歯のスピード矯正は、効率的かつ迅速な歯の矯正治療法として知られています。

 

通常の矯正治療に比べて治療期間を短縮できる理由や具体的な期間、また、スピード矯正の特徴や具体的な治療方法について解説し、矯正治療を希望する方々に役立つ情報をお伝えします。

 

スピード矯正とは

スピード矯正とは、その名の通り、従来の矯正治療に比べて治療期間を大幅に短縮するための矯正治療法の一つです。これは特別な矯正器具や技術を使用し、より迅速に歯を所望の位置に移動させることを目指します。

 

矯正治療には通常数年を要しますが、スピード矯正を用いれば数ヶ月から1年程度で治療が完了することも可能です。ただし、スピード矯正も一部の患者にのみ適用可能であり、また短期間での大きな歯の移動には特定のリスクが伴う可能性もあります。したがって、スピード矯正を選択する前に、十分な専門的なアドバイスと考慮が必要となります。

 

スピード矯正治療の具体的な治療法

スピード矯正治療といっても、矯正方法は沢山あります。それぞれに特徴やメリットがあるため、理解したうえでどの方法を選択するかが重要です。

 

以下で詳しく説明します。

コルチコトミー法

コルチオトミー法は一つの治療方法です。この手法では、歯の周囲の骨組織を一部切除することで、歯の移動を迅速化します。

 

具体的な例としては、歯科医師が歯茎に小さな切開を行い、骨組織を調整します。

 

コルチオトミー法は、成熟した骨組織がある成人患者に適しています。適切な経過観察とケアが重要です。

オステオトミー法

オステオトミー法は歯の骨組織を一部切除し、歯を迅速に移動させることで矯正する方法です。

 

具体的には、歯科医師が歯茎に小さな切開を行い、周囲の骨組織を調整します。このプロセスによって、歯がより速く移動し、治療期間を短縮できます。

 

オステオトミー法は、一般的に骨が十分に成熟している成人患者に適しています。治療後は、適切な経過観察と適切なケアが重要です。

 

オーソパルス(光加速治療)

オーソパルス法は一つの治療方法です。この手法では、特殊な超音波装置を使用して歯の骨組織を刺激し、歯の移動を促進します。

 

具体的には、歯科医師が超音波振動を歯に対して照射することで、骨の再構築を活性化させ、歯の移動を迅速化する効果があります。

 

オーソパルス法は非侵襲的で痛みも少なく、治療期間の短縮に効果的です。この治療法は、成人患者や特に矯正治療が進まない場合に適しています。

カリエール・モーション

カリエール・モーション法は特殊な装置を使用して歯を効率的かつ迅速に移動させられます。

 

具体的には、矯正装置によって歯を固定し、歯の移動を制御します。その後、特殊なモーションを加えることで、歯をより速く移動できます。

 

通常の矯正治療よりも短期間で結果を得ることができ、特に時間が制約されている患者に適しています。

 

インプラント矯正

インプラント矯正は、歯の欠損部分に人工の歯根(インプラント)を埋め込み、それによって歯を補完すると同時に、歯列の矯正も行います。

 

具体的には、歯科医師が歯槽骨にインプラントを埋入し、その上に人工の歯を取り付けます。この方法によって、欠損した歯を補うだけでなく、周囲の歯の位置も整えられます。

 

インプラント矯正は、歯並びの改善と同時に歯の機能を回復させるため、見た目や咀嚼機能の回復に効果的です。

 

また、インプラントは人工の歯根としてしっかりと固定されるため、長期的な安定性と耐久性を提供します。

部分矯正

部分矯正治療は、歯列の一部分にのみ矯正を行い、特定の歯の位置や咬合を改善します。

 

具体的な例としては、前歯の歯並びが乱れている場合や、特定の歯が突出している場合などが挙げられます。

 

部分矯正治療では、一般的にブラケットやワイヤーを使用して歯を調整しますが、他の歯には装置を使用しないこともあります。治療期間を短縮し、特定の歯の位置を的確に修正することが可能です。

 

部分矯正治療は、個々の症例に応じてカスタマイズされるため、歯科医師との相談が重要です。

 

スピード矯正治療のメリット

通常矯正治療と比べてメリットがあります。全部で3つのメリットがあるため、詳しく把握しておくと良いでしょう。

 

以下で詳しく解説します。

①通常の矯正治療と比べて約半分の期間で治療可能

歯のスピード矯正は、通常の矯正治療に比べて治療期間が約半分で済むという利点があります。

 

一般的な矯正治療には2年以上かかる場合でも、スピード矯正を適用することで1年以下で治療が完了することがあります。

 

この短期間での治療が可能な理由は、スピード矯正には特殊な矯正装置や技術が使用されているからです。具体的にはコルチコトミー法やインプラント矯正に使われる機器です。

②抜歯の必要がなくなる

通常の矯正治療と比較して抜歯の必要性が減少するという特徴があります。

 

具体的な例を挙げると、従来の矯正治療では歯列の狭さや歯の重なりなどの問題がある場合に、抜歯を行うことがありました。

 

しかし、スピード矯正では最新の矯正技術や装置が活用されるため、歯の移動をより効率的に行えます。狭い歯列や歯の重なりを改善しながらも、抜歯を回避できます。

 

③歯への負担がなくなる

スピード矯正では、歯への負担が軽減されるという特徴があります。最新の矯正技術や装置を使用することで、歯の移動をより効果的かつ快適に行えます。

 

例えば、柔軟性のあるワイヤーや特殊なブラケットシステムが使用され、歯にかかる力や摩擦を最小限に抑えられます。

 

また、個々の症例に合わせた治療計画が立てられるため、歯への負担を最小限に抑えながらも効果的な歯の移動がしやすくなります。

 

さらに、矯正装置のデザインや材質も進化しており、装着感や見た目の違和感が軽減されています。

 

スピード矯正治療をする際の注意点

スピード矯正治療にはメリットもありますが、それに伴い注意点も存在します。注意点も把握したうえで、実際に治療を受けるかを判断しましょう。

①通常の矯正治療よりも費用がかかる

歯のスピード矯正治療は、通常の矯正治療に比べて費用が多少高くなることがあります。

 

具体的にはスピード矯正では最新の矯正技術や特殊な矯正装置を使用するため、それに伴う費用がかかることがあります。

 

例えば、特別なワイヤーやブラケットシステム、さらには専用のソフトウェアや検査機器などが必要となる場合があります。

 

また、治療期間が短縮されるため、通常の矯正治療に比べて短期間で効果を得られますが、その分治療にかかる時間や労力も増えることがあります。その分、通常の矯正治療よりも費用が多少高くなる場合があります。

②スピード矯正治療を行える医院が少ない

歯のスピード矯正治療をする際の注意点として、スピード矯正を行える医院が少ないということが挙げられます。

 

具体的な例を挙げると、スピード矯正は最新の矯正技術や特殊な矯正装置を使用するため、それに対応できる歯科医院が限られています。特定の装置や技術を導入するためには高度な研修や設備の整備が必要となるからです。

 

歯科医院を選ぶ際には、専門性や取り扱っている矯正装置について事前に調査することが重要です。

まとめ

スピード矯正治療は通常の治療よりも約半分の治療期間で治療できたり、抜歯の必要がなかったりなどのメリットがあります。

 

方法も複数あり、用途や治療の具体的な方法によって分かれています。

 

海岸歯科室ではコルチコトミー法やインプラント矯正治療を主に扱っています。医師との入念な打ち合わせを通して、理想の歯列を手に入れましょう。

 

監修:理事長 森本 哲郎