「第二の永久歯」や「第三の歯」と呼ばれるインプラント治療は、その機能性・審美性から関心や認知度が高まっています。入れ歯やブリッジ以外の選択肢として、インプラント治療を検討している方も多いのではないでしょうか。
 
しかし、インプラント手術中の痛みや術後の傷口など、経過が気になり治療に踏み込めない方が少なくありません。あまりにも痛みや術後の安静期間が長いようでは、日常生活に支障をきたしてしまいますよね。
 
そこで今回は、インプラント治療の痛みについて解説します。痛みを少しでも抑える方法もあわせて紹介するので、インプラント治療を検討している方はぜひ参考にしてください。
 

インプラント治療で痛みを感じるタイミング

痛みの感じ方には個人差がありますが、どのような方でも極力痛みを避けた治療を受けたいですよね。インプラント治療で痛みを感じるタイミングは、主に以下の4つです。
 

  • 麻酔注射
  • 手術中
  • 手術後の1~2週間
  • 抜糸

 
では、それぞれの項目をくわしく解説します。
 

麻酔注射

麻酔注射

インプラント治療は、局所麻酔を行って治療を進めます。歯科で使用される麻酔針は、痛みを少しでも軽減できるよう極細タイプが採用されていることが多いでしょう。刺す瞬間のチクッとした痛みを緩和させるために、表面麻酔を併用する医院もあるため、麻酔による痛みに過剰な心配はいりません。ただし、麻酔液を注入する際に違和感のような痛みを感じることがあります。
 

手術中

基本的に手術中は麻酔が効いているため痛みを感じることはほとんどありませんが、麻酔の量が少なかったり、手術が長時間におよび麻酔が切れてしまったりした場合は、痛みを感じることがあります。また、人によっては麻酔の効きが悪いこともあるでしょう。手術中に麻酔が切れてしまうことがどうしても心配な場合は、医師へ痛みに敏感であることを伝えておきましょう。
 

手術後の1~2週間

手術直後から1~2週間ほどは、外科手術による痛みや腫れがでる可能性があります。適切な処置を施していれば、耐えられないほどの激痛や流血する心配はありませんが、術後の過ごし方によっては痛み・腫れを誘発するケースもあります。血流がよくなる行為(長風呂や激しいスポーツなど)、飲酒・喫煙などを避け、医師の指示を守りながら安静に過ごすように心がけましょう。
 

抜糸

インプラント手術では、インプラント埋入のために切開した歯茎を縫合して、約1週間後に状態が良好であれば抜糸します。痛みに敏感な方は、糸を抜く際にわずかなチクチクとした痛みを感じることがあるでしょう。しかし、ほとんどの場合、処置にそれほど時間がかからないため麻酔は使用されません。気にならない方が多いですが、心配な方は医師へ相談してみましょう。
 

インプラント治療中の痛みを少しでも抑えるためのポイント

インプラント治療を完全無痛で終わらせることは困難ですが、なるべく痛みを抑えた状態で治療を受けたい方がほとんどでしょう。インプラント治療中の痛みを抑えるためのポイントは、以下の2つを意識してみましょう。
 

  • 痛みに配慮した歯科医院を選ぶ
  • 医師に伝える

 
では、それぞれくわしく解説します。
 

痛みに配慮した歯科医院を選ぶ

インプラント治療には、主に局所麻酔が使用されますが、手術中の痛みに配慮された医院では笑気麻酔や静脈内鎮静法を用意しているケースがあります。うとうとした状態で手術を受けられるため、痛みはもちろん不安や恐怖心もあまり感じることなく手術を終えられるでしょう。気づいたころには手術が終わっているため、痛みを避けたい方におすすめです。麻酔に関する不安がある方は、麻酔科医が在籍している医院を選ぶとよいでしょう。
 

医師に伝える

手術後の痛みは自分で対応できるものの、手術中の痛みはコントロールできません。痛みに敏感な場合は、必ず事前に医師へ相談してどのような対応をしてもらえるのか確認しておきましょう。歯科治療で麻酔が効きにくかった経験のある方は、当時の様子などを伝えておくと医院側が参考にしてくれます。
 
また、治療中に少しでも痛みを感じた場合は、我慢せずにすぐ伝えることも大切です。必要であれば途中からでも笑気麻酔などを導入し、リラックスして受けられるよう対応してくれるでしょう。
 

インプラント治療後の痛みへの対処法

インプラント治療後の痛みへの対処法

手術後の過ごし方などに十分注意していても、どうしても痛みがでてしまった場合もあります。できるだけ痛みがでないように、以下のポイントに気を付けましょう。
 

  • 痛み止めを服用する
  • 飲食物に注意する
  • 運動や入浴は避ける

 
では、それぞれくわしく解説します。
 

痛み止めを服用する

インプラント治療の後は、医院から感染防止の抗生物質と痛み止めが処方されます。痛みが強い場合は、痛み止めを服用して様子を見ましょう。また、処方された薬をしっかり服用していないことが原因で痛みがでる可能性もあります。用法・用量を守って服用するようにしましょう。
 
ただし、薬をしっかり服用しても痛みや出血が続く場合は、速やかに医師へ連絡して適切な処置を受けましょう。自己判断で様子を見ることは、大変危険です。
 

飲食物に注意する

手術直後の2~3時間ほどは、麻酔が効いた状態のため飲食は控えるようにしましょう。当日は、傷口に食べ物が当たらないように注意し、できるだけ柔らかいものから食べるようにしましょう。2~3日間は、痛みを誘発する恐れがあるため飲酒も控えることが望ましいです。
 
また、手術を受けた側でこれまでと同じような食事をしてしまうと傷口から出血したり、インプラント体がズレることによって痛みがでたりする可能性があります。医師から指示があるまでは、傷口に食べ物が当たらないように反対側で食事を取るようにしましょう。
 

運動や入浴は避ける

運動や入浴は避ける

手術後1~2日ほどは、血流のよくなる行為を避ける必要があります。湯船につかって長風呂や、サウナ・温泉、ウォーキングなどの軽い運動を避けるようにしましょう。プールやスポーツジム、ジョギングなどの激しい運動も、手術後1週間ほどは控えることが望ましいです。仕事や家事も軽めに終わらせられるように調整しておくと安心でしょう。
 
血流がよくなってしまうと、傷の治りが遅くなったり出血・痛みを誘発したりしてしまいます。仕事や学業で忙しく活動量が多い方は、連休前にインプラント治療を受けるなどの工夫が必要です。医師とよく相談して日程を決めるようにしましょう。
 

まとめ

インプラント治療の痛みについて解説しました。インプラント治療は外科的処置がともなうため、どうしても身構えてしまいますが、医師の指示を守って過ごしていれば過度な心配はいりません。術後はできるだけ安静に過ごし、経過観察の受診も欠かさないようにしましょう。どうしても痛みに関して心配であれば、事前に医師へ伝えて対応を確認しておくと安心です。
 
海岸歯科室では、国際インプラント学会の指導医である院長が、一人ひとりに最適な治療計画を作成しています。インプラント治療に関する不安や疑問に耳を傾け、患者さんの立場に立つ対応を心がけているため、インプラント治療を検討している方、インプラント歯科探しでお困りの方は、お気軽に海岸歯科室へご相談くださいませ。
 
監修:理事長 森本 哲郎