療を先に行う
歯周病が進行している場合、歯茎が下がり、歯の根元が露出してしまいます。
この状態でホワイトニングを行うと、薬剤が歯根に直接触れて強いしみる感覚を引き起こします。
歯周病の治療を行い、歯茎の健康状態を改善してからホワイトニングを行っておけば、しみるリスクが軽減できます。
フッ素コーティングやホワイトニング剤の濃度を調整する
ホワイトニング前にフッ素コーティングを行うことで、歯のエナメル質を保護し、しみる症状を予防できます。
フッ素は歯の表面に強力な保護膜を形成し、外部からの刺激を緩和します。
ホワイトニングの薬剤の濃度を調整することも重要です。初めてホワイトニングを受ける場合や、知覚過敏がある場合は、低濃度の薬剤を使用することでしみるリスクを減らすことができます。
まとめ
ホワイトニングは歯を白く美しくする素晴らしい方法ですが、しみる症状が伴うことがあるため、その原因と対処法を知っておくことがとても重要となります。
エナメル質の損傷や歯茎の退縮、過去の治療歴などがしみる原因となりますが、鎮痛剤や知覚過敏用の歯磨き粉、フッ素コーティングなどの方法で症状を和らげられます。
ホワイトニング前に虫歯や歯周病の治療を済ませることも、しみるリスクを減らすために効果的です。
このような沁みる対策をしっかりしておき、さらに万一染みてしまったときの対処法を理解しておけば、より快適にホワイトニングの効果を体験できるはずです。
監修:理事長 森本 哲郎